太陽とひまわりの仲間達との暗殺教室   作:籠野球

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皆さんどうも籠野球です。

ちょっとだけ遅れました・・・本当は日曜日に投稿したかったのですが、間に合いませんでした・・・m(_ _)m

また、今回はタイトルがしっくりくるのが無かったので、もしかしたら後でタイトルも変えるかもしれないです。行き当たりばったりですいません(笑)

それでは、どうぞ!!


八十時間目 実力の時間

陽菜乃side

 

「・・・特に何か仕掛けられてる違和感は無しと。ま、世界最強の殺し屋が呼び出した場所のトラップなんて端から俺に見破れる訳ねえけど」

 

 雨に濡れながら水守君は私達が入ってきた扉に触れながら呟いた。

 

「威月・・・何でここが分かったんだ?誰か伝えたか?」

「「「「・・・・」」」」

 

皆を見渡しながらの磯貝君の呟きに、全員が首を横に振った。私達は全員で来たし、律はあんな風になっちゃってるし・・・

 

(・・・あ、そういえばイトナ君が攫われた時たーくんだけが使える何か方法があるって言ってた。じゃあたーくんが見つけてくれたのかも!!)

「まいったな・・・流石に相手をしてる時間はない。とはいえ、余り自由に動かれても困るな。

・・・仕方ない。イリーナ、彼を捕らえてきてくれ」

「えぇ、分かったわ」

「・・・!! やべえぞ、威月はビッチ先生の裏切りを知らねえんだ!!」

 

前原君の言った通りだ・・・でも、どうすれば・・・私達はここから動けないし・・・!!

 

「(ガチャ・・・ギギィ) ・・・へ、入ってこいって事か。上等だ」

(ダメ、水守君!!)

「来んな、威月!!」

 

当然、私達の叫びは水守君に届く筈がなく・・・私達と同じ様に地下へと降りてきてしまった。

 

「・・・!! 大丈夫っすか?ビッチ先生」

「う・・・威月?」

 

水守君の目の前には、うずくまったビッチ先生がいた。誰が見ても、ビッチ先生が敵に回ったなんて思えない完璧な演技だった。

 

「先生だけですか?E組の皆も来てる筈なんですが」

「えぇ・・・死神と戦闘になって全滅してしまったわ・・・私は隙を見て何とか逃げ出したんだけど、どこに逃げたらいいのか・・・アンタに会えてよかったわ」

「はい、俺も久々にビッチ先生に会えて良かったっすよ。ま、こんな状況じゃなければ尚更ですけど」

(・・・あれ?)

 

笑顔を浮かべながら安心した様子で話す水守君に、私は何か変な感じがした。水守君、心配しているのに1メートル位離れて、それ以上ビッチ先生に近づこうとしていない・・・?

 

「にしても・・・アンタはホント頼りになるわね。助けに来てくれた礼に先生がハグを(スカッ)・・・あれ?」

「今はそんな事してる場合じゃないっしょ。いつ死神が先生を捕まえにくるか分かんねえんですし」

 

今も抱きつこうとしたビッチ先生の横をあっさりとすり抜けた。確かに水守君の言う通りだけど、私には何だかビッチ先生を避けているように見えた。

 

「とりあえず俺は皆を探してきます。先生は脱出か烏間先生に連絡する方法を見つけといて下さい」

「え、えぇ・・・」

「んじゃ、頼みました」

 

そう言い残して水守君はビッチ先生の背後の扉へと歩いていこうとした。背中を見せちゃ危ない!!

 

「・・・(スッ)」

「威月、危ねえ!!」

 

当然その隙をビッチ先生は見逃さずに素早く注射器を突きつけ、誰かのそんな叫び声を上げた―――

 

 

 

 

 

ガシィ!! 

「・・・な!?」

「・・・!」

「「「「・・・えっ!?」」」」

 

 次の瞬間、私達が見たのは、注射器が身体に刺さるよりも先に視線も向けずに腕を掴んだ水守君の姿だった。

 

「・・・あんまし俺を舐めんなよ、クソビッチが」

「・・・うぐっ!?」

 

私達、全員が驚きで固まる中、水守君はため息混じりにそう呟きながら身体を捻り、ビッチ先生のお腹にもう片方の腕でパンチを叩き込んだ。無防備のビッチ先生は躱せずに衝撃で思わず手から注射器を離しながら蹲った。

 

(え・・・まさか水守君、裏切りに気づいてたの!?)

