太陽とひまわりの仲間達との暗殺教室   作:籠野球

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皆さんどうも籠野球です。

連休前の魔の7連勤終了です・・・しかも明日も仕事・・・夜勤明けはキツいなあ。

皆さんも風邪などに気をつけてお正月をお迎え下さい!!

それでは、どうぞ!!


六十四時間目 プリンの時間

太陽side

 

ポチャン・・・ポチャン 「いっぱいたべてね~きんちゃん!!」

 

 居間の窓際に置かれている金魚鉢の中で泳ぐ金魚(きんちゃん)(命名 華)に、華は餌を嬉しそうにあげていた。金魚のお陰か、華も最近は今日みたいな休みの日にも少し早起きだな。

 

スッ 「華ー、もうすぐご飯だから手を洗ってきな」

「はーい・・・あー!!オムレツだー!!」

(・・・えっ)

 

その時、大賀が襖を開けながら入ってきて、華がお盆の上に載っている皿の中身を見てそんな声を上げた。・・・また?

 

 

 

「大賀兄ちゃんのオムレツって、いつ食べても美味しいなー!!」

「ホント、すっごく美味しい!!」

「ありがと、2人共」

「「「・・・」」」

 

 その後、起きてきた裕樹や彩子が嬉しそうにそう言いながらオムレツを食べる中、俺達3人は頭に疑問を浮かべていた。

 

「・・・ん?どうしたんだ、お前ら」

「いや・・・ちょっと気になる事があってな」

「ま、まさか何か味がおかしいか!?」

「あ、いや・・・いつも通り美味いんだけどさ・・・」

 

テンパる大賀にそう返しながら、俺は数日前から感じていた疑問をぶつけた。

 

 

 

「何で最近、卵料理ばっかりなんだ?」

 

そう、一昨日の朝は目玉焼き、夜はカニ玉。昨日の朝は卵かけご飯で夜は親子丼。当然、昼の弁当には玉子焼きが入っていたりと、こんなに大賀って卵大好きだったっけ?と思える様な内容だ。

 

「あ、ああ、なるほどな。あ、ひょっとして飽きちまったか?」

「いや、味も食感も全く違う物にしてくれてるから大丈夫だよ。只、急に何でかなって思っただけだ」

「それがなー、最近、卵が異常に安くて・・・ついまとめ買いしちまったんだー」

 

それはありがたいが、急に何でだ?

 

スッ 「それは恐らくコレが原因だろうね」

「あ、実徳さん」

 

その時、珍しく「ひまわり」に朝からいる実徳さんが、新聞を片手に入ってきた。

 

「「「「おはようございます」」」」

「うん、おはよう」

「実徳さん。原因って?」

「ああ、これさ」

 

威月の問いに、皆の挨拶に返しながら実徳さんは俺に新聞を渡してきた。そこには・・・

 

「供給過剰により全国で鶏卵廃棄か・・・」

「なるほど。ま、生鮮食品ならあり得る話だな」

「とはいえ、勿体ない話だね・・・」

 

まあ、仕方ねえな。売れば売るほど赤字になるなら棄てるしかねえ。

 

「俺は大助かりだな。冷凍しとけば日持ちするし、まだまだ食費が浮きそう」

「ハハ・・・ほどほどにしてくれよ(プルルル)ん?」

 

嬉しそうな大賀に乾いた笑いを浮かべたその時、居間に置かれた電話が鳴った。

 

(誰だ?こんな休みの日の朝早くに)

ガチャッ 「はい、「ひまわり」です・・・ああ、いるよ。変わろうか?」

 

電話を取った実徳さんを見ながらそう考えていると、実徳さんは俺に電話を差し出してきた。

 

「茅野君という子からだ」

「茅野?」

(連絡網って訳じゃないし、何だ?)

 

訝しみながらも、俺は電話を受け取った。

 

「もしもし」

「あ、もしもし。太陽君?ごめんね、朝早くに。番号は神崎さんに教えて貰ったよ」

「いや、構わねえ。何か用事か?」

「えっとね、今日皆時間あるなら、10時くらいに学校に来てくれない?」

「は?学校?」

 

何で休みの日に・・・?まあ、今日は暇だけどさ。

 

「分かった。全員で行けるかは分かんねえが、俺は必ず行くよ」

「ありがとう!!じゃあ、また後でね」 

「(ピッ)茅野が10時頃、学校に来てくれって」

「? 休みの日に何の用事だ?」

「さあな・・・行ってみるっきゃねえな」

 

 

 

「「「「卵を使った暗殺?」」」」

 

