太陽とひまわりの仲間達との暗殺教室   作:籠野球

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皆さんどうも籠野球です。

いやー・・・仕事の忙しさ+DBDというゲームにドはまりしている結果、どうしても投稿が遅れてしまい申し訳ありません。
m(_ _)m

担当変えに慣れてきた所での再び担当変えで、また対応に一苦労ですが、ノンビリ頑張っていこうと思います!!

それでは、どうぞ!!


七十五時間目 ビフォーの時間

太陽side

 

「皆ー!!今日から少しの間、このお兄ちゃん達が園長先生の代わりになってくれまーす!!」

「「「「はーい!!」」」」

 

 松方さんが怪我をした翌日の朝、俺達E組はわかばパークへと来ていた。というのも今、田中さんの言った通り、俺達がここでの松方さんの代役をするからだ。何故こんな事になったか・・・それは昨日の夜に遡る・・・

 

 

 

「保育施設を経営してる松方さんです。まずは、しっかりと謝りましょう」

「・・・ごめんなさい」

「すいませんでした・・・」

 

 殺せんせーのそんな紹介の後、皆はそう言いながら頭を下げた。俺と威月は実際には関わってないが、仲間を止めれなかった責任で付いてきたのだ。

 

「・・・ん?ちょっと待て、何でお前達がいるんだ?」

 

が、そんな俺達の姿を見て、怪訝そうに松方さんは尋ねてきた。まあ、当然の反応だわな。

 

「すいません、松方さん。実はコイツら、俺ら4人のクラスメイトなんですよ」

「! そうなのか」

「注意出来なかった俺らにも責任はあります。ホントにすんませんでした」

「・・・そうか、お前達の・・・」

 

威月が言い終わると同時に俺も頭を下げた。そんな俺達を見て、何やら松方さんは考えていたが・・・

 

「・・・いいじゃろう、殺せんせーとやら。さっきの条件、受けてやろう」

「にゃや?よろしいのですか?」

「フン、さっきの貴様の言った事は同業者としちゃ聞いたら断われん。それに、コイツら「ひまわり」の連中には、ワシも何かと世話になっておるからの」

 

どうやら、俺達が付いてきたのはある意味、正解だったみたいだ。にしても・・・条件?

 

「何すか、その条件って?」

「君達はプロを名乗る以上は、自分で責任を取らなくてはいけません。なので当然、訓練中に起きた過失は自分達で責任を負うべきです」

(ま、当然の理屈だな。今回は完全に自業自得だし)

「治療費ばかりは烏間先生に支払って貰うしかありません。

・・・が、慰謝料と仕事を休む分の損害は君達が支払うべきだ」

「・・・支払うって、どうやって?」

 

千葉の皆を代表しての問いに、殺せんせーは松方さんを指差し、

 

「要するにタダ働きです。クラス全員、松方さんの職場を手伝いなさい。2週間後、賠償分の働きをしたと認められれば、松方さんは今回の事は公表しないでくれるとの事です」

(殺せんせー、簡単に言ってるけど・・・)

「それ相当キツいぜ殺せんせー。松方さん、保育所から学童保育まで手広くやってんだ。そう簡単に務まる仕事じゃねえよ」

 

唯一、俺の他に知っている威月が殺せんせーに異議を申し立てた。・・・が、

 

「それだけの事をした・・・という事ですよ、威月君」

「・・・」

 

ぐう・・・そう言われちゃ流石に言い返せねえ。威月もそう思っているのか、それ以上は何も言おうとはしなかった。しょうがねえ、やるしかねえな・・・

 

「あ、松方さん。ちなみになんですけど、華も連れて行って構わないですか?特別扱いはなるべくしない様に気をつけるんで」

「フン、元々約束されてたんだ、構わんさ。お前達は基本的にどこに何があるのかは把握してるだろうが、分からん事があったら田中君達にでも聞け。頼んだぞ」

 

 

 

「・・・全く、いくら連帯責任だからって関係ない私達まで何でこんな事を・・・」

「面目ねえ・・・いてて、坊主噛みつくなって」

 

 子供達にまとわりつかれて疲れている狭間のそんな呟きに、寺坂が肩を噛みつかれながら弱々しく返した。寺坂の奴・・・嫌われるオーラでも出てるのか?

