陳寿著「呉書・徐盛伝」外伝補記―徐盛さんが頑張るそうですよ?― 作:八意 暮葉
2年前まであった黄巾の乱は嘘のように静かになり……首領として祭り上げられていた張角、張宝、張梁こと数え役満姉妹は自分達の望んだ通りアイドルとして羽ばたいていった。
それから、1ヶ月後、俺らは安徽県の警察署長になったが……賄賂を要求してきた督郵を鈴々(張飛)、一樹(簡雍)が懲らしめ……白蓮(公孫瓚)の元に身を寄せることになり……
平原相に任命された。それにしても今日も平和で良い日だな……
「一刀、のんびりしてないで助けてくれよ!?」
一樹が走りながら俺に助けを求めてくる。
「一樹、いい加減にしないと怒るって何度言えば……!」
「一刀兄さん、一樹さんを渡してもらえますか?」
俺の目の前には鬼の形相の愛紗(関羽)と良い笑顔をしている桃夏(劉封)がいた。
「うん……すまない、一樹。いくら俺でも……今のこの二人を見てるとお前を助けようとする気が全く起きないんだ。」
「一刀ーーーー!!!!助けてくれ!!止めろーーー!!死にたくなーーーい!!死にたくなーーーーーーい!!」
一樹の悲鳴をBGMに俺は茶を口に含む。
「一くん・・・僕は顔を出さなくて正解だったのかな・・・」
「ん・・・舜は出なくて正解だったな。お前が出てたら・・・一樹が狂いそうになってたから」
劉備軍の隠密総元締の舜(羅候)が柱の陰から表れて尋ねたが……俺の返す答えはいつも通りだった。
舜は・・・体のメリハリを隠すために布地の厚い服を着ているため分かりにくいが・・・れっきとした女性である。
「そうそう……桃華が一くんを呼んでたけど何かしちゃったの?」
「ん・・・ああ・・・あの件かも・・・」
「あの件って・・・まさか・・・!?」
舜の顔が驚きに染まっていたので言ってしまおう。
「曹操から来た……反董卓連合軍結成の密書。」
「やっぱりか……私は……参加することに気が引けるけどね……」
俺は薄々感づいていた。黄巾の乱の張三兄弟が女性で……全員が生き残っていたところから違和感を感じ……
公孫瓚と袁紹と戈を交える前に劉備が平原相になっていたころから違和感が膨らんで……
密書が来てから……俺は決意して舜に洛陽の調査を頼んだ。
頼んでから数日後、舜は史実とは全く逆の董卓の情報をもたらしてくれたが……俺は桃華にそれを伝えることなく……天下への足掛かりのための犠牲にしようと考え……参加を勧めた。
しかし、桃華は悩んだ。そして……今日の呼び出しで答えが聞けるのだろう。
俺は……桃華の元へ歩いていき……大広間の扉を開けた。
「ご主人様……。私、決めたよ。」
そこには目に決意を浮かべながらも不安そうな表情の女の子が居た。
「朱里ちゃん、雛里ちゃん。愛紗ちゃん、一樹くん、鈴々ちゃんを呼んできて?」
「はわわ、分かりましゅた!!」
「あわわ、しゅぐに呼んできましゅ!」
我らの臥竜、鳳雛は主力を召集しに行った。
「ご主人様、私、決めたよ。洛陽の人たちを助ける!!」
「そうか……なら、頑張らないとな♪」
俺は桃華の頭を撫でてやりながら考える。
(いくら、現実を知らなくても……理想を語り続けても……周りに現実を見ている人が多くいるなら……桃華は壊れたりしないだろうな……)
思案から意識を戻すと……皆がこちらを見ていた。
「ご主人様っ!!」
「お兄ちゃん!!」
「一刀ぉぉぉぉ!!」
「一刀兄さん!!」
「「ご主人様!!」」
「「「「何をしているんですか!!」」」」
「鈴々も撫でてほしいのだ!!」
「一刀、お前、裏切りやがったな!!」
皆から注意される。一樹に至っては殺気をぶつけて来やがる……
どうしたものかと考えたが……
「皆、反董卓連合軍に参加するから準備して!!」
「「「「「「御意!!」」」」」」
桃華の鶴の一声で助けられた。
こうして、俺は……俺らは反董卓連合軍に参加し……戦乱の大過に呑まれることとなった。
熱で辛い……でも、書かないと……
どうも、作者の八意暮葉です。今回は熱の中での執筆です。
ものすごく読みにくいかと思います……それでも、読んでくださると信じて後書きに書いてます。
今回も……色んな原作外キャラが出てきて……いつもよりはネタは多くなってるかなと思います。
それと……一刀君は今回、天の御遣いとしての登場ですが……原作よりも実利主義的なところが強くなってしまいました。
このままになるか、それとも変わるかは決めていません。
そして、今回はここまで……それでは次回までゆっくりしていってください