太陽とひまわりの仲間達との暗殺教室   作:籠野球

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皆さんどうも籠野球です。

威月の戦闘を分けた為、どちらも6000文字位になっちゃいました。

いっそ合体させようか迷ったのですが、このタイトルを威月VS死神で絶対使いたかったのでこのままでいこうと思います。

それでは、どうぞ!!


八十一時間目 覚悟の時間

威月side

 

「ぐっ・・・」

「!!」

 

 俺の必殺の一撃は手応えはあったが、死神は倒れずに後ろへと大きく跳躍して距離を取った。

 

(コイツ・・・自分から後ろに跳んで衝撃を殺しやがったか。お陰で、2撃目が完全に当たりきる前に避けられちまった)

「ボマーは今ので完全に動きを止めれたんだが・・・流石は世界最強だな」

 

そんな俺の言葉にも耳を貸さずに、死神はお腹を撫でながら尋ねてきた。

 

「・・・何で立っていられるんだい?まさか、今の攻撃が効いてなかったのか?」

「いや?滅茶苦茶、痛かったよ。俺自身、ギリギリ防御できただけだし。

・・・ま、流石のアンタも鉄の身体を素手で壊すのは不可能だって事だ」

「鉄の身体・・・だって?」

 

首をゴキリと鳴らしながらの返しに、死神が呟いていた。・・・流石に知ってるか。そりゃそうだわな。殺し屋からしたら、あの人は天敵の1人だもんな。

 

「君のその技・・・誰に教わったんだい?君は「ひまわり」という孤児院で暮らしているという情報は掴んでいるが、それ以上の情報は一切掴めなかった。只の孤児院じゃないみたいだな」

「・・・院長、神木 実徳からだよ」

「!! ・・・なるほど・・・まさか()()にこんな若い教え子がいたなんて」

 

ここまできたら、隠し通すのは不可能だろう。俺の答えに、死神は一瞬だけ目を見開くと楽しそうに笑いながらそう言った。

 

「き、恐神?水守君、実徳さんの事だよね?恐神って・・・何?」

「おや、クラスメイトに言ってなかったのかい?」

「国家機密の存在を、そんなべらべら喋っていい訳ねえだろ」

「なるほどね」

 

俺の返しに納得した様子の死神は聞いてきた倉橋の方に向き直り、

 

「君が知っている孤児院「ひまわり」の院長の神木 実徳はあくまで表の顔。彼の裏の顔は、恐神と呼ばれ日本に所属する世界最強の諜報員だ」

「ちょ、諜報員?」

「諜報・暗殺・交渉・・・数々の極秘任務をこなす、まさに裏世界の安全を守る闇の番人・・・とでも言うべきかな」

 

チッ・・・遂に知られちまったか。まぁ、世界最強の殺し屋なら、いつかは知り得たことだしな。

 

「威月・・・お前らってそんな凄い人に育てられたのかよ」

「まあな」

 

驚きながら尋ねてきた前原に、俺は何て事ないと言わんばかりに平然と返した。そもそも殺せんせーなんてイレギュラーが無ければ知られなかったんだし。

 

「その中でも、恐神が最強と呼ばれる決定的な理由は、彼が独自に編み出した6種類の特殊体術があるからだ。恐神にしか使えないその技は、他の追随を許さない程に圧倒的な殺傷力を持った最強の体術だ」

「体術・・・」

「その名は―――六式(ろくしき)。彼がさっき、僕の技を食らいながらも立ち上がったのも恐らくは()()のお陰だよ」

 

その言葉で、全員が俺の方を見てきた。その中から、岡島が皆を代表して聞いてきた。

 

「ま、マジかよ?威月」

「・・・あぁ、六式の1つ"鉄塊(テッカイ)"。全身の筋肉を硬直させ、一時的に肉体を鉄に匹敵する程に防御力を高める技だ」

「おまけに彼自身の優れた筋力を考えれば、まさしく絶対防御とも言っても過言ではない」

「す、すげ・・・」

 

そんな中、死神は俺へと向き直った。

 

「楽しめそうだ。六式の使い手との戦いなんて、出来る事じゃあない」

「・・・とりあえず後で皆には詳しく説明するよ。今から第2ラウンドみたいだしな」

 

俺は指をボキボキと鳴らした。あくまで不意打ちで当てただけだ。あんなモンで倒せるなんて、思っちゃいねえよ。

 

(確かに滅以外の攻撃は全く当たってねえし、実力差は明確だ。でも・・・俺が倒れねえ限り、必ず勝機はある!!)

