太陽とひまわりの仲間達との暗殺教室   作:籠野球

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皆さんどうも籠野球です。

プロローグ①となっていた所からも分かると思いますが、プロローグの続きとなっています。今回でプロローグは終わって次回から本編に入ります。

それでは、どうぞ!!



プロローグ② 依頼の時間

太陽side

 

停学を言い渡されたあの日から2週間後、俺達は居間の卓袱台の四方に座りながら学校から出された大量の課題を終わらせながら話し合っていた。

 

「後2週間か、まだまだ長いな」

「しょうがねえさ、30人近くもボコボコにしたんだ。むしろよくこれだけですんだもんだよ」

「太陽と威月はA組だからね。学校からしても退学はまずいんじゃないかな」

 

威月と登志の返しに、俺は停学を受けた日の事を思い出した。

 

 

 

「君達はE組行きだ」

「・・・ま、そうでしょうね」

 

 不良共をボコボコにした翌日の朝、俺達は理事長室に呼び出され、理事長―――浅野(あさの) 學峯(がくほう)にそう告げられた。

 

「それちょっとおかしくねえっすか?確かに俺達は奴らを病院送りにした。でもそれは、内の女子生徒を守る為、俺達から売った喧嘩じゃないんすよ?」

「そういう問題じゃない。前々から君達、特に神木君の暴力事件は問題になっていたんだ。今回も含め、全部揉み消してきたが流石に人の噂までは消せないからね。」

 

威月の文句にも、理事長はそう返すだけだった。・・・取り付く島もないな。

 

「そもそも、彼女はE組だ。彼女がどうなろうが構わないが、君達に何かあった方が困るんだ。」

「!! そうですか・・・分かりました」

 

迷い無くそう言い切った理事長に納得はいかなかったが、これがこの人の教育理論な以上、何言っても無駄だろうな。

 

「・・・ちなみにだが、神木君に水守君は留まる事も特別に認めるが、どうする?」

「大賀や登志はどうなるんですか?」

「当然、2人はE組だ。あくまで君達2人だけだ。どうす「断ります。」」

「俺もっすね、話になりません。」

 

理事長の提案を俺と威月は一蹴した。大賀や登志がE組だってのに、俺達だけA組なんて納得いくわけねえ。

 

「フー・・・分かった。では改めて言い渡そう。"神木 太陽"、"水守 威月"、"九澄 大賀"、"伊勢 登志"。以下4名には、1ヶ月の停学。並びに、停学明けのE組行きを命ずる―――」

 

 

 

(・・・ま、どのみちあの人の考えは好きじゃないし、丁度いいや) 

 

 そう考えていると廊下側の襖が開いて、大賀が4人分のお茶を持ってきながら居間へと入ってきた。

 

「はい、お茶」

「おー、サンキュー」

 

俺は差し出されたお茶を礼を言いながら受け取った。大賀はそのまま威月と登志にお茶を差し出した後、自分のお茶を持ちながら卓袱台の残った一方に座りこんだ。

 

普通、停学中に家の外に出てはいけないだろう。だが俺達は問題なかった、なぜなら()()が俺達の家だからだ。

 

孤児院「ひまわり」

 

名字も違う俺達は幼い頃からこの孤児院で育ってきた。血もつながっていない俺らだけど、この家の皆はお互いにとっても大切な家族だ。

 

「それにしても"実徳(じっとく)"さんにも迷惑かけちゃったよな・・・」

 

俺がこの孤児院の経営者でもあり、俺達の父親的存在の神木 実徳(かみき じっとく)に対しての反省を口にすると、3人は苦笑いを浮かべながら、

 

「喧嘩した理由を話したら許してくれたし、大丈夫じゃないかな」

「今更後悔しても仕方ねえし、停学後にまた頑張ろうぜ」

「その為にも、ちゃんと課題を終わらせないとな」

「・・・そうだな!頑張ろうぜ!」

 

そんな風に4人の気持ちを一つにし、再び課題に取り組もうとしたその時だった―――――

 

「ピンポーン」

 