 全員揃った教室で、茅野が言ったのはそんな暗殺計画だった。

 

「うん!!廃棄される卵を救い、暗殺も出来るっていう一石二鳥の計画だよ!!」

「ケッ、飯にコレ混ぜるってか?そんなんすぐに気づかれんだろ」

 

対殺せんせー弾を弄びながら寺坂はそう言った。まあ、普通にやったら無理だわな。

 

「フッフッフッ、その点は大丈夫。皆、校庭に出て!!烏間先生に準備してもらってるから!!」

 

外に手を向けた茅野に着いていくと、

 

「「「「何じゃこりゃ!?」」」」

 

巨大なプラスチック製の容器があった。でもあの形、どこかで見覚えが・・・

 

「コレって・・・プリンの容器?」

「そう!!名付けて、巨大プリン爆殺計画!!プリンの底に対殺せんせー弾を敷き詰め、タイミングを見計らって竹林と威月君の判断で発破!!」

(と、とんでもねえ計画、思いついたな・・・)

「でも、茅野さん。何でこの計画を?」

「よくぞ聞いてくれたね、伊勢君!!」

 

登志の問いに、茅野は思い出すかの様に話し出した。

 

「この前、殺せんせーとプリンの食べ比べしてた時に言ってたんだ。"いつか自分より大きなプリンに飛び込んでみたいって"ええ、叶えましょう、その夢とロマン!!ぶっちゃけ私も食べたいし!!」

「そ、そうですか・・・」

 

茅野の勢いに、登志も押されっぱなしだな・・・

 

「・・・でも、計画としちゃあ面白いかもな」

「ああ、殺せんせーはエロとスイーツには弱い。やる価値は充分あるな」

(普段、後方支援ばかりやってる茅野が計画したっていうのも珍しいしな)

「よし皆。殺せんせーもいないこの三連休、やってみようぜ!!」

 

磯貝の号令に、全員が殺る気になった。

 

 

 

ブオオオ・・・ 「大量の卵は、マヨネーズ工場の休止ラインで混ぜて貰った。それに牛乳、砂糖、バニラオイルが基本の材料だよ」

「でもカエデちゃん。前に巨大プリン作るってテレビで見たんだけど、大きすぎて自分の重さで潰れてたよ?」

 

巨大なボウルに溶き卵を入れながらそう言った茅野に、陽菜乃がそんな疑問をぶつけていた。まあ、こんだけデカいとな。

 

「その対策としてコレを凝固剤として混ぜるんだ」

「寒天?」

「なるほど・・・寒天はゼラチンよりも強度が強いし融点も高いからな。まだ暑い9月の屋外でも、崩れにくくなるって訳か」

「流石、大賀君!!よく知ってるね!!」

 

大賀・・・お前って、こういう家庭科に関係ある事は良く覚えてるんだよな・・・

 

「だが茅野。こんなデカいプリン、いくら殺せんせーでも飽きちまうんじゃねえか?」

「うん、だから大賀君にちょっと作って貰いたい物があるんだ」

「俺に?」

「えっとね・・・」 

 

威月の問いにそう答えた後、茅野は大賀に何か耳打ちを始めた。

 

「・・・へえ!!そりゃあいいな!!勿論やるよ」

「ありがとう!!材料は空き教室に運んで貰ってあるから、よろしくね!!」

「おう。じゃあ出来たらまた戻ってくるよ」

 

そんなやりとりの後、大賀は校舎へと戻っていった。

 

「大賀に何、頼んだんだ?茅野」

「フフフ、それは後のお楽しみ!!さあ、大賀君の準備が終わるまでに生地を作り上げちゃわないと!!」

 

俺の問いに、茅野は楽しそうな笑顔でそう返してくるだけだった。何だろう、気になるな。

 

「太陽、こっちに砂糖持ってきてくれねえか?」

「おう、分かった」

(・・・ま、すぐ分かる事だし、今はコレを完成させねえとな)

 

 

バシャー 「そうそう、その調子!!1班から順番に注いでいってね!!」

 

 俺達1班が作った生地を最初に入れるらしく、俺達は型の上に上がりながら生地を流し込んでいった。

 

「茅野、コレってそれぞれの班で生地が違うのか?」

「うん、上に行くほどゼラチンより生クリームを多目にしてるの。自重を支えつつ、上はふんわりって事!!」

「へぇ、良く考えてあるんだな」

 

磯貝と茅野のやりとりにそう呟きながら、俺は梯子を下りた。次は2班だな。

 

「・・・あ、2班の皆が入れるのは、もうちょっとだけ待ってて」

「え?何でですか?」

「んー・・・大賀君、もうそろそろ出来ると思うんだけど・・・」

 

ん?大賀を待ってるのか。そういや結局、何だったんだろ?

