太陽とひまわりの仲間達との暗殺教室   作:籠野球

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皆さんどうも籠野球です。

今週は途中から何か寒くなったなぁ・・・早く夜勤中に暖かくなってほしいですね。

それでは、どうぞ!!


六十八時間目 バカの時間

登志side

 

「イトナ君が頭に巻いているのって、さっきの対殺せんせー繊維入りネットを改良した物なんだっけ?」

「あぁ。でも、あんなの気休め程度だから、暴走したら止められねえと思う」

 

 大賀とそうやりとりをしながら僕は10メートル位前をフラフラと歩くイトナ君と、そのすぐ後ろを歩く寺坂組の4人に視線を戻した。

 

(さっき寺坂君は自信ありそうな感じだったけど・・・どうするつもりなんだろう?)

「さて、おめーら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・どうすっべ?これから」

「「「「・・・」」」」

 

寺坂君のそんな問いに、その場にいた全員が無言になった。まさか・・・何も思いついてないのにあんなに自信満々だったの?

 

「もしやと思ったが・・・大丈夫なのか?アイツ。今のイトナはかなりヤバいってのに」

「とりあえず今は、寺坂の行動力に任せてみようや」

 

だ、大丈夫なのかな・・・威月と太陽のやりとりを聞きながら、目の前でギャーギャーと喚き合う寺坂君達3人に内心ハラハラしていると、

 

「村松ん家、ラーメン屋でしょ?一杯食べてお腹膨れたら落ち着くんじゃない?」

「お、おう・・・そうだな、狭間」

「・・・いいですね、まずは彼の肩の力を抜かせなければ。彼が触手に固執し続けている今のままでは、触手を引き剥がす事は不可能です」

 

確かに、お腹がいっぱいになったら冷静になれるかもな。

 

 

 

 

 

ズズズ・・・ 「・・・」

「マズいだろ?親父に何回言っても改良しねえんだよ」

 

 「松来軒」という看板を掲げた村松君の家兼店舗のラーメンを無言で啜るイトナ君に、村松君が麺の湯切りをしながらそう言った。イトナ君の顔を見る限り、本当に美味しくないのかも・・・

 

「・・・マズい上に古い。手抜きの鶏ガラを化学調味料で誤魔化している。トッピングに自慢げにナルトがおかれている辺り、何世代も前の昭和のラーメンだな」

「こ、コイツ・・・意外と分かってやがる!?」

 

へー・・・僕お蕎麦の事は分かるけど、ラーメンの事は全く分からないから凄いなぁ。

 

ズー・・・ 「麺も寝かせすぎだし、とても金取れる物じゃないな。村松が作ればいいんじゃね?」

「おお、流石大賀だぜ!!何だったらお前も一緒に新しいラーメン考えてくれよ」

「ああ、いいぜ。まずは・・・」

 

意気揚々と腕まくりをしながら厨房に入ろうとした大賀を見ながら、威月がポツリと呟いた。

 

「・・・何でもいいが、今はイトナの方が先決じゃないのか?2人共」

「「・・・あ」」

「・・・俺の親は勉強してても負けたんだ。こんな店じゃ、近くにチェーン店でも出されたらあっという間に潰れてしまう。力が無ければ・・・」

 

うーん・・・完全に逆効果になっちゃってるな・・・何か別の方法を考えないと。

 

「うし!!次は俺ん家、来いよ。こんな化石みてえなラーメンと違って、現代の技術見せてやらぁ」

「んだと、吉田!?」

 

・・・現代の技術?

 

 

 

ブオオオォ・・・!! 「どーだ、イトナ!?ヤな事なんざ、スピード上げて吹っ飛ばしちまえ!!」

「へー・・・吉田君の家ってバイク屋さんだったんだ」

 

 猛スピードのバイクで走行する吉田君とイトナ君を見ながら、僕はそう呟いた。だからバイクについてあんなに詳しかったんだな。

 

「てか、中学生がバイク運転していいのか?」

「まあ、アイツん家の敷地内だしな」

吉田(アイツ)、たまにサーキットにも行ってるらしいぜ」

 

前輪を上げて走行したりと時々アクロバティックな動きを見せる吉田君を見ながら、威月達はそんなやりとりをしていた。うう・・・僕だったらあんな動きされたら、すぐに気持ち悪くなっちゃいそうだな。

 

「ちっとはテンション上がってきたか?」

「・・・あぁ、悪くない」

 

でも、イトナ君は今までで1番機嫌良さそうだな。やっぱり機械部品を扱う工場だったからか、ああいうのも好きなんだろうな。

 

「おっしゃ!!じゃあ、とっておきだ!!必殺、ドリフトリターン!!」 ブオォン!!

