太陽とひまわりの仲間達との暗殺教室   作:籠野球

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皆さんどうも籠野球です。

仕事が今ちょっと忙しいんですが・・・ストックがあるので今週は2話投稿したいと思います。

ま、ノンビリと書いていきたいと思います(笑)

それでは、どうぞ!!


五十一時間目 渚の時間

太陽side

 

ゴゴゴゴゴ・・・ (身体が熱い・・・でも、抑えきれる気がしねえ!!)

「な、何なんだテメエ・・・」

「・・・鷹岡、お前は奴の相手だけしてろ。このガキ、只の中学生じゃねえみてえだ」

 

烏間先生や皆の声はおろか、目の前の2人の声もあまり聞こえなかった。

 

(陽菜乃・・・皆・・・こんな奴らのせいで・・・)

 

せめて・・・この2人は俺が・・・!!

 

スタッ 「熱っ!?・・・しっかりして、太陽!!」

「・・・登志・・・」

 

その時、登志がヘリポートの上に着地しながら俺にそう言ってきた。

 

「その人達が憎いのは僕達全員同じだよ!!でも、その人達を殺したって何も解決なんてしないよ!?」

「分かってるよ・・・んなこたあ・・・!!」

 

頭ではとっくの昔に分かっている。でも、身体が抑えられなかった。

 

(俺が・・・俺がコイツらをぶっ殺「チャリ」・・・!! 陽菜・・・乃)

 

首元を緩めようとした俺の手に触れたのは、陽菜乃がくれたネックレスだった。

 

―――「私は・・・これからもずっと太陽くんと一緒にいれたらいいな」

 

あの時の陽菜乃の言葉が頭に蘇った。

 

(・・・バカか、俺は。俺なんかにそこまで言ってくれた彼女を、俺が裏切ってどうする!?)

 

陽菜乃や皆がそんな敵討ちみたいな事、俺に望む筈がねえに決まってる!!だからこそ、俺はE組の皆が大切なんだ!!

 

(俺が・・・今やらなきゃいけない事は・・・)

 

 

 

登志side

 

ゴゴ・・ゴ・ (!! 太陽の身体から蒸気が収まった!!)

 

 何があったのか分からず、太陽をジッと見ていると・・・

 

「・・・ワリい、登志。もう大丈夫だ」

「っ、太陽!!」

 

振り返った太陽は、いつも通りの太陽だった。

 

 

「ったく、お前に偉そうに言っておきながら・・・俺もまだまだだな」

「何だ?蒸気が収まったな」

 

目の前の万屋が不思議そうに呟く中、太陽は僕に問いかけてきた。

 

「・・・登志、渚は?」

「・・・あ!!」

 

しまった!!渚君も危ない状況だったの忘れてた!!

 

「チョーシこいてんじゃねーぞ、渚ァ!!」

「!! 今のは・・・寺坂君?」

 

向こうも何かあったみたいだな・・・どうしよう。

 

「登志、この人は俺に任せてお前は下に降りてろ」

「・・・1人で大丈夫?」

 

この人も、さっきの悪鬼さんと同じくらいには強そうだけど・・・

 

「ああ・・・まさか、俺じゃ不安か?」

「!!(クスッ)ううん、全然」

クルッ 「皆を頼むな」

「任せてよ!!」 タタッ

 

そのやりとりで充分だった。僕は一瞬で2人から背を向けると、

 

「フッ!!」 タァン!!

 

今度は逆にヘリポートから飛び降りた。降りる方が簡単だな。

 

スタッ 「!! 登志君!!太陽君は!?」

「大丈夫です、もう冷静さを取り戻しました。それより、寺坂君はどうしたんですか!?」

「コイツ、ウイルスに感染してやがったんだよ!!今も凄え熱だ!!」

 

なっ!?そんな状態でここまで来てたって事!?

 

うるせえ・・・見るならあっちだ。

・・・やれ、渚。死なねえ範囲でブッ殺せ・・・!!

「・・・」

 

こっちを見下ろしている渚君からは、さっきまでの殺気が消えていた。

 

スッ 「・・・あれ?渚君が腰にしまったのってスタンガン?」

「うん、寺坂君が渚君に放り投げたの」

 

でも、腰に付けたって事は使わないのかな?