「フーン、注射器か。中身は・・・恐らく麻酔薬で、油断して近づいてきたアイツらに不意打ちで叩き込んだって所か」

 

そんなビッチ先生を気に止める事なく、冷静に分析しながら水守君は手に持った注射器を遠くに放り投げた。

 

「ゴホッ・・・ゴホッ・・・あ、アンタ・・・何で分かったのよ?」

「カルマや寺坂、それに渚達までもが捕まったてのにアンタだけ逃げ出せた?そんなのありえるかよ」

 

咳き込みながらのビッチ先生の問いに、水守君はあっさりと返した。

 

「それにな、そもそも俺はE組の皆程お人好しじゃねえんだ。基本的に俺は1度、敵の手に落ちた野郎を簡単に信じる気はねえ」

 

やっぱり水守君はビッチ先生がいた時点で警戒してたんだ!!

 

「アイツらはどこにいる?言っとくが、俺はかつての仲間でも敵に回った奴に容赦する気は一切ねえ。アンタの手足の骨、全部折ってでも吐かせるぞ」

「う・・・」

 

ビッチ先生の胸倉を掴む水守君の目は少しも笑っていなかった。水守君のあんな目を見たのは南の島の時以来だった。

 

「・・・そこまでだ、イリーナ、水守 威月君」

 

その時、いつの間にか死神がマイクで水守君に向かって話しかけていた。その声に反応して、2人はスピーカー横のカメラへと顔を向けた。

 

「!! アンタが死神か?見ての通り、俺に情に訴えた攻撃は効かねえぞ。とっとと姿を見せやがれ」

「ふむ・・・そうみたいだね。いいよ、イリーナを倒したご褒美に皆に会わしてあげよう」

 

そう言うと同時に、水守君達の正面の扉からカチリと音が鳴った。多分、鍵が開いたのだろう。

 

「・・・いった!!」

「・・・悪かったな。ああ言ったが、流石にアンタを殺す気にはなれん。だが・・・もう一回、俺に刃を向けてきたら今度こそ容赦しねえからな」

 

み、水守君。平然とビッチ先生を放り投げてる・・・ものすっごくカッコ良く言ってるけど。

 

「・・・アンタ、ホントに勝てると思ってる訳?」

「・・・あ?」

 

ビッチ先生の問いかけに、扉に向かおうとしていた水守君は脚を止めた。

 

「アンタの強さはよく知ってるし、中学生離れしてると思うわ。でもアイツは、はっきり言ってバケモノよ。人間離れした、本当のね」

「・・・」

 

・・・確かにA班の皆を簡単に全滅させたり、ビッチ先生を簡単に裏切らせたりと、誰が見てもあの人は化け物だと思えた。

 

「はっきり言って勝ち目なんて0に近いわよ。いや、そもそも0かもしれない。それなのに戦うなんて、どう考えても無謀じゃない」

「・・・アホくさ」

「なっ・・・」

 

ビッチ先生の言葉にフンと鼻で笑いながら水守君はそう呟いた。思わず目を見開いたビッチ先生に水守君は返した。

 

「勝てるかどうかなんて関係ねえよ。俺には勝つしか道はねえんだ。

・・・何より、もしここでアイツらを見捨てて殺せんせーを含めた誰か1人でも死んじまったら、俺はこの先の人生を一生、後悔して生きる事になる。南の島までの俺ならそれで良かったが、()()()には耐えられねえ」

 

水守君・・・

 

「そんな事を心配する暇があったら、俺が大番狂わせを起こして勝った時の皆への言い訳でも考えとけよ。

・・・俺みたいな薄情者と違って、アイツらはアンタの事を最初から最後まで仲間だと思ってるんだからな」

 

水守君はフッと笑いながらクールにそう言い残して今度こそ扉へと歩いていった。か、格好いい・・・流石たーくんが信頼してる水守君だなぁ・・・あれ?

 

(そういえば・・・たーくん達3人はいないのかな?水守君1人で突入する作戦なんてたーくんらしくないなぁ)

「(ガチャリ) ・・・ここか?」

 

その時、私達の前の広めの監視部屋へと入ってきた水守君を、椅子に座った死神が出迎えた。

 

「やあ、よく来たね水守君」

「!! アンタ、さっきの花屋!?

・・・そうか、何でこんなベストタイミングでと思ったが、合点がいったよ」

 

そんなやりとりの後、水守君は私達のいる牢屋を見渡した。

 

「ゴメン、威月」

「この馬鹿共が。何で俺らに知らせねえんだ、仲間だろ?

・・・ま、説教は後回しだな。そんな状況じゃあねえし」

 

莉桜ちゃんの代表した謝罪に、呆れ顔で返しながら再び死神へと目を戻した。

 

「ふむ・・・僕と戦う気は変わらないようだね。

・・・にしても、君1人かい?残りの3人は来ていないみたいだけど」

 

確かに・・・戦うのであれば4人で戦えば勝てる可能性も上がるのにどうして水守君だけなんだろう?

