太陽とひまわりの仲間達との暗殺教室   作:籠野球

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皆さんどうも籠野球です。

申し訳ありません。人狼ゲームと進撃の○人2にはまって今週はパソコン触らなかったので更新出来ませんでしたm(_ _)m
必ず日曜日には投稿するのでこれからも是非読んで頂けたら嬉しいです!!

それでは、どうぞ!!


三十時間目 ビジョンの時間

威月side

 

「ぐすっ・・・ぐすっ・・・」

「なによ。さっきから意味も無く涙流して」

 

 寺坂が教室で暴れた翌日の昼休み、皆で昼飯を食べている中殺せんせーが涙を流しているのを見てビッチ先生がツッコんだ。どうしたんだ、殺せんせー?

 

「いいえ、鼻なので涙じゃなくて鼻水です。目はこっち」

「まぎらわしい!!」

「どうも昨日から体の調子が少し変です。夏カゼですかねぇ・・・」

 

2人のやりとりを俺はぼんやりと眺めていた。てか、超生物も風邪引くのか?

 

(寺坂も今日は来てねえし、太陽も言ってたがちょっと気になるな・・・「ガララッ」っ寺坂!)

「おお、寺坂君!!今日は登校しないかと心配でした!!」

 

そんな風に考えていると、ちょうど寺坂が入ってきて殺せんせーがそう言いながら駆け寄った。

 

「昨日君がキレた事ならご心配なく!!もう皆気にしてませんよね?ね?」

「・・・う、うん・・・汁まみれになっていく寺坂の顔の方が気になる」

(汚えなぁ・・・流石に気の毒だ)

 

自分が鼻水が止まらない事を忘れているのか、興奮しながらそう皆に確認している今も寺坂の顔は鼻水でべちょべちょになっていくのを見て、茅野がそう返した。

 

すると、殺せんせーの服で顔を拭いた後、殺せんせーに指を突きつけながら寺坂が話し出した。

 

「・・・おい、タコ。そろそろ本気でブッ殺してやンよ。放課後プールへ来い。弱点なんだってな、水が」

 

そこまで言った後、寺坂は俺達の方へと向きながら、

 

「てめーらも全員手伝え!!俺がこいつを水ン中に叩き落としてやッからよ!!」

「「「「・・・・・」」」」

 

そう言ってきたが、誰もその言葉に頷く事は無かった。ま、そりゃそうだわな。

 

すると、皆を代表して前原が立ち上がりながら寺坂に話しかけた。

 

「・・・寺坂、お前ずっと皆の暗殺には協力してかなかったよな。それをいきなりおまえの都合で命令されて・・・皆が皆ハイやりますって言うと思うか?」

「ケッ、別にいいぜ来なくても。そん時ゃ俺が賞金百億独り占めだ」

「・・・なんなんだよ、あいつ・・・」

「もう正直ついてけねーわ」

 

前原の言葉にそう返しながら教室を出て行った寺坂を見ながら、吉田と村松がそう呟いた。てことはアイツの独断って事か。ますますおかしいな・・・

 

「私行かなーい」

「同じく」

「俺も今回はパスかな」

(皆も行く気なさそうだな。俺も正直あのバカの計画なんか興味も「皆、生きましょうよぉ」って何だこりゃ!?」

 

そう考えている途中で殺せんせーがそう言って、俺達は殺せんせーの流した粘液に捕まった。

 

「せっかく寺坂君が私を殺る気になったんです。皆で一緒に暗殺して気持ち良く仲直りです」

「「「「まずあんたが気持ち悪い!!」」」」

 

粘液を流しすぎて顔全体がドロドロになりながらの殺せんせーの言葉に皆がツッコんだ。もはやホラーだよ!!

 

「・・・威月、放課後ちょっと話せるか?」

「! 分かった」

 

すると、俺の横で机の上であぐらを掻きながら弁当を食べる太陽が話しかけてきて、俺は頷いた。てか、逃げんの早えな太陽・・・

 

 

 

放課後・・・

 

「よしよ~し。いい子だな~」 バサバサッ!!

(・・・アイツ何で鳩に懐かれてんだ?)

 

 俺は通学路の途中で鳩と戯れている太陽を見つけた。ちなみに俺達は水着には着替えたが、上に体操着を羽織っている。

 

「ワリい。待たせたな、太陽」

「おっ、威月。こっちこそワリいな、呼び出して」

 

俺の声に反応して太陽は振り返り、顔も一瞬で真面目な顔になりながら話しかけてきた。

 

「皆は?」

「プールに散らばって入れって寺坂が命令して一応指示通り動いてるよ。大賀と登志には念の為プールに入ってもらってる」

「そうか。」

「・・・どう思う?アイツの計画」

 

俺がそう聞くと、太陽は考える素振りを見せながら答えた。

 

「俺は寺坂が誰かの指示で動いてると思う」

「! ・・・誰が?」

「それは分からねえ。でも、昨日のアイツの暴挙もそう考えれば辻褄が合う」

「なるほど・・・」

 