 突然鳴った呼び鈴に俺達は顔を見合わせた。まだ小学生組が帰ってくるには早い時間だからだ。

 

「う・・・ん」

「あっ、華」

 

まだ3歳で、居間の端っこで昼寝をしていた神木 華(かみき はな)が、その音に起きかけたのに大賀が気づき、様子を見にいったのを横目に俺は立ち上がった。

 

「俺が出ようか?」

「いや、俺が出るよ」

 

威月の誘いを断って俺は襖を開けた。そのまま廊下を歩き玄関前にたどりつき、扉を横に開けた。

 

 そこには、黒スーツを着た、一目見て強いと分かる男性が立っていた。

 

「突然すまない、この孤児院に神木 太陽君達四人がいると聞いて来たんだが」

「ええ、俺が神木です。何かご用ですか?」

「ああ、出来れば中で話せないか?あまり外で話せる話ではないんだ」

「・・・分かりました、少々お待ち下さい」

 

強者の雰囲気を纏ったこの人を上げていいものか一瞬迷ったが悪い人という感じがしなかった為、俺はとりあえず片付けの為に居間へと向かった。

 

 

 

 数分後・・・居間の卓袱台を挟んで俺らはこの人と向かい合っていた。

 

「どうぞ、粗茶ですが」

「ああ、ありがとう」

 

再び寝てしまった華を抱きかかえて座る大賀の代わりに登志がお茶を出した後、俺達の横に座ったところで改めて俺が口を開いた。

 

「それで一体、何のご用でしょうか?」

「改めて突然の訪問申し訳ない。私は防衛省の烏間 惟臣(からすま ただおみ)という者だ」

 

(なっ防衛省!?何でこんな人が俺らの前に現れたんだ!?まさかこの前の喧嘩がそんな大ごとに!?)

 

突然の出来事に俺も軽くパニックになってしまった。そんな俺を横目に威月は口を開いた。

 

「で、防衛省の方が中学生の俺達に何の用件ですか?」

「まず、ここからの話は国家機密だと理解してほしい。君達は先日の月破壊事件は知ってるか?」

「? ええ、月の七割が突然消失した事件ですよね」

 

威月と烏間さんの会話を聞きながら、冷静になりながら俺も事件を思い出していた。

 

俺らが停学が始まって1週間後、月が突然7割消失したのだ。当時テレビでは、どこかの国の軍事兵器かと騒がれた程の事件だった。

 

「その犯人が椚ヶ丘中学校3年E組で教師をしている」

「「「「・・・・・は?」」」」

 

あまりにも突然の話に全員が固まってしまった。そんな俺らに烏間さんは、

 

「ちなみにこれがそいつの写真だ。」

 

さらに追い打ちをかけてきた。なぜなら差し出された写真に写っていたのは、どう見ても黄色いタコの様な生き物だったからだ。

 

「えーと・・・これってドッキリですか?」

「それなら良かったんだがな・・・」

 

俺の失礼な質問にも、烏間さんは何一つ怒らずため息をつくだけだった。

 

「とにかく、この話は真実だ。月を破壊したこの生物は来年3月には地球をも破壊する」

「そこまで分かってるのに秘密裏に始末出来ないんですか?」

「もちろん努力はしているがこいつはとにかく速い、最高速度は実にマッハ20だ」

「マッハ20!?いくら何でも桁が違いすぎでしょう!?」

 

あまりにも常識から外れた話に少し混乱してしまった。大賀や登志も話に若干ついてこれてなさそうなそんな中、威月だけは冷静に質問を続けた。

 

「そんな怪物が何でE組の教師を?」

「こいつの狙いは分からん、だが生徒に危害を加えないという条件で政府は了承した。理由は二つ、教師として学校に来るなら監視が出来るし、もう一つは、「生徒が毎日暗殺出来るから・・・ですか?」そうだ」

 

なるほど、ようやく理解できた。つまり今日烏間さんがここに来た理由は、

 

「停学明けにE組行きが決まっている俺達に暗殺の依頼に来たということですか?」

「その通りだ。もし断ると言うのであれば、記憶消去の治療を受けてもらうが」

「「「「・・・・・」」」」

「強制はしないが出来れば引き受けてほしい。暗殺の成功は冗談抜きで地球を救う事になるからな、当然報酬も出る」

「報酬?」

「成功報酬は百億円だ「やります!!!」

 

烏間さんの声に俺は即答した。百億もあれば孤児院も楽になるだろうし、俺らや小学生組、華もちゃんと大学まで進学出来るだろうしな。これは殺るしかない!!

