太陽とひまわりの仲間達との暗殺教室   作:籠野球

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皆さんどうも籠野球です。

今週は久しぶりに土日休みでゲーム三昧でした(笑)

いやー、やっぱり2連休はテンション上がりますね!!

GWまで後1か月ちょっと、皆さんも体調に気をつけて頑張って下さい!!

それでは、どうぞ!!


六十九時間目 紡ぐ時間

威月side

 

「な、何それ?イトナ君」

「ん?」

 

 イトナが本格的にE組に登校し始めた翌日の放課後、自分の席で小説を読んでいた俺の耳に聞こえてきたそんな渚の問いに顔を上げた。

 

「(ジジジ・・・)見ての通り、戦車のラジコンを作っている。昨日1日、奴に勉強漬けにされてムシャクシャしてるし、コイツで殺してやるんだ」

「・・・って、まさかラジコンを自作出来るの!?」

「・・・へえ、結構本格的だな」

 

イトナの机の上には、組み立てられる前のラジコンの部品が並べられていた。細かいパーツも多いし、よくこんなの作れるな・・・

 

「凄いな、イトナ・・・自分で考えて改造してるのか?」

「親父に小さい頃から一通りの電子工作は教わっていたからな。この程度、寺坂以外なら誰だって出来る」

「おい」

 

集まってきた男子達の磯貝の問いに返しながらの皮肉に寺坂が青筋を浮かべたが、イトナは視線を向けもしなかった。寺坂の扱い方が分かってるな、イトナの奴。

 

「(ジュジュ・・・)・・・よし」

「「「「おぉー・・・」」」」

 

5分程でラジコンの形になったそれに、俺達は歓声を上げた。すげえ・・・

 

がちゃっ ぐっ・・・

ヒュウゥゥゥン!! 「おお、動いた!?」

「すげー!!」

 

イトナがコントローラーのレバーを傾けると、ラジコンは勢いよく走り始めた。

 

ウイィィィン・・・ パパパッ!! 「(カカカンッ!!)凄い出来だな・・・これなら使えるな」

「走ってる時も撃つ時も随分と駆動音が小さいんだな」

「電子制御を多用して抑えている。ガン・カメラは最新のスマホのを流用して、コントローラーに銃の照準と連動した映像を送っている」

 

ハイテクだな・・・店に売ったら金取れるレベルだぜ、こりゃ。

 

「バカ面で寺坂が言ってきたからな。「何回失敗してもいい」と。だからダメ元でいいから挑戦してみる」

(フッ・・・初めて会った時とは大違いだな)

 

毒舌なのは変わっちゃいねえが、雰囲気が随分と丸くなったな。

 

「・・・それと、お前らに教えといてやる。奴の身体の弱点についてだ」

「!! 弱点だと!?そんな場所があるのか!?」

「ああ、奴が着けてるネクタイの真下。その位置にある心臓に当てれば一発で絶命させられるらしい。これはシロから教えて貰った」

 

奴からか・・・なら確かな情報だな。

 

(チッ・・・太陽もいてもらっときゃあよかったな。何か用事があるって先に帰っちまったからな・・・)

「・・・あれ、殺せんせーいねえぞ」

「しょうがねえ、このまま試運転続けようぜ」

(ま、俺が教えときゃいいし、今日失敗しても何か考えてくれるだろ)

「「「「・・・・・!!」」」」

「あ?」

 

考え事をしていた俺は、男子の殆どがイトナの持つコントローラー画面に釘付けになっているのにようやく気づいた。

 

「どした?皆」

「・・・見えたか?おい」

「いや・・・カメラが追いつかなかった。視野が狭すぎる」

(何の話してんだコイツら「いえー、いちばーん!!」・・・莉桜の声がカメラから?)

 

てことは、今戦車の近くを莉桜が通ったって事だよな・・・

 

(それからすぐの岡島と前原のやりとり・・・コイツらまさか・・・)

「カメラもっとデカくて高性能のに変えれねーのか?」

「・・・それだと重量が増えて機動力が落ちるし、標的の補足が難しくなる」

 

村松やイトナの言葉で俺は確信した。コイツら・・・女子のスカートの中、覗こうとしてやがる!?

