晩飯中におもいついた、一発ネタ。

1 / 1
謎の生徒

「おはよう、皆!」

「お、久しぶりに早いな!」

「よ、遅刻魔。今日は珍しいな! 雨降るんじゃないか?」

「ざーんねん。降水確率0%だよ!」

 

「あ、山本! おはよ!」

「おはよう。朝から元気だねぇ」

「あははは!山本はいつも眠たそうだね!」

 

 だらけている山本に挨拶する。

 

「しっかし、最近雰囲気変わったな、田村」

「ふふふ、もう高校生だもん。変わらなくっちゃ」

「せやな。前の田村は僕っ子やったしな」

 

 関西弁の野田が、田村と山本の会話に入って来る。

そして野田は山本に耳打ちする。

 

「まだあんさんら、付き合うてないんか?」

「う、るっせえ! こちとらまだ慣れてないんだからな!?」

「せいぜい、頑張りや~?」

「ありがとな、応援してくれて!?」

 

 チャイムが鳴る。

 

「おーいてめぇら、席つけー」

 

「げ、上山先生早くね?」

「さっさと席つけお前らー」

 

 筋肉質だが、間延びな先生こと上山先生。

今日もサンダルとジャージで教卓に上がっている。

 

「今日も全員だな。ん? 田村が遅刻してないだと?すごいな」

「とうぜん!」

「まあ、社会では常識なんだがなー」

「うっ」

「さて、怠け者の体たらくが来ているので、小テスト返すぞー」

 

 国語の小テスト。二週間前にあったが、田村が来ていなかったことで返却が遅れた。

 

「や、やっと返ってくる!」

「待ちわびたわよ!」

 

 クラス皆が呆れを込めた盛大なため息で、紙きれを待ちわびる。

呼ばれて手渡し。

 

「じゃ、朝は終わりだ。20分から次の授業な」

 

 起立・礼・解散。

 

「ああ。そういや、田村。今日検診だったよな?」

「はい、そうです」

「ちゃんと行って来いよー?」

「分かってますよ」

 

 ぶっきらぼうに先生は頷いて、教室の外へ出ていった。

その瞬間騒がしくなる教室。

 

「で、テメェら、まだ付き合わねぇのか?」

「「は!?」」

「いつも二人でいるじゃねえか」

「いやー、これはちょっとした誤解さ。お、俺たちは付き合ってないぞ?」

「そうなのかー、残念だなあ。田村。中身はともかく、かわいいしなあ?

たーべーちゃーうーぞー?」

「カニバリズムはご遠慮願います」

 

 田村は真顔で拒否した。その反応に、岡島は豪快に笑った。

 

「ははは! なあに冗談だ! でも、考えておいた方がいいと思うぞ?」

 

 そしていきなり真面目に、二人に伝える。

 

「だってさ。どうする、山本?」

「……た、田村がきめてくれよ。お、俺は無理だ」

「なんで?」

「お、俺はそんな度胸もないし。だ、第一。わ……俺は、田村に命を救われた。

なんか、情けなくてさ」

 

 そのしょんぼりとした顔をみた田村は、一息ため息をつく。

そして山本の目線に合わせて座る。

 

「大丈夫。どんな山本でも、私はいけるよ」

「……ふっきれられて、いいよなぁ」

「そりゃね? それに、もう、諦めてるし……ね?」

「希望は?」

「ないね」

「そか」

 

 暗い雰囲気だが、山本が大きなため息をはいて吹き飛ばす。

 

「じゃあ、今日の診断しだいで判断しよう!」

「無理だったら?」

「う……お、俺も腹くくるよ……」

 

「おらー、いちゃついてないで、席すわれー」

「いちゃついてないよ!?」

 

 授業がそのまま始まった。

そして昼休みに早退した田村は、病院へ向かった。

 

「……ふむ」

「どうですか?」

 

「慰めてほしい?それとも、現実見ます?」

「どっちでもいいですよ。なんかもう、兆しもありませんし」

 

 主治医は田村の諦め具合をみて、一呼吸おく。

 

