太陽とひまわりの仲間達との暗殺教室   作:籠野球

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皆さんどうも籠野球です。

前回グリップを倒した為、原作ではあのボンボンの話になるんですが、そこは書きません。

今回から数話は、それと同時刻に起きたオリジナル回です。

それでは、どうぞ!!



四十三時間目 約束を果たす時間

太陽side

 

 カルマが男にさんざん処置という名の拷問を施した後、俺達は6階へと到着したが・・・

 

ガチャッ 「ちっ、鍵が掛かってやがる。ここが開かねえと階段にたどり着けねえな・・・」

 

裏口の階段への入り口のドアノブを捻りながら俺は舌打ちした。7階に上がるためには、内側から鍵を開けるしかないな・・・

 

「ここは・・・テラス・ラウンジだっけ」

「ああ、見た感じクラブにしてるみたいだな。ちょっとこっそり見てくるから、皆はここにいてくれ」

 

そう皆に言ってから、俺はテラスへの入り口が見える位置からしばらく様子を伺っていると・・・

 

(・・・なるほど、女性に対してのチェックは甘いみたいだな。男女の2人組の時も男の人に対してのチェックはかなり厳重だ)

 

2、3組確認した俺は皆の元へと戻ってそれを報告した。

 

「なるほど・・・つまり男子が入るのは難しいということですか?太陽君」

「はい。片岡、危険だけど女子達連れて中に入ってくれないか?俺達じゃ入れそうにないんだ」

「それはいいけど・・・やっぱり男子に1人はついてきてほしいんだけどな・・・」

「それは分かるが、入れない以上はどうしようも・・・」

 

たとえ武器持ってなくてもヤバそうだもんな・・・

 

「ん?・・・太陽~、1人なら入れるかもよ」

「? どうやってだ、カル・・・」

 

俺は言葉を失った。何故なら、カルマの手に握られていたのはどう見ても女物の服装だからだ。

 

「・・・どうしたんだ、それ?」

「外のプールサイドに脱ぎ捨ててあったんだ。持ち主はどこか行ったみたいだね」

「・・・・・一応、聞くんだが、中に入る方法は?」

「誰かがこれで女装して入るんだよ」

 

恐る恐る聞いてみたが、帰ってきたのは予想通りの言葉だった。うわぁ・・・

 

「で、誰が行く?」

(・・・チラッ)「「「「・・・」」」」

 

カルマの問いの後、俺は周りを見渡したが登志以外も男子全員が目を逸らした。そりゃそうだよな・・・

 

「えっと・・・僕がやろうか?男子の中では1番身長低いし」

「登志は無理だろ。木刀なんか持ち込める筈無いしな」

「あ、そっか・・・じゃあ、渚君はどう?身長も僕と同じくらいだし」

「え、僕!?」

 

登志の指名に渚は狼狽えたが、正直、渚くらいしか適任な奴いないんだよな・・・

 

「渚、頼めないか?このとおりだ」

「う・・・分かったよ」

 

頭を下げた俺に、渚はしぶしぶ承諾してくれた。・・・いろんな意味ですまん、渚・・・

 

 

 

「お、お待たせ・・・」

「「「「・・・」」」」

 

 トイレで着替えてきた渚に全員は言葉を失った。何故なら・・・

 

「自然すぎて新鮮味が無い」

「そんな新鮮さいらないよ、速水さん!!(パシャッ)そしてさりげなく撮らないでよ、カルマ君!!」

 

まあ実際不自然さ0だもんな・・・カルマは絶対弄る為だろうな。

 

「とにかく、頼むぜ渚。女子の皆に何かあった時はな」

「うう・・・分かったよ」

「行ってくるね!!」

 

片岡の言葉の後、女子達と渚は店内へと向かった。店の前で少し不安だったが・・・

 

「・・・よし、問題なく入れたみたいだな」

「全然女の子に見えたもんね、渚君」

「・・・登志、それは渚の前では言ってやるなよ」

 

ま、何にしろ皆を信じるしかないな。そう思いながら俺は時計を見た。

 

「・・・威月達と別れてもうすぐ10分か」

「大丈夫かな・・・威月達」

「分からんが、あの2人を信じるしかないな」

 

頼んだぞ・・・威月・・・大賀・・・

 

そう心の中で願いながら、俺は外を見た―――――

 

 

 

有希子side

 

「だ、大丈夫ですか?神崎さん」

「うん、ありがとう奥田さん・・・」

 

