いよいよ暗殺の時間です。
果たして4人は暗殺を成功させる事が出来るのか?
それでは、どうぞ!!
太陽side
六時間目・・・
朝、渚に協力を依頼した今日の六時間目の最後は、プリントを行い終わった者から帰るという流れは渚が自爆テロをやった時の授業と形が似ていると渚が言った為、俺は迷わず六時間目に暗殺を行う事を決定した。なるべく状況は同じにしたい。
「であるからして、ここの数式はこうなるのです。分かりましたか、皆さん?」
教室の前では殺せんせーが数学の公式の説明をしている。その公式を頭に入れながら、時計をチラリと見た。
六時間目が始まってからまもなく四十分、渚曰く残り十分くらいで授業を終わってプリントを配り出すらしい。
一限の授業時間は五十分、つまり渚の話通りならもうすぐ授業は終了するはずだ。
迫り来るタイムリミットに思わず握り拳を作った。
渚には、肝心の
(大丈夫、きっと上手くいくはず・・・)
渚にはプリントを渡されてから約二分後に動いてくれと指示は出してある。皆が終わる前にケリをつけたいからだ。
「ヌルフフフ、それでは今日はここまでにします。今からプリントを配るので終わった方から教卓に提出して帰って結構です」
殺せんせーのその言葉に、俺は左右の3人に目配せすると、3人とも殺せんせーにも分からない程度に小さく頷いてきた。
俺達の気持ちは1つ、なら問題ない。渚が動き出したら、
(作戦開始だ。)
俺は小さく息を吐きながら、心の中で作戦開始を告げた。
(一秒、二秒、三秒、・・・十秒・・・・・三十秒・・・・・・・・・・一分)
心の中で時間を数えていた俺には、普段は特に感じない一分が永遠の様に感じた。
叫びたくなる様な衝動をグッとこらえて、その時を待った。そしてついに、
「ガタッ」
そんな音を立てて渚が席を立ったのを見て俺は自分の心臓が跳ね上がるのを感じた。
「・・・・・」
「・・・もう出来ましたか、渚君?」
無言で近づく渚に殺せんせーは何かに勘づいたのかもしれないが、
(大丈夫、ここでは多分止めない。なぜなら、まだ渚は何もしていないからだ)
次の瞬間、渚は殺せんせーにナイフを叩き込んだ。だが、殺せんせーは無言でナイフで受け止めた。
そんな殺せんせーを無視して渚は前の時と同じように、殺せんせーにもたれかかろうとした。しかし、
ピタッ・・・
そんな音を立てて渚は触手に受け止められてしまった。
「・・・どうやらまだ、命を大切にしない生徒がいるみたいですねぇ」
殺せんせーの顔はド怒りの真っ黒に染まりかけていた。
しかし、俺達は何一つ慌てなかった。何故なら、
(今だ!!)
そう思いながら俺は手元のスイッチを押した。
次の瞬間、渚の首にかけてある手榴弾から
渚side
「にゅやッ!?」
殺せんせーの悲鳴を背に、その場に伏せた僕は朝の4人との会話を思い出していた。
今日の朝のHR前・・・
「もう一度、殺せんせーに自爆テロを仕掛けてほしいんだ」
「え・・・」
太陽君の言葉に僕は固まってしまった。その行動が起こす意味を僕は知っているからだ。
「勘違いしないでくれ。別に渚を危険な目に遭わせたいんじゃない」
・・・? どういう事だろう・・・?
