太陽とひまわりの仲間達との暗殺教室   作:籠野球

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皆さんどうも籠野球です。

今回は威月の話です。

ここまで書いてきて、1番苦労する話になりました・・・(この1話書くのに、正直1週間以上掛かったと思います)

おまけに過去最長になってしまった上に、残酷な描写が少しだけですがありますが読んで頂けたら嬉しいです!!

それでは、どうぞ!!


四十五時間目 復讐の時間

大賀side

 

「ど、どうしたんだ、威月!?」

 

テーブルにもたれかかっている威月に俺は思わず声をかけた。威月があんな傷だらけになるなんて・・・

 

「前原、教えてくれ!!何が起こったんだ!?」

「わ、分かんねえよ!?でも、何か最初から様子がおかしいんだ!!」

(どっか怪我してるのか!?でも、さっきの連中倒した時はいつも通りだったのに・・・!!)

 

そう考えていると、威月の前に立っていたボマーと呼ばれていた男はおもむろに話し出した。

 

「随分な殺気だな。何でお前みたいなガキに殺気向けられなきゃいけねえんだか」

「うるせえよ・・・」

 

そう返しながら立ち上がった威月の放つ殺気は、今まで感じたことないくらい鋭かった。

 

「テメエを殺す。その為に俺は生きてきた!!」

(殺す!?ど、どうしたんだ威月は!?)

 

威月が何の理由も無く人を殺そうとするなんてありえない!!この人といったい何が・・・

 

「俺はお前なんざ見た事もねえぞ?殺される理由が分かんねえな」

「だろうな・・・もう9年も前の話だからな。

・・・昔話してやるよ」

 

む、昔話・・・?

 

「・・・昔、ある所に1人の子供がいた。その子の両親は父親が自衛隊隊員、母親が大学の外国語を教える教員というかなり裕福な家だった。そんなエリートの両親から生まれた子供に対し、両親は厳しくも最大の愛情を持って育て、その子も自分の両親をとても誇りに、そして尊敬していた。その家族は、まさに理想的な家族だった」

 

その時、威月の握り拳が強く握られるのが分かった。威月らしくなく、感情的になっているのがすぐ分かった。

 

「そんな家族が引き裂かれたのは今から9年前の夏だった。

その時、家族はアメリカにいた。少し前に6歳になった子供の誕生日祝いも兼ねた旅行だった。

・・・楽しい思い出になるはずの旅行が悪夢に変わったのは、ある高層ビルでの爆破事件だった。

突然の爆発に街中が混乱する中、正義感の塊みたいな父親は危険を承知で救助と避難誘導の為にそのビルの中に入り、母親も通訳するために付いていった。

そんな出来事を、子供はホテルで寝ていた為、全く知らなかった。

・・・起きた子供が、前から父親と知り合いで連絡を受けて駆けつけてくれた孤児院の院長から聞いたのは、両親が死んだという知らせだった」

 

威月のそんな話に、誰もが言葉を失った。だって・・・この話はどう考えても、威月の・・・

 

「子供は思い切り泣いた。当然だ、まだ6歳だというのに尊敬している両親が死んだのだから。そんな子供に、その院長は一晩中傍にいた。

やがて、泣き止んだ子供は「その人に何で両親は死んじゃったのか?」と聞くと、両親はビルの中で起きた2回目の爆発で死体も残らなかったらしい。

その人曰く、2回目は誰を狙ったのか分からなくするための爆発らしかった」

 

そこまで言った後、威月は一瞬だけ目を閉じ、

 

「爆発を起こした犯人は・・・殺し屋"ボマー"」

「!! じゃあ・・・やっぱりこの人が!?」

「あぁ・・・俺の両親を殺した野郎だ・・・!!」

(威月の様子がおかしかったのはそのせいか!!)

 

自分の両親殺した人を目の前に冷静でいれるはずが無いもんな・・・

 

「テメェを殺すために、俺は・・・!!」

「ほう、あのビルでの爆破の時のか。そりゃあ気の毒だったな」

 

威月のそんな言葉にも、男はまるで興味なさげにそう言っただけだった。そんな態度に威月は更に熱くなっていった。

 

「テメェ・・・!!殺し屋のくせに無関係な人まで巻き込んで、何も思わねえのか!?」

「お前、今まで殺した虫の数なんて数えてるか?それと同じだ」

「!! 貴様ぁ!!」 ドンッ!!