 氷を取り替えながらの奥田さんの問いに、私は笑いながら答えた。頭を冷やしてくれてるおかげで、少しだけ楽にはなってきたかな。

 

「奥田さん、次は中村さんを頼む。そろそろ取り替える時間だ」

「は、はい!!」

 

竹林君は凄く頼りになるんだな・・・さっきから奥田さんにもテキパキと指示を出しているし

 

「フー・・・もうすぐ20分か。皆は大丈夫だろうか・・・」

「大丈夫ですよ!!皆、きっと治療薬を取ってきてくれますよ!!」

「そうだぜ、竹林。確かに殺せんせーは動けないけど、烏間先生だっているんだしな」

 

皆・・・頑張って・・・でも、無理はしないでね・・・

 

そう考えていたその時だった。

 

「ハハハ、ホントに中学生ばっかりみたいだな」

「「「「!?」」」」

 

突然テラスの入り口からそんな声が聞こえると同時に、30人近くの男達が入ってきた。

 

「・・・何者ですか?貴方達」

「お前達に恨みは無いんだが、上からの命令でな。攫わせてもらおうぜ、抵抗するのはいいがまともに動けるのはせいぜい2人だけ、おまけにその2人も荒事は得意じゃなさそうな奴らで勝てるかな?」

「くっ・・・」

 

竹林君と奥田さんは確かに戦う事は得意じゃ無い。どうすれば・・・

 

ギュッ・・・

 

私は思わず左手の小指を握りしめた。この場に彼はいない。だから助けに来てもらう事なんて出来るはずが無い。それは分かっていた。それでも・・・願わずにはいられなかった。

 

「・・・女子からの方が手っ取り早いな。さっさと攫っちまえ!!」

「っ!!」 

「神崎さん!!」

 

その時、1人の男が指示を聞いて私は持ち上げられた。

 

恐怖で身がすくむ中、私は心の中で誰よりも好きで誰よりも来て欲しい人の名前を心の中で唱えた。

 

(助けて、大賀君!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三級挽き肉(トロワジェム・アッシ)!!」 

ズドドドン!!「ガハッ!!」

 

 その時、横からの急な衝撃で私を担いでいた男は吹っ飛ばされ、投げ出された私は地面に叩きつけられる衝撃に備えた。

 

「っ!! 「よっと」(ぼふっ) ・・・?」 

 

しかし、そんな言葉と共に受け止められた感触に私は驚いた。すると、

 

「遅れてゴメンね、神崎さん」

「!! 九澄くん!?」

 

その言葉で私は大賀君にお姫様抱っこされてることに気づいた。突然現れた大賀君への驚きと、お姫様抱っこされてる恥ずかしさに言葉を失っていると、

 

「な、何だテメェ!?」

「!!」

 

別の男が角材を振り下ろしてきて、大賀君は蹴りで迎撃しようとした。

 

バシィ!! 「なっ・・・」

「オラァ!!」 ドンッ!! 

「ぐ・・・お」 どさっ・・・

「水守君!!」

 

しかし、左手で受け止めると同時に右拳をボディに打ち込んだ水守君の反撃に、男はそんな呻き声を上げながら倒れた。いきなり現れた2人に男達は驚いて動きを止める中、水守君は軽く息を吐いた後、私達を見渡しながら呟いた。

 

「・・・どうやら、ギリギリ間に合ったみたいだな」

「下ろすよ、神崎さん」

「あ・・・うん、ありがとう」

「助かったよ。

・・・しかし、何で2人はここに?」

 

少しだけ残念に思っている中、竹林君のそんな素朴な質問に水守君は笑みを浮かべながら答えた。

 

「太陽に頼まれたのさ」

「太陽に?」

 

 

 

威月side

 

「威月、頼みがある」

「急に何だ?」

 

 毒ガスの男を倒した直後のそんな太陽の言葉に俺は聞き返した。どうしたんだ?

