太陽とひまわりの仲間達との暗殺教室   作:籠野球

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皆さんどうも籠野球です。

GWも後半分になりました。ずっとごろごろしたいですが、諸事情で明日から3日間パソコン触れないので今日も頑張ってます。

今回はもう1組のカップルです。こっちはもう分かるとは思いますが・・・

それでは、どうぞ!!


三十七時間目 信じる時間

大賀side

 

チリーン・・・チリーン・・・

「スー・・・スー・・・」

 

 南の島の暗殺ツアーまで数日に迫った今日、俺は居間に寝転がって昼寝をしていた。風鈴の音が心地よい。

 

時刻はもうすぐ昼の1時。そんな夏の昼下がりのひとときを俺は満喫―――

 

 

 

 

 

パチッ 「暇だ」

 

していなかった。正直俺は掃除とか料理とかが好きな為、こういう暇な時間の過ごし方が分からなかった。

 

ゴロリ 「・・・やっぱ太陽達について行くべきだったかなぁ」

 

太陽達は今日、犬のさくら達を連れて久々にペットのふれあい広場に遊びに行ったのだ。裕樹や彩子、華のお守り係として威月や珍しく家にいた実徳さん、それに岬さんにも連絡して皆は出かけていった。登志は剣術の稽古に朝から出かけている。

 

本当は俺も誘われたが、俺は家の掃除でもしようと思って家に残ったのだ(今は後悔してる)

 

そんなわけで、今「ひまわり」にいるのは俺1人だ。

 

「・・・」

 

寝転がって天井を見つめながら俺は何かやることは無いか考えた。

 

掃除、洗濯→ここ最近暇だったから毎日こまめにいろんな場所を掃除したから殆ど掃除する場所が無かった(一応床掃除したが両方合わせて1時間半で終わった)

昼ご飯→素麺茹でて食べた(てか、1人分だからそんな時間かからない)

買い物→昨日ある程度買い物行って買ってきた(チラシ見てみたけど、今日は余り良い物が無かった)

宿題→日記や自由研究以外は終わらせてある(太陽と威月という監督とコーチによって「ひまわり」のメンバーは7月中に終わらせてある)

 

(何にもやることねえ・・・)

 

とはいえ、晩ご飯作り出すには早すぎるし、昼寝も飽きたしなー・・・

 

「・・・よし出かけよう」

 

そう呟くと、俺は体を起こした。こんな時悩まないのが俺の良さだと思ってる。

 

(・・・久々にあれを持って行こうかな)

 

そう考えて俺は自分の部屋の襖を開けた。

 

料理本しか入ってない小さな本棚しかない殺風景な俺の部屋。その本棚の上に置いてある小さな箱を手にとって、蓋を開けた―――――

 

 

 

「ん~良い天気だな~」

 

 商店街に着いた俺はそう言いながら伸びをした。夏休みなだけあって人は結構多いなぁ。

 

(さて・・・とりあえず外に出たけど、これからどうしようかな?)

 

俺は道の端っこで腕を組みながら考えた。

 

(図書館に行ってみるのもいいけど、料理本はもう全部1回は読んだことあるしなー。普通の本はあんまり好きじゃないし・・・)

「・・・あれ、あそこにいるのは」

(かといってスーパーに行くのもなぁ・・・変に余計な物買っちゃっうかもしれないし・・・)

「こんにちは、九澄くん」

(うーん・・・何しよっかな~)

「・・・九澄くん?」

「え?」

 

その時、俺は誰かに声をかけられている事に気づき、俺は声がした方向を向いた。

 

そこには、神崎さんが不思議そうな顔で立っていた。

 

「神崎さん!?」

「こんにちは、九澄くん」

「あ、うん。こんにちは」

 

ニコリと笑いながらそう挨拶してくれた神崎さんに俺は慌ててそう返した。夏休みだから当然だけど、私服を着ている神崎さんはいつもよりも凄く可愛かった。

 

「何してたの九澄くん?」

「いや、何も。むしろ何しようか考えてた所。神崎さんは?」

「そうなんだ。私は今から気分転換にゲームセンターに行こうとしてたんだ」

(! ゲームセンターかー・・・)

 

神崎さんのそんな言葉に俺は考えた。お小遣いは俺は殆ど使わないから貯めてるし、たまには遊んでみるのも面白いかも。

 

そう考えた俺は神崎さんに聞いてみた。

 

「神崎さん。迷惑じゃなければ、俺もついていっていい?」

「うん。私と一緒でいいなら」

「ありがとう!」

(・・・神崎さんと一緒が嫌な人なんていないと思うけどなー)

 

そんな事を考えながら、俺は神崎さんの後ろをついていった―――――

 

 

 

1時間後・・・

 

パンパンッ!!

