太陽とひまわりの仲間達との暗殺教室   作:籠野球

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皆さんどうも籠野球です。

前回の続きからで昼休みからになります。ホントは訓練を書きたかったんですが、難しそうで断念しました。

まあそもそもそんな上等なセンスも無いですけどね(笑)

それでは、どうぞ!!



二時間目 初登校の時間②

太陽side

 

 昼休み、俺達は4人で集まりながら持ってきた弁当を机の上で広げようとしていた。すると、

 

「太陽君達も今日は一緒に食べない?」

 

渚や杉野が俺ら四人を誘ってきてくれた。もちろん断る理由なんてない。

 

誘いを了承すると、俺達の机の元に渚と杉野、それに小柄な緑色の髪色の女子がやってきた。

 

「私は茅野 カエデ、私もいい?」

「ああ、構わねえよ」

 

俺は茅野の質問に快諾し、7人で昼食を食べることになった。

 

そして俺達4人が弁当を開けた瞬間、渚が驚いた様子で口を開いた。

 

「あれ、四人のお弁当って全員一緒なんだね?」

「そりゃそうさ、大賀が全員作ってるんだからな」

「え!?九澄君が全員の分を作ってるの!?」

 

渚が出した大声にクラス全員が反応した。

 

「あ・・・ゴ、ゴメン」

「別にいいよ、隠す事じゃないしな」

 

我に返った渚が俺達に謝ったが、九澄が代表して返事をした。

 

「でも、何で九澄君が全員の分のお弁当を作ってるの?」

「俺、料理好きだからさ、家族全員の分を作ってるんだよ」

「? 家族って皆、名字違うよね。どういう事?」

「渚、俺の噂の一つに孤児院で暮らしてるって聞いた事ないか?」

「え・・・あれって噂じゃ無くて本当なの?」

「ああ、威月達3人は小学生の頃から、俺は生まれてからすぐに孤児院で生活しているよ。」

 

俺のその言葉にクラス全員が無言になってしまった。

 

そんな状況にテンパった俺の代わりに威月が俺の気持ちを代弁してくれた。

 

「別に俺ら4人全く気にしてねえからさ、皆そんな気を遣わねえでくれよ。」

「こうやって4人で一緒に学校行って、ご飯一緒に食べるのも結構楽しいからね。」

 

登志もそう言った事で、ようやく渚が口を開いた。

 

「ゴ、ゴメンね・・・でも九澄君すごい料理上手いんだね。」

 

まあ確かにこの弁当もすげえな。里芋とレンコンの煮物、ネギ入りの卵焼き、キュウリの浅漬け、牛肉のそぼろをのせたご飯。

 

これを全員分の朝食を作りながら作って、さらに洗濯機を動かしたりもしてるんだからホントに大賀はすごいな。

 

「もし良かったら僕にも今度教えてくれない?」

「全然いいよ。今度俺らの孤児院に来なよ、教えるからさ」

「本当?ありがとう!」

 

渚と大賀のそんなやりとりを聞き、俺ら以外が「ひまわり」に来てくれるという事実に俺はなぜか嬉しくなりながら弁当の残りを食べた―――――。

 

 

 

 陽菜乃side

 

昼食後、私達は体操服に着替えて校庭に集まっていた。今日の五時間目は体育だからだ。

 

「よし、じゃあ今日のナイフ術の訓練を始める。・・・む?神木君がいないようだが?」

 

その言葉に私達は太陽君がいないことに初めて気づいた。

 

「あれ、一番最初に校庭に出て行ったんですけど・・・」

「そういや何か見つけた様子で山を下りていったな」

 

磯貝君と前原君の会話を聞いた水守君は、

 

「まさか・・・おい前原、あいつどっちに降りてったか分かるか?」

「え、あっちだけど」

「分かった。すいません烏間先生、五分で戻ります!!」

 

そう言って前原君が指差した方向へ下りていった。

 

そうして五分後・・・

 

「たく、おまえは。授業時間くらい把握しとけや」

「だからゴメンって」

 

そんなやりとりをしながら2人は山の下から歩いてきた。謝りながら歩いてくる太陽君の腕の中には小さな白い動物がいた。

 

眠っている様子の長い耳と短いしっぽを持つその動物の名前を、私は興奮しながら叫んだ。

 

「ウサギだー!!」

 

私は太陽君の傍に駆け寄り興奮したまま、太陽君に話しかけた。

 

「太陽君、どうしたのこの子!?」

「いや、さっき何か動いた気がしてさ、追いかけてきたらコイツがいたんだ」

「可愛い~!でも何でこんな山の中に?」

「野生のウサギがこんな所にいるはずが無いからな、おそらく子供が飼いきれずに捨てられたんだろ。酷い事するぜ・・・」

「でも元気そうで良かったね。」

 

この子は怪我してる風には見えないし、太陽君に安心して眠っちゃったんだろうな。

 

「とりあえず、家で飼うけどお前ら構わねえか?」

「拒否してもお前はコッソリ連れてくるだろ?それに今更ペットが一匹、二匹増えても変わらねえよ」

 

ため息をつきながらそう言った水守君に、九澄君と伊勢君が笑いながら同意していた。

 

「とりあえずその子は教室に連れて行ってくれ、今は体育の時間だ」

「げ、もうこんな時間!?すいません、急いで戻ってきます!!」

 