 

「大賀か登志のどっちか1人を連れて、倒れてる皆の元へ戻ってくれないか?」

「!! 皆の元に?何でわざわざ?」

 

ただでさえ烏間先生が戦えないのに更に戦力を分散させるなんて、余程の理由じゃなきゃ賛成出来んが・・・

 

すると、太陽は寺坂の方を向き、

 

「コイツと会った時、先頭にいたのは寺坂と吉田だったんだよな?」

「お、おう。それがどうかしたか?」

「・・・なのに、相手は躊躇いなくガスを噴射してきた。つまり相手は、俺達が中学生でも全く容赦ないって事だ。威月、この状況で俺達相手に確実に優位に立つために敵のプロ達は何を考えると思う?」

「!! なるほど・・・動けない連中を手中に入れて、俺達を身動き取らせなくしてくるって事か」

 

確かにそれなら、俺達の動きを完璧に封じこめる事が出来るな。

 

「向こうでまともに動けるのは竹林と奥田だけ。2人は戦闘向きの能力では無い、とても守り切れねぇ」

「・・・だから俺ともう1人で護衛をするって事か?」

「ああ。烏間先生が戦えない以上は俺達4人の半分に分けるしか無いんだ」

 

そこまで言った後、太陽は申し訳なさそうな顔を浮かべながら、

 

「・・・もちろんこれはただの想像だし、戦力を分けたらかなり危ないのも分かってる。でも、威月以外に任せられる奴はいないんだ・・・頼まれてくれ、頼む」

 

そう言いながら頭を下げてきた。全くコイツは・・・

 

「・・・俺、前に言ったよな?困ったときは頼れって。俺は家族だぞ、そんな顔で頼まなくていいんだよ」

「俺が威月と一緒に行くよ!!太陽と登志は治療薬を頼む!!」

「威月・・・大賀・・・任したぜ、2人共!!」

「「おう!!」」

 

 

 

有希子side

 

「・・・それで、急いで戻ってきたのさ」

(そうだったんだ・・・)

 

 水守君の説明に私は心の底から安堵した。太陽君のおかげだな。

 

「でも、間に合ってよかったよ。怪我は無い?神崎さん」

「うん、大丈夫。

・・・ありがとう、助けに来てくれて」

「クラスメイトを守るのは当然だよ。」

 

すると、大賀君は笑いながら私に左手の小指を見せながら、

 

「それに・・・「必ず助けに行く」そう()()したもんね」

(!! 大賀くん・・・)

 

嬉しかった。ただの口約束に過ぎない私との約束を、本当に守ってくれた事が。

 

「大賀!!フォローはしてやる、好きなように暴れろ!!」

「ああ!!」

 

水守君の言葉にそう返しながら大賀君は男達の方へと向き直り、

 

「何人でも相手してやるよ・・・!!お前らみたいな卑怯な連中、俺が片っ端から蹴っ飛ばしてやる!!」

「舐めた事言いやがって・・・所詮ガキ2人だ、やっちまえ!!」

「九澄くん!!」

 

リーダー格の男のそんな声を合図に、男達は一斉に大賀君に襲いかかった。

 

タンッ!! 「(ガシッ)えっ・・・」

「・・・何だかんだ言って、この技が1番乱戦に向いてるんだよなぁ」

 

しかし、大賀君は一瞬で跳躍して1人の男の頭に手を乗せたと思ったら、

 

「パーティーテーブルキックコース!!」 ブオン!!

ドカカカン!!! 「「「「ぐあぁぁぁ!?」」」」

 

修学旅行の時と同じように逆立ちした状態で開脚しながら身体を回転させた。敵の真ん中で放ったその攻撃に、複数人が吹っ飛ばされた。

 

「す、凄い・・・九澄君「な、舐めんじゃねえぞテメェ!?」 !?」

 

誰もが驚いたその時1人の男がそう叫びながら奥田さんに近づき、奥田さんは身を竦ませたが、

 

ブンッ!! 「(ドカンッ!!) がハッ!!」

「大賀だけじゃねえんだ、忘れるな」

「ありがとうございます、水守君!!」

 

直後に水守君が放り投げた椅子が直撃し、その人も気を失ってしまった。

 

「こ、この!!」 ブンッ!!

「こんなモンで(パシィ)、俺を倒せるか!!(バキィ!!)」

「う・・・ご・・・」

 

水守君はそのまま別の男が振り下ろした角材を受け止めながら、脇腹に拳を突き刺した。途端に鈍い音が鳴り、男は脇腹を押さえながら崩れ落ちた。

 

「な、何なんだ・・・コイツら・・・」

「考えてる暇なんか無いぜ!!」

「大賀!!さっさと片付けるぞ!!」

 

2人の予想外の強さに唖然としている男達を相手に、そう言いながら2人は暴れ続けた。

 

 

 

「あ・・・が・・・」

「い、痛え・・・」

「(バキィ!!)ガ・・・ハ・・・」

「ハァ・・・ハァ・・・片付いたな」

「フー・・・ああ、残りはそこのリーダーだけだ」

「か、かすり傷1つ無しとか、どんだけ強えんだよ2人共・・・」

 