 

「九澄くん、次は右から来るよ!!」

「おう!!」

 

 俺と神崎さんは画面に出てくるゾンビを銃で撃っていくゲームを2人でプレイしていた。

 

神崎さんの指示通り右から出てきたゾンビを銃で次々倒していると、後ろから何やら話し声が聞こえてきた。

 

「・・・おい、この2人見てみろよ」

「え?・・・て、女の方は結構可愛いじゃん」

「バカ!!この2人、最終ステージまで1回も死なずに来てんだよ!!」

「ハァ!?これ、ここで1番難しいシューティングだろ!?」

(・・・これ、そんなに難しいか?)

 

こんなの、さっきやった格闘ゲームやパズルゲームに比べたら、ただ出てくる敵を撃てばいいだけのゲームじゃん。おまけに・・・

 

「・・・あ、九澄くん。右上の箱にマシンガンが入ってるから、取って!!もうすぐラスボスだよ!!」

「オッケー!!」

 

こんな風に神崎さんがアドバイスをくれるのだ。いくら初心者でもここまでサポートしてくれたら上手くできるに決まってる。

 

そう考えながら敵を倒し続ける事5分、最後のボスを神崎さんが倒し俺達はゲームをクリアした。

 

「フゥ・・・ありがとう、神崎さん」

「ううん。こっちこそ九澄くんが凄く上手かったから助かったよ。本当に初めてなのかな?って途中で思っちゃった」

「アハハ、ありがとう」

(・・・まぁ、他のゲームの殆どは負けたけど・・・)

 

俺が勝ったのってエアホッケーくらいだけだもんなー。体力使う奴でしか勝てない・・・

 

「九澄くん、次は何をやる?決めていいよ」

「うーん・・・そうだなー」

(後やってないのは太鼓や車のゲームかー。どっちも面白そう・・・ん?)

 

そう考えていたその時、俺達にニヤニヤと笑みを浮かべながら近づいてくる見た感じ高校生の男に気づいた。

 

「ずいぶん楽しそうだな2人とも。ちょっと俺にも分けてくれよ」

「? 分けてと言われても・・・どうすれば?」

「簡単さ。少し小遣いくれりゃあいいんだよ」

(うーん、どうしよう?)

 

突然のかつあげに、俺は考えた。もちろんこの人に負ける気はしないけど・・・

 

チラッ (こんなとこで暴れたら店の人や神崎さんに迷惑かかっちゃうし、太陽や威月も「避けられる戦いは避けるべき」・・・そう言ってたし仕方ないか)

「お金渡したら何にもしないですか?」

「お、話が分かるな。あぁ、約束するぜ」

 

その言葉を確認して俺は財布を取り出すと、

 

「はい(チャリン)じゃあ行こうか、神崎さん」

「・・・え?あ、うん。」

(ハァ・・・今の俺の全財産だったんだけどなー)

 

男の手に俺の手持ち千円の残り三百円を置いた後、俺は神崎さんにそう促し、神崎さんもそう言って俺達は男の前から去ろうと―――

 

 

 

 

 

「ちょっと待て!!」

 

した俺達の前に、男はそう言いながら再び立ちはだかった。

 

「え!?お金渡したら何もしないって言ったじゃないですか」

「三百円ぽっちでいいわけあるか!!今、財布の中に五千円入ってるの見えたぞ!!」

 

確かに俺の財布には五千円が入ってはいるが・・・

 

「これはダメですよ、「ひまわり」の食費なんですから。俺達に餓死しろって言うんですか?」

「いや知らねえよ!?」

 

俺の質問にそうツッコんできたけど、勝手に食費は渡せないしな。

 

「何と言われても、俺が渡せるのはそれだけなんですよ。もう行ってもいいですか?」

「舐めやがって・・・外出ろや中坊・・・!!」

 

俺の言葉に青筋を浮かべながら、男はそう言った。やっぱりそうなるのね・・・

 

「だ、大丈夫?九澄くん・・・」

「あー・・・大丈夫だよ、神崎さん」

(そっちがその気なら、俺もそうするだけだしね)

 

 

 

有希子side

 