「本来ならば、医者は患者に対して負の状況を伝えてはいけないのです。

しかし、今回は異例ですからね。簡単に事実を突きつけましょう。

これ以上の延長は、お金と共に時間の無駄ですから」

「はい。これで人生の再設計ができます」

「捨て身な覚悟でいいね。 あの時とは大違いだ」

 

 田村はその言葉を聞いて、俯く。

それをみて主治医は、DNAマップや脳波データを開いた。

 

「染色体に異常はありません。さらに脳波への変化もありません。

山本君も同じく、元の人間の脳波と染色体配列でした。

異常性もなく、体内カプセルにおける常時監視も全く成果がなく、通常の肉体稼働と相成りました。

 

これらの結果をもって、これ以上の観測は無意味と決定づけられます。

よって、山本さんと田村君は、これ以上の回復は見込めないでしょう」

 

「く……ありがとうございます」

「……一年に一度、君たちのところへ病院への再検査の通知を出そう。もしものため、つながりはあった方がいいと思っている」

「すみません。お願いします」

 

 

 田村は意気消沈して、病院を去った。

外にでると山本が駆け寄ってきた。

 

「どうだった?」

「駄目だったよ」

 

 田村は泣き顔も見せず、困り顔を山本に見せるだけだった。

 

「そっか……」

「ちょ、山本、何泣いてんの。しゃんとしなさい」

「痛い!? わかってるって、しゃんとするって!」

 

 背中を平手打ちする田村の激励に、涙を浮かべた山本は悲涙を弾き飛ばす。

 

 帰り際、山本は田村をゲームセンターに誘った。

 

「甲斐性アピール?」

「いいから」

 

 山本は照れ隠しをして田村の手を握って、強引に連れ込んだ。

結構にぎわっている。

 

「昼なのに結構にぎわってるんだね」

「近場にある大学だったり、生活保護受給者がよくお金を落としに来るんだよ」

「へぇー」

 

 色々回っている中、女の子たちがかわいらしいぬいぐるみが入ったクレーンゲームをしている。

 

「マジヤバ、これチョーかわいいんですけど!?」

「ガチでヤバいよねコレ!?」

「えーでも、やめた方がよくねー?」

「いやいやいや、千載一遇だってこれ! とらなきゃいけないっしょ!」

 

 黄色い声できゃきゃーと騒ぎながら、一つのぬいぐるみを取るのに悪戦苦闘している。

 

「田村は、ああいうかわいいのとか興味ないのか?」

「えんりょしとくー。だって、アームの力って撫でる程度で、やっても意味ないからね。

それに私は人形っていう物質よりも、味覚に関する食事が娯楽だからね」

「あ、あはは。じゃ、じゃあ、こんなプラモとか好きなの?」

「樹脂の塊集めて何になるの?って話だから、どうでもいいかな?

でも、かっこいいのとか好き」

「かっこいいの?あいまいだなぁ。例えば?」

 

 山本は真剣な表情で、田村を見る。

真剣なまなざしを見た田村は、口角を上げ笑ってごまかす。

 

「内緒だよ?」

「えー!?そりゃないよ!」

「じゃあ、今よりももっと男な山本が、かっこいいと思う」

「ええ!? い、一応再現しようとしてるんだよ!?」

「再現しなくていいよ。醜い自分をみてるようだから」

「あ。さいで」

 

 二人はそのまま最後の授業を受けるために帰っていった。

そして授業開始前に学校の正門にたどり着いた二人。

 

「あのさ、山本」

「何?」

「私さ……ちゃんと女の子、やれてる?」

「お、俺よりも再現できてるよ」

「……そっか」

 

 二人は教室に戻って授業を受けた。

 

 そして放課後、田村は山本と別れてお互いに大事な友達のところへ行った。

 

 

「ごめん、待たせちゃった!」

「いつも遅刻魔よね、田村さん」

「ほんっとごめん、佐藤!」

 

 友人である佐藤。彼女と田村は、誰一人としていないゴミだらけのきれいだった砂浜にやってきた。

そして石段に座り込む。

 