「来いよ、最強。お前の攻撃、俺が全部受け止めてやる」

「・・・面白い」

 

指で手招きすると、死神は獲物を狩る狩人の様な目を向けてきた。一発、殴った事でスイッチ入ったか。上等だ!!

 

「フッ!!」

「はぁ!!」

 

突きだしてきた右腕を背負うように絡め取ると、そのままアームブリーカーの要領で自分の肩に打ち付けようとした。これならどうだ!!

 

「むんっ!!」

「!! 鉄塊!!」

 

しかし死神は、俺が絡め取った腕を支点に空中で身体を回転させると、そのまま俺の顔面に蹴りを直撃させてきた。危ねえ・・・鉄塊、使ってなかったらアウトだった。

 

「こっの・・・おらぁ!!」

 

俺は素早く鉄塊を解くと、お返しと言わんばかりに死神の脚を払って床に押し倒し、馬乗りになりながら顔面に拳を繰り出した。

 

バシッ・・・グルンッ

(受け止めた俺の腕を掴んでそのまま腕ひしぎに!?)

 

させるかよ・・・!!俺は完全に極められる前にもう片方の腕で掴む事で防いだ。

 

グググググ・・・

「くうぅぅぅ・・・」

「ぐおおおぉぉぉ・・・」

 

極めようとする死神と、渾身の力を込める俺の入り混じった咆吼が響いた。いくら最強だからって・・・純粋な力比べなら俺だって負けねえよ!!

 

「おおおぉぉぉらああぁぁぁ!!」 バチィン!!

 

強引に腕を振り解き、俺は死神から距離を取った。

 

「ハァ・・・ハァ・・・」

「全く恐るべき存在だ。確かに僕は力にはそこまで自信があった訳じゃあ無いが、それでも常人よりも遙かに上なんだが」

「そりゃどうも。伊達に小1からずっと人間離れした人から鍛錬を受け続けてきちゃあいねえよ」

 

とはいえ・・・コイツは息すら乱れてねえ・・・それに捌きや受けの技術は、俺の何倍も上手い。

 

(コイツ相手じゃ関節技や投げ技は通用しない・・・打撃技しかねえな。壊を叩き込む、俺にはそれしかない)

 

改めて方針を固め、俺は構えを取った。こっちから攻めても通用しねえ・・・鉄塊で防いだ所に叩き込んでやる!!

 

「ほう・・・防御主体の構えか。良い戦術眼をしている」

 

コイツ・・・俺の作戦を完璧に見抜いてやがるな。

 

「確かに君の鉄塊はかなりのレベルだ。だが・・・殺し続けて死なない訳では無いだろう。いつまで持つだろうね」

「・・・勝ち目がそれだけなら、死んでも縋りついてやるよ」

「大した度胸だ。では試してみよう」

 

そう言うと、死神は再び高速で近づいてきた。っ・・・落ち着け、攻撃を見て確実に鉄塊を合わせるんだ。

 

「鉄塊!!」 ドカァ!!

(ぐっ・・・いきなりこめかみを・・・だが!!)

 

容赦ない拳に少しだけ痛みを感じたが、このチャンスを逃す理由はない!!俺は素早く鉄塊を解除しながら右拳を振りかぶり、

 

「二重の極み・・・うっ!!」

「・・・良く止めたね。もし振り抜いていたら、確実に蹴り抜いていたよ」

 

途端に桁違いの殺気を感じて、俺は思わず腕を止めた。嘘だろ・・・もう片方の腕で逆のこめかみを狙ってやがる・・・!?

 

「その攻撃の厄介さはもう分かっている。1度、攻撃を当てたからって見くびらない方がいいよ」

「うっ・・・鉄塊!!」

「そして、僕はもう君に隙なんて見せる気はない。確実に仕留める」

 

肋骨をへし折りにきた蹴りを受け止めながら、自分の考えの甘さに気づいた。マズいな・・・

 

「こんなものじゃあ終わらせないよ。いつまで立っていられるかな?」

「チッ・・・」

 

 

 

「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

 

 くそ・・・数分間、何とか粘ってるが・・・全くといっていい程、隙が見当たらねえ・・・

 

「はあっ!!」

「・・・鉄塊!!」

(しかもコイツ、殺し屋なだけあって徹底的に俺の急所しか狙ってこねえ!!)