 

男の笑みを浮かべながらのその言葉に、威月は激昂しながら男に突進した。

 

ブンッ!! ブオンッ!!

(大振りな上に単調すぎる、いつもの威月じゃない。それじゃあ当たらないぞ!!)

 

俺の予想通り、男は簡単に威月の攻撃を避けていた。

 

「熱くなるなって。ソイツも心配そうに見てるぞ?」

「余所見してんじゃねぇ!!」

「落ち着け、威月!!その人の言葉を聞いたらダメだ!!」

(あの人は明らかに威月を煽ってる。このままじゃ・・・!!)

 

そう思いながら俺は威月にそう声を張り上げた。しかし・・・

 

ヒュン!! ボッ!!

(くそっ、ダメだ!!聞こえてない!!)

 

熱くなっている威月にはまるで届かなかった。男は続けざまに攻撃を繰り出す威月が疲労するのを待っている様子に見えた。

 

「ガアァァァ!!」 ブンッ!!

「ふん(スカッ)、おら!!」

「(ドカッ) ガハッ!!」 ガシャアァァァン!!

「威月!!クソッ!!」

 

やがて、一段大振りの攻撃を簡単に躱しながらの男の蹴りによって威月は再びテーブルの瓦礫に吹っ飛ばされた。それを見た俺は、思わず男に突進しようとしたが・・・

 

ズキィ!! 「う・・・ぐ・・・」

「く、九澄!?」

(クソ・・・さっきのダメージが今頃に・・・)

 

突然、身体に走った痛みのせいで、俺は思わず膝を着いた。

 

(こんなんじゃあ、もう戦えねえ・・・どうすれば「手ぇ出すなよ、大賀・・・」・・・!!威月!?)

 

そう考えていたその時、そんな呟きと共に威月は立ち上がった。

 

「この戦いに手ぇ出してみろ・・・俺は「ひまわり」の皆でも容赦しねえぞ・・・!!」

 

威月の目はそれが本気だと何よりも語っていた。仮にここで俺が助けに入ったら、間違いなく威月は俺を攻撃するだろう。俺は見守るしか無かった。

 

「おいおい、いいのか?2人の方が勝ちやすいぞ?」

「っ(ギリッ)ぶっ殺す!!」

 

その時、薄笑いを浮かべながら男がそう言った為、唇を噛みしめながら再び威月は突っ込んでいった―――

 

 

 

「これで終わりだな」

「い、威月・・・」

 

 その後も大振りの攻撃の合間に繰り出される反撃を貰い続け、何回も倒れては立ち上がるのを繰り返していた威月は、強烈なボディーブローを受けたことで再び倒れた。もう何回目かも覚えてない・・・

 

フラッ・・・ (まだ立てるのか!!でも・・・)

 

ふらふらの状態の威月は、誰が見ても限界に思えた。それほどまでに威月の身体はボロボロで、何カ所からは血が出ていた。

 

「そろそろ終わりにしてやるよ」 バキッ!!

 

そんな威月を見て、男は背中から何やら棒の様な物を取り出すと、地面に向けて振った。木の板が簡単にへし折れた辺りから見ても、間違いなく金属製だろう。

 

「依頼は攫えとの事だが、殺してはいけないなんて言われてないしな。1人くらいはいいだろう」

(マズい・・・あんなので殴られたら、流石の威月も!!) ぐっ・・・

 

男の言葉に、俺は反射的に足に力を込めた。さっきに比べたら大分ダメージも回復してきてる。今なら・・・

 

「ハァ・・・ハァ・・・」

(!! 威月・・・)

 

しかし、荒い呼吸をしながらも威月はさっきまでと何一つ変わらない強い瞳で俺を見てきた。手を出すなって・・・もう限界だろ!?