 

「なら・・・レンズを魚眼に変えてみたらどうだろう?魚眼は画面が歪むが視野は広がるし、それをCPUで補正すればいい筈だ」

「分かった・・・レンズは俺が調達する」

「律!歪み補正のプログラムは組めるか?」

「はい!!用途は分かりませんがお任せ下さい!!」

「ちょっと落ち着けよ、お前ら・・・」

 

竹林や岡島がそう話し合う中、俺は呆れながら割り込んだ。ったく・・・

 

「そんな事してたって女子の連中に知られてみろ。半殺しじゃすまなくなるぞ?」

「何だよ、お前だって見てみたくなんだろ?」

「俺も男だし気にならないとは言わんが、盗撮してまで見たいとは思わねえよ」

「・・・男には、やらなきゃならねえ時がある」

「カッコ良く言ってるが、普通に犯罪だろ・・・」

 

キランと聞こえそうな位、真剣な顔で言いきった岡島にそう返しながらため息をついていると、今日日直で日誌を届けていた登志が教室に戻ってきた。

 

「ゴメン、威月。ちょっと烏間先生の手伝いしてて遅くなっちゃった。

・・・って、皆集まってどうしたの?」

「実はな、登志・・・」

 

不思議そうな顔で近寄ってきた登志に、事情を説明すると、

 

「えっ・・・それって盗撮じゃないの?ダメだよ、そんな事しちゃ!!」

(流石・・・殺せんせーを弁護しようたしただけの事はある)

「固い事言うなよ、伊勢。お前だって、スカートの中見てみたい女子とかいんだろ?」

「へ?んー・・・」

 

前原にそう反論されて考え込んだ登志は、

 

「(ボッ!!)や、やっぱりそういうのって、よくないですよ!!」

(分かりやすい奴だなぁ・・・ま、本人はまだ微妙に無自覚っぽいが)

 

一瞬で火がつきそうな位、顔を真っ赤にしながらそう言った。誰を想像したかは言うまでもないな、こりゃ。

 

「ケッ、ビビりめ。いいよもう、見えても教えてやんねえから。

・・・そういや、録画機能も必要だよな」

「ああ・・・効率的な改良の分析には必要不可欠だな」

(コイツら殺せんせーの事バカに出来ねえな・・・)

 

最後の説得も無駄と判断し、俺はため息をつきながら登志・渚・磯貝の元へと歩いた。この2人は恐らく積極的に参加しないと思ったからだ。

 

「皆、下着ドロにはドン引きしてたのに・・・」

「あぁ・・・エロの事だと我を忘れるのは殺せんせーと同じだな・・・」

「ほ、放っといていいの?威月」

 

予想通り、皆を見ながら苦笑いを浮かべている2人の横で、不安そうに登志が俺に聞いてきた。

 

「まあ、とりあえずほっとくしかねえだろ。変に止めて、こっちも巻き添え喰らうなんてゴメンだ」

「・・・そうだな、いざという時に止めようぜ」

「登志も後は俺に任せてくれりゃいいぞ。太陽達には俺が説明する」

「う、うん」

 

こんなのに真面目な登志を巻き込む訳にいかねえし、彼女持ちのあの2人を巻き込みたくねえし、俺がやるしかねえな。

 

「んじゃ、それぞれ担当の物を今日中に準備して、明日の朝また集合だ!!」

「「「「おう!!」」」」

 

・・・明日は早起きだな。

 

 

 

「学校迷彩、こんなのでどうだ?」 ゴトッ

「ああ、完璧だぜ菅谷。俺も学校周りのロードマップを作ってきた」

「イトナ、段差にも強い足回りパーツを持ってきたが、すぐに組むか?」

「朝飯を作ってきた。順番に食ってくれ」

(ふわあ・・・眠い。つーか何でコイツらこういう時は早いんだか・・・)

 

 翌日・・・朝6時半にちゃんと集合している皆を見ながら俺は欠伸を漏らした。エロの力は偉大だな。

 

「てか、何で威月来てんだよ?お前、反対してたじゃねえか」

「俺だって好きで早起きしたくは無かったが、太陽達からの伝言を預かっててな」

「伝言?」

「そのまま伝えるぞ・・・威月が止めても無駄だった以上、今更止めたりはしないしクラスメイトの情けで、陽菜乃達には何も言わないでおいてやる。ただし・・・」

「「「「ただし?」」」」

「陽菜乃覗いたら殺す・・・ってよ。大賀は、有希子覗いたらすり砕くって言ってたぞ」

「「「「・・・」」」」

 

