太陽とひまわりの仲間達との暗殺教室   作:籠野球

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皆さんどうも籠野球です。

今回は渚VS鷹岡です。
前話で言った通り勝負までは原作通りですが、そこからは変えています。

それでは、どうぞ!!


二十七時間目 才能の時間

太陽side

 

「お前の目も曇ったなぁ、烏間。よりによってそんなチビを選ぶとは」

「鷹岡は素手対ナイフの闘い方も熟知している。全力で振らないと掠りもしないぞ」

「・・・はい」

 

 戦闘の準備に入る3人を、俺を含め全員が黙って見ていた。すると、俺の横にいる威月が話しかけてきた。

 

「なぁ、太陽。大丈夫なのか、渚は?」

「心配か?」

「たりめえだろ。百歩譲って俺ら4人以外から選ぶとしても、何で渚なんだよ・・・」

 

そう呟く威月に大賀や登志も同意していた。だが、俺には何の心配も無かった。

 

「見てれば分かるさ。俺もあの条件なら、渚を選ぶ筈だ」

「・・・?」

 

俺の言葉に威月は疑問に思った様子だったが、俺が何も言わないのを見て無言で渚達を見つめ直した。

 

(渚があの時見せた殺気・・・あれが本物なら、いける筈だ)

「さぁ来い!!」

 

そう考えていると、鷹岡と渚は数メートル離れた状態で向かい合った状態で、鷹岡はそう言った。

 

(どっちにしろ、勝負は一瞬で決まるな・・・)

 

そう思いながら、俺は2人を見つめた。

 

 

 

渚side

 

 僕はさっきの烏間先生の話を思い出していた。

 

(いいか、この勝負は鷹岡にとっては「戦闘」で、自分の強さを見せつける必要がある。対して、君は「暗殺」だ。強さを示す必要もなく、ただ1回当てればいい。そこに君の勝機がある)

(奴はしばらくの間、好きに攻撃させるだろう。それらを見切って戦闘技術を誇示してから、じわじわと君を嬲りにかかるはずだ。つまり、反撃の来ない最初の数撃が最大のチャンス。君なら、そこを突けるはずだ)

「・・・」

 

僕は無言でナイフを見つめた後、()()に辿り着いた。

 

(そうだ、戦って勝たなくていい。()()()()()()()()

 

―――だから、僕は笑って普通に歩いて近づいた。通学路を歩くみたいに、普通に。

 

ポスッ ヒュッ

 

やがて鷹岡先生の左手に当たった僕は、そのまま鷹岡先生の顔に向かってナイフを振った。

 

―――ここで初めて鷹岡先生は気付いたみたいだった、自分が殺されかけている事に。

 

―――鷹岡先生はギョッとして体勢を崩した。

 

(誰だって殺されかけたらギョッとする。殺せんせーでもそうなのだから)

 

―――重心が後ろに偏ってたから、服を後ろに引っ張ったら転んだので、仕留めに行く。

 

―――正面からだと防がれるので、背後に回って確実に。

 

そして・・・

 

ピタッ 「捕まえた」

 

ナイフの峰を当てながら、僕はそう呟いた。

 

 

 

太陽side

 

「「「・・・」」」

(想像以上の才能の持ち主だったな・・・渚の奴)

 

クラス全員が目の前の光景に固まる中、俺はそう考えていた。

 

戦闘の才能でも暴力の才能でも無い、暗殺の才能。コレばかりは俺ら4人もカルマも持ってはいないからな。

 

「あれ・・・峰打ちじゃダメなんでしたっけ」

(普段はどう見ても無害な人間なんだけどな・・・)

 

キョドりながらそう言った渚を見て、俺は苦笑した。

 

「そこまで!!勝負ありですよね、烏間先生」

 

すると、そう言いながら殺せんせーは渚の手からナイフを奪い取ると、

 

ポリポリ 「まったく・・・本物のナイフを生徒に持たすなど正気の沙汰ではありません。ケガでもしたらどうするんですか」

「はは・・・」

(ハッ、よく言うぜ・・・ピンチになったら助けに入ってただろうに)

 

ナイフを食べながらそう言った殺せんせーに渚は苦笑いを浮かべながら立ち上がり、俺は心の中で毒づいた。

 

「やったじゃんか、渚!!」

「ホッとしたよ、もー!!」

 

そこで、ようやく杉野や茅野が代表してそう声をかけながら渚の近くに全員が駆け寄っていき、俺の近くには威月だけが残った。

 

「・・・太陽は知ってたのか?渚の才能」

「薄々感づいてはいたよ。殺気を出した瞬間も何回か見たことあるしな」

「そうか・・・」

 

腕を組みながら話しかけてきた威月に俺は正直に返した。今更嘘をつく必要は無いしな。

 

「・・・(パチーン)」

「いたっ。何で叩くの、前原君!?」

「あ、悪い・・・ちょっと信じられなくてさ」

 