「どうだったの?」

「駄目だった」

「あらま。じゃあ、あの約束は果たせないのね」

「……ごめんね。ほんと」

「何で謝るの?不可抗力でしょ?」

「……でも、佐藤は」

 

 佐藤は田村に肩を寄せ、手を握ってきた。

 

「嫌。嫌よ……せっかく、折角付き合えたのに……あんまりよ……」

 

 気高く振舞おうとしてしたが、結局折れてしまった佐藤。

 

「ごめん。……せめて、同性結婚さえ認可されてくれればいいんだけど」

「無理よ。この国はまだ、差別思想が根付いているもの……」

「……私、やっぱり山本と輿入れすることにしたの」

「回復の兆しはないのね?」

「うん。諦めが肝心っていうか、諦めるのが早いから……

量子力学的に不思議で解明できない時点で、もう無理だって思っちゃってたからね」

「……」

「それに、無視できないでしょ? あのまま山本をほっておくなんて、私にはできない。

同じ境遇で同じ理不尽を背負っている者同士、この世界を生き抜いていくしかないって。

私は女としてそう思った。 だから、佐藤と……眞由美と結婚することはできないんだ」

 

 田村は佐藤を抱き寄せて、説き伏せる為に一言一言丁寧に伝えていった。

 

「だから……だから……諦めてほしい……! ぼくとわk」

「それ以上は言わないで!」

「でも!」

「お願いだから、言わないでよ……」

 

 佐藤は強く、強く田村を抱きしめた。

田村も佐藤を抱きしめるしかできなかった。

 

「……眞由美。僕はこれから、どんどん女になっていくと思う。だから、もう、男じゃなくなっていくんだ。

色々したかったよ。 ほんとに……」

 

 諦めていく田村のほほを、佐藤は両手で挟み込む。

 

「だったら。今すればいいのよ」

「え、ま――」

 

 浜に波が打ち付け、潮風が周囲を通り抜ける音がした。

そして二時間後、二人は岐路に立っていた。

 

「あのさ……これからも、と、友達でいてくれないかな?」

「……はあ」

 

 佐藤は食い下がる田村に、呆れのため息を吐く。

 

「全くもう……。友達じゃなくて、親友よ、田村さん」

「あはは、ごめんね」

「すっぱりと行かないのは、なんというか……。

でも、そんなところも好きよ、田村夏樹君」

「僕も好きだよ、佐藤眞由美ちゃん」

 

 二人は丁字路にて別れる。

そして次の日の昼休み、田村と山本は誰もいなくなった教室にて駄弁る。

 

「で、どうだったの?」

「お…れはすっぱり別れたぞ」

「へぇ……どういう感じで?」

「あの人、わ……じゃなくて、俺の体目当てなだけだった。しかも、ビデオ仕掛けて売ってやがったから、警察に連絡して逮捕してもらった」

「そっかー、最低な人間だったんだね。ところでさ」

「何だい?」

 

 田村は山本の至近距離まで顔を近づける。

 

「何時、デートいく?」

「うぐ……そ、そこらへんでもいいでしょうか?」

「うん、どこでもいいよ。だって、私の居場所は千春君がいるところだけだから」

 

 山本は男として基本な甲斐性や導く力は持っていなかった。

けれども田村がもともと持っていた、そのやさしさによって彼はもちろん田村本人も救われた。

 

 彼らを中心とした者は、世界を騒がすような人になるのかどうかはわからない。

しかし確実にいえることは、将来的に同性婚や障碍者の人でも婚姻できるようになり、書類上でも結婚できるよう

時代と国民感情により、憲法改正の道が開かれることになったことだ。

 戦争が終わって半世紀以上。

時代が変わり時代遅れとなった憲法と、時代の変遷に遅れつつある人々の意識は急激に変わりつつあった。

 

 