 

「ナイフ使う気満々で安心したぜ。スタンガンはお友達の為に一応拾ってやったって事か」

 

鷹岡はそう言うと、おもむろに懐から小瓶の様な物を取り出した。何だろう・・・何かの薬品みたいだけど。

 

「ちなみにだが、薬はここに3回分だけ予備があるが・・・渚クンが本気で殺しにこなかったり、下の奴等が邪魔しにきた時には、こいつも破壊する」

「くっ・・・」

「作るのに1ヶ月はかかるそうだ。人数分には足りないが最後の希望だぜ?」

 

手出しは簡単には出来ないな・・・

 

烏間先生。もう大分精密な射撃は出来るでしょう?渚君が危険と判断した時は、迷わず鷹岡先生を撃って下さい

(殺せんせーがそこまで言う程・・・でも、確かに危険だな・・・)

 

烏間先生曰く、本来殺し屋は戦闘はしない。むしろ、()()に相手が入る前に致命的な一撃を与える職業だからこそ、僕達もそれに絞って訓練させていると。

 

(悪鬼さん以外の3人は、それに入る前に倒せたけど・・・) スウ・・・

 

渚君は殺気を殺しながら鷹岡に近づこうとしたけど・・・

 

ズンッ!! 「あぐっ!? (ズシャァ) がはっ・・・」

「おら、どうした?殺すんじゃなかったのか」

 

強烈な蹴りをお腹に喰らった事で、渚君はいとも簡単に吹っ飛ばされた。

 

(今のあの人は、完全に軍人そのものだ・・・!!太陽ならともかく、渚君じゃ戦闘で勝ち目は無い!!)

「くっ・・・」 シャッ

スッ パアン!!

 

予想通り、渚君のナイフを鷹岡は余裕で受け流しながら開いた手で渚君の顔面に拳を叩き込んだ。

 

「しょ、勝負になんねえよ・・・」

「烏間先生、もう撃って下さい!!渚、死んじゃうよ!!」

 

今も一方的に殴られている渚君を見て、茅野さんが悲痛な叫び声を上げた。

 

チラッ (もう一度あそこから上に行くか?いざとなったら、腕くらいへし折って・・・「待て・・・手出しすんじゃねー」!! 寺坂君!?)

「まだ放っとけって?そろそろ俺も参戦したいんだけど」

「いいから黙って見てろよ・・・渚の奴、まだ何か隠し玉持ってるみたいだからよ」

 

隠し玉?そんな物が渚君に・・・?

 

 

 

渚side

 

南の島の一週間前・・・

 

「い、今のが・・・「必殺技」・・・?」

「そうだ・・・と言っても、ピンとはこないだろうがな」

 

 僕はロブロさんの前で尻餅をついていた。今のは・・・

 

「だが、殺し屋としての最大のピンチの時、この技は絶大な威力を発揮する」

 

そう言うと、ロブロさんは右手の指を3本立てながら、

 

「この技を発動する為に必要な条件は、大きく分けて3つ!!」

 

 

 

「スウー・・・ハー・・・」

「?」

 

 全身の痛さはあったけど、何故か僕は冷静だった。ロブロさんの言った条件を確認するくらいには。

 

(「―――1つ!!武器を2本持っている事!!」) スー・・・

(「―――2つ!!敵が手練れである事!!」) ハー・・・

(「―――3つ!!敵が殺される恐怖を知っている事!!」) ・・・フウ

 

・・・よかった、ぜんぶそろってる」 

「!?」

 

―――鷹岡先生、実験台になって下さい。

 

僕に何かを恐れたのか、鷹岡先生は身を震わせたが・・・

 

「・・・」 スタスタ

 

僕は、あの時と同じように笑って近づいた。頭の中では、再びロブロさんとの会話を思い出していた。

 

 

 

「必殺・・・技と言っても、「必ず殺す技」ではない。訓練を受けた暗殺者なら、理想的状況なら殺すのは当然だからだ」

 

殺す技じゃない・・・?