太陽の言葉に俺はそう呟いた。確かにプールを壊したり、殺虫剤を撒いたりと意味の分からない行動ばかりとってるしな。

 

すると、太陽は坂道の下を見ながら、

 

「俺はこのまま下まで変わった奴がいないか探す。威月はプールに戻ってくれ。何かあった時は頼むな」

「分かった。気をつけろよ」

「そっちもな」

 

そう言い合いながら太陽は下に降りていくのを見た後、俺はプールへと急いで戻った。

 

 

 

「ハァ・・・ハァ・・・何とか間に合ったか。」

 

 5分間走って、ようやくプールが見える距離にまで俺は戻ってきた。見てみると皆がプールに散り散りに入っていて、寺坂の手には1丁の拳銃が握られていた。

 

ずっとテメーが嫌いだったよ。消えて欲しくてしょうがなかった

ええ、知ってます。暗殺(これ)の後でゆっくり2人で話しましょう

(・・・ん?・・・あれは、まさか!?)

 

拳銃を向けながらの2人の会話が辛うじて聞こえる距離にまで近づいたその時、俺はプールの排水門に取り付けられているある物に気づいてしまった。

 

普通なら見ただけでは分からないだろう。だが、俺は気づいてしまった。

 

「全員プールから上がれぇ!!」

 

俺がそう叫ぶのと寺坂が引き金を引くのは同時だった。

 

次の瞬間、()()()()()()()()()()()()

 

 

 

大賀side

 

ドグァッ!!! (!? 何だ!?)

 

いきなり近くの水を抜く門が爆発して、俺はとりあえずプールから脱出しようとした。

 

「うわっ・・・」

「うっ・・・」

(! 杉野!!神崎さん!!)

 

しかし、門の近くにいた2人が流されるのを見えて、俺は迷わず2人を追いかけた。このまま落ちたら二人とも溺れるか岩に体をぶつけちまう!! 

 

ガシッ (よしっ、追いついた!!でもここからどうする!?)

 

2人の手を掴む事には成功したが、水の速さに2人は何も出来ない様子だった。

 

(・・・仕方ねえ!!)

 

戦闘以外にはなるべく使うなって言われてるけど今は緊急時だ!!

 

そう決意して2人の腰に手を回しながら俺はその言葉を唱えた。

 

(―――――月歩(ゲッポウ)!!)

 

 

 

「大丈夫か、2人共!?」

「ゴホッ・・・おう、大丈夫だ」

「けほっ・・・ありがとう、九澄くん」

「よかった・・・」

 

 近くの岩場に着地した俺の問いに、2人は咳き込みながらもそう返してくれた。

 

「でも、誰がこんな事を・・・」

「分からない・・・でも、寺坂1人でやったとは思えない」

 

神崎さんの呟きにそう返しながら俺は立ち上がると、

 

「杉野、神崎さんを頼む。俺は先に行く!!」

「分かった!」

「気をつけてね、九澄くん」

 

そう返してくれた2人に頷いた後、俺は水が流れた先へと下りていった。

 

すると、少し下りた先の小さい崖に皆が集まって崖下を見ていた。

 

「皆、大丈夫!?いったい何が・・・」

「! 九澄、あれ見ろ!!」

 

すると、磯貝がそう言いながら崖下を指差したから、言われるがまま俺も崖下を見た。

 

「!!」

 

そこでは、イトナと殺せんせーが戦っていた―――――!!

 

 

 

威月side

 

ドグァッ!!! 「ぐっ!!」

 

目の前で排水門が爆発し、俺はおもわず目を覆った。

 

(クソッ!!遅かったか!!) 

「皆さん!!」

 

そう考えている最中も、壊れた場所から水と一緒に皆が流されていき、殺せんせーがそう言いながら追いかけていった。

 

バシャッ スタッ 「! 登志!!」

 

すると、爆発された場所から一番遠い所に登志が矢田と倉橋を抱えて着地するのが見えて、俺は登志の名前を呼びながら駆け寄った。

 

「ハァ・・・ハァ・・・ゴメン、威月。近くの2人抱えて脱出するのが精一杯だった・・・」

「いや、2人助けただけでも大したものさ。流石登志だ」

「ありがとう、伊勢くん」

「助かったよ」

 

呼吸を整えながら話す登志に倉橋と矢田が礼を言った。登志の事だ、おそらく太陽の為に倉橋の近くにいたんだろう。あいかわらず優しい奴だ。

 

「・・・何コレ?爆音がしたらプールが消えてんだけど」

「! カルマ」

 

すると、カルマがそう言いながら現れた。多分帰ろうとする途中で戻ってきたんだろう。とりあえず俺はカルマに状況を説明する為に口を開こうとした。しかし、それよりも先に近くで呆然としていた寺坂が呟き始めた。

 

「話が違げーよ・・・イトナを呼んで突き落とすって聞いてたのに・・・」

「! イトナだと!?」

「なるほどねぇ・・・自分で立てた計画じゃなくて、あの2人にまんまと操られた・・・ってわけ」

 

俺とカルマはそれぞれそう呟いた。太陽の言う通りになっちまったって事か、クソッ!!