 

タッタッタ 「ゴメン、茅野さん!!時間掛かっちゃって」

「大賀」

「ううん、丁度良いタイミングだよ。ありがとう」

 

その時、大賀が段ボールを抱えながらこっちに走ってきた。

 

「大賀に頼んだのってそれか?」

「ああ、はいよ登志。時々、適当に投げ入れてくれ」

「・・・何?この変なブヨブヨしてる物」

 

段ボールを受け取った登志が中から出したのは、四角い変な物体だった。全員の疑問を代表して聞いた登志に茅野が答えた。

 

「フルーツソースやムースクリームをオブラートに包んだ物だよ。中で溶けて味が変化して飽きないようにするためにね。大賀君の方が上手に作れるからお願いしたんだ」

「なるほど・・・」

「コレを入れながら生地を全部、流し込んだ後は、カップの中に冷却水をパイプから流すの。これだけ大きいと簡単には冷やせないからね」

(凄えな・・・茅野)

 

科学的にもかなり根拠があるし、味も損なわずに作ろうとしてやがる・・・プリンについて相当熟知してないと出来る芸当じゃねえ。

 

「1回作ってみたかったってのもあったし、卵が余ってるって聞いて最高のチャンスだと思ったんだ。暗殺に関係あったらお金も防衛省が出してくれると思ったし・・・私って1度決めたら一直線なんだー」

「結構、意外だな。茅野って後方支援ばっかだから」

「威月の言う通りだな。好きな物がテーマだとこんなに行動力あんだな」

「お前だけには言われたかないと思うぞ」

 

・・・あれ?威月のツッコミに、皆温かい目で俺を見てる・・・何でだ?

 

―――その後、生地を入れ終わったプリンは、どうやら1日置くらしいから今日は解散となった。

 

 

 

「クオーン」

「あー、可愛いな~!!何でこんなに可愛いんだ、この子は~」

 

 翌日・・・一足先に学校に来てしまった俺は、偶然見かけた野良犬の親子に心を奪われた。

 

「拾って帰りてえけど・・・これ以上増えたらなー・・・あーでも、こっそり連れて帰れば「やっぱ、お前も我を忘れるタイプじゃねえか」(ペシン)痛っ」

 

その時、後ろ頭を軽く叩かれた。振り返ると、呆れ顔の威月が立っていた。

 

「先に行ったと思ったら何やってんだか・・・もう皆、来てんぞ」

「もうそんな時間か。30分は遊んでたな」

「好きだな、お前も」

「ありがとな、楽しかったよ」

「ワンッ!!」

 

最後に頭を一撫でした後、俺はその場を離れた。いやーやっぱいいなぁ。

 

「・・・あ、おはよー、たーくん!!」

「何やってたんだよ、もうパイプ抜くとこだぜ」

「わりいわりい、これからどうすんだっけ?」

「えっとね、まずはパイプを抜いて型を外した後、表面を整えるんだ。さあ皆、もう一頑張りだよ!!」

(いよいよか・・・楽しみだな!!)

 

その後、言った通り表面を整え、カラメルをかけて表面をバーナーで炙れば遂に・・・

 

「「「「出来たー!!」」」」

「おぉー・・・すっげえ美味そうだな!!」

(これなら・・・殺せんせーも引っかかるかもな!!)

「んー・・・」

 

そう考えていた俺は、大賀が首をかしげているのに気づかなかった。

 

 

 

「こ、これを先生が全部食べていいのですか!?」

「はい、廃棄卵を救いたかっただけですから。全部、残さず食べて下さいね」

「勿論!!ああ、夢が叶った!!」

 

皆を代表した登志の返しに、興奮した様子でスプーンを構えながら殺せんせーは文字通り巨大プリンにダイブしていった。

 

そんな殺せんせーを残して、俺達は教室へと入った。流石に火薬を使うから離れてないとな。

 

「(バクバクバクバク・・・)」

(・・・すげー勢い、こりゃあ底に辿り着くのも時間の問題だな)

「威月、タイミングは?」

「底に仕掛けたカメラに光が入った瞬間だな。判断はお前に任す」

「分かった」

 

俺の横では監督の2人が最終確認をしていた。竹林の手にあるリモコンのボタンを押した次の瞬間、底に仕掛けた爆弾が爆発して、対殺せんせー弾が炸裂するだろう。

 

「プリン・・・爆破・・・」

(恐らく・・・もう1分もねえな。さあて、どうなる「んー・・・」ん?)