 

「だが、もしも標的(ターゲット)が手練れの時には、逆にこっちの気配を悟られ強引に「戦闘」へと持ち込まれる。どちらかと言えば、彼ら4人もそのタイプだろう」

 

ロブロさんが指差したのは、太陽達4人だった。確かに戦ったら強いもんな、太陽達は。

 

「そんな窮地(ピンチ)に「必ず殺せる」理想的状況を造り出すのがこの技だ。戦闘の常識から外れた行動を取る事で、再び「戦闘」から「暗殺」に引き戻す。「必ず殺す為の技」、それがこの必殺技だ」

「殺す為の技・・・」

「俺のようにやってみろ、少年。ノーモーションから、最速で、最も遠くで、最大の音量が鳴るようにだ」

「・・・」 スッ

 

言われた通り、僕はやってみたけど、

 

ビチッ 「・・・あっ!?」

「日常でもまずやらない動きだ、意外と難しいだろう?だが、裏を返せば、それだけ常識外れの行動という事だ。完璧に鳴るように練習しておけ」

「・・・でもロブロさん、これって・・・」

「そう。相撲でいう"猫だまし"だ」

 

ひ、必殺技って言うくらいだからもっと凄い技かと思ってたけど・・・

 

「確かに地味だが、相撲の技術と全く関係ないこの"音"は・・・相手の意識を一瞬だけ真っ白にするだけの力がある」

 

 

 

(「ましてや君がいるのは殺し合いの場だ、負けたら死の緊張感は相撲とは比べものにならん!!」)

「く、くそガキィ~・・・」

 

 確かに、有利な筈の鷹岡先生は僕の行動に釘付けになっていた。

 

(「極限まで過敏となった神経を・・・音の爆弾で破壊する!!」)

(「でも・・・手を叩くなら武器を手放さないと・・・」)

(「だからこそだ。相手が手練れなら、君の挙動を1つ1つ観察している。だからこそ、戦闘の常識の範囲外の行動に虚をつかれるんだ」)

 

―――タイミングは、ナイフの間合いの僅かに外!!

 

ドクン・・・(まだ遠い・・・もう少し)

 

―――叩き方は、体の中心で片手を真っ直ぐ敵に向け、その腹にもう片方の手を音の塊を発射する感覚で!!

 

ドクン・・・ドクン・・・

 

―――敵の意識は、接近するほどナイフに集まる!!

 

ドクンドクンドクン・・・!!(その意識ごと!!)

 

次の瞬間、僕はナイフから手を放し・・・

 

 

 

 

 

パアン!!!!

 

鷹岡先生の目の前で、音の爆弾を発射した。

 

「な、なにが・・・おこ・・て」

 

至近距離で喰らった鷹岡先生は、身体を大きく反らせた。

 

―――暗殺者は、その隙を逃さない。2本目の刃を、素早く叩きつけろ!!

 

僕は素早く腰に差したスタンガンに手を掛け、鷹岡先生のガラ空きの脇に叩き込んだ―――――!!

 

 

 

登志side

 

バチッ!! 「ぎっ!?バカ・・・な」 ズシャッ

 

 スタンガンを喰らった鷹岡は、何も出来ずに膝をついた。

 

「す、凄え・・・」

(こ、これが渚君の隠し玉!!双龍閃と同じく変則的な二段攻撃だけど、実用度なら渚君の方が圧倒的に上だ!!)

 

渚君の力に、誰もが釘付けになった。それほどまでに、渚君の動きは洗練されていた。

 

「う・・・あ・・・」

「・・・へっ、トドメ刺せ、渚。首辺りにもう一回ぶち込みゃ気絶する」

 

寺坂君の言葉に、渚君は無言で鷹岡先生の首をスタンガンで持ち上げた。最早、抵抗する力なんて残されてないだろう。

 

「・・・貴方には、沢山の事を教わりました」

「・・・!!」

「酷い事も沢山されたけど、貴方には感謝しています」

「や、やめろ・・・!!その顔で終わらせるのだけは・・・!!」

「(ニコッ)鷹岡先生、ありがとうございました」 バチッ!!

 

笑顔で叩き込んだ2撃目によって、鷹岡はようやく倒れた。

 

「・・・勝った」

「「「「よっしゃあぁぁ!!元凶(ボス)撃破ー!!」」」」

 

僕の呟きの後、全員が歓声を上げた。

 

(・・・後は、太陽が勝つだけだ!!)

 

僕は、そう思いながら2人を見つめた―――――




いかがだったでしょうか。

渚のこのシーンは格好いいですよね!!原作の中でもかなり好きなシーンです!!

次回は太陽の戦闘シーンです。・・・太陽の戦闘シーン書いたのはプロローグ①だから、懐かしい気もしますね(笑)

それでは、また次回お会いしましょう!!
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