今も目の前で前原に頭をはたかれて疑問をぶつける渚の姿を見て、威月は苦笑いを浮かべながら呟いた。

 

「あんな光景を見ると、とても渚が強そうには見えねえな」

「まあな。でも・・・だからこそ、鷹岡は油断して反応が遅れたんだ。弱そうってのは警戒心を抱かせない、まさに暗殺にとっては重要な才能だからな」

「確かにな・・・でも、こんな時代に暗殺の才能伸ばして渚にプラスになるのか?」

 

ま、確かに暗殺の能力生かせるのなんて普通は無いけど・・・

 

「それを決めるのは渚だろ?俺らがどうこう言うもんじゃねえ筈だ」

「・・・それもそうだな」

 

そう結論づけ、渚達の元へと行こうとしたその時、

 

「このガキ・・・父親同然の俺に刃向かって、まぐれの勝ちがそんなに嬉しいか・・・!」

「チッ、アイツ!!」

(何て諦めワリい野郎だ・・・)

 

渚の背後にいた鷹岡が立ち上がり青筋を浮かべながらそう言ったのを見て、威月は舌打ちし俺は心の中で毒づいた。

 

「もう1回だ!!今度は絶対油断しねぇ、心も体も全部残らずへし折ってやる・・・!!」

「・・・確かに、次やったら絶対に僕が負けます」

 

鷹岡のそんな言葉に、渚は振り返りながらそう言った後、

 

「・・・でも、はっきりしたのは鷹岡先生。僕等の「担任」は殺せんせーで、僕等の「教官」は烏間先生です。これは絶対に譲れません。父親を押しつける鷹岡先生より、プロに徹する烏間先生の方が、僕はあったかく感じます。(スッ)本気で僕等を強くしようとしてくれたのは感謝してます。でもごめんなさい、出て行って下さい」

 

頭を下げながらの渚の言葉に皆は無言の肯定を示した。すると、

 

「黙っ・・・て聞いてりゃガキの分際で・・・大人になんて口を・・・」

「・・・ヤベえぞ、太陽。このままじゃ」

「仕方ねえ、力づくで止めるか・・・」

 

怒りで震えながらそう言った鷹岡を見て、威月がそう言って俺も同意しながら駆け出そうしたが、

 

スッ 「! 大賀!!」

 

無言で渚を守るように鷹岡の前に立った大賀を見て立ち止まった。そんな大賀の行動に、鷹岡は怒りに震えながら口を開いた。

 

「・・・何だ、貴様・・・」

「渚はアンタの出した条件の中で結果を出した筈だ。なのに、それを逆恨みするのはおかしいんじゃねえの?」

「なっ、テメエ・・・」

「命のやりとりにもう1回なんてあるかよ。アンタはもう死んだんだよ、黙って消えろよ」

「っ!!」 ブンッ!!

 

その言葉がトドメとなったみたいだった。鷹岡は声にもならない叫び声を上げながら、大賀に右ストレートを放った。

 

ビッ 「なっ!?やめろ、鷹「烏間先生!!」・・・!?」

 

頬に掠らせながら躱した大賀は、止めに入ろうとした烏間先生に話しかけた。

 

「先に手を出したのはこの人ですし、俺も我慢の限界です。だから・・・1発だけ許可してくれませんか?」

「ハァ・・・分かった。1発だけだぞ」

「ありがとうございます。・・・そんなわけで、今度は俺が相手をしてやるから、かかってこいよ」

「図にのるなよガキがぁ!!」

 

人差し指でクイってやりながら挑発する大賀に、鷹岡はそう言いながら突進していった。

 

ブンッ!! ブオッ!! シュッ!!

 

鷹岡はパンチや蹴りを連続で繰り出していたが、大賀はそれら全てを躱していた。

 

「す、すげぇ・・・大賀の奴、全部躱してやがる・・・」

 

目の前の光景に、岡島が代表してそんな声を上げた。そんなクラス皆に向けて、登志は話し出した。

 

「大賀の身体能力は元々中学生離れしてるんだけど、特に脚力は大人顔負けだからね」

「おまけに今アイツは怒りで攻撃が単調になってるからな。大賀に当たる訳ねえさ」

 

威月もそう言って、その言葉を肯定するかの様に大賀は躱し続けた。

 

ドンッ 「!」

「ハァ・・・ハァ・・・ようやく追い詰めたぞ・・・」

 

すると、大賀は大きな木を背中に背負い、鷹岡は大きく呼吸をしながらそう言った。

 

「マズいぜ、太陽!!あれじゃあ、もう逃げれねえよ!!」

 

前原がそう叫び、クラス皆も不安そうな顔を浮かべた。そんな中、俺ら3人は冷静だった。

 

「逆だよ。大賀があそこまで追い詰めたんだ」

「オマケに鷹岡は考え無しに攻撃し続けたせいで、息も上がってるな」

「さて、アイツあの状態からどんな1発放つつもりだ?」

 

そう話し合ってると、鷹岡は右拳を振り上げ、

 

「くたばれぇ!!」 ブンッ!!