 

そう考えていたその時、大賀が首をかしげているのに気づいた。

 

「どうした?大賀」

「いや・・・茅野さん、本当にいいのかなって」

「「「?」」」

 

その言葉の意味が威月や登志も分からなかったらしいな。

 

「どういう意味だ?」

「茅野さんってさ・・・あんだけプリンに情熱燃やしてんだよな。それなのに・・・うーん・・・」

「んだよ、気になる言い方しやがって。ハッキリ言えよ」

「いやー・・・」

 

威月の問いに、大賀は少し言い淀んだ後・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いくら殺せんせーを殺す為とはいえ、あんなに愛情込めたプリンを爆破しちゃって、茅野さん平気なのかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「・・・あっ!?」」」

(い、言われてみれば、仮に俺なら動物を使った暗殺は死んでも止める。茅野のプリンへの思いが俺の生き物に対してのと同レベルなら・・・)

 

そう考えたその時だった。

 

「ダメだーーーーー!!!!!!」

「「「「!!??」」」」

「あんなに愛情込めたプリンを爆破しちゃうなんて絶対ダメー!!」

 

ご、号泣してる!?

 

「お、落ち着いて下さい茅野さん!!」

「そもそもお前が計画したんだろ!?今更、中止してどうすんだ!?」

「うるさーい!!ダメったらダメなんだー!!リモコンをよこせぇ!!!!」

 

登志がなだめ、威月が後ろから羽交い締めにしても、茅野は全く止まる様子がなかった。

 

「・・・って力強っ!?どんだけ情熱あんだよ!!」

「このままずーっと、校庭にモニュメントとして飾るんだぁ!!」

「いや茅野さん、それは無理!!100%腐るって!!」

(いや大賀、そういう問題じゃなくね!?)

 

最早、暗殺どころではなく、俺達は茅野を止めるのに必死だった。てか、威月でも止めるのがやっとって凄えな・・・

 

「フゥ、ちょっと休憩」

「「「「・・・えっ?」」」」

 

その時、殺せんせーがそう言いながら俺達の背後に現れた。その手には爆弾が握られている。

 

「地面に潜って外してきました。プラスチック爆弾の材料にはかなり強い匂いを放つ物があります。竹林君も威月君も、次は先生に分からない成分を研究して下さいね」

「・・・はい」

「ちっ・・・」

 

失敗か・・・まあ、今回は良かったような、悪かったような・・・

 

「それと、プリンは皆で食べる物ですよ。綺麗な部分を分けておきましたから、皆で食べましょう」

 

そう言うと、殺せんせーは俺達にプリンの入った容器を渡してきた。おお、嬉しいな。

 

「ただし、厳密には廃棄される予定の卵を食べるのは経済のルールに反します。食べ物の大切さと合わせて、次の公民で考えましょうね」

 

 

 

「(パクパク・・・)美味い!!茅野のプリン最高だな」

「ああ、凄え美味え」

 

 茅野のプリンは店で売ってるレベルと遜色ない味だった。あんだけ情熱、燃やすだけあるわ。

 

「でも惜しかったね、茅野。ホッとした?」

「アハハ・・・ゴメンね、皆」

「ま、仕方ねえな。誰だって大事にしてるモン壊されそうになったら取り乱しちまうのは仕方ねえよ」

 

威月の言う通りかな。やっぱり今回は失敗して良かったのかもしれねえ。

 

「でも茅野さんが提案したのも面白かったし、意外でしたね」

「フフン、本当の刃は簡単には見せないものよ」

 

登志にそう返しながら、茅野はプリンを高く掲げ、

 

「また殺るよ。ぷるんぷるんの刃ならまだ持ってるしね」

 

楽しそうにそう言った。E組(ここ)じゃ、只のスイーツ好きも立派な暗殺者だな。




いかがだったでしょうか。

この話はかなり好きですね(笑)茅野の表情に笑わせて貰いました。

それと話は変わりますが、この「太陽とひまわりの仲間達との暗殺教室」を投稿し始めてから1年が経ちました!!

正確には先週ですが、日曜日から仕事だったので投稿出来ませんでした(笑)

ここまで投稿を続けてこれたのは、毎日読んでくれる方々のお陰です。本当にありがとうございます!!

これからもコツコツ頑張っていくので、是非読んで頂けたら嬉しいです!!

それでは、また次回お会いしましょう!!
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