 

「簡単な話だ。いくら俺達であっても、お前に確実に勝てる可能性は無い。だったら余計な人質の数を増やす位なら、殺せんせーや烏間先生達が駆けつけるのを待った方がいいに決まってるからな。

・・・ま、将棋でいう犠牲駒かな?正直、不本意で、勝つ為なら何だってやってやるさ」

「い、威月・・・」

 

水守君には自分が負けてでも死神に勝つつもりみたいだった。私達よりも覚悟が全然違う・・・だから水守君は強いのかもしれないな。

 

「ただし・・・」

「ん?」

「俺はただの歩なんかじゃねえ。立派な大駒だって事、教えてやるよ」

 

そう笑みを浮かべて宣言すると、水守君は構えた。自信満々で言いきる水守君からは犠牲駒なんて雰囲気は全くなかった。

 

「いいよ。伏魔島でボマーを倒した程の実力、見せて貰おうか」

「・・・あぁ、ただし一発でのされなきゃ良いけどな!!」

 

余裕綽々で椅子に座る死神相手に水守君は握り拳を作りながら突進して、

 

「せいっ!!」

 

死神の顔に向けて正拳突きを放った。水守君の力なら、当たったらただじゃ済まないよ!!

 

「・・・」

「!! チィ!!」

 

しかし、水守君の拳は死神はスッと顔を傾けただけで躱してみせた。水守君は舌打ちを1度と共に腕を戻しながら身体を捻り、今度は脇腹に向けて左腕を叩き込もうとした。

 

「おらぁ!!」

「ハッ!!」

 

み、水守君のパンチをあっさりと受け止めた!!そんな事たーくんにだって出来ないのに・・・」

 

「くっ・・・!! 危ね!?」

 

歯軋りをする水守君に、死神は蹴りを放った。お腹を狙った蹴りを、水守君は素早く腕でガードしたお陰で吹き飛ばされながらも、何とか無事みたいだった。

 

「良いパワーだね。それに反応も悪くない。ボマーを倒したのは伊達じゃないみたいだ」

「椅子に座りながらあっさり返してくる様な化け物に褒められても皮肉にしか聞こえねえよ」

 

感心している様子の死神とは反対に、水守君は険しい顔をしたままだった。多分、予想を簡単に上回った強さなんだと思えた。

 

「とはいえ、別に驚異というレベルではない。死神には遠く及ばない。

・・・今度はこちらから行くとしよう。せめて一撃でやられないでくれよ?」

「・・・安心しろよ。頑丈さが取り柄だから・・・っ!?」

 

私達は目を見開いた。何故なら、さっきまで椅子に座っていた死神が立ち上がったと思った次の瞬間、水守君の後頭部へと手刀を振り下ろしていたのだ。

 

「くっ・・・舐めんな!!」

「むっ」

 

間一髪しゃがんで躱した水守君は、そのまま腕を掴んで強引に1本背負いを繰り出そうとした。

 

「甘いよ」 

「なっ!?・・・ぐっ!!」

 

しかし死神は腕を掴まれながらも空中で体勢を入れ替え着地してみせた。驚く水守君の顔に繰り出されたパンチは、直撃こそしなかったものの頬を掠めた。

 

「ほう・・・さっきの手刀か今の拳のどちらかで昏倒させたつもりだったんだが、大した実力だ」

「ハァ・・・ハァ・・・テメエ殺し屋だろうが。何でそんなに強えんだよ?」

「暗殺者になって1番最初に身につけたのが正面戦闘の技術(スキル)だからさ。確かに殺し屋には99%必要ないが、これが出来ないと残り1%の標的を殺し損ねてしまうからね」

 

水守君のパワーも柔道技も通用しないなんて・・・これが最強の死神の実力なんだ・・・

 

「君も不運だね。仲間や教師、明らかに足手纏いにしかならない連中の為に死地に来たと思いきや、最強の相手をしなきゃならないなんてね」

「「「「・・・」」」」

(確かに・・・少なくとも水守君は私達と違って死神にもビッチ先生にも簡単には倒されてない。そう思われても仕方ないよね・・・)

「・・・あ?何、言ってんだテメエ」

「ん?」

 

そんな死神の嘲笑混じりの問いに、水守君はニヤリと笑った。

 

「このクラスに足手纏いな奴がいるなんて、俺は思った事ねえよ。こんな戦うしか能がねえ筋肉バカを仲間だと思ってくれてる皆を侮辱してんじゃねえよ。殺すしか能のねえくそ野郎が」

「威月・・・」

 

水守君の声色からも、本心からそう思ってくれてるのが分かった。クラス1厳しそうな水守君がそんな風に思っていてくれたなんて嬉しいな。

 