「渚に協力してほしいのは、
「冷静さを、奪う?」
その言葉に思わず僕は聞き返してしまった。
「ああ、渚から借りたメモ帳の内容や、威月から聞いた今までの暗殺の詳細から一つ殺せんせーの傾向が分かった。基本的に殺せんせーは単純な殺り方ではおそらく殺せない。それは、クラス全員の一斉射撃の中でも出席を取ったり、吊された状態でも余裕で躱す事からも多分間違いないだろう」
ただし、と太陽君は少し間を空けると、
「そんな殺せんせーでもギリギリ躱した暗殺が二つある。一つは渚の自爆テロ、もう一つはハンディキャップ暗殺大会の時にロープが切れた時。この二つと関係がある殺せんせーの弱点は「テンパるのが意外と早い」。そして、これらを組み合わせた結果、俺はこんな仮説を立てた」
そう言いながら太陽君は息を吸い込んだ後、僕にこう宣言した。
「
「!!」
太陽君のその言葉に、僕は息をのんだ。
「それが、僕の自殺テロってこと?」
「そうだ。殺せんせーが何者かは分からない、だが生き物はかならず怒りによって冷静さを奪われる。それは殺せんせーでも例外じゃないはずだ。」
「昨日聞いた話じゃ渚が暗殺失敗した時、殺せんせーは真っ黒になって怒ったんだよな?」
「う、うん」
威月君のその質問に僕は頷いた。あの時の殺せんせーは今までで一番怖かったもんな・・・
「殺せんせーが怒った理由が命を大事にしなかった事なら、もしE組に来てすぐの俺らが渚を使って
「殺せんせーは間違いなく怒るって事・・・?」
僕のその答えに、太陽君と威月君は頷いた。
「その状況を作り出せれば俺らの勝ちだ」
「でも、そこからどうするの?殺せんせーを怒らせただけじゃ殺せないよ?」
「そうだ、だからコイツを使う」
そう言うと太陽君はポケットからある物を取り出した。
「手榴弾?」
「見た目はな。だがコイツの正体は
太陽君はそのまま話を続けた。
「間違いなく、殺せんせーは避けるだろう。そして暗殺の促したのは俺らだと予想して怒り出す、その瞬間にコイツを起爆する。冷静さを失ってる上に、爆弾と思っていた物から煙が噴き出すんだ。かならず殺せんせーはテンパるはずだ。渚は煙が噴き出すのを確認したら床に伏せてくれ、後は俺らが殺る」
(凄い・・・)
淀みなく計画を説明する太陽君に、僕は素直にそう思った。
昨日E組に来たばっかりなのに、殺せんせーの怒りさえをも利用するなんて僕には想像もできなかった。
「だが、この暗殺にはリスクがある・・・」
威月君は表情を曇らせながらそう言った。
「それはもちろん、渚のリスクだ。このグレネードは当然殺傷能力は無いが、急遽作ってもらった物だから何が起こるかは分からない。おまけに渚は、その煙を大量に吸い込んでしまうかもしれない」
「もし、この計画を聞いて断りたいなら断ってくれて構わない。当然の権利だからな、計画を立てた俺がやる。どうする?」
威月君と太陽君は、本当に僕の身を心配して言ってくれてるのが分かった。だからこそ僕は迷わずに答えた。
「大丈夫、僕にやらせて!!」
太陽side
ブシュゥゥゥゥゥ!! 「にゅやッ!?」
(サンキュー渚!!)
渚は計画通りにやってくれた!!後は俺らの番だ!!
―――煙を確認したら、登志は素早く
―――威月は両腕を組んで、登志を腕に乗せると、後ろ向きに登志を教室の前までぶん投げる!!
普通なら煙のせいで何も見えないはずだ。でも俺達は渚に前回と同じ場所で暗殺を始めてくれとお願いしてある。大体の場所さえ分かれば、後は微調整で何とかなる!!
(その為に俺らは今朝誰よりも早く教室に来て、何回もシミュレーションしたんだ!!) タンッ
練習の時と同じ様に、登志は教室の前の方の天井付近にたどり着いた。
―――後は簡単、登志は天井を蹴って加速し、殺せんせーに最速で
(もらった!!)
次の瞬間、登志の刺突の風圧で煙が大きく動いた―――
威月side
―――暗殺が終わったら、大賀は素早く窓を開けて煙を逃がしながら渚を呼べ。それを聞いたら渚はグレネードから離れろ。
ガラッ 「渚!!」
(太陽の計画通りにはなったはずだが、どうだ!?)
「全員窓を開けて!!」 ガラララッ!!!
片岡の指示で皆が窓を開け始め、少しずつ煙が少なくなってきた。
やがてグレネードから煙が完全に出なくなり、教室の前が見える様になってきた。すると、
「・・・お見事です。まさか先生の怒りさえをも利用してくるとは。」
触手一本を失い、顔を少しだけ抉られた殺せんせーと床に悔しそうな顔をして膝をついた登志がいた。
「登志・・・」
「・・・僕は最速で放った。でも、ごく僅かに殺せんせーが身を躱す方が早かった」
(失敗か・・・)
だが落ち込んでる場合じゃない、まずは無事を確認しなきゃいけない奴がいる。
しかし、俺が呼ぶよりも早く、太陽が駆け寄りながらその名前を呼んだ。
「渚!!大丈夫か!?」
「コホッ・・・うん、何とか大丈夫」
太陽の言葉に渚は微笑みながらそう答えた。言動もしっかりしてるし、何とか大丈夫そうだな。
「すまなかったな、渚。あんだけやって殺せなかったよ、俺の作戦ミスだ」
「そんなことないよ、太陽君。作戦は上手くいってたはずだったよ」
「その通りです、太陽君。君の作戦は完璧でした」
殺せんせーは、そう言って太陽の頭に手を置いた。
「先生にわざと怒らせ冷静さを奪わせた後に、視界を奪ってから登志君の最速の刺突。完璧な計画でしたよ、さすがは学校トップクラスの天才です。」
高評価だ、ならなぜ躱された?