 

「まあ、仕方ないですよ。止められなかった僕達にも責任ありますしね」

「私達ももっちりとビンタはされたし、それで終わりにしとこーよ」

 

登志や原の言う通り俺や威月は昨日、他の皆は今日の朝に滅茶苦茶弱くビンタされた。「PTAにはどうか黙ってつかあさい」て言いながらの世間体気にしまくりで、昨日の威厳のある感じはどこにいったのかと思ったが。

 

「はいはい、辛気臭い話は一旦そこまで。

・・・ほら、華。俺達もここにいるから、好きに遊んでおいで」

「あ、はなちゃん!!」

 

大賀はそう話を打ち切りながら、抱っこしてた華をひょいと降ろした。と、同時に華と同い年位の女の子が近寄ってきて、

 

「いっしょにあそぼーよ、はなちゃん!!」

「うん!!」

 

2人は手を繋いで遊び場へと走っていった。・・・普段は何にも文句言わないけど、やっぱ華も同い年位の子達と一緒に遊びたいんだろうな。

 

と、その時、岡島が離れていく華をジッと見つめているのに気づいた。何かと思っていると、岡島は手を顎に当てながらキリッとした顔で呟いた。

 

「・・・ふむ、中々のレベルだ。将来が楽しみな顔立ちだな」

「・・・おーい華ー。もう1個お兄ちゃん達との約束して欲しいからちょっと来てくれるかー?」

「はーい」

 

遊ぼうとしてたにも関わらず、華はトタトタと音を立てながらこっちに戻って来てくれた。

 

「華、両手を思いっきり横に伸ばしてみて」

「うん。ん~・・・」

「まだまだ、もっともっと」

「ん~・・・!!」

 

顔を真っ赤にしてプルプルと震えながら、華は両手を目一杯横へと伸ばした。そんな華に俺は岡島を指差しながら、

 

「いいか、華。この手が当たる位にこのお兄ちゃんが近づいてきた時はすぐに俺達を呼べ。分かった?」

「? うん、わかった!!」

「よーし、良い子。じゃあ、遊んできていいよ」

「はーい!!」

 

元気よく返事をすると、華は再び友達の方へと向かっていった。よしよし、これでもう大丈夫だな。

 

「おい、太陽。何だよ今のは・・・」

「いや・・・お前の華を見る目が怪しかったから念の為に」

「!! お前・・・」

 

その言葉に大賀は珍しくジロリと鋭い目つきで岡島を睨み、登志もムッとした表情で岡島を見ながら口を開いた。

 

「岡島君・・・華に手を出したら僕達、容赦しないですよ?」

「え!?いや、俺だって流石にクラスメイトの妹に手出さないって!!」

「まあまあ、待てよお前ら。流石にクラスメイトを信用しておこうや」

 

そう言いながら、威月は登志達と岡島の間に(にこ)やかな表情を浮かべながら割り込んだ。う・・・あの顔は、逆に怖えな・・・

 

「お、おぁ威月!!ありがとう、お前は信じて「いざとなったら俺が殺るから心配すんな」・・・あれ!?何か逆に危なくなった!?」

 

まあ、普段は隠してるだけで、威月も結構家族想いだからな。

 

「(ガラッ)おはようございまーす・・・って、大賀お兄ちゃん!?」

「ん? おう隆史君、おはよう」

 

と、その時、玄関からそんな元気の良い声が聞こえてきたと思ったら、大賀に気づいて更に大きな声を上げながら近づいてきた。

 

「どうしたのー!?何でここにいるの?」

「えーと・・・実は今日から2週間ここで松方さんの変わりに皆のお世話をするんだ」

「えっ、本当!?じゃあさ、今からサッカーしようよ!!」

「ああ、いいよ・・・って引っ張らなくても行くって!!」

 

そう言いながら大賀は隆史君に引っ張られて外に出て行った。まあ、予想通りといえば予想通りだな。

 

「アハハ、大賀はここに来たら何時でも引っ張りダコだね。まあ、大賀は優しいし運動も出来るから当然だけどね「ねえねえ、とうしおにいちゃん」 ? どうしたの、華」

「はなたちに、えほんよんで!!」

「え?んー・・・良いのかな?華ばっかり特別扱いになっちゃわない?」

 

服を引っ張られながらの可愛らしいおねだりに、登志は困った様子でこっちを向いた。登志凄えな・・・

 

(俺だったらあんな風にねだられたらあっさり読んじゃいそうだ・・・)

「別にいいだろ。華だけに読むんじゃねえし、松方さんも相手するなとは言ってなかったんだしな」

「分かった。いいよ2人共、どれがいい?」

「えっとねー・・・」

 

威月のそんな返しに頷くと、登志は笑いながら2人と一緒に歩いていった。

 

