太陽とひまわりの仲間達との暗殺教室   作:籠野球

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皆さんどうも籠野球です。

いよいよ南の島編へと入っていきます。原作の中では、1番好きな所です。

上手く書けるかは分かりませんが、読んでくれたら嬉しいです!!

それでは、どうぞ!!


三十九時間目 島の時間

威月side

 

ザザザ・・・

 

「にゅやァ・・・船はヤバい・・・先生頭の中身が全部纏めて飛び出そうです」

(船酔いかよ・・・乗り物全般ダメなんだな、殺せんせー)

コトッ 「はいよ、太陽」

 

 船のデッキで手すりに体を預けている殺せんせーを見ながら、俺はチェスの駒を動かした。風が気持ちいいな、船の上って。

 

「えーっと・・・」

「威月達、チェスしてるんだ」

「まぁ、暇だからな」

 

教室の中では将棋ばっかりだから珍しいんだろうが、まあ、俺はボードゲームなら何でも好きだしな。

 

「・・・そういえばさ、ちょっと聞いていい?」

「ん?何だ?」

「伊勢って剣道の時に着る服みたいな格好だけど、あれって私服なの?」

 

渚が手すりにもたれかかって海を見ている登志を見ながらそう言った。確かに登志は稽古の時に着る紺色の袴に薄黄色の上衣を着て、足袋と草鞋を履き腰に木刀を差していた。

 

「登志は私服って持ってなくてな。たまに「ひまわり」に来た時も基本和服だろ?流石にあれで南の島に来るのは大変だろうからさ」

「あっ、そういえば」

「登志自信、あれが1番動きやすい格好らしいからな。いいんじゃねえの?」

「・・・! たーくん!見えてきたよ!!ほら、殺せんせーも起きて!!(シュッ)」

 

その時、倉橋が殺せんせーにナイフを振りながら興奮した様子でそう言った。やっと見えてきたか!

 

「東京から6時間か・・・結構かかったな」

「ちょっと待ってくれ陽菜乃。俺まだ威月とのチェスの決着が・・・」

「あ、たーくん!あそこにイルカいるよ!!」

ヒュン!! 「おぉ、ホントだ!!凄え!!」

(・・・今、マッハ20にひけを取らない速さだったんじゃ・・・?)

 

太陽は一瞬で倉橋の横に移動してそう叫んでいた。ま、チェスは帰りに決着つけるか。

 

「あれが殺せんせーを殺す場所!!」

「「「「島だーーーっ!!」」」」

「・・・おっと、そろそろ大賀を起こさないとな」

 

皆がそう叫ぶ中、俺はデッキの屋根があるベンチの上で寝ている大賀の元へと向かった。修学旅行同様朝早かったからな、大賀の奴・・・

 

「(結局6時間寝っぱなしだったな) ・・・ん?へぇ」

 

そう考えながら曲がろうとした瞬間、俺は素早く隠れた。何故なら寝ている大賀の頭を膝に乗せながら顔を少しだけ赤くしてる女の子がいたからだ。

 

「ま、ここは任せるか・・・しっかし、大賀も隅に置けねえなぁ、いつの間に惚れさせたのかねぇ」

 

そう呟きながら、俺は太陽達の元へと帰った。

 

 

 

大賀side

 

ワイワイガヤガヤ・・・

 

(ん・・・?もう着いたのか・・・?)

 

周りが騒がしくなり、俺は少しずつ意識が覚醒してきた。船の上だから心配だったけど、ちゃんと寝られてよかった。

 

もぞっ (・・・ん?俺、枕か何か使ってたっけ?ベンチにしてはやけに柔らかい感触だな「あ、起きた?九澄くん」 ・・・!!」

 

目を閉じたまま頭を少しだけ動かした俺の上からそんな声がして、俺は一瞬で目を見開いた。

 

そこには、神崎さんの顔があり、俺は一瞬で飛び跳ねた。今の感触ってまさか!?