俺の言葉に全員が青ざめた。あの2人の強さも、どんだけ彼女を大切にしてるかも、よーく知ってるんだろうしな。

 

「んで、俺はそれの監視役として来たんだよ。つーわけで、俺も女子に告げ口はしねえが、2人の伝言は守るからな」

「・・・2人には手を出さない方向で行こう。それに、律が起動するのは8時丁度だ、彼女を傷つける訳にもいかない」

「「「「おう」」」」

 

竹林・・・律に気遣い出来るならやめるという選択肢は無かったのか・・・?

 

「分かってるんだろうな、皆・・・あくまで最後は殺せんせーを殺す為の道具として使うんだぜ?」

「まあ、そう言うなって磯貝。ちゃんと全員分かってるし。その為の実験のついでだって。

・・・んじゃ、始めるか!!」

 

ハア・・・もうどうなっても知らねえぞ。ったく・・・

 

「これも殺せんせーを殺す為!!行け、えーっと・・・試作品1号!!」

ヒュオォォォ・・・

 

そんな皆を代表した前原の号令と共にラジコンは勢いよく走り出し・・・

 

 

 

コテンッ (・・・ま、いくら足回り強くしても、あのスピードじゃあれだけの段差は厳しいわな)

「復帰させてくる」 ダッ!!

 

昇降口の段差であっけなく横転し、木村がラジコンの元へと走っていった。

 

「バカ、お前スピード出し過ぎだ。変われ、俺が運転する!!」

「寺坂が運転した方が事故るっての」

「んだと、こら!?」

(・・・にしても、ホントに打ち解けたな、イトナの奴)

 

復帰後、再び走り出したラジコンの画面を見ながら、和気あいあいと話す皆の真ん中で楽しそうに笑うイトナの姿に俺はそう思った。イトナの技術にエロが加わって、皆の心をガッチリ掴んでみせたな。

 

(あんな奴に頼らなくても、最初から俺達と一緒に始めればよかったんだよ)

「そーいやさ、こんなに改良に参加してんだし、機体に開発ネームでも付けてみたらどうだ?」

「あぁ・・・考えておく・・・ん?」

 

三村にそんな提案をされていたイトナは画面に釘付けになっていた。

 

(? おかしいな、まだ皆が来るには微妙に早い筈だが・・・)

 

そう思いながら最後尾から覗いた俺の目に入ってきたのは、巨大な化け物・・・もといイタチの姿だった。

 

「「「「化けモンだー!?」」」」

(まあ、サイズは普通だとは思うが、いかんせんラジコン目線じゃなあ・・・)

「逃げろー!!いや、撃てー!!」

パパパンッ!! ぴしぴし・・・ 「主砲の威力が全然足んねぇ!!ここも要改造だ!!」

「シャァァァ!!」

「「「「う、うわあー!?」」」」

 

 

 

「くっそー・・・イタチは想定外だったなー・・・」

 

 数分後・・・イタチから救出したものの、ボロボロに破壊された機体を見ながら前原が悔しそうに呟いた。ここまでボロボロじゃ、修理するのは無理だな。

 

「今度からは運転手と狙撃手を別々にしようぜ。頼むな、千葉!!」

「お、おう」

「開発には、失敗がつきものだ」 キュポ

 

岡島が千葉の肩を叩きながらそう言うのと同時に、イトナが機体に文字を書き始めた。

 

サラサラ・・・ 「・・・"糸成Ⅰ"・・・それの名前か?」

「へー・・・イトナって漢字でそうやって書くんだね」

「ああ。"最初は細くて弱くても、徐々に紡いで強くなれ"そういう意味らしい。糸成1号は失敗だったが、これから紡いで強くする。そして・・・最後は殺す」

 

渚にそう返した後、イトナは俺達を見渡し、

 

「よろしくな、お前ら」

「おうよ」

「ああ」

 

この技術が進化していけば、必ず大きな力になるだろうな・・・楽しみだ。

 

「よーし、卒業までに女子達のスカートの中、コイツで偵察してやろうぜ!!」

(いや・・・だから目的が変わって「「「「・・・」」」」 !?)