「太陽君、ちょっと後で来てくれる?一応、大体のスケジュールを確認したいから。それと威月君も悪いんだけど後で買い出しに行ってくれるかしら?」

「了解です、田中さん」

「うす」

 

そんなやりとりをする俺達を、皆が少しだけ驚いた様子で見ているのに気づいた。

 

「どうした?皆」

「いや・・・4人、慣れてるんだなと思ってさ」

「まぁ、小学校の頃とかは今よりも世話になってきたからな。中学校になってからもよく手伝いに呼ばれてるしな」

「俺達「ひまわり」にとっちゃ、第2の家と言っても過言じゃねえよ」

「ふむ、偶然とはいえ、これだけ頼りになる仲間がいたのが不幸中の幸いだね。2週間の労働・・・百億失う位なら秘密を守る為の必要なコストと思えば安い物だな」

「めがねー!!」

「キランてしたー!!」

 

竹林・・・ズボン下ろされながらじゃ、しまらねえな・・・

 

(まあ、基本的には全員良い子で俺達の言う事、聞いてくれる子達ばっかりだからやりやすいんだよな)

「んで、おたくらは結局何してくれる訳?」

(・・・ほんの一部を除けば)

 

心の中で苦笑しながら、俺は声のした方へと振り返った。するとそこには、予想通り1人の女の子が立っていた。

 

「「ひまわり」の人達以外は全く知らない連中だけど、役に立つんでしょうね?」

・・・威月、この中々とんがった子は誰?どう見ても小学生だけど

「あぁ、ここの1番の最年長のさくらちゃんだ。2年位、学校の支配を拒み続けてる」

「・・・カッコ良く言ってるけど、それって不登校じゃねーの?」

 

中村の問いに対しての威月のそんな答えに吉田がツッコむ中、さくらちゃんは「フン」と鼻を鳴らしながら壁に立てかけてあった箒を手に取ると、

 

「じゃあ、まずは働く根性があるのか試させて貰おうじゃ「あ!さくらちゃん!!そこは・・・」・・・へ?(ズボッ)ブゲェッ!?」

(あー・・・遅かった)

 

俺の制止は間に合わず、さくらちゃんは傷んでいた床の上に乗ってしまい、床下に下半身を埋めながらそんな声を上げた。

 

「痛~・・・」

「ほら、さくらちゃん。大丈夫?」

「改装とかしないんですか?よく見たらこの建物、結構ガタが来てるんじゃ・・・」

 

痛がるさくらちゃんを引っ張り出していると、周りを見ながら磯貝が田中さんにそう尋ねた。まあ、至る所に修復した跡が山ほどあるからな。

 

「お金がね・・・園長、待機児童や不登校な子がいれば片っ端から格安で預かってるから。そのせいで職員すらまともに雇えないから自分が1番働いてるわ」

「確かに口も悪いし、気難しい所もある。でも、誰よりも子供の事を最優先で考えてくれる人なんだよ、松方さんは」

「「「「・・・・」」」」

 

威月のそんな言葉に、どうやら改めて重大な事をしたのかが分かったみたいだな。

 

「起きた事を今更後悔しても始まらねえ。これからどう挽回するかが重要だろ」

「・・・だな。32人で2週間ありゃ、色んな事出来るしな」

「よし、それぞれの担当を決めて、実行しよう」

「おう、慰謝料の倍額分は仕事してやろうぜ!!」

 

松方さん、ゆっくり休んでて下さい。俺達でバッチリ仕事やっときますから!!

 

 

 

威月side

 

「騎士カルマ!!もうこれ以上は誰も傷つけないで!!」

「(ボカッ・・・ボカッ・・・)甘えを見せてはダメですよ姫。コイツを倒せば王国は平和になるんです」

「ごふっ・・・ちょっ、カルマてめ・・・殴るフリだけっつったろうが!!があぁ!!このクソ騎士、ぶっ殺してやらぁ!!」

「すっげえ・・・本格的なアクションだ」

(カルマの奴・・・端から殴るつもりだったな)

 

 まあ、その後に始まった寺坂とカルマの殴り合いをアクションと勘違いして皆も興奮してるから、結果オーライだな。

 

「ま、魔物よ眠れ!!」

「(ぼふっ)んぐっ・・・奥田・・・それは・・・反・・・・・則・・・・・」 バタッ

「魔法使いが持っていたクロロホルムによって、魔物は簡単に倒す事が出来ました。いやー、科学の力は凄い!!

・・・はーい、これにてめでたしめでたし!!皆、面白かったら拍手ー!!」

(・・・何だ、この劇?)