 

がばっ!! 「神崎さん!?え、えっと・・・まさか俺に膝枕してくれてた・・・?」

「ゴ、ゴメンね。私たまたまここに来たら九澄くんが寝てて・・・ベンチ硬そうだったけど頭の下に敷いてあげられる物持ってなくて・・・迷惑だった?」

「そんな!!神崎さんに膝枕されて迷惑に思う奴なんていないよ!!」

 

E組の皆に知られたら殺されちまうよ・・・そう考えていると上目遣いになりながら神崎さんは聞いてきた。

 

「・・・じゃあ九澄くんも嬉しかった?」

「へ?そりゃあすっごい嬉しかったよ!!ありがとね、神崎さん!!」

「そ、そっか。それならよかった///」

「? 顔赤いけど大丈夫?熱とかあるなら殺せんせーに言った方がいいよ」

「へっ!?だ、大丈夫だよ!!」

「そ、そう?ならいいけど」

 

ま、本人が大丈夫って言ってるならいいか。

 

「って早く行かないと!!行こうか、神崎さん」

「うん。そうだね」

 

俺達はそれぞれの荷物を持って乗り場へと向かった。さ、行くか!!

 

 

 

太陽side

 

「遅かったな、大賀」

「ゴメンゴメン。俺と神崎さんが最後?」

「うん、皆もう降りてるよ」

 

 船のスロープから最後に降りてきた2人とそう話しながら俺達は皆の元へと向かった。

 

「うおー!!海だー!!」

「流石、南の島だな。景色もかなり綺麗だ」

 

普段は見えないそんな風景に威月までもがテンションが上がっているのが分かった。いやー、来てよかった。

 

「ようこそ、普久間島リゾートホテルへ。サービスのトロピカルジュースでございます」

 

その時、ボーイの格好をした人が片手にジュースを載せたトレーを持ちながら声をかけてきた。サービス良いな。

 

「あ、どうもありがとうございます!!」

「ん? 3つしか無いのか?」

「申し訳ありません。他の方々に配ってしまいまして」

 

登志の後の威月の質問に、ボーイさんは申し訳なさそうにそう言った。ま、遅かったのは俺達なんだから仕方ねえわな。

 

(この場にいるのは、俺達4人に、陽菜乃に神崎。それに渚と杉野か)

「僕はあんまりノド渇いてないから、他の皆が飲んでいいよ」

「そうか?じゃあ、神崎さんと杉野が飲めよ」

 

渚の言葉を聞いた大賀が、そう言いながら2人にジュースを差し出した。

 

「え?いいのか?九澄達が飲んでもいいんだぜ?」

「俺らにそんな高級そうなモン、口に合わねえよ。遠慮しないで飲んでくれよ」

「ま、そういう事だ。ほらよ、陽菜乃」

「ありがとう、たーくん」

 

大賀の言葉に便乗しながら俺は陽菜乃に最後の1杯を手渡した。・・・自分で言っといて何だがちょっと悲しくなるな。

 

「サンキューな、九澄」

「おう。はい、神崎さんも」

「ありがとう。たい・・・コホン、太陽くん、九澄くん」

「ん?おう(あれ?今大賀の方向いてたよな・・・?)」

 

咳払いをしてからそう言った神崎さんに疑問を抱いていると、

 

「フッ」

「? どうした、威月?」

「いや、何でも」

 

少しだけ笑った威月が俺は気になった。こういう時の威月ってなーんか企んでるんだよなー

 

「おーい、太陽達。何やってんだー?今から班別に別れて遊ぼうって話になったから早く来いよ」

「おー、ワリい磯貝。3人はもう大丈夫か?」

「うん、ご馳走様ー!!」

「ありがとうございます」

「お気に召されて何よりです。是非、普久間島をご堪能下さい」

「よし、行こうぜ皆!!」

 

皆がコップを返すのを確認してから大賀が皆の元へと1番に走り、皆も渚達もついていった。俺も続こうとしたその時、

 

「フッ・・・」

「! ・・・どうかしましたか?」

「あ、いえ。仲の良い方達だと思って。不快になられたのなら申し訳ございません」

「・・・いえ、大丈夫です。ありがとうございました」

(・・・今の笑いは威月の笑いとは全く意味が違う気がしたが・・・気のせいか?)

