陳寿著「呉書・徐盛伝」外伝補記―徐盛さんが頑張るそうですよ?― 作:八意 暮葉
今、起こったことをありのままに話すぜ……
反董卓連合軍に参加しに陳留の街に向かっていた私は
道中後顧の憂いにならないよう(と称して私怨を晴らすため)に荊州刺史・王叡、南陽郡太守・張咨を粛清していった。
そして、陳留に着いたとき……袁術ちゃんから預州刺史の官位を貰い
本陣に出向いた。そして、先頭に遡るってわけだ。
何をいっているか分からない?大丈夫だ、私にも分からないから。
「袁紹とやらは・・・派手にやってくれるねぇ・・・」
俺は自身の率いる祖茂隊を進軍させながら馬上で愚痴っていた。
「仕方ないでしょう、旦那。相手は名門汝南袁家なんですから・・・下手に逆らえば・・・ここからオサラバですよ?」
隣の角が自分の首の辺りを叩きながら言ってくる。
「そうなんだよな・・・いくら、俺らが8000の精鋭を率いていても・・・相手は倍近い兵を整えて来ているからな・・・」
「そうですよ・・・いくら、精鋭でも数の前には屈することも度々ですから」
「それは・・・西楚の覇王の事か?」
「そうですよ・・・覇王は精鋭8000騎と20万の兵を持ちながらも最後は漢軍60万の兵に敗れましたから。」
考えてみれば……恐ろしいものだと思う。項羽は彭城で漢軍30万を3万で破りながら総大将を逃がしただけで一転して滅亡に追い込まれた。
俺らも……そんな風になってしまうのだろうか……
「旦那、汜水関が見えてきましたよ。」
角の声で意識が戻った。目の前には山を切り開き造り上げた天然の要害を利用した要塞が広がっていた。
「はっ……はは……笑えねえな…………とりあえず、野営の準備をしておけ!!」
野営を準備させながら……俺は目の前から目を離さなかった……いや、離せなかった。
そういえば……この地は陽人とか言っていたな。日輪を表す陽の字があるとは……縁起が良いな。
この日は……相手側からの夜襲もなく……無事に眠ることができた。
次の日の朝の事だった。 この日、突然汜水関の門が開いた。
すると、関から灰色かかった髪をもった女性が出てきて……
「音にあるものはよく聞けぇ!!私は董卓様を護りし矛・華雄なり!!私と一騎討ちをし、見事討ち取ってみせるものはおるか!!」
朝から……うるさい……
「我こそは……紅巾の波才!!華雄とやら……お主を討ち取り連合への手柄とさせてもらうぞ!!」
我が隊にも……生真面目で……熱くて……恩義を貫くバカが居たな……
まあ、角が負けることはないだろうから……安心して見ていられるな……
「波才……ふふ……お主が相手とは……これほど心踊ることはないぞ!!」
「それはこっちのセリフだ!橋瑁を討ち取ったお前を討ち取り橋瑁への餞にもしてやる!!
華雄、波才の得物が閃いた。一合目ではさすがに決まることは無さそうだな。
俺はしばらく二人の一騎討ちを眺めていた。十合、五十合、七十合……数を重ねていくが……波才が有利に見える。
そして・・・八十六合目を撃ち合ったとき・・・波才の馬が石に躓いたのを見て、俺は自然と駆け出していた。
「死ねぇぇぇぇ!!波才!!」
(間に合えっ!!)
そう思い……華雄の得物が……波才に届こうとしたとき……
俺の視界は真っ赤に染まり……血に濡れし折れた双刀が手に握られていた。
俺の意識はそこで途切れた。
こんばんは、二日連続の八意 暮葉です。
今回はようやく……残酷な表現っぽいものが出せたかなって思います。
それと……急展開になってしまい申し訳ありません。
どれもこれも私の文章力が足りないせいです。ごめんなさい。
それと・・・このあと・・・祖茂さんがどうなったかは・・・察しのいい人たちは気付かれるかもしれません。その辺りは次回以降に綴ることとなります。
華雄さん、波才の事も気になるかもしれませんが……それはまた次の話まで……!
それでは、次回までゆっくり待っていてください!
※感想とかあったら……お願いしますね?