 男の人に絡まれてから10分後、路地裏には男の人とその人が呼んだ人達合わせて5人が気を失っていて、九澄君だけが立っていた。

 

「うーん・・・こういう人達って何で勝てないのに挑んでくるんだろう?」

「いや・・・九澄くんが強すぎるんだと思うよ」

 

少なくとも私は高校生5人以上に1人で勝ってみせる中学生なんて見た事が無かった。

 

「ゴメンね、神崎さん。結局こうなっちゃって・・・」

「ううん、気にしないで。九澄くんはちゃんと避けようとしてくれたしね」

「ありがとう。で、どうする?またゲームセンターに戻る?」

「ううん、また変な人に絡まれちゃったら困るし、そろそろ帰ろうかな」

「(パカッ)・・・あ、もう2時半か」

 

私の言葉に九澄君はポケットから懐中時計を取り出しながらそう言った。

 

(凄く古そうな時計だな・・・九澄くんの物なのかな?)

「途中まで送っていくよ、神崎さん。どうせ暇だしね」

「あ、うん。ありがとう」

 

でも、変なこと聞いちゃってもいけないから私は時計については何も聞かずに九澄君にお礼を言った。

 

 

 

 商店街を歩く途中で私達はお話をしながら歩いていた。

 

「でも、凄いよなー神崎さんは。国語は学年2位だし、学年でも上位とか。ホント凄えよ」

「そんなことないよ。触手は奪えなかったし、九澄くんの方が凄いと思うな」

「あんなの寺坂達の作戦に乗っかっただけだよ。アイツらのおかげさ」

「でも、九澄くんだって100点を取れたからこそだよ。充分凄いよ!」

「アハハ、家庭科で100点取れてここまで褒められると、何か恥ずかしいな。ありがとう」

 

九澄君は笑いながら私にそう返した。私の素直な感想だけどな。

 

そう思っていたその時、九澄君は私に向かって質問してきた。

 

「神崎さんって勉強凄く出来るけど、将来何か夢ってあるの?」

「! う、うん。まあね・・・」

「あ、マズいこと聞いちゃった!?だったら別に・・・」

「大丈夫だよ、気を遣わなくて」

 

私の様子を見て慌ててそう言った九澄君にそう返した。優しいんだな、九澄君って。

 

「私ね、介護士になりたいんだ」

「介護士?」

「うん。私の両親って弁護士と事務所の事務員で忙しくてね。私のおばあちゃんが倒れた時も仕事ばっかりで、私が身の回りの世話をしてたんだ」

「それは・・・」

「お父さんが悪いとは思ってないよ。その時におばあちゃんが見せてくれた笑顔や感謝の言葉が忘れられなくて・・・」

「だから介護士を?」

 

私は頷いた。家族以外に夢を話したのは初めてだった。

 

「・・・おかしいかな、私の夢って?」

「そんなこと無いよ。いい夢だと思う」

「! ・・・ありがとう、九澄くん」

 

私の質問に笑いながら即答してくれた九澄君の態度が嬉しかった。

 

「笑顔や感謝の言葉は「ひまわり」の皆もくれるしな。よく分かるよ」

「そっか、九澄くん孤児院の家事をしてるんだっけ。凄いよね」

「そんなこと無いよ、命の危機になるくらいならね」

「え?い、命の危機?」

 

九澄君の口から飛び出たとんでもない言葉に、私は思わず聞き返すと九澄君は笑いながら話し出した。

 

「俺が「ひまわり」で暮らし始めたのは小学校二年の冬なんだけどさ、その頃は太陽と威月、それに院長の実徳さんの3人だけで暮らしてたんだけど、実徳さんって致命的に料理が下手くそでさ。あのまま食べ続けたらヤバいと思って俺が作り始めたのがきっかけなんだ」

「しょ、小学校二年生から家事をしてたんだ・・・大変じゃなかったの?」

「全然。俺、両親から3歳の頃から料理とか家事はずっと教えてもらってたから大好きだったしね」

 

そう言うと、九澄君は少しだけ寂しそうな笑みを浮かべながら話し出した。

 

「・・・俺、「ひまわり」で待ってるんだ。両親とまた会う日を」

「え?ど、どういうこと?」

「・・・俺の両親は30歳くらいまで他の店で下積みをして店を出した料理人だったんだ。毎日朝早くから夜遅くまで頑張ってたから不満は無かったし、たまの休みにはちゃんと俺と遊んでくれたから自慢の両親だった。