 

岡島がそう気合を入れているのを呆れながら見ていた俺は、後ろからの女子達の冷たい視線に凍りついた。

 

「お、おい・・・岡島」

「ん?何だよ威月「誰を覗くって?岡島君(ゴゴゴゴゴ・・・)」!? か、片岡!?」

 

や、ヤバい・・・片岡の奴、目が本気だ!!

 

「え、えっと・・・これはその、殺せんせーを殺す為の実験で・・・」

「(プッ・・・ウイィィィン)おはようございます!!竹林君、昨日頼まれた歪み補正プログラム、完成しています!!」

「ふーん・・・律まで巻き込んだの」

 

あーあ、律にそんな意図は無かったんだろうが、タイミング最悪だな。

 

「首謀者は誰?まさかイトナ君じゃないわよね」

「岡島だ」

(イトナの奴、あっさりと岡島を捨てやがった!?)

 

・・・まあ、確かにイトナはラジコンを提供しただけで、それを岡島達が勝手に利用しただけだしな。

 

「いやいや、俺だけじゃねえって!!皆、加担してたし!!」

「・・・まさか磯貝君達も!?」

「いや、渚と磯貝は何にもしてねえよ。俺達「ひまわり」メンバーと一緒で反対派だったからな」

「そう。まあ、磯貝君や渚はね」

 

納得した様子の片岡に安堵していたその時、岡島が爆弾を投げ込んできた。

 

「いや、違うぞ片岡!!威月もノリノリだったぞ!!」

(なっ!?)

おい!!お前、何俺まで巻き込んでやがる!?

うるせえ!!どうせやられんなら道連れ増やしてやらあ!!

 

こ、この野郎・・・遂にクズになりやがったな!!

 

「・・・本当なの?水守君」

「俺はやってねえよ、岡島の嘘だ」

「騙されるな、片岡!!威月はこう見えて結構スケベだからな!!」

 

そんな俺らの言葉に、片岡は俺と岡島をそれぞれ見ると・・・

 

「・・・じゃあ、水守君も磯貝君の方に来て」

「お、サンキュー」

「ちょ、ちょっと待て!!何で水守の事はあっさり信じんだよ!?」

「水守君と岡島君だったら、誰に聞いたって水守君を信用するに決まってるでしょ!!」

 

片岡のそんな返しに、女子全員がうんうんと頷いてくれた。俺なんかを信じてくれるとは、有り難いな。

 

「そ、そんなの差別じゃねえか!!皆も何か言ってやれよ!!」

「「「「・・・」」」」

「え・・・何でお前ら、目を逸らすんだ?」

 

男子全員が無言になる中、代表して前原が口を開いた。

 

「すまん、岡島・・・それだけは俺らも否定出来ねえわ・・・」

((((うんうん))))

「・・・・・」

(あ、仲間に裏切られて白目向き始めたな)

 

まあ、俺も巻き込まれそうになったし、同情は一切しないがな。

 

ガラッ 「んー?皆、何やってんの?」

「良い所に来た。カルマ、今日サボりたい。良い場所知らないか?」

「お、話せんじゃんイトナ。オッケー、ついてきなよ」

(((逃げた!?)))

 

教室に入ってきたカルマに連れられて、ナチュラルに修羅場から逃げたイトナに、磯貝・渚・俺の3人はそう思った。余りにも自然な逃げっぷりに、気づいた奴はいないみたいだ。

 

「さて・・・覚悟はいいかしら?覗き未遂の現行犯よ。まずは主犯の岡島君からね」 

「嫌だー!!まだ死にたくねえ!!」

「安心して、そこまではしないわ。只、生まれてきた事を少し後悔するだけだから」

「死ぬよりも怖え!?」

「問答無用!!」

「や、やめろ片岡・・・痛ててて!!か、関節は、関節はそっちには曲がらな・・・ギャー!!」

 

―――こうして、イトナのラジコンを用いた覗き騒動は、主犯の岡島の悲鳴と共に終わった。その後、ボロボロになった男子達の姿に、チャイムギリギリで入ってきた太陽達がドン引きしたのは言うまでもない。




いかがだったでしょうか。

日頃の行いはこういう時に生きてくるもんですね(笑)

・・・やっぱり真面目に生きるのが1番だなあ。

それでは、また次回お会いしましょう!!
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