 

直感でそう感じたが、俺はとりあえず皆を追いかけた。まぁ、今は関係ないしな。

 

 

 

―――この直感が当たっていた事を、俺はまだ知らなかった。

 

 

 

 

 

威月side

 

「いやぁ、遊んだ遊んだ。お陰で真っ黒に焼けました」

「「「「黒すぎだろ!!」」」」

 

 夕方までそれぞれの班と遊んで全身真っ黒になった殺せんせーにクラス全員がツッコんだ。歯まで真っ黒ってどういう身体してんだよ・・・

 

「どっちにしろ、そんな状態じゃ飯食いにも行けなくねーか?何とかしろよ」

「ヌルフフ。お忘れですか?威月君。先生には脱皮があるのですよ」

 

すると、殺せんせーの頭部が裂け始め、一瞬で元の黄色い姿に戻った。

 

「ホラ、もとどおり。こんな使い方もあるんですよ」

 

殺せんせーは得意げにそう言っているが・・・

 

「それって月1のとっておきなんだろ?これから暗殺なのに自分から防御力減らしていいのか?」

「・・・あっ」

 

俺の言葉に殺せんせーはそう呟いた後、椅子に座って顔を覆った。・・・ホントに何でこんなドジをする奴を殺せないんだ?

 

そう考えていたその時、矢田が声をかけてきた。

 

「ねぇ、水守くん。陽奈ちゃんと太陽くん知らない?さっきからいないんだけど」

「ハッ! まさか、2人であんなことやこんなことを(ボカッ)グボァ!?」

「自重しろ、バカ」

 

岡島を殴って止めたその時、前原が口を開いた。

 

「そういや、2人ともグライダーに乗ってる時に海を指差して興奮してたな」

「海を指差して?」

「確かにグライダーを降りてから海の方へと歩いていったかも」

「分かった。サンキュー2人共」

 

前原と片岡に礼を言ってから、俺は海岸に向かった。すると、海に突き出した桟橋の先に2つの人影が見え、俺は迷わず桟橋へと向かい、

 

「何してんだ、2人共」

「おう、威月」

「おうじゃねえよ。勝手にどっか行ったから皆心配してんぞ」

「あ、そういや誰にも言わずに出てきちまったな。すまねぇ」

 

俺の言葉に、太陽は苦笑いを浮かべながら謝った。ま、無事ならいいが。

 

「んで、お前らは何をしてんだよ?」

「それなんだけどさ、見てくれよ。今度は陽菜乃の番だな」

「うん!!」

 

すると、倉橋は首にかけている笛を吹いた。「ピーッ!!」という音がしたと思ったら・・・

 

バシャ!! 「は!?イルカ!?」

 

いきなり海から飛び出したイルカに俺は驚きを隠せずにいると、

 

「(ピピーッ!!)ジャーンプ!!」

ばしゃーん!!

 

倉橋の笛と声に反応してイルカがジャンプをした。何でイルカ手懐けてんの、コイツら!?

 

「よーしよし、良い子だね~」

「いやーイルカって人懐っこいし賢いよなー。すぐに覚えてくれたぜ!!」

「・・・おう、凄いな(・・・この動物バカ2人相手にまともな感覚で話すのは止めよう)」

 

嬉しそうに笑う2人を見て、そう決意を固めた。疲れるだけだしな。

 

「なぁ威月。コイツ「ひまわり」で飼えねえかな?「イルカのいる孤児院」みたいな感じでさ」

「そんな孤児院あってたまるか。1回落ち着けよ」

「やっぱ無理かー・・・」

 

俺の言葉に落ち込んだ様子でイルカを撫でる太陽に俺は若干の罪悪感を感じた。いくら何でも真っ向から否定しすぎたな・・・

 

「(ハァ・・・)殺せんせー殺して百億手に入ったらいけるかもな」

「! ・・・そうだな。サンキュー、威月」

「頑張ろ!たーくん!!」

「おう!!」

(全く、やっと元に戻ったか)

 