 

買い出しから帰ってきたと思ったら、何やら謎の劇が繰り広げられていたのだ。まあ、子供達には大ウケみたいだし、いいか。

 

(にしても茅野の奴、やけに子供受けいいんだな。空気の掴み方も分かってるな。ああいうの、得意なんだな)

「ただいまーッス」

「あ、お帰りなさい威月君。ごめんなさいね、いきなりそんな雑用させちゃって」

「いいっすよ、そういう約束なんで」

 

田中さんにそう返しながら、俺は荷物を置いた。別にここの手伝いするのはそもそも嫌いじゃねえし。

 

「威月ー、帰ってきたならちょっと手ぇ貸してー」

「おう分かった」

 

莉桜に呼ばれて行ってみると、莉桜や渚達の子供達に勉強を教える場に着いた。

 

「威月君達が来てくれて助かるわ~。何たってあの椚ヶ丘の生徒さん達なんだもんね」

「まあ、俺らはその中の底辺なんすけどね。何か用か?中村」

「うん、ちょっと人数足りないから手伝ってよ」

「はいよ」

 

外では、烏間先生の部下の鵜飼さんの監督の下で千葉を中心に力仕事を頑張ってくれてるしな。俺も頑張らねえと。

 

 

 

「どうだ?分かったかい」

「うん、ありがとう!!」

 

 ふむ、まだ小学校前とはいえ、ある程度は分かるみたいだな。根気強く教えれば大丈夫そうだな。

 

「ホント頼りになるよね、アンタって」

「あ?いきなり何だよ」

 

その時、隣で別の子に教えていた莉桜が苦笑しながらそう話しかけてきた。

 

「いやー、昨日もさ結局はアンタ達2人がいたから園長さんもこの話、受けてくれた訳じゃん。それに世話をするのとか面倒くさがりそうだけど、何だかんだいって面倒見もいいしね」

「フッ、そりゃあ「ひまわり」でずっとやってきたからだろうな。あのお人好し達と一緒に暮らして、自然と身についたんだよ」

「アンタだって優しいよ。今も昔もね」

 

机を支えに頬杖を突きながら、莉桜は微笑んでそう言った。思いがけない可愛らしい姿に、思わず目線を外しながら返した。

 

「・・・んだよ、らしくねえぞ」

「アハハ、確かに。

・・・でも、こんな風に並んで座って勉強してると幼稚園の頃を思い出してね。あん時は、アンタ位しか友達いなかったからさ」

「・・・あぁ、そうだな」

 

懐かしいな・・・あの頃は2人で遊び回ったり、勉強を教え合ったりしたな・・・そのお陰で2人共、小学校一年で高学年の問題が解ける程にまでなれたんだっけ。

 

「・・・そういった意味では」

「え?」

「お前は俺にとって、「ひまわり」の皆と同じ位信頼してる数少ない相手かもな」

「威月・・・うん、お互いにね」

 

・・・むー、何かハズいな。莉桜もどこか嬉しそうだし。・・・まあ、これだけは紛う事なき俺の本心だからな。

 

「ねー、まだなの渚?あたしを東大連れてってくれるんでしょ!!」

「ちょ、ちょっと待ってて。えーと・・・コレを分かりやすく教えるには・・・

 

ん?さくらちゃんを渚が教えるみたいだけど、結構大変だろうな。不登校のさくらちゃんじゃ、どうしても勉強が遅れてるからな。

 

「そ、そういえばさ、さくらちゃんはどうして学校に行かなくなったの?」

「・・・イジメだよ、典型的なレベルの低い。まったく・・・何で人ってちょっとばかし力を付けたら、簡単に人を見下したり傷つけたりするのかね」

「うっ・・・」

「たはは・・・」

 

・・・さくらちゃんはそのつもりは無いんだろうが、今の渚や莉桜達には耳が痛い話だな。その証拠に、何も言えないみたいだしな。

 

「どーせアンタも親みたいに「逃げるな」って言うんでしょ?「悔しかったら自分も学校行って力を付けろって。

・・・まったく、何も知らないくせにホントいい迷惑「(ボカッ!!あ!?やべっ!!」ん?」

 

何だ?いきなり外からそんな音と声が聞こえてきて、全員が外を見た。そのまま皆を代表して、窓を開けた俺の目に飛び込んできたのは・・・

 

ぷしゅ~・・・ 「す、すまん!!太陽、大丈夫か!?」

 

後頭部から煙を出しながらうつ伏せで倒れる太陽と、心配そうに揺さぶる大賀の姿だった。・・・何だ、この状況・・・?