 数分後・・・周りには男達が呻きながらか気絶した状態で倒れ、最後の1人を倒した大賀君の荒い呼吸をしながらの呟きに水守君がそう返した。

 

「奥田、竹林。全員無事か?」

「う、うん。大丈夫だよ」

「指一本触れられてないさ・・・ホントに助かったよ」

「そっか、良かった・・・」

 

大賀君が安心したような顔でそう言ったその時、たった1人残ったリーダーの男が呆然とした様子で呟いた。

 

「な、何だよお前ら・・・たった2人で30人も・・・」

「残るはテメエだけだ。寝てるコイツら連れて、さっさと消えろや」

「く、クソ・・・こうなったら俺が(ドスッ)ガッ・・・」

「「!!」」

 

その時、喋っていた男の背後に突然筋肉質な男と痩せ型の男が現れ、筋肉質な男に殴られた事でリーダーの男は気を失った。

 

「・・・ったく、やっぱこんな雑魚共だけに任したのは失敗だったな」

「そんなこと無いさ。

・・・まさか、ここまで強い中学生がいるなんて思いもしなかったからな」

「・・・気ぃ引き締めろよ、大賀。この2人、さっきまでの奴らとは桁が違うぞ・・・」

「うん・・・この感じ、殺し屋だな」

 

戦闘態勢を取りながらそうやりとりする2人を見て、筋肉質な男が楽しそうに笑い、

 

「"マジシャン"、お前どっちの相手するよ?俺はどっちでもいいぜ」

「どっちでも構わんが・・・お前まさかこのテラスに爆薬とか仕掛けてないだろうな、"ボマー"。俺は子供を殺す気は無いぞ?」

「!! ボマー・・・だと・・・!?」

 

2人のやりとりに水守君は目を見開きながら、男を凝視した。どうしたんだろう・・・?

 

「そんな事する訳ねえだろ、楽しみが減っちまう」

「それならいいが・・・お前は無関係な人でも平気で殺す。そんなのは殺し屋とは言えんぞ?」

「へいへい、説教はよしてくれ。これが俺のやり方だからな」

「・・・大賀、お前はマジシャンって呼ばれた方を頼む。あのボマーって野郎は俺がやる」

「えっ・・・! わ、分かった。・・・大丈夫か、威月?顔怖いぜ?」

「・・・ああ、問題ねぇ。頼んだぞ」

 

そう言いながら水守君は男達の元へと歩いて行った。何か水守君、ボマーって名前を聞いてから様子がおかしいな・・・

 

「竹林、奥田さん。大丈夫だとは思うけど巻き添えに遭わないよう気をつけてな。

・・・それじゃ、神崎さんも気をつけてね」 くるっ

「あ・・・待って、九澄くん!!」

「ん?」

 

あ・・・思わず呼び止めちゃった・・・ど、どうしよう?

 

「何、神崎さん?」

「え、えっと・・・無事に帰ってきてね」

(うう・・・そんなので呼び止めるなんて凄く不自然だよ・・・)

「・・・それは、新しい約束?」

「え?」

 

大賀君はいつも通り笑ってくれていた。そんな屈託の無い笑顔に思わずドキリとなった。

 

「約束なら・・・必ず守るよ。絶対戻ってくるから!!」

「(大賀くん・・・)・・・うん、約束!!」

 

私の声に頷くと、今度こそ大賀君は男達に振り返った。気をつけてね、大賀君・・・

 

「お互いが1対1(タイマン)の2対2。楽しい喧嘩だな!!」

「全くお前は・・・まぁ、中学生と闘いたくは無いが、依頼な以上は仕方ない」

「(ゴキッ)・・・やるぞ、大賀」

「おう!!」

 

そんなやりとりと共に、大賀君と水守君は突進した―――――!!




いかがだったでしょうか。

というわけで、大賀と威月のバトルシーンです。ホテル内で4人を戦わせるのは、流石にグダグダ過ぎるな・・・と思って、太陽・登志のホテル内組と大賀・威月の外組に分けました(まぁ、大賀はそもそも神崎さんの側で戦わせるつもりでしたが(笑))

無理矢理外で戦わせる理由を作ったので、おかしな所もあるかもしれませんが、ご容赦下さい。
m(_ _)m

それでは、また次回お会いしましょう!!
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