 

そう叫びながら大賀に振り下ろした。

 

スカッ 「なっ!?」

「き、消えた!?」

 

しかし、鷹岡の攻撃は空を切ると、姿が消えた大賀に皆は戸惑いの声を上げた。しかし、俺ら3人は当然見えていた。

 

「ここだよ。」「上だよ、皆。」

「「「!?」」」

 

そんな俺の声と大賀の声は重なり、鷹岡や皆は一斉に上を見た。大賀はいつの間にか5メートル以上の高さの枝に逆さまにぶら下がっていた。忍者かお前は・・・

 

そして、皆が上を向くのと入れ違いに大賀は枝を蹴って加速すると、鷹岡の頭上に落下しながら空中で1回転をして、

 

粗砕(コンカッセ)!!」 ゴンッ!!

 

そう叫びながら、鷹岡の顔面に踵落としを放った。無防備な状態でそれを喰らった鷹岡は一瞬硬直した後、受け身も取れずに倒れ込んだ。

 

(うわぁ・・・大賀の奴、自分の技の中で1発で1番威力の高い技選びやがった・・・)

スタッ 「勝負あり・・・ですよね、烏間先生?」

「あ、ああ・・・そうだな」

 

目の前の光景に若干引いてると、着地した後、そう確認する大賀に烏間先生は驚きながらも頷いた。

 

「お前ちゃんと生きてるんだろうな?そいつ・・・」

「ほどほどに手加減したから大丈夫だよ。仮にも精鋭部隊にいた人間なんだろ?この人」

 

大賀に一応確認をしていると、烏間先生は俺達全員の方へと向き直り、

 

「・・・俺の身内が・・・迷惑かけてすまなかった。後の事は心配するな。俺1人で君達の教官を務められるよう、上と交渉する。いざとなれば銃で脅してでも許可をもらうさ」

「「「「烏間先生!!」」」」

 

烏間先生の話に皆は安堵の表情を浮かべた。それならもう安心だな。

 

すると、鷹岡が倒れたまま呻きながらも話し始めた(生きてた事に少しだけ安堵したのは内緒だ。)

 

「くっ・・・やらせるか、そんな事。俺が先にかけあって・・・」

「交渉の必要はありません」

 

その時、校舎の方からそんな声が聞こえ、俺達が一斉にそっちを向くと、そこには理事長が立っていた。そのままこっちに近づいてくる理事長に殺せんせーは恐る恐る用件を聞いた。

 

「・・・ご用は?」

「経営者として様子を見に来てみました。新任の先生の手腕に興味があったのでね」

(ヤバいな・・・この人の考え方なら、鷹岡に続投させる筈だ)

 

そう考えていると、理事長は身動きが取れない鷹岡の口を開けると、

 

「でもね、鷹岡先生。あなたの授業はつまらなかった。教育に恐怖は必要です。一流の教育者は恐怖を巧みに使いこなす。が、暴力でしか恐怖を与える事ができないなら・・・その教師は三流以下だ(スッ)自分より強い暴力に負けた時点で、()()の授業は説得力を完全に失う」

 

そう言いきりながら鷹岡の口に懐から取り出した紙を突っ込んだ。

 

「解雇通知です。椚ヶ丘中(ここ)の教師の任命権は防衛省(あなたがた)には無い。私にあるという事をお忘れなく」

(た、鷹岡よりもよっぽど怖え・・・)

 

そう言いながら立ち去っていく背中を見ながら、俺はおもわずそう思った。

 

「っ!」 ダダダッ・・・

 

すると、鷹岡はそんな理事長を追い抜いて校舎へとフラフラになりながらも逃げていった。それを見て皆が一斉に喜びの声を上げた。そんな中、威月が苦笑いを浮かべながら話しかけてきた。

 

「鷹岡を切る事で、誰が支配者か見せつけやがったな。どう転んでも、理事長(あの人)の掌の上って事か・・・」

「そうだな・・・ま、今回は素直に感謝しとこうぜ」

「・・・だな」

 

そんな風にお互い苦笑しながら話し合ってると、陽菜乃が声をかけてきた。

 

「太陽くーん、水守くーん、烏間先生が甘い物奢ってくれるって~!!早く行こ~!!」

「はいよー。行こうぜ、威月」

「おう!」

 

俺達はそう返事をしながら、皆の元へと駆け出した。すると、今回ろくな活躍してない殺せんせーは、土下座しながらついてきた。そこまでして食いたいのかよ・・・




いかがだったでしょうか。

というわけで、大賀に蹴ってもらいました。書いててスカッとしました(笑)!!
後、"サンジ"の一撃で威力が高い技と言えばもう1つありますが、あれはマジで殺せそうなのと、使い勝手の良さで「粗砕(コンカッセ)」にしました。
何の技か分からない方は「反行儀」と調べて下さい。

それでは、また次回お会いしましょう!!
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