陳寿著「呉書・徐盛伝」外伝補記―徐盛さんが頑張るそうですよ?― 作:八意 暮葉
酸棗の街を董卓軍が囲んでいる。
ようやく出てきたか……長すぎて退屈してたんだ。
衛衡は檄文を配っている。ここにいるのは俺と1000の兵だけ。
外にいる董卓軍は目視する限りでは華雄、張遼率いる6000ってところか……。
元より降伏する気は無いが……怖じ気ついてしまうな。
俺は……手元に弓を手繰り寄せ、なけなしの勇気を振り絞った。
「弩弓兵、第1陣構え!」
長沙郊外の平原に文聘の声が響き渡る。それを合図に15名程の兵たちは用意しておいた弩を構える。
そして、俺は騎馬に跨がり気を窺っていた。
(弩弓兵たちは準備が整ったみたいだな。)
俺は後ろを一瞥し、馬の腹を蹴る。
文聘は遠ざかる徐盛の後ろ姿を見ながら……ある程度の距離ができたところで
「弩弓兵、放てぇぇぇぇぇぇぇ!!」
号令をかけた。弩弓兵たちは先を潰した矢を放つ。矢は先陣をきる徐盛を援護するように放物線を描いているが……1本だけ明らかに俺を狙っていた……。
それを打ち落とし……決まった……と思っていたら……やはり、刺さった。
「痛い痛い痛い痛い!!先を潰してても地味に痛い!!」
俺は落馬し野原をのたうち回っていた。
「燈様、御無事ですか!?」
文聘―雪香―が慌てて駆け寄ってくる。それを見て
「燈!!」
賀斉も嫉妬してからなのか急いでやってくる。
雪香と莱―賀斉―が揃ったとき。そこには火花が飛び散る。まるで燈を渡すわけにはいかないとものがたるように。
これは呉軍徐盛百人隊―通称・繚乱隊―お馴染みの光景の1つである。
俺は……今は二人に奪われている暇はないっ!俺はそう判断し……何とか立ち上がり俺に弩の矢を当ててきた犯人を呼び出す。
「篝!居るんだろ?出てこい!」
篝―朱然―は虫の居所が悪いと言いたげな顔をしてやって来た。
「何で、私が貴方に呼び出されないといけないのかしら?」
開口一番で逆ギレされた。
「それは……お前が矢を俺を狙って当ててきたからだ。」
こいつの相手は毎度毎度疲れてしまう……。
まあ……いつもの様に論破して負け惜しみを聞くのがオチだが……
「え・・・?私は今回は狙ってないわよ?」
篝は意外だというように驚いていたが・・・内心では俺が一番驚いている。
矢の飛んできたコースは俺から見て後ろ・・・繚乱隊の部隊員たちが居るところ・・・
そして、毎回俺に矢を飛ばしてくる篝が当ててないとなると……誰なんだ?
俺は・・・真剣に思考を巡らしていたが・・・それを1つの笑い声が止めた。
「あっ……あひっ……バッカじゃないの?真剣に考えちゃって」
・・・見ると篝がお腹を抱えて大笑いをしていたから俺は笑顔で近付き拳骨を野茂英雄さんのトルネード投法の要領で篝の脳天に撃ち降ろした。
「痛い……」
篝は涙目だったが俺は気にしていない。自業自得だ。
さて……まだ争っている二人……莱と雪香を止めようかと動こうとした矢先だった。
「伝令!伝令!徐盛殿、祖茂様が御呼びにございます!」
伝令がやってきて戦乱の嵐の到来を告げようとしていた。
こんにちは、猫です。
今回の話、正直書くのが辛かったです。最初は何も浮かばず書けなくて……
二度目は孫堅さんが長沙を離れていてその間に徐盛が幼い馬良と仲良くなるというのを考えましたがそれも続かず……最終的に今の形に収まりました。
こんなダメダメな私が悩んでいる間でも読んでくれている人が居たことには感謝しています。
それとこの話を投稿するにあたって……今までの話のUAが1話平均1000を越えました。
ありがとうございます。これからも精進していくので応援お願いします