 

「どうした?何してんだよ」

「あ、威月。それがよー・・・隆史君がこの前アニメで見た空中で身体を回転させてシュートするって技を俺にやってほしいって言ってきたからやってみたんだ。そしたら・・・思ったより上手く出来て、太陽の頭にクリーンヒットしちまった」

「ホントに何してんだよ」

 

いや、確かにそんな曲芸やってのけたお前が凄えんだろうけどさ。

 

「んー・・・痛て、何すんだよ大賀、いきなり」

「ご、ゴメン。

・・・て、あれ?ボールどこ行った?」

 

よかった、頭は抑えてるが、意識はハッキリしてるな。だが、確かに太陽に当たったらしいボールが無いな。

 

「・・・あ、大賀。あの木の上」

「げ、あんな所に」

(10メートルはあるな・・・こりゃ子供達じゃ取れねえぞ)

「(ミャア)・・・! 何だあの子?」

 

その時、太陽がすぐ横の木の枝に丸くなる子猫を見つけた。あの様子を見るに、怖がってるのか?

 

「あー、たーくんあの子、まだ木登り経験少ないから降りられなくなったみたい。人にもそこまで慣れてないみたいだし」

「フン、見なよ。頑張って登ったのに全て無駄。高い場所行って危険になる位なら、地べたで安全に安心に生きて何が悪いのさ」

 

さくらちゃん・・・それは違えぜ。確かに全てが報われるなんて俺も思わねえ。だが、挑戦した事が全く無駄だなんて、俺は思わねえ。

 

「(コキコキッ)大賀、人にぶつけた詫びに足貸せ」

「ん、分かった」

「ボールは俺が行くよ。岡島、棒倒しのアレでいこう」

「今度は下の安全見とかないのな」

 

首を鳴らしながら太陽がそう言う横で、木村がボールを見ながら言いきった。子供達が不思議そうにする中、同じく?を浮かべるさくらちゃんの横に並んだ渚が口を開いた。

 

「例えばさくらちゃん、あの木の上が学校で地べたがそれ以外だとしたら、僕達は地べたで力を付けてきたんだ」

「(ぐっ・・・)フッ!!」 

空軍(アルメ・ド・レール)サニーシュート!!」

ブオンッ!!

 

次の瞬間、岡島と大賀の助けを得て、木村と太陽は一瞬で木の上に飛び移った。目の前の光景にさくらちゃんを含めた子供達全員が唖然する中、

 

「木の上の人と見上げ見下ろされあいながら、怖さもいっぱい学んでから登り始めたんだ。だから、あんな風に自由に動き回れる。

・・・まあ、いつの間にかその怖さも忘れちゃって、地べたに落ちちゃったんだけどね」

スルスル・・・ 「よーし、取れた」

「怖くねえよ、おいで」

「(ペロペロ・・・)ミャア!!」

「くすぐってえよ、よしよし」

 

苦笑いを浮かべながら渚がそう言いきるのと同時に、2人はそれぞれ目的を達成していた。しっかし太陽の奴・・・相変わらずすぐに懐かせてるな。生き物が好きなフェロモンでも常に出てるのか?

 

「あ、あの4人以外にもこんな動きが出来るなんて、アンタ達いったい・・・(スッ) !!」

「無理に行かなくていい、僕が力を付けてあげる。わかばパーク(ここ)でしか秘密の勉強でね」

「う、うん・・・」

 

手を取りながらの渚の言葉に、さくらちゃんは頷いてみせた。さーて、ここから2週間、骨の分きっちり利子付けて返しますよ、松方さん!!

 

 

 

「しっかし、渚ちゃん。あれ無自覚かね?だとしたら超恐ろしいけど」

「だろうなぁ、天賦の才って怖えな」

 

 顔を赤くしているさくらちゃんに全く気づいた様子がない渚を見て、莉桜と俺はそれぞれ呟いた。アイツ、詐欺師もやれるんじゃ・・・




いかがだったでしょうか。

威月と中村さんのこんな関係って良いですよね。お互いを本当に信頼し合っている感じがして。

それと話は変わりますが、最近忙しさから昔の様に感想に返事を書けずにいますが、感想自体はちゃんと有り難く読ませて貰っています。

批判は少し凹みますが(笑)貴重な意見として受け止める覚悟はあるので、気軽に書いて頂けたら幸いです!!

中々投稿ペースを上げられませんが、約1か月に1話の今のペースは最低限、守っていくので、これからも気長にお待ち頂けたら嬉しいです!!

それでは、また次回お会いしましょう!!
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