太陽は動物の事になると頭のネジが飛ぶからなぁ。俺がフォローしてやらないと。

 

「とりあえず飯食いに行こうぜ。腹が減っては暗殺もできぬってな」

「おう!! ・・・ところで、威月。ここはどうだった?」

「それなら大丈夫だ。1番最初に確認したからな」

(高級なホテルだから心配だったけど、ここは大丈夫だったな)

 

そう考えながら太陽にその言葉を告げた。

 

「主食はパンだけど、ご飯も用意してくれるって」

 

 

 

渚side

 

「パクパクパクパク・・・」

「ガツガツガツガツ・・・」

「ムシャムシャムシャムシャ・・・」

「モグモグモグモグ・・・」

(・・・この光景見たことあるなぁ)

 

 殺せんせーの苦手な船の上で修学旅行同様に、ご飯をおかわりしている4人を見て僕はそんな事を考えていた。ホントによく食べるなぁ。

 

「ふぅ、ご馳走様」

「ご馳走さん」

「俺は後1杯かなぁ」

「俺も」

 

すると伊勢と威月が先に食べ終わり、太陽と九澄が空のお皿を持ちながらそう呟いた。ま、まだ食べるんだ・・・

 

「たーくん。私もう食べ終わったし、ご飯よそってきてあげようか?」

「おー、ありがとう」

 

そんなやりとりの後、倉橋さんがお皿を持っていった。()()()から、また一段と仲良くなったみたいだなー

 

「さて、俺も「九澄くん」 ん?」

 

その時、立ち上がろうとした九澄に神崎さんが声をかけた。どうしたんだろう?

 

「何?神崎さん」

「その・・・私がよそってきてあげようか?」

「「「「!?」」」」

「え、いいの?迷惑じゃない?」

「ううん、全然。さっきまでと同じくらいでいいよね?」

「あ、うん。じゃあ、お願い」

 

ニコニコと笑いながらそう聞く神崎さんに九澄はそう言いながらお皿を手渡した。そのまま神崎さんは嬉しそうに歩いていった。

 

(さっきまでと同じって聞くって事は、神崎さん九澄の事見てたってことだよね。それにあの嬉しそうな表情・・・もしかして、神崎さん九澄の事・・・)

「す、杉野君!?しっかりして!!」

「そ、そんな・・・」

 

杉野が崩れ落ちそうになっているのを伊勢が支え皆が九澄と神崎さんに注目する中、九澄が不思議そうに呟いた。

 

「しっかし神崎さんってよく食べるんだなー」

「「「「え?」」」」

 

その言葉にクラス全員が九澄に注目したが、九澄はさっきと全く同じ様子で皆に聞き返した。

 

「だって、自分も食べるから俺のをついでによそってきてくれるんだろ?女の子なのによく食べるんだなー」

「「「「・・・」」」」

「え?どうした、皆?」

 

殺せんせーを含めて全員が真顔になり、九澄が不思議そうにそう聞いてきた。もしかして・・・九澄ってかなり鈍感?

 

「・・・とりあえずは保留しよう」という威月の提案にクラス全員が賛成しながら夕食は終わった。

 

 

 

太陽side

 

「さぁて()()()()だ、殺せんせー」

「会場はこちらですぜ」

 

 前原や菅谷に促されながら杖をついてよろよろ歩く殺せんせー(飯食ってる最中にまた酔ったらしい)と一緒に俺達はある場所へと辿り着いた。

 

そこは、ホテルの離れの水上パーティールームだった。入り口以外の3方向を海に囲まれたここなら逃げ場なんて無い。

 

「さ・・・席につけよ、殺せんせー」

 

その時そんな声が聞こえ、殺せんせーは中にいる三村と岡島に気づいた様子だった。

 

「楽しい暗殺」

「まずは映画鑑賞から始めようぜ」

 

テレビにもたれかかりながら2人は笑みを浮かべてそう言った。




いかがだったでしょうか。

大賀は鈍感だなぁと自分で書いておきながらしみじみと思いました(笑)でも、こういうのは書いてて楽しいです!!

それでは、また次回お会いしましょう!!
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