 

「そ、そうか、ありがとう。他の3人はどうするかね?」

「こいつは頭良いくせに言い出したら聞かないですからね、俺らがフォローしてやらないと」

 

苦笑しながらそう言った威月に、大賀や登志も笑いながら頷いた。

 

「ありがとう。君達には無害で奴には有効なナイフと銃を支給する。他に何か必要な武器はあるかね?」

「じゃあ、出来れば日本刀を作ってください。僕は刀の方がいいと思うんで」

 

烏間さんの言葉に登志がそう返した。確かに登志はナイフよりはそっちの方がいいかもな。

 

「分かった、手配しよう。他にはいいか?・・・無いなら今日はここらで失礼しよう。停学明け待っているぞ」

 

そう言い残して、烏間さんは帰っていった。烏間さんが来てから1時間も経たずに大きく変わった状況に、俺達は小学生組が帰ってくるまで終始無言だった。

 

 

 

「ほーら、皆ご飯だぞー」

 

 午後6時過ぎ。何も予定がなければ俺は大体この時間に、飼っているペット達に餌を順番にあげるのが毎日の日課だった。

 

うん、やっぱり生き物は和む。いろいろ考えてグチャグチャになった頭を整理するのにも、やはりこいつらは最高だ。

 

(しかし俺達が暗殺か・・・これもある意味因果なのかな)

 

ようやく全種類のペットに餌をあげ終わった俺は、今日の話を思い出しながら庭に座りこんだ。

 

正直、俺達は戦闘ならかなりの強さだと思っている。でも暗殺となると経験が無いから、どうすれば良いのか分からなかった。

 

「いや、暗殺なんて経験ある方がおかしいんだけどな」

「そりゃあ、そうだろうよ」

 

座った体勢のまま呟いた独り言に返事が返ってきたが、誰かはすぐ分かった。大賀は今頃晩ご飯の準備中だろうし、登志は小学生二人の宿題を見てあげてるのをさっき見たからだ。

 

だから俺は自信を持って、その体勢のまま振り返らずにその名前を呼んだ。

 

「威月」

「おお、何だ太陽?」

 

俺の言葉に返事をしながら、威月は俺の横まで歩いていた。

 

「悪かったな、俺1人で勝手に決めちゃって」

「構わねえよ。どうせお前の事だ、百億あれば孤児院の皆が楽になるからとかそんな考えだろ?」

「う、その通りだ・・・」

「やっぱりな」

 

威月は予想通りだと言わんばかりの表情で俺を見てきた。俺ってそんな分かりやすいのか?

 

「それで、何か殺す手段は思いついたのか?」

「・・・いや、正直まだ思いついてねえ。マッハ20がどれぐらい速いのか想像がつかねえしな」

「まあ、そうだろうな」

 

ということは、威月も俺と一緒なんだらうな。でも、殺さないと百億はもらえねえ。その為にも、

 

「標的を見てみないとな、早く」

「そうだな、まったくこの1年大変な事になりそうだ・・・」

「はは、確かにな。でも、」

「ん?」

 

威月の声に俺は笑いながら立ち上がり、

 

「楽しい1年になりそうだ」

 

そう威月に言いながら、俺は明日から始まる毎日に俺は自分の胸がこれ以上ないくらい躍るのを感じた。

 

 

 

「何でもいいが、俺達まだ停学が2週間残ってるからな」

「それは、言わないでくれよ威月・・・」

 

訂正。明日からではなく、2週間後からだった。




いかがだったでしょうか。

次は4人のプロフィールを投稿する予定です。太陽以外は名字も出てきていませんが、次回の投稿の待っていただけたら幸いです。

それではまた次回お会いしましょう!!
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