陳寿著「呉書・徐盛伝」外伝補記―徐盛さんが頑張るそうですよ?― 作:八意 暮葉
衛衡が檄文を届けてからというもの私は夜々星空を見上げるようになっていた。
檄文が届いてから今日で1週間・・・西へ1つの星が一際大きな光を放ち堕ちていった。
堕ちた先は・・・酸棗。橋瑁の城だった所だ。
彼が潰えた今、檄文はただの紙切れになった。
しかし、せっかく蒔かれた戦乱の種だ・・・ここで逃す手はない。
翌朝。
私は大広間に主だった将を集めていた。もちろん、衛衡も居る。
皆が集まったところで・・・
「華琳様、何事でしょうか?」
と夏候惇―春蘭―が代表して口を開く。
私は努めて平静に・・・そして、胸の昂りを隠すように面白くなさげに話した
「そうね・・・皆に集まってもらったのは他でもないわ。・・・橋瑁が死んだのよ。」
案の定・・・皆がざわめいた。
「冗談も・・・大概にしていただきたい!!」
その中で衛衡が口を開いた。
「橋瑁殿が死ぬなど・・・あり得ません!!何かの嘘です!!」
彼女は錯乱している。無理もないだろう・・・仕えていた主人が亡くなったのだから。
「秋蘭、衛衡を休ませてあげて?」
「承知」
春蘭の妹の夏候淵―秋蘭―に衛衡を気絶させてもらい寝室に運ばせた。
私は・・・秋蘭が出たあと・・・一人欠けていることに気付いた。
「孝牙、勇磁。彩華はどうしたの?」
曹仁―彩華―の事を弟の曹純―孝牙―と片腕の牛金―勇磁―に聞くと・・・二人とも仲良く顔を背けた。
しかも、口笛までするという周到ぶりで。
「孝牙、勇磁。答えなかったら・・・体に聞くわよ?」
私は笑顔で「絶」を手に取った。すると、二人は慌てて
「分かった、分かった!話すから!華琳姐、それをしまって!!」
「そうです!話しますから!どうか勘弁してください!!」
「最初から・・・そうやって素直に言えば良かったのよ。」
私は絶をしまった。そうして……ようやく、孝牙が口を開く。
「彩華姉さんは・・・・・・・」
一同は唾を飲み込んで・・・見守り・・・
「サボった。」
勇磁、秋蘭、衛衡を除いた全員が一斉にずっこけた。
「孝牙……やっぱり斬っていいかしら?」
私は再度、絶を手に取った。しかし、孝牙は
「嘘じゃないって!!朝、彩姉の部屋に行って伝えたら……
『んー……軍儀ぃ……孝くんも行くのよね……でも……面倒だし………どうしよ……』
って葛藤があって……結局サボってんだよ!?」
「本当かしら……勇磁?」
「ええ……孝牙様の言っていることは本当ですね」
「分かったわ……彩華には孝牙が後から伝えて。」
「分かったよ、華琳姐。」
孝牙への折檻が長かったのだろうか……いつの間にか秋蘭が戻ってきていた。
「さて、秋蘭が戻ってきたから……軍儀を再開するわ。」
是非を取るまでも無い。皆、分かっていたのだから。
だから、結論だけ伝える。
「私は・・・反董卓連合軍をここ、陳留で立ち上げるわ。」
私の意見を伝えると大広間に集っていた将たちは感動のあまり震えていた。
さあ……ここから私の覇道の始まりよ。
乱世の奸勇……そして、超世の傑「曹操孟徳」動き出す。
さて……こんばんは、八雲です。
今回は呉√をお休みして魏√を書かせていただきました。
実は今回出てきた曹純、牛金、そして回想だけしかなかった曹仁は三の丸さんからのリクエストです。
今も活動報告の「徐盛さんからのお願い」で募集していますのでどうかお願いします。
さて……次回ですが……また呉√をお休みして……蜀&一刀くん√を書きたいと思いますのでどうか楽しみに待っていただけたら幸いです。
それでは……次回もゆっくりしていってください!