太陽とひまわりの仲間達との暗殺教室   作:籠野球

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皆さんどうも籠野球です。

お待たせしました。やっと仕事が一段落つきました。

最近少し投稿ペースが落ちてきていましたが、ここから頑張っていけたらなと思います!!

・・・まぁ、結局はモチベーション次第なんですが(笑)

それでは、どうぞ!!


七十八時間目 死神の時間

太陽side

 

「はぁ~~~~~・・・」

 

 烏間先生からプレゼントを貰った翌朝、いつもなら時間ギリギリに登校する俺ら「ひまわり」のメンバーだったが、大賀と登志からあの後の出来事を聞いた俺と威月は詳しい話を聞く為に学校へと早めに来たのだ。そこでクラスの皆から聞かされた詳細によって、威月が大きなため息をつきながら頭を抱えた。まあ、気持ちは分かる。

 

「あの・・・ゴメン、威月。僕達が勝手な事しちゃったばっかりに・・・」

「あぁ・・・いや、今回は身内の問題なんだし別に怒っちゃいねえ。

・・・しっかし、何でお前等はこうも連続でトラブルを・・・はぁ・・・」

 

俺も皆の考えが間違ってる訳ではなかったとは思うが・・・結果的に大失敗になった以上、余計なちょっかいだったと言わざるを得ないな。

 

「でもよぉ、お前だって太陽や大賀の時には、お節介してたじゃねえか。

・・・まあ、お前は上手くいったけどよ」

「それは俺がこの2人の性格や考えをちゃんと把握してたからだっての。全く理解していないビッチ先生の手助けは端から反対だったしな」

 

岡島の異議をバッサリと切り捨てた威月の言葉に、中村が食い下がった。

 

「威月ー、それは冷たいっしょ。あたしらだって半年近くビッチ先生と過ごしてきたんだし、全く理解してない訳じゃないっしょ?」

「あくまで、先生としてのあの人ならな」

「? どういう意味よ」

 

意味が分からず皆を代表して聞き返した中村に、威月は自分の席に腰を下ろしながら言葉を続けた。

 

「確かに最初の頃に比べたら、この半年であの人は変わった。でもそれは、E組の英語教師"ビッチ先生"としてだ。あの人の本来の姿は世界ナンバーワンの色仕掛け(ハニートラップ)の達人、殺し屋"イリーナ・イェラビッチ"なんだよ。何故殺し屋になったのか?何人殺してきたのかも知らねえんだ。

・・・誰かを殺す覚悟を持つってのは、意外と難しいもんだぜ?」

 

・・・威月は両親の敵討ちの為に生きてきた。そんな威月だからこそ、殺しに対しての考え方や覚悟を重さをよく分かっている。皆も何も言えずに黙ってしまっていた。

 

「「「「・・・」」」」

「ワリいな、少し言い過ぎた。起こっちまった以上は仕方ねえ、その後に何とかする。そうやってここまでE組はやってきたんじゃねえか。今回もそうすりゃいいだけさ」

「威月の言う通りだぜ、皆。どのみち今更、後悔しても始まらないんだからな」

 

そんな威月や俺の言葉に、皆も一応は納得してくれたみたいだった。ま、どちらにしろビッチ先生が来ないと謝れないんだし、早く来てもらわないとな。

 

 

 

―――この時の俺はまだ、そんな風に軽く考えていた、しかし、事態はそんなに簡単ではなかったみたいで・・・

 

 

 

1週間後・・・

 

(今日で1週間・・・ビッチ先生は1度も学校に来ちゃいねえ)

「たく、あの人は・・・俺達が悪いのは分かってるが、いつまで拗ねてんだか」

 

 俺の横で威月が頭の後ろで手を組みながら呟いた。まぁ、自分の恋愛をネタに楽しまれたんだし、そんな事されたら俺もガチで凹むからなぁ・・・

 

「あ、あのですね烏間先生。任務が大事なのは勿論、分かっておりますが・・・少しは彼女を気持ちを考えてあげては?」

「・・・悪いが先に失礼する。次の殺し屋との面接があるんでな」

 

殺せんせーの恐る恐るといった言葉に全く反応せず、烏間先生はそう言いながら扉の方へと歩いて行った。もう新しい殺し屋に目星つけてるのか・・・

 

ガラッ 「これは地球を救う重要な任務だ。君達はあくまで中学生だが、俺や彼女は経験を積んだプロフェッショナル。プロに情けなんて必要ない」

(・・・烏間先生の言ってる事は別に間違ってはいない。寧ろプロとして相手をリスペクトしていれば当然の事だ)

 

