陳寿著「呉書・徐盛伝」外伝補記―徐盛さんが頑張るそうですよ?― 作:八意 暮葉
本編では語られることのないIf Story。本編未出演のキャラもいますが大目に見てください。
それでは新年の特別回。
始まります。
「そういえば、今日は元旦だったな……」
「元旦?何なのそれは」
「ん、ああ……年が一周して新たに始まるのを祝う行事だ。」
俺はいつも通り柴桑城の食堂で莱と和やかに朝食を取っていたが……ふと、本日が1月1日、俺が居た世界で元日と呼ばれる日だと言うことを思い出した。
「餅……食いたい……」
「餅?東方にそのような食べ物があるとは聞いたことがあるけど……」
「・・・・・・」
俺は気付いた。無いなら作る、実物がないなら作るべきだと。
「莱、今から呼ぶやつを集めてくれないか?」
「どうせ、雪香、篝、貂良、田恢、董襲を呼べって言うんでしょう?」
「言わなくても分かっていたみたいだな……」
「当たり前でしょう?私が燈と何年一緒だと思ってるのよ」
俺は苦笑いを禁じ得なかった。そして、初代繚乱隊及び現繚乱隊の主だった5人に声をかけて……
「面白そうだから儂も混ぜさせてもらうぞ♪」
「こんな、楽しそうなことを隠してやろうなんて……燈も冷たくなったわね~」
「力仕事でこの太刀の韓当が居ないのは大問題だ!」
「このごろは楽しいことも中々無かったからな……私も混ぜさせてもらいましょうか」
なぜ、こうなった?
なぜか……祭さん、松花様、碧さん、蒼さんが来ていた。
「今回は……遊びではありませんよ?それと、松花様。死んだことになっている先々代が堂々と来たらダメですし、祭さんは仕事終わらせてないでしょう!?」
「・・・・・・・」
「・・・まあ、そうね。迂闊だったわ」
祭さんは目を逸らし、松花様は大人しく反省しているかのように見えた。
「仕事、仕事と・・・たまには肩の力を抜いても良かろう!!」
「変装すれば良かったのね!!」
・・・二人とも反省の色が見えませんでした。
「「燈、あの二人は昔からああだから諦めておけ」」
碧さんと蒼さんの四天王コンビが肩に手を乗せてそう言ってくる。
うん。元から分かってた。昔からあの二人を見ているから警告や注意は無駄だって。
「とりあえず、あの二人は放置して始めましょうか!」
松花様と祭さんに背を向けて皆にそう、告げた。
とりあえず、用意したのは訓練用に用いられる木槌と石が良かったが……一般兵の兜を台座で固定した擬似的な臼。そして、なぜか存在していたもち米だ。
食堂の厨房の皆+蓮華様の力を借りてもち米は炊いてもらっている。
蓮華様に話したらノリノリで参加してくれたのは驚いたが……
とりあえず……予想外もあったが……何人かの組に分けた。
組はそれぞれ
篝、貂良ペア、董襲、雪香ペア、祭さん、碧さんペア、松花様、蒼さんペア
そして、俺と莱と田恢ペアだ。
一応、バランスは考えて振り分けてはある。
それぞれ突く人間と捏ねる人間とで構成した。
「皆、もち米持ってきたわよー!!」
蓮華様のその一言が開戦の合図だった。
「甘くみるではないわ!!」
「祭、落ちついて!!」
碧さん……お疲れさまです。祭さんがあそこまで暴走すると誰も止められない。
暴走はせめて……祭さんだけであってほしいものだ……
「あははは!!米ごときが私の覇道を止められるとは思わないでよね!!」
「・・・・・」
「ちょっと、蒼!何するのよ!?って、ちょっと待って!待ってってば!!」
松花様も暴走したけど……蒼さんのビンタに止められた。
うん、祭さん以外は大丈夫だな。そう思いながら俺も木槌を振り上げた
「よいしょっ!!」
「えいっ!!」
「はいっ!!」
俺、莱の順に突き、田恢が捏ねるが長年の付き合いからか息は合わさった。
「ねえ、燈、田恢。」
「どうした?」
「?」
「こんな時間がずっと続いてほしいわね♪」
「ああ、そうだな!」
「ふふ、そのためには燈様が今以上に頑張らないといけませんね?」
そんな軽口を叩きあいながら餅をついていき……2刻後……全部のもち米を突き終えた。
そのあと、俺たちは餅を街の人に配った。
また、これは後日談だが……
「祭様」
「なんじゃ?」
「弁償代、祭様の給料から引いておきました。」
「この、薄情者ぉぉぉぉぉぉ!!」
「何とでも言ってください」
とても黒い笑顔をした瑰と絶叫に近い悲鳴をあげた祭さんが目撃されたらしい。
こんにちは、八意です。
正月特別回いかがでしたでしょうか?
今回は本編未出演の方々が何人か居ましたが……ここで紹介させていただきます
松花=張昭=故・孫堅
碧=韓当
蒼=程普
貂良=華雄
瑰=諸葛瑾
董襲=初代繚乱隊の伍長、現・水軍左将
田恢=現繚乱隊(3代目)の副将
となります。今年も本日より始まりました。
本年もダラダラ不定期更新の「徐盛さんが頑張るそうですよ」をよろしくお願いします