 

そう言いながら吉田君はアクセルを吹かせると、猛スピードのままバイクを180度回転させ・・・

 

 

 

ビイィィィン・・・ 「・・・・・あ」

「事故が起きたー!?」

 

その勢いによって、イトナ君が近くの草むらに突き刺さっていた。あれ大丈夫なの!?

 

ガサガサッ 「何やってんだ、バカ野郎!?この衝撃で暴走したらどーする!?」

「い、いや・・・これ位ならヘーキじゃね?」

 

吉田君とそう言い合いながら、寺坂君がイトナ君を引っ張り出していた。ど、どうやら・・・無傷ですんだみたいだな。

 

「・・・ホントに何にも考えてないみたいですね」

「というか・・・只、遊んでるだけなんじゃ・・・」

「ま・・・アイツら基本バカだから仕方ないよ」

 

イトナ君に活を入れたり水を掛けたりしている寺坂君達3人を見ながらの僕や矢田さんの呟きに、カルマ君が笑みを浮かべながらそう言った。

 

「あ、でも狭間さんは頭良いですし、何かあるかも・・・」

(確かに狭間さんなら、何か案を思いついてくれてるかもな)

 

奥田さんの呟きにそう考えていると、狭間さんはイトナ君の前にドサッと大量の本を置いた。

 

(・・・何だろ?アレ)

「名作復讐小説「モンテ・クリスト伯」全7巻2500ページ。コレを読んで暗い気持ちを増幅させなさい。あ、最後の方は復讐やめるから読まなくていいわ」

(重いし、難しいよ!!)

「狭間!!テメーは小難しい上に暗いんだよ!!」

「何よ、誰にでも負の感情は必要でしょ?」

 

分からなくはないけど・・・もっと分かりやすい物はなかったのかな・・・?

 

「もうちょっと簡単なモンねーのかよ!?コイツどーみても頭悪そう・・・あ?」

 

その時、イトナ君がいきなりプルプルと震えだした。突然の状況に言いかけた寺坂君も話を切ってイトナ君を見ていた。

 

「お、おい・・・どうしたんだ?」

「寺坂に頭悪ィなんて言われてキレたんじゃねえのか?」

ビリィ・・・ブチッ・・・ 「ぐうぅぅぅ・・・」

「いや・・・コレは・・・!!」

(!! バンダナから触手が!?)

 

バンダナを突き破った触手は、最初にあった時と同じく真っ黒に染まっていた。完全に暴走しちゃってる・・・!!

 

「俺は・・・お前らみたいに適当にやってる奴らとは違う・・・!!今すぐにでも・・・奴を・・・!!」

「皆!!とりあえず離れて・・・!? 寺坂君!?」

 

僕の注意で3人は逃げ出す中、寺坂君だけがジッとイトナ君を見据え、

 

「・・・イトナ、お前俺に前言ったよな。俺にはビジョンがねえって。へっ、お前こそ出来もしねえビジョンなんざ捨てちまった方が楽になんぜ?お前にゃ、今すぐあのタコ殺すなんざ不可能だかんな」

「うるさい!!」 ブオッ!!

 

寺坂君のそんな挑発じみた説得に、イトナ君は怒った様子で触手を寺坂君に振るった。

 

「(ガシィ・・・) ()ー・・・吐きそーなのは相変わらずだけど、2回目だし弱ってるからチョロいわ」

 

しかし、そんな触手を寺坂君はあの時と同じようにお腹で受け止めながら肘と腿で挟み込んでいた。凄い・・・

 

「寺坂君、大丈夫!?」

「おう、俺はお前と違って頑丈だかんな。

・・・そういや、吐きそーといやあ村松のラーメンだけどよ」

「てめ、何で思い出してんだ!?」

 

寺坂君はそんな村松君のツッコミをサクッと無視すると、

 

「アイツよお、あのタコから経営の勉強させられてんだ。今はマズくても、いつか店継いだ時に新しい味と腕で繁盛させりゃいいってよ。吉田も同じ事言われてたよ、()()()役に立つかもしれないって」

 

いつか役に立つか・・・殺せんせーらしいな。

 

「1度や2度負けたぐれーで拗ねてんじゃねーよ(ゴンッ!!)おめーも()()()勝てりゃいいじゃねーか」

「いつか・・・?」

 

そんな説教と共に頭を殴られ、イトナ君はそう聞き返した。

 

「そうだ、今から何百回失敗したって構わねえ。それでも、卒業する3月までに1回殺せりゃあ俺らの勝ちだ。親の工場だってそん時の賞金で買い戻しゃあいいだけの話だろーが、いつまでもグレてんじゃねーよ!!」