 

「言っとくが、俺のせいじゃねーぞカルマァ!!こんな計画やらす方が悪りーんだ!!皆が流されってたのも全部奴等が・・・」

「テメエ・・・あんましふざけた事ばっか(ゴッ!!)! カルマ」

 

カルマを掴みながらそう言った寺坂をカルマが殴った。衝撃で座りこんだ寺坂を見下ろしながらカルマは話し始めた。

 

標的(ターゲット)がマッハ20で良かったね。でなきゃお前、大量殺人の実行犯にさせられてるよ。流されたのは皆じゃなくて自分じゃん」

「・・・」

「カルマ!!そんなクズの相手してる暇はねえ!!さっさと行くぞ!!いけるか、登志達は!?」

「人のせいにするヒマあったら・・・自分の頭で何したいか考えたら?」

 

俺の言葉に3人は頷きながら立ち上がり、カルマが寺坂にそう言い放った後、俺達5人は爆破された先を下りていった。

 

 

 

「威月ー。あの2人が絡んでるって事はさ」

「昨日のプールや殺虫剤も、全て計画って事だろうな。それは太陽も想定していた。」

 

 山道を下りながら俺はカルマと話し合っていた。朝から鼻水が止まんなかったのは殺虫剤が原因で、プールを壊したのは爆弾の準備をしやすくするためだろう。

 

「でも、粘液を出し尽くして何か意味あるのかな?」

「少し前に渚に聞いたんだが、殺せんせーは少しの水なら粘液を固めて水を吸収しないように出来るらしい」

「じゃあ・・・粘液を出しつくさせたのは・・・」

「確実に水を吸わせる為だろう。クソッ・・・」

 

倉橋が呟きにそう返したその時、大賀達の姿が見えた。

 

「大賀!!」

「! 威月。大変だ、イトナが・・・」

 

大賀がそう言いながら崖下を指差した。見てみるとイトナと殺せんせーが戦っていて、それを少し離れた場所で見ているシロの姿があった。

 

奴らの計画通り、殺せんせーの触手は水を吸って格段に膨れ上がっていた。あれでは、殺せんせーはいつものスピードは出せないだろう。現に今も、殺せんせーはイトナに押されっぱなしの様子だった。

 

「チッ! アイツらの計算通りって訳か!!」

「・・・髪の毛が変わってる。触手の数を減らして、その代わりにパワーとスピードを上げてるんだ」

 

俺と登志がそう話し合ってると、シロは俺達に気づいてイトナに話しかけた。

 

「イトナ。あの3人には注意しな。今の君なら大丈夫だろうが、念の為にね」

「くっ・・・登志、刀は?」

「ゴメン。プールに入るから教室に置いてきちゃったんだ・・・」

(今から取りにいったんじゃ、間に合わねぇ。どうする?)

「でも、いくら水のハンデがあるからって、押されすぎじゃない?」

 

すると、片岡が不思議そうにそう言ったのを聞いて、俺も疑問に思った。何であそこまで一方的にやられてんだ?

 

その時、後ろから寺坂が現れて口を開いた。

 

「水だけのせいじゃねー。見ろ、タコの頭上」

 

言われて見てみると、触手の射程範囲内のそこには吉田や村松、それに原がいた。特に木の枝にしがみついている太・・・ふくよかな原は今にも落ちそうになっていた。

 

「あいつらの安全に気を配るから、なお一層集中できない。奴ならそこまで計算しているだろうな」

「のんきに言ってんじゃねーよ寺坂!!あれマジで危険だぞ!!」

「お前まさか、全部奴らの言いなりだったって事かよ!?」

 

そう言った寺坂に、前原と大賀が噛みついた。そんな声に寺坂は「フン」と笑うと、

 

「あーそうだよ。目標もビジョンも無え短絡的な奴は・・・頭の良い奴に操られる運命なんだよ」

「・・・お前、また何開き直って「だがよ」・・・?」

 

俺の言葉を寺坂は遮ると、

 

「操られる相手ぐらいは選びてえ。それに、賞金持って行かれるのも気に入らねぇ(ドンッ)だからカルマ!テメーが俺を操ってみろや。その狡猾なオツムで俺に作戦与えてみろ!!カンペキに実行してやらぁ!!」

「良いけど・・・実行できんの、俺の作戦?死ぬかもよ」

「やってやンよ。こちとら実績持ってる実行犯だぜ」

 

カルマにそう返しながら、寺坂は歩き出した―――――

 

 

 

 

 

「・・・えっ、もう作戦考えたのか?カルマ」

「いや、まだだけど、もう行くの?」

「え!?あ、うん・・・まだなの!?」

 

俺とカルマの言葉に寺坂はそう言いながらピタッと止まった。いくら何でも短絡的過ぎるだろ・・・




いかがだったでしょうか。

次回はカルマの作戦はそのままですが、その後を変えています。
果たしてE組はシロとイトナを撃退する事が出来るのか。カルマはどんな作戦を立てるのか・・・。

それでは、また次回お会いしましょう!!

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