 

「・・・お前が手を出したらダメなんだよ、大賀」

「えっ・・・」

「これは・・・俺が乗り越えなきゃいけない壁なんだよ!!」

 

そう言いきった威月を見て、初めて感心した様子で男は話し出した。

 

「ほう・・・その意思の強さ。確かにそっくりだな」

「!! テメェ・・・俺の両親を見たのかよ?」

「爆破前に一応中に仕掛けたカメラでな。知らないフリをしただけさ」

 

男は思い出すかの様に話し出した。

 

「・・・お前の両親は確かに立派だった。最初の爆発に巻き込まれて動けない怪我人や家族とはぐれてしまった子供達を介抱・誘導を最後まで率先して行っていた。あれこそまさに、生きる意思の強さと言ったところか」

 

男はそう言ったと思ったら、ニヤリと笑みを浮かべ、

 

「そんな意思を踏みにじるのは何よりの快感だ」

(コイツ・・・!!どこまで人をバカにすれば!!)

「(カランッ)まあ、俺からの親切として、きっちり家族の元へと送ってやるよ。何か遺言あるか?」

「・・・安心したよ」

「あ?」

 

金属棒を頭の上で構えた男の問いに、威月はそう呟いた。聞き返した男を笑みを浮かべながら威月は言いきった。

 

「お前が、予想通りのクズで安心したんだよ。これなら安心して殺せる」

「っ!! そんなボロボロの状態で偉そうな口叩いてんじゃねえよ!!さっさと死ねや!!」 ブンッ!!

 

男は激昂しながら威月の頭に振り下ろした!!

 

「いつ・・・(ガアァァァン!!)」

 

威月の名前を呼ぼうとした俺の言葉は、そんな鈍い音に掻き消された・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・やっと隙を見せたな」 ダンッ

「なっ!?」

 

突然そう呟いた威月に、その場にいた全員が驚いた。慌てて対応しようとした男だったが、それよりも威月が踏み込む方がよっぽど速かった。

 

「はあ!! (ドドンッ!!)」

「ぐっ・・・何を」

 

気合を入れながらの威月の拳を腹に受けた男はよろめきながらそう呟いたが、その後の言葉は継がれなかった。

 

「(ドクン!!)!? ガハア!?」

(なっ!?)

 

一瞬だけ身体を震わせた後、男は口から血を吐きながら膝を着いた。な、何をしたんだ?威月は。

 

「・・・テ、テメエ・・・何で頭を金属で殴られて死ぬどころか、気を失いすらしねえんだ・・・!?」

「(プッ)・・・フン、金属で殴られたぐらいで俺は死なねえんだよ。何せ、俺は身体を鉄に出来るもんでな」

「な、何だと・・・?」

 

そうか・・・殴られる瞬間に鉄塊を!!威月の鉄塊(それ)は太陽よりも優れてるからな・・・

 

「ああそれと、今のは俺が独自で編み出した必殺技だ。お前を殺す為のな」

「ひ、必殺技だと?」

 

テーブルの破片の小さな木の板を拾い上げながら威月は続けた。

 

「世の中の全ての物には、攻撃する際に多少なりとも抵抗がある。それのせいで衝撃は全て伝える事は出来ない・・・それを改善したのが、俺の技」

 

そう言いながら威月は板を上に放り投げてから構え、

 

「フッ!!」 ドドンッ!! パアァン!!

「なっ!?」

 

板を殴ったその瞬間、木の板は粉々に粉砕された。その光景に男は目を見開いていた。

 

二重(ふたえ)の極み・(かい)。拳を立てた状態で対象に一撃を加え、その衝撃が対象の抵抗とぶつかったその瞬間に指を折り曲げて二撃目を叩き込む。一撃目で抵抗を失った対象は、二撃目で完全に粉砕されるという訳だ。人相手に使えば、敵に重大な()()ダメージを与える技だ」

「外傷ダメージ・・・だと?バカな・・・この衝撃は・・・」

 

確かに二重の極み・壊を喰らったにしてはあの人、傷1つ無いよな・・・?おまけにあの血は?

 

「話は最後まで聞けよ。確かに二重の極み・壊は威力も高いし殺傷能力も凄いんだが、拳への負担が桁違いにデカくてな。それに、素早く動かれたら当てにくい上に加減も難しい。だからこそ、俺はもう一つ編み出した。その名も二重の極み・(めつ)、コイツは壊の反対で敵に()()ダメージを与え、動きを封じる技だ」

(そうか・・・だからこの人は見た目に傷は無いのにあんなに血を・・・!!)

