陳寿著「呉書・徐盛伝」外伝補記―徐盛さんが頑張るそうですよ?― 作:八意 暮葉
「盛、俺の息子になって賀家の将となれ!」
賀輔殿……いや、今は賀輔伯父さんと呼ぼう。
賀輔伯父さんの提案から早1週間。俺は悩んでいた。
「伯父さんの息子か……」
伯父さんは孫堅様と繋がりがあるらしいから俺の将軍への夢は半ば保証されていると言っても良い。
だけど……それで良いのだろうか?
伯父さんの息子になれるのは嬉しい。少し頑張れば将軍になれることも嬉しい。
だが……俺は楽な道を望んでいるのだろうか。
さっきからその様な事ばかり考えて悶えていて莱が扉の隙間から覗いてることに気付かなかった。
「あの……何をされているのですか?」
その声で俺の意識は現実に還った。
「あ……いや、その……これは………」
しどろもどろになってしまう俺を莱は笑って許してくれた。
「ふふ、可愛い弟ができたみたいです♪」
莱は微笑みながらそう言った。
(え……弟……だって?)
驚いた俺は莱に聞いた。すると、莱は俺の2つ上だと発覚した。
それを聞いて俺は更に悶えた。それを見ていた莱は
「こんな弟が居てくれたら……毎日が楽しいですが……」
と、ふと溢した。その時、俺は決めて、部屋を飛び出した。
向かうは伯父さんの部屋だ。
(そこの廊下を右に曲がり、2番目の曲がり角を左に曲がれば伯父さんの部屋だ!)
俺は呉郡賀家の地図を頭に描き、目的の扉を見つけると開け放った。
突然現れた俺に伯父さんは驚いたが俺の来た意味を理解したのかすぐにいつもの笑顔になった。
「それで、盛。決まったのか?」
「ああ。俺を……徐盛を伯父さんの義息にしてくれ!」
伯父さんの質問に俺は意を決して答えた。
伯父さんは相変わらず笑顔で俺を迎え入れてくれた。
それから3年が過ぎたある日。
賀家に客人が来た。
俺と莱は部屋に待機して話し合っていた。
「燈。今回の客人はどのような人だと思われますか?」
「ん~……義父上の顔から察すると呉の重鎮だと思う。」
「あら、燈もそう思いますか?」
「って……莱。俺をバカにしているのか?いくら雇用関係とは言え酷いぞ?」
莱の質問に答え、いつものように切り返す。
「燈の勘は良いですからね……。ふむぅ……。」
また始まってしまった。莱の考え込む悪い癖が……
今日は止めないとまずいなと思って莱に声を掛けようとしたとき……
廊下から足音が聞こえ、身構えた。
(音から察するに……数は二人か。)
刀の柄に手を添える。賊なら一太刀で仕留めようと考えた。
だが、俺は乱暴に開け放たれた扉の向こうの人物に呆気をとられた。
「おっ邪魔しま~す!!」
現れたの光の加減次第では白に見間違えるほどの薄桃色の髪に褐色の肌をした少女だった。
その後から来たのは眼鏡を掛けた黒髪のこれまた褐色の肌をした少女だった。
「全く……雪蓮。お前は何をしているんだ……。」
「だって、私の勘がこっちに強い人が居るって告げてたから。」
嫌な予感を覚えて……霧散した警戒心を再度集め、身構えた。
「あー……君、すまない。私たちは君と争いに来たのではないんだ。」
黒髪の少女が頭を下げた。それを見て俺は刀の柄に掛けていた手を卸し警戒心を解いた。
「なら、何をしにここへ?」
俺は訊ねずには要られなかった。
「それは……孫堅殿が賀輔殿に挨拶に来たのだが……雪蓮が部屋を飛び出してな……。」
「私は強そうな人が居るって勘が告げてたから出たのよ?」
アハハ……そうか……。孫堅殿が……?
おい、嘘だろ……。孫堅殿って……
俺はひたすら混乱していた。そこに追い討ちをかけるように
「貴方、良い目をしてるわ。私は孫策。孫堅文台の娘よ。私が家督を継いだら登用するから覚悟しなさい!」
雪蓮と呼ばれた少女がそう告げた。
「すまない……雪蓮は昔からこんな調子でな……そして、申し遅れたが私は周瑜。洛陽県令を勤めている周異の一人娘だ。」
俺たちはその後、仲良く語り合った。お互いの過去の事、家の事など
そして、その後だが、孫堅殿が来て二人を連れ帰った。
孫堅殿は義父上にひたすら謝っていたが義父上は笑ってそれを許した。
そして、話と時は飛んでこれから四年後俺と莱は雪蓮と呼ばれていた少女に招聘されたのだった。
さて、無茶苦茶な終わりになりましたがいかがでしたでしょうか。
2話目で何とか原作キャラを出せました。
やはり、文章を書くのは難しくて他の書き手さんの腕前に舌を巻いてしまいます。
私はやはり駄文野郎なので中々精進できず申し訳ありません。
次回は反董卓連合軍編ですが、燈が色々と歴史を改竄してしまいます。
そして、賀輔さん何者でしょうか。
私個人としては賀輔さんが一番怖いです。
それでは次話でまたお会いできますように。