烏間先生の言葉に太陽君は慌てて教室へと走って行った。

 

「とりあえず今日は時間が短いからな、少しキツくなるから頑張ってくれ」

 

・・・今日はすごく大変そうだな。

 

その後訓練で私を含めて皆ヘトヘトになってしまい、太陽君は皆の前で謝罪していた。

 

 

 

太陽side

 

放課後・・・

 

「全くお前のせいで皆ヘトヘトになってたじゃねえか」

「ま、まあいいじゃねえか、ちゃんと許してくれたし」

「初日から迷惑かけてどうすんだって言ってんだよ。たく・・・」

 

 学校からの帰り道、威月のそんな言葉に俺はただ冷や汗を流していた。

 

「まあそれくらいにしておこうよ。あんな山の中に放置されてたら、その子死んじゃってたかもしれないんだから」

「そうそう、太陽がそんなのほっとける訳ないしな」

 

俺の腕の中には、昼の子ウサギが丸まっていた。起きてはいるけどホントにおとなしいなコイツ。

 

コイツに癒やされていると威月はいきなり表情を変え、話を直球で切り出してきた。

 

「で、何か計画はあるか?」

「・・・いや、全く」

 

正直情報が少なすぎんだよな、殺せんせーに対する。

 

そんな俺の表情から読み取った威月は、あるメモ帳を俺に差し出してきた。

 

「これは?」「渚から預かってきた。殺せんせーの弱点が書いてあるらしい。それと、これまで実行した暗殺を教えてくれたぞ」

「マジか!?サンキュー、威月!!」

 

こういう時、威月の冷静さはホントに頼りになるぜ。

 

「じゃあ今まで実行した暗殺とその詳細を教えてくれ」

「おう」

 

俺は威月からメモ帳を受けとりながらそう言うと、威月は順番に話し始めた。

 

1.クラス全員での一斉射撃→出席を取りながら余裕で躱す

 

2.渚が手榴弾で自爆テロ→1ヶ月に一度の奥の手、脱皮で防がれる

 

3.杉野が野球ボールに対先生BB弾埋め込んで投げる→グローブを取ってくるほど余裕で止められる

 

4.数人でナイフで攻撃→花壇の花と入れ替えられる程余裕で躱す

 

5.4のおわびで吊された状態でハンディキャップ暗殺大会→途中でロープが切れて焦りはしたがが、何とか躱す。

 

6.カルマが崖から飛び降りながら暗殺→ネバネバになって防ぐ

 

7.奥田さんが毒物で暗殺→ちょっと姿が変わったりしたが、特に問題なし

 

「とまあこんな感じらしい。どうだ、何か策はあるか?」

「でも一斉射撃や自爆、毒物でも駄目なんてな・・・」

「吊された状態でも駄目じゃ刀を当てるのも難しいね・・・」

 

3人はそう話しているけど俺は全く逆の考えだった。このメモ帳に書いてある情報と今まで暗殺の状況を生かせれば、

 

「可能性はあるかもしれねえな」

「! マジか!?どうするんだ?」

「とりあえず今から急いで帰って烏間先生に電話して、ある物を明日までに作ってもらう。そして、明日仕掛けるぞ」

「明日?ずいぶん急だな」

「俺らについてほとんど殺せんせーが知らない状態の方がいいんだ、この暗殺はな」

「・・・分かった」

 

威月は俺の計画は聞かずに了承し、2人も頷いてくれた。この信頼に応えないとな。

 

「それと大賀、悪いんだけど明日朝早くに学校行けるか?俺らも手伝うからさ」

「いいけど、何をするんだ?」

 

その言葉に俺は振り返って3人の方へと向き直りながら、こう告げた。

 

「渚と話がしたい、今回の暗殺の要なんだ」

 

 

 

渚side

 

 太陽君達がE組にやってきた翌日のHRの始まる前、僕はその太陽君達に校舎のに外に呼び出されていた。

 

「わざわざゴメンな、渚。これ返すぜ」

「あ、うん、ありがとう威月君」

 

威月君、見た目は怖いけど結構話しやすいんだな。

 

「てかいつの間に名前で呼び合ったんだ?」

「これ貸してもらった時にだよ」

「ああ、なるほど」

 

太陽君と威月君のそんなやりとりを聞きながら僕は質問をした。

 

「それで、まだ僕に何か用かな?」

 

僕の質問に、太陽君は真剣な眼差しで僕を見つめながらこう言った。

 

「今日俺達は殺せんせーに暗殺を仕掛けるつもりでいる」

「えっ!?」

「ただその計画には渚の協力が必要不可欠なんだ、協力してくれないか?」

 

僕は太陽君のそんな質問に考えた。正直殺せんせーはそんな簡単に殺せるとは思えない。でも、

 

(太陽君の目はこれ以上無いくらい真剣だ。そんな人が僕を必要としてくれるなら・・・)

 

「分かった。どうすればいいの?」

 

僕のその言葉に太陽君は真剣な眼差しのまま、僕にこう告げた。

 

「もう一度、殺せんせーに自爆テロを仕掛けてほしいんだ」




いかがだったでしょうか。

次回はいよいよ4人に暗殺をやってもらおうと思います。

果たして4人はどんな方法で暗殺するのか楽しみに待っていただけたら幸いです。

それでは、また次回お会いしましょう!!

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