まぁ・・・烏間先生は一人前の大人には特に厳しいきらいがあるけど。

 

「うぅ・・・やっぱり僕達のせいで」

「今更だっつってんだろ、登志。それにいくら失恋したからって、大の大人が1週間も無断欠勤したら普通なら即クビになってもおかしくねえんだ。寧ろ1週間も待ったのも烏間先生なりの気遣いなんじゃねえか?ホント、そういう所が不器用なのはそっくりだな、あの2人は」

 

確かに・・・恐らくはこんな状況で無ければ、とっくに恋人関係になっていたのかもな。

 

「・・・とりあえず俺はもう帰るわ。恐らくは今日も来ねえだろうし、また図書館に行きてえしな。太陽も用事があるんじゃねえの?」

「あ、おう」

(流石・・・威月にはお見通しか)

 

鞄を肩に掛けながら席を立った威月の問いに心の中で苦笑しながら俺も立ち上がった。目星付けてたのがたまたま店に無くて、1週間にまた来て下さいって言われたから行こうとしてたんだよな。

 

「俺も帰ろっと。味噌に醤油に・・・あ、洗剤も安売りしてたんだった」

「そんなに1人じゃ無理だし僕も行くよ。皆、もし何かあったら「ひまわり」に電話して。じゃあ、またね」

「おう・・・」

「じゃあね・・・」

 

元気が無い皆の返事が少し心配だったが、今はどうしようもないだろう。こういう気分が沈んだ時に、いつもならビッチ先生が明るくしてくれるんだがな・・・

 

 

 

「・・・にしてもビッチ先生、いったいどこに消えちまったんだろうなぁ」

「んー、そうだなぁ・・・純情なあの人の事だから、失恋旅行とかか?」

 

山道を降りた所での俺の呟きを、威月が苦笑いしながら拾った。・・・実際にありえそうだ。

 

「・・・僕達ってやっぱりビッチ先生達みたいなプロの殺し屋からしたら足手纏いなのかな・・・?」

 

その時、登志が不安そうに呟いた。登志は優しいからな・・・そう思ってしまうのも仕方ねえか。

 

(だが・・・)

「そんな事はねえと思うぜ?」

「へ?」

「確かに威月の言う通り俺達は殺し屋として本来の姿は知らねえから何とも言えねえけどさ、少なくとも俺達と半年間いたビッチ先生が仮の姿だったなんて思わねえよ」

「・・・ま、それは俺も同意だな」

「・・・うん、そうだね。

・・・ありがとう、2人共」

(やれやれ、やっと笑顔になったか。この1週間、大賀と登志も元気なかったからなぁ「(ブーン・・・キキッ)おや、君達は」)

 

その時、俺らの横を通った車からそんな声が聞こえてきた。

 

「(ガチャッ バンッ!!)やっぱり、また会ったね」

「・・・あ、あの時の花屋さん。こちらこそ電話ありがとうございます」

へぇ・・・この人が

「いやいや、こっちこそあんな買い物してくれたお客様になってくれたんだ。お互い様だよ」

「そっか、この人にあの花束を・・・」

 

皆から花束を渡したってのは聞いてたが・・・この人から買っていたのか。

 

「プレゼントは上手くいったかい?僕も結構気になってたんだよ」

(う・・・この人は悪くないんだが、今の俺らには痛い所だ)

「えっと・・・実は失敗しちゃって、今はギクシャクしちゃってます」

「え!?そ、それは悪かったね・・・」

「あ、いえ・・・俺達が悪かっただけですから気にしないで下さい」

 

まあ、こればっかりは俺達E組の問題だからな。

 

「・・・でも、大丈夫さ。絶対なんて無い、君達も必ず仲直り出来るさ」

「・・・ありがとうございます。頑張ります」

「あぁ。じゃあ、僕はここで。わざわざ引き留めてすまないね」

「いえ、お仕事頑張って下さい!!」

 

そう返した俺にも男の人は手を振りながら車に乗り込むと、そのまま走り去っていった。

 

(んー・・・やっぱり良い人だな。あの人は「・・・」)

「? 難しい顔してどうしたんだ?大賀」

 

走り去っていったあの人を方を見ながら険しい顔になっている大賀に、威月が問いかけた。何だ?大賀にしては珍しいな。

 

「いや・・・あの人からずっとおかしな感覚がするんだ。何て言うか・・・常に仮面を被って生活してるような違和感がさ」

「? 別に俺は感じなかったが・・・2人はどうだ?」

 

威月の問いに俺も登志も首を振った。殺気に敏感な登志も特に何も感じてないのか・・・

 

(だが・・・大賀は所謂(いわゆる)野生の勘が異常に働くからな・・・)