「それにアンタ、俺を気絶させる事すら出来てねえじゃねえか。たかが中学生1人相手に苦戦し過ぎなんじゃねえの?」

「・・・む、言ってくれるじゃないか」

「ちょ、威月!?」

 

な、何でこんな場面で挑発を!?全員が慌てて水守君を止めたが、既に遅かった。

 

「なら少し本気を出すよ。これでも立ってられるかな」

「あぁ、いいぜ。この程度じゃあ最強なんて語っていいとは思え・・・がはっ!?」

 

次の瞬間、水守君のお腹に死神の拳が突き刺さっていた。私達は勿論、水守君すら気づけない程の速さだった。

 

「ぐっ・・・があぁぁぁ!!」

「・・・何て子だ。これでも倒れないのか」

「おらぁ!!」

 

地面を踏ん張って堪えた水守君は左拳を握り締め、感心している死神の顎にアッパーを返した。

 

「だが・・・」

「く・・・うっ!!」

「反面、スピードは平均以下。せっかくのパワーが勿体ないね」

 

そんな水守君の反撃も死神は首を後ろに反らすだけで避けると、お返しと言わんばかりにお腹に前蹴りを打ち込んだ。その衝撃で水守君はよろめきながら後ろへと下がってしまった。

 

「ゴホッ・・・ちっくしょ・・・掠りすらしねえ」

「君の実力は大体、分かった。基本戦術はその頑丈さ、武術の捌きや受けの上手さを活かして致命傷は避け、中学生離れの怪力を持って一撃で大ダメージを与える・・・といった所だろう。だが、それも攻撃が当てられないのであれば、せっかくの耐久力も水の泡だ」

 

ダメだ・・・強すぎる。水守君でもまるで歯が立たないなんて!!

 

「さて・・・いい加減、僕も標的や烏間先生を迎え撃つ準備をしないと。これ以上、君に構う理由もない。これで終わりにしよう」

「!! くっ・・・」

 

そう宣言すると、死神は水守君に向けて突進した。左手を突き出され、水守君は両腕を顔の前で交差させて防御の構えを取った。

 

フオンッ!!

「・・・? どこ・・・(ダンッ!!) 上!?」

 

そんな音と共に死神が突然、消えたと思った次の瞬間、そんな音と共に天井から水守君へと向かっていった。両腕によって水守君が一瞬だけ目を離した隙に!?

 

「「「「危ねえ、威月(水守君)!!」」」」

「終わりだ!!」

 

あんな攻撃が当たっちゃったら水守君も!!・・・でも、水守君も防御が間に合わな・・・

 

・・・塊!!

 

 

 

「(ゴッ!!)・・・がっ」

 

 勢いをそのまま利用した死神の手刀は、水守君の首へと鈍い音を立てながら突き刺さった。

 

「くっ・・・そが・・・」

 

タフな水守君でも致命的な一撃に、前のめりに倒れてしまった。目の前で起きた衝撃的な光景に言葉を失う私達の中、竹林君が呟いた。

 

「う、嘘だろ?威月・・・」

「流石に死んではいない。だが、2度と意識は戻らないかもね。死神を甘く見た報いだ」

「そんな・・・威月、起きなよ威月!!」

 

死神の言葉に、莉桜ちゃんが必死に水守君に呼びかけていた。そんな莉桜ちゃんを気に止める事もなく、死神は出口に向けて歩き出した。

 

「さて・・と、以外と時間を食ってしまった。早く取りかからないとね」

(水守君・・・私達なんかのせいで・・・本当にごめんなさい・・・

 

 

 

 

 

「死神ってのは、結構隙だらけなんだな」・・・え)

 

ドンッ!! 「・・・何だと!?」

 

 そう呟いた次の瞬間、水守君は一瞬で死神へ詰め寄っていた。ど、どうして・・・さっきまで倒れてたのに!?

 

「くっ・・・」

「遅えよ!!」

 

慌てて振り返った死神だったが完全に油断していた上、既に肉迫されていてはどうしようもなく・・・

 

「二重の極み・滅!!」

 

水守君はそう声を張り上げながら、振りかぶった右拳を死神のお腹へ打ち込んだ!!




いかがだったでしょうか。

威月、頑丈すぎね?とも思いましたが、4人の中では防御力だけなら威月が1番上のイメージなので、いいかなと思いました。

(作者の中では

太陽→オールラウンダー
威月→防御特化
大賀→機動力特化
登志→攻撃力特化

のイメージです)

次回は死神VS威月に決着です。

・・・しかしストーリー的に死神が勝たなきゃおかしいんですが、威月が勝ちそうな雰囲気が出てくるから不思議ですね・・・というか、キャラを作った本人的には威月に勝たせてあげたいです(笑)

それでは、また次回お会いしましょう!!
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