 

いつの間にあんな技を編み出してたんだ、威月は・・・

 

「俺は最初からこの状況に持ち込む為に動いてたのさ。怒りに身を任せて動けなくなった俺を、トドメを刺しにきたアンタの攻撃を受け止めながら、二重の極み・滅を叩き込む。全部、俺の作戦通りだ」

「なっ!?じゃあ、途中でキレたのもこの人を挑発してトドメを刺させようとしたのも全部芝居だったのか!?」

「大賀、俺が常に冷静でいる理由って何故だと思う?」

「えっ?」

「復讐を遂げる為には・・・悲しみや怒り、そして憎しみすらをも呑み込んで殺す事だけ考えて動けばいい。そう考えついたからさ」

 

そう言った威月の目は、今まで見たことも無いくらい冷たかった。

 

「ふざけんな、ガキが・・・!!」 ふらっ・・・

「まだやる気かよ?さっさと俺に殺されろ」

「うるせぇ!!テメェみてえな中学生なんかに、俺が負けるか!!」

 

男はそう言いながら棒を掴んで威月に突っ込んでいったが・・・

 

「おらぁ!!」 ブンッ!!

ガシッ 「・・・コイツでトドメだ」

「威月、待っ・・・」

 

棒を左手一本であっさり受け止めながら右拳を握った威月は、俺が止めるよりも早く必殺の一撃を叩き込んだ。

 

「二重の極み・壊!!」 

ドドンッ!! 「ぐ・・・は・・・」 ドサッ・・・

 

お腹にそれを喰らった男は、後ろに吹っ飛ばされながら倒れた。その代償として、威月の右拳からは血が滴り落ちていた。

 

「あー()って・・・やっぱ壊の負担は桁違いだな」

「威月、手は「ま、殺せるならこんな痛み関係ねえがな(ザッ)」!!」

 

俺の問いに答えずに、威月は棒を左手で持ちながら男に近づいていった。 

 

「ば、バカな・・・俺が、こんな奴に・・・!?」

「これでトドメだ。一応聞くが、何か言い残すことはあるか?」

「ふざけるな・・・俺がこんな所で死ぬわけが(ブンッ!!・・・バキィ!!)・・・!!」

 

そんな男の口は、威月が棒を足に振り下ろした事で絶叫に変わった。どう見ても折れているだろう。

 

そんな容赦ない行動に俺は初めて威月を恐れた。

 

(これが・・・威月の復讐なのか?)

「俺はテメェのそんな戯れ言を聞く気はねえ。ま、そんなくだらねえ言葉が吐けるって事は、覚悟ありって事だな」

「た、頼む。助けてくれ・・・」

「お前そう祈った人達を何人殺してきた?何人の生きる意思を踏みにじってきた?そんなお前の命乞いが許されるわけ無いだろ?」

 

ばっさりと切り捨てながら威月は棒を振り上げた。それを振り下ろした瞬間、男は死ぬだろう。

 

「っ!!」

 

勿論、これが威月の生きてきた理由なのは分かってる。だが、家族として口を挟まない訳にはいかなかった。

 

「威月ダメだ!!その人を殺しちゃ!!」

「・・・これが俺のやるべきことだ。その為なら、俺は全てを捨てる覚悟で生きてきた」

「っ!!」

「すまんな、大賀。「ひまわり」の皆にはよろしく言っといてくれるか?」

 

威月の笑みを浮かべながらの発言に俺は唇を噛みしめた。言葉に一切の迷いが無かったからだ。

 

(今の威月を止めるには何を話せばいい!?どんな言葉なら「それで、ホントにいいの?威月」!! 中村さん!?)

 

無い頭、振り絞っていた俺の耳に入ってきたのは、奥田さんに支えられながら上半身を起こした中村さんの言葉だった。

 

「全てを捨てる覚悟ってアンタ言ったけどさ、全部捨ててからはどうすんの?」

「捨ててから・・・だと?そりゃあ「「1人で孤独に生きる」」 !?」

「アンタの考えくらいすぐ分かるよ」

 

ハモった事に驚く威月に、中村さんは笑いながら続けた。

 