「まあナーバスになってるから疑い深くなるのはしゃあねえし、注意するに越した事はないな」

 

威月のそんな引き締めに、俺達は頷き返した。ま、所詮は只の勘だしこれ以上は推測になっちまうしな。

 

「さーて、んじゃそろそろバラバラになるか。また「ひまわり」でな」

「おーう」

「じゃあな」

「またね」

 

そう話を打ち切ると、俺達は3手に別れた。俺もさっさと買って帰ろっと。

 

 

 

―――その時の俺達は当然知らない。こんな風に呑気に話し合う数時間後に、E組にとって・・・そして俺達4人にとって過去最大の死闘が待っている事を。

 

 

 

渚side

 

「すみませんが、先生はこれからブラジルにサッカー観戦しにいかなければならないので失礼します。もしイリーナ先生に動きがあれば伝えて下さい」

「・・・殺せんせーってそんなにサッカー好きだったっけ?今日の決勝戦は絶対に見に行くって言ってたけど」

「いや・・・典型的なにわかワールドカップ信者だよ。4年に1度だけサッカー好きで、普段は野球派」

 

 太陽達が帰ってから数十分後・・・殺せんせーが飛んでいった方角を見ながら、茅野と杉野がそんなやりとりをしていた。そういう人って結構いるよね・・・

 

「うーん・・・やっぱり電話も繋がんないなぁ」

「本当に大丈夫かな・・・・ビッチ先生」

 

携帯を手にしながらの矢田さんと片岡さんがそれぞれそう呟いた。どこに消えちゃったんだろう・・・

 

「まさか・・・これでお別れとかじゃないよな?」

「そんな事はないさ。彼女にはまだまだやってもらう事があるからね」

 

千葉君のそんな呟きに、大きな花束を抱えながら教室に入ってきた花屋さんがそう答えた。

 

「だよねー、なんだかんだでいないと物足りないし、いると楽しいもんね」

「そう、彼女と君達との間にはかなりの絆があるのは下調べ済みだ。だからこそ、僕はそれを利用させて貰うだけだ」 バサリッ

 

岡野さんの笑いながらの言葉に、教壇に花束を置きながら花屋さんはそう言った。利用って・・・この花屋さんいったい何を言って・・・・・・・・・・え

 

 

 

「「「「なっ・・・!?」」」」

 

その時になってようやく、僕達はこの人が入ってきた事に気づいた。誰にも気づかれないくらい、平然と・・・!!

 

「皆さん初めまして。僕は"死神"と呼ばれている殺し屋です。今から君達に授業をしたいと思います」

(な・・・何だろう・・・この感じ。今まで感じた事もない・・・不気味な感覚だ)

「花はその美しさによって人の警戒心をなくし、人の心を開く事が出来ます。渚君、君達に言った様にね」

 

花を持ちながら唐突に名前を呼ばれた事でビクッとした僕を気に止める事なく、男は話を続けた。

 

「ですが、花がそういった美しさや儚さを手に入れる為に進化を遂げたのは、ある目的があったからです」

「(ピコンッ)・・・!!」

「その画像を開いてくれるかい、律さん」

 

送られた画像を見て珍しく顔に冷や汗を浮かべた律に、男はそう促した。律のあんな風になるなんて・・・何の画像なんだろう?

 

「その目的とは、ずばり"虫を呼び寄せる事"なのです」

ブンッ!! 「「「「!!」」」」

「び、ビッチ先生!!」

 

誰か呟いた通り、律のモニターに映し出されたのは手足を縛られて箱に中に入ったビッチ先生だった。

 

「手短に言います。彼女を助けたければ、今から僕が指定する場所に先生に知らせずに君達全員で来なさい。

 

 

 

あぁ、別に来なくてもいいけど、もしそうなった場合は、彼女の身体を均等に小分けして、君達に送り届けるよ。

・・・そして、また新たに君達の誰かを「花」にするだけだからね」

「「「「・・・」」」」

 

皆が無言になる中、僕は間違いなくこの人がロブロさんが言った死神だと確信していた。だってこの人、こんなに恐ろしい事を平然と口にして、それが冗談じゃないって分かるのに・・・

 

(こんなにも・・・安心出来るなんて・・・こんな得体のしれない雰囲気を出せる人が普通な筈がない!!)