「・・・それまで耐えられない・・・俺は何をしていれば・・・」

「はぁ?決まってんだろ」

 

そんなイトナ君の問いに、寺坂君は迷いなく自分を親指で指差し、

 

「今日みてーにバカやってりゃいいだろ。その為にE組(おれら)がいんだろーが」

「寺坂君・・・」

「あーいうバカの適当な言葉ってさ、こういう時に1番力抜いてくれるモンなんだよね」

 

カルマ君が再び笑みを浮かべながらそう言うのと同時に、イトナ君の目からさっきまでの狂気が失われていくのが分かった。

 

「そうか・・・俺は、焦ってただけだったのか」

「・・・おう、そうだと思うぜ」

「・・・目から執着の色が消えましたね、イトナ君」 ザッ

 

そう言いながら殺せんせーが2人の前に出た事で、全員が殺せんせーの方を向いた。

 

「今なら君の触手を取り除けます。それによって君は力を失うかもしれない。ですが・・・もっと大きな物を手に入れられる筈です」

「一緒に殺ってやろうぜ、イトナ」

 

クラスを代表した太陽のそんな誘いにイトナ君は・・・

 

「・・・好きにしろ。この触手も兄弟設定にも、飽きてきた所だ」

 

今まで見た事がない穏やかな顔でそう軽口を叩くのだった。

 

 

 

実徳side

 

カタカタ・・・ 「・・・どうやら、上手くいったみたいだな」

 

 沢山のモニターの中の1つに映し出された太陽君達の姿を見ながら私は安堵の息を吐いた。全く・・・伏魔島での一件といい、無茶をするクラスだ。

 

「しかし・・・まさか触手持ちが、あの標的の他にもいるとはな・・・それにあの子」

 

初めて会った時も当たり障りない対応だったが、何かを感じさせる子だった・・・それに今でこそあの見た目だが、あの子はまさか・・・

 

「・・・いや、これ以上は私が口を挟んではいけないな」

コンコンッ 「おじさーん!!ちょっときてー!!」

 

その時、上の部屋のドアを叩きながらの華のそんな声が聞こえてきた。

 

「おっと、行かないと」 プチッ

 

私はモニターの電源を切ると椅子から立ち上がり、

 

「・・・君達がいるクラスは、かなり問題を抱えたクラスだ。気をつけてくれよ・・・太陽君、威月君、大賀君、登志君」

 

部屋が再び暗闇に包まれていく中。私はそう呟きながら部屋の扉を閉めた。

 

 

 

太陽side

 

ガラッ 「お、ういっすイトナ。今度は壁破壊せずに来たな」

 

 翌日・・・教室に入ってきたイトナに、俺はそう挨拶をした。頭には大賀が縫い直した昨日のバンダナが巻かれている。

 

「おはよー」

「やっぱりイトナには、そのバンダナ似合ってるな。作り直したかいがあったぜ」

「おはようございます、イトナ君。どうですか?気分は」

「最悪に決まってるだろう。力を失ったのだからな」

 

皆が口々にそう言う中、最後に入ってきた殺せんせーにそう返したが、

 

「でも弱くなったつもりもない。いつでも殺す気だから覚悟しとけ、殺せんせー」

 

指を突きつけながら自信満々にそう言ったのだった。ようやく、全員揃ったな!!

 

 

 

 

 

「村松、大賀を呼んでラーメン作らせろ。お前の吐きそうになるラーメンの具材でも、アイツなら美味く作れるかもしれん」

「否定はしねえが、何で俺の店のラーメンタダで食わせなきゃいけないんだよ!?」

「金がない」

「直球だな、おい!?」

 

・・・ちなみに、寺坂に気を許したのか寺坂グループに入ったみたいだった。。




いかがだったでしょうか。

というわけで、イトナ加入です。寺坂って面倒くさそうだけど、いざという時頼りになるっていう、まるっきりジャイアンみたいなタイプだから書きやすくていいですね(笑)

それで、話は変わりますが、前話の投稿で、この「太陽とひまわりの仲間達との暗殺教室」のUA数が20,000を突破しました!!

10,000を超えるのに50話掛かったので、放置の期間があったとはいえ、実に半分以下の話数で10,000達成したという事にとてもテンションが上がってます!!

これ、このペースなら完結までに50,000位行くんじゃないかな!?





・・・はい、すいません。調子乗りました。
m(_ _)m

ま、まあこれからも読んでくれる方々への感謝を忘れずに頑張っていきます!!

それでは、また次回お会いしましょう!!
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