 

今も鳩尾めがけての膝蹴りを受け止めながら歯軋りした。鉄塊が無かったら、俺はとっくの昔に気絶しているだろう。

 

「くっそ・・・二重の極」

「・・・」

 

何回目になるかも分からない鉄塊を解除すると同時の右腕の拳を振りかぶったが、死神はバックステップで離れていってしまった。コイツ・・・さっきから俺が右拳を握ったら後ろに下がりやがる・・・

 

「ゼェ・・・ゼェ・・・死神ってのは結構ビビりなんだな。一発、殴っては躱しの繰り返しなんてよ」

「当たったら危ない攻撃を食らう必要なんて無いからね」

 

受け止めきれないダメージで少しずつ削られていく俺とは違い、死神はノーダメージだ。攻撃が当たってなければ当然だが・・・

 

「それに、この数分で分かった。どうやらその鉄塊という技、使用している最中は動く事が出来ないみたいだね。つまり解除するまでの間に一瞬のタイムラグがあるんだろ?」

「・・・ご名答」

「そして何より、その二重の極みはどうやら()()()()()()()()()んじゃないかい?何回か試してみたが、君は左腕で殴れる時には鉄塊を解除しようともしなかったからね」

(・・・そこまで見抜いてんのか)

 

確かに二重の極みは拳に絶大な負荷がかかる。利き腕じゃない左拳では、どうしてもそれに耐えられないのだ。

 

「つまり、鉄塊を解除しないと僕に攻撃が出来ない上、右腕でしか必殺の一撃は撃てない。それに注意して殴り続ければ、君に勝つのは簡単だ」

「ハー・・・ハー・・・フゥ」

 

そう宣言する死神の尻目に、俺は呼吸を整えながらチラリと皆の方に目だけを向けた。

 

「・・・」

(・・・何だよ、莉桜。その心配そうな顔は?らしくねえっつーの。

・・・いや、違うな。俺があんな顔させちまう程、追いこまれちまってるって事・・・か)

 

普段は余り見せない不安そうな顔をする幼馴染みに、心の中で苦笑しながら俺は視線を死神に戻した。確かに、普通にこのまま続けても、一方的に俺が削られて負ける未来しか見えねえ。この状況で俺が勝つには・・・

 

・・・ま、やっぱりそうするしかねえか。そうしなきゃ当たんなさそうだし

(つーか、それくらいやらなきゃ俺が世界最強に勝てる訳がねえし。そもそもそれくらいはやる覚悟でここに来たんだしな)

「? 何か言ったかい?水守君(ガッ!!)」

 

死神の言葉を遮るように俺は両拳を打ち鳴らした。

 

「来いよ。アンタのそんな予想なんざ、俺がぶっ壊してやるさ」

「ふむ・・・勝負を諦めていないようだね。誰がどう見てももう勝敗は決したと思うけど」

「確かにな。アンタみたいな一流のプロの計算じゃ、俺みたいな二流に負ける筈がねえ」

 

「でもよ」と言いながら俺は構え直した。

 

「格下ってのはよ、予想も出来ない事をやってのける時があるから恐ろしいんだぜ?」

(チャンスは1回だけ・・・次の一撃が勝負!!)

「いいだろう、次で終わりだ」

 

そう言うと、死神は左腕を構えて射程距離に入ってきた。この数分で俺もコイツの動きに辛うじてついていける位にはなっている・・・確実にガードする!!

 

「(ダンッ) フッ!!」

(!! 上に跳んだ!!)

 

腕でガードした俺を見て、死神は最初に一撃を食らった時と同じ様に天井に向けて跳ぶと、勢いを利用して俺に突進しながら左腕を振り下ろしてきた。それに合わせて俺は鉄塊を発動―――

 

 

 

(・・・すると思ってんだろうな)

「!!」

 

 俺は鉄塊を発動せずに、死神に向けて左手を差し出した。そんな俺の行動は予想外だったのか、死神は目を見開いていたが既に跳んでいては逃げるすべも無く・・・

 

バキィッ・・・

 

死神の攻撃をもろに食らい、左腕からはそんな鈍い音が聞こえた。最強のトドメにしようとした一撃だ、恐らくは・・・いや、間違いなく折れているだろう。

 

(だが・・・)

「ようやく捕まえたぜ」

 

俺は強引に左腕で死神を手繰り寄せながら、右拳を握りしめた。もうここまで至近距離に近づくチャンスは訪れねえ・・・痛みを感じる前の、この一瞬で仕留める!!

 

「まさか・・・あれだけ鉄塊を連発していたのは、この瞬間を作り出す為に・・・」

「こちとら・・・世界最強を相手に五体満足で勝てるなんて甘い幻想、端から抱いちゃいねえんだよ!!」

 

最強に勝つ為なら俺の腕の1本や2本、捨てる覚悟なんざとっくに出来てるっつーの!!

 

(俺の全てを・・・この一撃に込める!!)

二重の極み・壊!!