「先生。彼らは生きているのですか?」

「ああ、君か。大丈夫、三人とも生きているさ。もっとも、奇怪な関係だけれどもね」

「あの……彼らの赤ん坊も、すっごいことになってますよね」

「あのDNAマップと脳波データは学会に発表すべきだろうな」

「ですよねー」

 

「ああ。なにせ、体も脳波も入れ替わっているのに、気付かないんだもんな」

 

 主治医は過去の新聞を見て、来客を待っている。

 

 10年前。奇怪な事件があった。

台風が接近し正午に警報が発令された。

この時早急に下校を指示し、学生が下校を始めた

そんな時信号を渡ろうとしていた女学生に、居眠りと軽度の酒気帯び暴走トラックが突っ込んだ。

しかし女学生は偶然通りかかった男子生徒により、衝突を回避される。

 男子生徒は女学生を抱きかかえて路肩に転がっていた。

怪我は擦り傷程度だったが、直後にゲリラ豪雨が発生。

落雷が周辺に発生し、偶然にも二人に直撃。

火傷の程度は軽微、意識があることを確認。そのまま救急搬送された。

 

 二名は軽症で、トラック運転手は信号無視や物損事故・人身事故と、まとめて業務上過失傷害として書類送検。

 

 二名の学生は意識を取り戻したが、意識の混濁が発生し調査を進められた。

 

 この時担当したのが、主治医とこの看護師だ。

二人とも強い意識障害で、薬剤で落ち着かせて何週間かでメンタルクリニックと併用して施術を加えた。

だが二人とも、自分がその性別であるにも関わらず、それに対して強い拒絶をしめした。

 

 そして知人や友人との面会、更に二名の恋人と共に面接をした。

 

 これによりこの二名の中身が、本来の肉体の持ち主ではないことが判明。

その後も経過をみたが、意識が変更されないこともあって完治の兆しがなかった。

しかしその5年後、異常気象による暴風雨が発生。

この時件の二人が、再度搬送されてきた。

 

 結果二人の意識は深く、自分自身の存在が前と変化した。

自身の肉体が変わったのか、意識が変わったのかわからないが……二人は健康といえるものになった。

 

 

「失礼します。例の二人が来ました」

「む、来たか。付き添いの方もいるな?」

「はい。一人いらっしゃいますね」

「よし、とおせ」

 

 主治医は新聞をたたんで、通常稼働し始める。

 

「久しぶりだな、山本さん、田村君、佐藤さん」

「お久しぶりです、先生」

「元気にやってきましたよ、主治医さん!」

「診察をお願いします、環先生」

 

「ああ」

 

 

 二人は意識が変化した。

だがそれは変わったと思ったが、実はそうではなかった。

落雷がもつ強力な電波が、丁度至近距離にいた二人の電波である脳波を変化させた。

これにより、山本の体に田村、田村の体に山本の意識が移ったかのように思えた。

 

 しかし周囲の分け隔てのない対応で、お互いの意識が肉体に引きずられないようになっていた。

おかげで今回の雷雨による超低確率な落雷ピンポイント狙撃により、お互いの脳波が正常に戻った。

 

実際はやけどにより、一か月ほど集中治療や入院が続いた。

 

だがその入院から5年経過した今では、田村君が山本さんと佐藤さんを輿入れし二人のお腹に子供を宿している。

 

「もう、大丈夫そうですか?」

「ああ。もう大丈夫だ。ひずみも乱れも、一片たりとも見えなくなった。これにて、完治だ。

おめでとう!」

 

「よっしゃあ!」

「やったあ!」

「よかった……!」

 

 

 こうして彼らは無事に完治した。この後は何事もなく、人生を全うするのだった。

また提供されたDNAマップや脳波データは、人間の可能性を物語る研究材料の一つとなり

特殊な病状の例として一部適用されることとなる。

 

 三人が退院したその日、彼らの高校生時代の担任が元同級生を集結させ宴会をしたのは、また別の話だ。

そして夫婦円満な家庭を築き上げ、他所から見て面白おかしい家族が40年ほど世を騒がせるのは本当におかしな話だ。

 

 

―――

 