「あのよぉ、アンタ好き勝手に喋ってくれてるけどよぉ、別に俺達ぁあんなくそビッチ助けに行く必要なんかねーんだぜ?俺等に対しての危害もちらつかせてっが、んな事あの2人が許すわけがねえ。

・・・つーか、わざわざ1人で乗り込んできたって事は、俺等に袋だたきにされちまってもいいんだよな?」

「残念ながら全て不正解です、寺坂君」

 

そう言いながら詰め寄った寺坂君達に、死神は全く変わらない様子で否定した。

 

「何故なら君達と彼女との間には既に強固な信頼関係がある。間違っても見捨てるなんて決断は君達には出来ないだろう」

(優れた殺し屋程、万に通じる・・・烏間先生の言った通りだ)

 

ましてや世界最強って言われるこの人からしたら、僕達の思考を読むなんて朝飯前だろう。

 

「そして、いくら強かろうと誰も僕を倒すなんて出来ない。何故なら、人間が死神に勝つ事なんて不可能だからだ」

 

そう言いながら死神は手に持っていた花束をバサッと上に放り投げたと思った次の瞬間、彼の姿は跡形も無く消えてしまっていた。

 

―畏れるなかれ。人に死神は刈り取れない、死神が人を刈り取るのみだ―

 

全員が驚く中、そんな声が聞こえると同時に地図がパサリと音を立てた。

 

 

 

「花束の中にあるこの機械・・・まさか盗聴器か!?」

「なるほどね・・・それでビッチ先生が1人になった時に誘拐して、なおかつ殺せんせーや烏間先生がE組を離れた瞬間を狙って大胆に単独で乗り込んで来たって事ね」

「クソッ!!」

 

 片岡さんの分析を聞きながら、前原君は盗聴器を叩き壊した。あの時にはもう既に殺しの下準備を始めてたんだ・・・

 

「でもさ~、殺し屋にしてはあんまし怖くなかったよ?実は良い人でしたってオチはない?」

「スゴいよねぇ・・・()()錯覚させてくるんだから」

 

そんな倉橋さんの問いに、カルマ君が冷や汗を流しながら否定した。

 

「恐らくアイツの前では皆がそう思う。それこそ殺される瞬間までね」

「・・・うん、ビッチ先生もそう思って攫われちゃったのかも」

 

確かに対峙したあの瞬間に恐怖は全く感じなかった。あれが・・・最強の殺し屋だというのに。

 

「「・・・今夜18時までに地図に指定された場所にクラス全員で来て下さい。先生方や親御さんは勿論・・・外部の誰かに漏れたその瞬間、君達やビッチ先生の命の保障は致しません」・・・か」

「シロや鷹岡の時と同じパターンだな。まず俺等を人質に殺せんせーを誘き出す」

「畜生!!厄介な奴ほど真っ先に俺達を標的にしやがるな!!」 ガンッ!!

 

木村君や千葉君の呟きに、杉野がそう毒づきながら壁を叩いた。

 

「そりゃそーでしょ。何たって私等、大金稼ぎの一等地にいるんだから。一流の殺し屋ならそーするに決まってる」

(狭間さんの言う通りだ・・・殺せんせーもいないのに)

「・・・使うか、コレ」

 

その時、寺坂君が机にある物を置いた。・・・これは、超体育着!!

 

「守る為に使うって決めたばかりじゃん。今、着ないでいつ着るのさ」

「ま、あんなビッチでも世話になってるし、まだ謝ってもねえしな」

「最強だか何だか知んねーが、簡単に計画通りにいかせるかよ」

 

中村さんや岡島君、そして寺坂君の言葉に全員が頷いた。

 

「で、でもよ・・・アイツらに声かけなくていいのか?コイツ、全員でって書いてあるぜ・・・」

「「「「・・・」」」」

 

杉野が誰等の事を言っているのかは全員がすぐに分かった。僕達が今から向かうのは世界最強の殺し屋の罠が張られた場所、そんな場所に潜入するのに太陽達4人の戦闘力は大きな頼りになるだろう。

 

「・・・いや、太陽達を呼びにいったら18時には間に合わない。ここは俺達だけで行こう」

「うん、たーくん達にはいざとなったら律に連絡してもらおうよ」

「アイツらには最近迷惑かけっぱなしだ。これ以上、足手まといになりたくねえ」

 

寺坂君の言うとおりかもな・・・僕達だって訓練してきたんだしきっと大丈夫!!

 

「よし!!着替え次第、すぐに行こう!!」

「「「「おう!!」」」」

 

そんな磯貝君の号令に、全員がそう答えた。ビッチ先生、待っていて下さいね!!




いかがだったでしょうか。

今回は始まり的な場面なので少し短めです(だと言うのに遅れてしまい、本当に申し訳ありません
m(_ _)m)

いよいよ死神編が始まりましたね・・・ちゃんと書き切れるか不安ですが、頑張っていこうと思います!!

それでは、また次回お会いしましょう!!
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