 

そう叫びながら、俺は右拳を死神に叩き込んだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュウゥゥゥ・・・ 「危なかったよ・・・その一撃、僕じゃ無ければ決まっていただろう」

「!!」

 

 な、何っ!?俺の壊を食らって立ってられる訳が・・・

 

「その二重の極み・壊という技・・・さっきの滅と仕組みは同じなんだろう。一撃目の衝撃が伝わる前に二撃目を放つ事で完璧に衝撃を伝えるという見た目の豪快さとは裏腹にとてつもなく繊細な技術が必要な技だ。つまり裏を返せば、一撃目で衝撃を殺すか間合いを微妙に外すだけで、その技は只の二連撃に成り下がる・・・だろ?」

 

こ、コイツ・・・この短時間で、しかもたった一発食らっただけの技のメカニズムを!?・・・俺が・・・血反吐を吐く思いで編み出した二重の極みを簡単に・・・

 

ズキッ・・・ (ぐっ・・・やべ、痛みが出てきやがった・・・)

「腕をへし折られてでも僕に勝とうとしたその覚悟、そして僕の攻撃を受けても倒れなかったその鉄塊・・・君は充分に強い。そんな君に敬意を示し、僕も死神の技を見せよう」

 

動揺と腕の痛みで隙が出来た俺に、そう宣言しながら左の手刀を振りかぶった。

 

「・・・っ、鉄塊!!」

(大丈夫だ・・・左腕は壊れたが右腕はまだ生きてる!!この一撃を防いでお返しに・・・

 

 

 

バアァン!!

「・・・がっ!?」

 

右腕で防いだと思った次の瞬間、とてつもない轟音が目の前で起こった。くっ・・・何がおこっ

 

がくっ・・・ (!! な、何だ・・・?身体が・・・動かね・・・)

 

 

動きを止めた俺の目の前では、死神が驚いた様子で両手を戻していた。

 

「大した子だ。今ので意識を失わないとは。

・・・だが、今ので脳振盪は起きただろう。しばらくはまともに動く事すら出来ない筈だ」

「今のは・・・猫だまし・・・・・か?」

「少し違うね。彼のは只の猫だましに過ぎない。僕のは"クラップスタナー"という立派な技さ」

 

クラップスタナー・・・だと?

 

「人間の意識には波長がある。波が大きい山な時程、刺激にはとてつもなく敏感になる。この技術は相手の意識が1番大きな山の時に、1番大きな音波の山を当てるんだ。これを食らえば衝撃で怯む所では無い。相手は神経が麻痺してしばらくは動く事すら出来なくなる」

「ちっくしょ・・・まだ・・・そんな技が使えるなん・・・て」

 

そう言うと同時に、俺は鉄格子に背中を預ける様に尻餅をついてしまった。ダメだ・・・もう立てねえ・・・

 

「威月、大丈夫!?」

「何とか・・・だが、もう無理だ。すまねえな・・・皆」

 

声をかけてきた中村に返しながら、俺は死神を見た。

 

(まさか・・・ここまでとは・・・やっぱ、俺じゃあ勝てねえか)

「侮るなかれ、死神の技を。

・・・さて、ここまで長引くとは思わなかった。すぐに向かわなければ

 

 

 

ドオンッ!!

むっ!!」

「うわっ!!」

(・・・でもよ、死神。俺は・・・アイツらの中じゃあ、1番弱えよ・・・!!)

 

 いきなり聞こえてきた轟音に全員が監視カメラの方を向いた。通路の1つを写したカメラからはもうもうと煙が立ちこめる中、1つの影がバッと飛び出してきて・・・

 

「仲間のピンチに九澄 大賀、見参!!」

 

どこかの戦隊ヒーローの様なポーズを取りながら大賀はそう言った。アイツ・・・状況、分かってんのか?




いかがだったでしょうか。

いよいよ実徳さんの正体も判明しました(こんな職業が本当にあるのかは知りませんが(笑))

ちなみにですが、クラップスタナーは原作を読んだ方なら当然分かってると思いますが渚を倒した技です。

何故この技にしたかというと、単純な攻撃じゃ鉄塊持ちの威月は倒せないと書き始める前からこうしようと決めてました(A班の戦闘を書かなかったのはその為です。もし期待していた方がいたらすみません。
m(_ _)m)

・・・それにしても、実徳さんの正体が判明するまで何だかんだ84話もかかったんですね(よくそこまで投稿出来たなと思います(笑))

これからも気が向いた時にでも見ていって下さい!!



最後の大賀の天然な雰囲気が最近は書けてなかったので懐かしいです(笑)

それでは、また次回お会いしましょう!!
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