「まさか、僕の方が先に先生より逝くなんて思ってもみませんでした」

「死にかけの爺の言い分じゃねえな。んん?」

 

 

「先生には生涯、色々お世話になりました」

「そうだな。一番手間がかかった。しかし、お前たちが育てた子は、実に立派になったもんだ」

「ええ。自慢の孫ですよ」

「俺も潮時だからな。お前が最後の患者だろう」

「ですけど、僕の子供たちと先生の子供たちの関係は続きますよね、これ」

「実際親族だしなぁ」

 

「和樹・智恵……眞由美と千春を頼んだ。相続財産はちゃんと遺書に書いてるから、仲良くしてくれな?」

「ああ、親父。大丈夫だ。あとは俺と智恵に任せろ!」

「うん、後は任せて、お父さん!」

 

 和樹は眞由美の子で長男、千絵は千春の子で長女。

成長した二人は、田村と山本の意識が相互変換されていた時代を幼いながらも見てきた。

だから苦労は人一倍知っている。

 

「眞由美、千春。今のうちに言っとく。ごめん、ありがとう」

「夏樹。お疲れ様。一時お別れだけど、また会えるからね」

「うん。でも、まだやんちゃな皆を任せたよ」

「あはは、任せなさい!」

 

「夏樹君。私こそありがと。眞由美ちゃんとの間にいれてくれて、ほんとにうれしかった」

「そっか。遠慮がちだったとおもったけど、喜んでくれててよかった」

「眞由美ちゃんと一緒に頑張ってく。夏樹君のぶんまで生きるよ」

「頼んだ」

 

 にこやかに話していた田村だが、その二時間後容体が急変。

全力の応急処置と本人の気合で、次の日の7月23日。12:23:07.87。

田村夏樹は、静かにこの世を去った。享年78歳。

 

奇しくも、その日は佐藤眞由美の、時針と分針は山本千春の誕生日を示していた。

 

 

 そして眞由美も認知症により、早期に死去。享年88歳。

純粋な老衰によるものは、千春だけだった。享年98歳

 

ちなみに環先生は、千春が逝った翌月に逝去した。享年、113歳。

 

―――

 

とある日。

 

「やあ、千春。元に戻ったね」

「そうだね」

「どうする? すでに一定年収以上は、OKって言ってるし」

「ちょっとまって、私も入れてもらえないかな?」

「もちろん、皆で結婚式を挙げようよ! それにここまで来たんだ。逃げ出さないよ」

 

 

 それはもう、祝福の日でしかなかった。

22歳。全力で大学生な三人は、その日を境に輿入れを発表。

そして三人寄れば文殊の知恵というように、役割分担をして生きることになる。

 

「うおおおお!私は今、最っ高に嬉しいぞおおおお!!!」

「せやな!こんときが、天辺じゃ!盛り上がらんかい!」

「いやー、まじでめでたいなあ!!」

 

校長先生、野田、上山先生が、主に叫んでいる。

他の同級生もそうだ。

 

「ははは!!田村とー佐藤とー山本かー! 本当に漫画的ハッピーエンドだな!」

「岡島君。まだエンドじゃないよ。そのあとの生活が待っているんだから」

「そうだな。お前たちなら何でもできる!大丈夫だ!」

「うん、ありがとう!」

 

 背中をお互いにバンバンとたたき合い、健闘を祈った。

 

 

 そして花嫁準備が終わって、本番になる。

宗教的には仏教・神道・天理教なのだが、ウェディングドレスと燕服はロマンなのでこっちにした。

 

新郎新婦の入場と共に、恒久的な誓約を結ぶ。

本来は一夫一妻だ。だが、憲法改正により、婚姻制度が変わった。

その結果、一夫二妻でもいいのだ!年収制限は形骸化しとったんや!

 

「それじゃ、これからよろしくね、眞由美ちゃん、千春ちゃん」

 

「宜しくお願いね、夏樹君!」「よろしくお願いします、夏樹君!」

 

 三人は幸せなキスをして、家庭を築き上げた。

 

 

 

 



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。