「家族を失ったアンタが、また一緒に暮らせる家族と呼べる人達に出会ったっていうのに、それを捨ててまで自分達を殺した人に復讐する事なんてあの人達が望んでると思う?」

「・・・!!」

「俺もそう思うよ、威月。正義感の塊みたいな人達だったんだろ?そうでなくても、自分の子供が人を殺すなんて許す親なんていないと思うぜ?」

 

中村さんが威月の両親を知っているかの様な発言が若干気になりながらも、俺は威月にそう呼びかけた。そんな俺達の言葉に威月は目を閉じながら数秒天を仰いだ後・・・

 

「・・・中村、大賀。確かにお前達の言う通りだな。そんなことしたら、あの2人に叱られちまうな。」

「・・・威月!!」

「ただ、ケジメだけはつけさせてくれるか?」

「えっ?」

 

威月はそう言うと棒を振りかぶり、

 

「死ね」 ブンッ!!

「な・・・威」 ドゴオォォォン!!

 

俺達が止めるよりも早く棒を振り下ろし、とてつもない轟音が響いた―――――

 

 

 

 

 

「い、威月!?何「う・・・あ・・・」 ・・・え?」

 

 しかし、威月の振り下ろした棒は男の顔面のすぐ横の床に突き刺さっていた。威月の濃密な殺気を受けた男はそんな言葉と共に気を失った。

 

「・・・おい、大賀」

「な、何だ?」

()()()()()()()()()?」

(!! そうか・・・)

 

威月の言葉で、ようやくやりたいことが分かった。

 

「威月の一撃喰らって、生きていられる奴なんているわけないだろ?」

「フッ、当然だ。」

 

俺にそう返してくれた威月の顔は、憑き物が落ちたかの様な柔らかな笑みを浮かべていた。

 

「終わったみたいだな」

「「!!」」

 

その時、背後からのそんな声に振り返りながら構えると、そこにはマジシャンと呼ばれた男が右肩を押さえながら歩いてきていた。後ろには10人くらいいるし、まだやる気か!?

 

「警戒しなくていい。私がこんな状態な上にボマーまで倒された以上、俺達は君達には二度と勝てないさ。敗者なのにすまないが、コイツらは俺が責任持って連れて帰るから退かせてもらえるかい?」

 

男の右肩は、完全に骨が砕けている様子だった。恐らくは、俺の「肩ロース(バース・コート)」が直撃したからだろうな。

 

「そっちが売ってきた喧嘩だ。そっちが退くというなら、止めはしねえよ」

「助かるよ。マジシャンの名を持って、この場にいる奴らには二度と手を出させないと誓おう」

 

男はそう言いながらボマーと呼ばれた男を担いだ。この人は義理堅そうな人だし、約束通りにしてくれるだろうな。

 

「・・・それと1ついいかな?」

「はい?」

「君達が使った技、誰に教わったんだ?」

「えっと・・・」

 

俺は威月に目配せした。あまり他の人に言うなと言われてるしな・・・

 

しかし、俺達の沈黙でこの人には充分だったみたいだった。

 

「やはり・・・道理で強いはずだ。あの男からの教えを受けているというならな」

「あまりバラされると困るのですが・・・」

「分かっている、ここだけに話にしておくよ。では、さらばだ。おい、行くぞ!!」

 

笑みを浮かべながら俺達にそう言ったマジシャンが同じく倒れている奴らを担いだ男達と共に去って行くのを見て、俺と威月はようやく肩の力を抜いた。何とか、守り抜けたな・・・

 

 

 

―――こうして、俺と威月の死闘は終わった。後は、皆次第だな・・・




いかがだったでしょうか。

というわけで、威月の使用技はこれまた「るろうに剣心」の相楽 佐之助の二重の極み+オリジナル要素の技です(本来の二重の極みは、威月の使用する壊の方です)
滅は「刀語」という小説に出てくる虚刀流という剣術の奥義の1つ、「柳緑花紅」を参考にした技です。

最初は威月には虚刀流を使わせようと考えていたのですが、それだと剣士が2人になっちゃうし、威月は純粋な力で戦うタイプにしたかったので止めました(笑)

ちなみに、タグに原作キャラ以外の死とありますが、4人に人殺しはさせません(今回はかなり際どかったですが・・・)

まあとりあえず・・・これで2人の戦いは終了です。次回からは再びホテル内へと戻っていきます。

それでは、また次回お会いしましょう!!
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