「ですが、一つだけミスがありました。それは渚君が
「!!」
殺せんせーのその言葉に渚が息を呑んだ。
(そうか、渚は今回殺す気でナイフを振らなかった。だから殺せんせーに少しだけ冷静さを与えてしまったのか)
その僅かな差が、ギリギリで登志の攻撃を避けさせたのだ。
「ゴメン・・・僕のせいだ・・・」
「いや、渚はよくやってくれたよ」
太陽は落ち込む渚にそう声をかけた。すると、そんな太陽に殺せんせーは、
「ところで太陽君。先生も君に聞きたいことがあるのですが」
「えっ?あ、はいどうぞ」
殺せんせーの問いに、太陽は顔を引きつらせながらそう言った。
殺せんせーはニヤニヤと笑みを浮かべながら、
「計画を知っていた渚君はともかく、
「うっ、いやそれは・・・」
そんな殺せんせーの質問に太陽はたじろいだ。でも俺は当然の質問だと思っていた。
なぜなら、自爆テロの時と同じ状況で殺せんせーがド怒りになったり、その後すぐに辺り一面煙だらけになったのに
そしてあの笑みを見る限り、殺せんせーも感づいてるんだろうな。ならもう隠す必要もねえか。
「俺が昼休みにクラス全員に計画を伝えたんすよ、
俺の言ったことに太陽は慌てて口を挟もうとしたが、それよりも先に磯貝が口を開いた。
「え!?あれって太陽の指示だったのか?」
「ああ、お前らが急な暗殺に驚かないようにってな」
「でも、今回の暗殺は俺らは自然な表情でいてくれって言ってたけど、それなら言わない方が良かったんじゃないのか?俺らの表情で殺せんせーが気づいた可能性もあっただろ」
「その言葉、何度コイツに言ったことか・・・」
俺はそう言いながら太陽をチラリとみると、
「だがコイツは、決して首を縦には振らなかった。”渚が俺の作戦を信じてくれた以上俺もE組の皆を信じたい。皆にこの作戦で危険な目に遭ってほしくない”、コイツはそう言ったよ」
「ヌルフフフ、殺し屋としては甘いですねえ。ですがクラスメイトとしては完璧です」
「こんな奴だからこそ、俺ら3人はついてきたんですよ」
殺せんせーの言葉に俺は薄く笑いながらそう言った。
「もういいよ、威月。皆が聞いた通りだ、今回の俺の計画は失敗だ。でも俺はこのE組の皆と一緒に頑張っていきたい。だから、これからもよろしく頼む」
そう言って太陽は頭を下げた。
「何言ってんだよ太陽。昨日からクラスメイトだろ、俺達は」
磯貝がそう言うと、クラスのあちらこちらから声が飛んできた。
「よろしくね!!太陽君。」
「でも分かってても殺せんせーが真っ黒になりかけた時はホント焦ったなー」
「触手一本と顔に傷なんて、今までで一番惜しかったよねー」
太陽を責める奴なんて1人もいなかった。そんな状況に太陽は俺の方を見ながら、
「・・・良いクラスだな、ここは」
笑顔でそう言ってきた。そんな声に俺は、
「ああ、最高だ」
同じく笑顔でそう返した。
いかがだったでしょうか。
作中の事が実際に出来るかは分かりません(笑)。
まあ出来る事にしておいてくれたら幸いです。
それと話が変わりますが、
最近久々に小説情報を見たら、お気に入り登録をしてくれた方がいてビックリしました!!。
こんなド素人の自己満足の小説を、読んでくれるばかりかお気に入り登録までしてくれた方がいる事に、作者はとても感動しています!!
これからも素人なりに頑張っていくので、どうかよろしくお願いします!!
それでは、また次回お会いしましょう!!