そんな両親の負担を少しでも減らそうと思って家事を始めたんだ。

・・・「ひまわり」の皆との暮らしも大好きだけど、あの頃はホントに幸せだったな」

「・・・何で九澄くんは「ひまわり」に?」

「・・・小学校高学年になった頃、実徳さんに教えてもらったんだけど両親が友人の借金の保証人になっちゃったみたいでね・・・いくらかは知らないんだけど簡単に返せる額ではなかったらしいんだ。

両親は駆け落ち同然で結婚したらしくて、頼れる人もいなかったらしい。

・・・「ひまわり」に預けられた日のことは今でもしっかりと覚えてる」

 

そこまで言ってから九澄君はポケットからさっきの懐中時計を取り出した。古そうだが、綺麗な時計だった。

 

「両親の宝物だったこの時計を俺のポケットに入れながら、"いつか必ず戻ってくる。それまで「ひまわり(ここ)」で待っていてくれ"・・・そう俺に言い残して両親は去っていったんだ」

「・・・」

 

思いがけずに聞いた九澄君の過去に私は言葉を失っていた。そんなに辛い過去があったなんて・・・

 

「両親がいなくなって今年で8年経つのかな。手紙1つ来たこと無いけどね」

「今まで1度も連絡すら無いの!?」

「まあね。多分頑張ってくれてるんだと思うよ」

 

平然とそう言った九澄君に私は驚いてしまった。何でこんなに平然としていられるんだろう・・・

 

「・・・九澄くんは、諦めたことはないの?ご両親がもう戻ってこないって」

「? 無いけど、何で?」

「だ、だって5年以上どこで何してるかも分からないんだよ!?だったら普通はもう捨てられたと思・・・!! ごめんなさい」

 

私の質問にキョトンとしながらそう返した九澄君に私はおもわず口が滑ってしまい、謝りながらうつむいた。何か言われても仕方ないと思った。

 

「・・・何で俺が、両親がもう戻ってこないと諦める必要があるんだ?」

「え?」

 

しかし、九澄君のその言葉におそるおそる顔を上げると、九澄君はニコリと笑っていた。

 

「確かに、両親にまた会える可能性が低いことくらいバカな俺でも分かってる。

・・・でも、俺が信じてあげなきゃ、誰があの2人を信じてあげるんだ?」

「九澄くん・・・」

「それに俺、待つのにはもう慣れたしな。いつまでも待ち続けるさ」

「・・・強いね、九澄くんは」

 

真っ直ぐに私を見ながらそう言いきった九澄君に、私は素直に思ったことを口にした。平然としている様に見えたのは、誰よりもご両親を信じているからなんだろうな・・・

 

「そんなことねえよ。ただバカなだけさ」

「ううん、本当に強いと思うよ。

・・・私と違って」

「? 神崎さんは充分強「有希子?」・・・え?」

 

その時、九澄君の声を遮りながら名前を呼ばれ、私達は声のした方向を向いた。

 

 

 

大賀side

 

 そこには、1人の女の人が立っていた。見るからに品のあり、雰囲気だけは岬さんによく似ていた。

 

(でも・・・この人の顔って神崎さんに似ている?それにこの人さっき神崎の名前を呼んでたよな・・・)

 

神崎さんが大人になったような顔をしているこの人はまさか・・・

 

「お母さん」

「! あ、初めまして。クラスメイトの九澄 大賀です」

 

予想通り、神崎さんがそう言った後に俺はそう言いながら頭を下げた。第一印象って大事だから実徳さんや岬さんに礼儀正しくしろって言われてるしな。

 

「初めまして、有希子の母です。有希子、何してたの?」

「ちょっと遊びに。そこで九澄くんに会って、途中まで送ってもらってたの」

「そうなの?ありがとうね、九澄君。よかったら家でお茶でもどうかしら?有希子の男の子のお友達なんて初めて見たし」

「え、そんな悪いですよ!!それに男が女の子の家に上がるわけには・・・」

「あら、しっかりした子ね。遠慮しなくて大丈夫よ。時間に余裕あるならどうぞ」

 

どうやら、俺の休みのひとときはまだまだ終わらないみたいだ・・・




いかがだったでしょうか。

前に4人の過去には人の命が関わってくると言いましたが、大賀だけは唯一両親が生きています。

というわけで、神崎さんの家にお邪魔することになった大賀ですが、次回は大賀が漢をみせます。

それでは、また次回お会いしましょう!!
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