陳寿著「呉書・徐盛伝」外伝補記―徐盛さんが頑張るそうですよ?―   作:八意 暮葉

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少年は夢を見る。


2章3幕 天道を語る刃
廻る予兆―徐盛―


そこは赤く燃え盛った荒野だった。

 

地には息をしていない人形たち。中には見覚えのある顔もいくつかある。

 

荒野の中央で少年……いや、青年は少女と対峙していた。

 

少女の手には幾多もの人間の血を吸った方天画戟が……

 

青年の手には肉を切り裂き続けて刃毀れをしてしまった槍が握られている。

 

「呂布……」

 

青年の目は血走っていた。

 

対して少女の目はまるで虚空を見つめているように見えた。

 

「よくも……よくも……皆を!!」

 

彼は吼えた。吼えて……突撃をした。

 

「五月蝿い……。」

 

赤髪の少女は得物を振り切り裂こうとする。

 

「ちぃ……っ!!」

 

得物は柄に当たり……彼の肉に届くことはない。

 

「お前……不思議。弱いのに……恋に挑んでくる。」

 

「黙れ……」

 

「お前……恋に勝てない。」

 

「黙れっ……!」

 

「大丈夫……恋が楽にする。」

 

「黙れ、黙れ、黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れぇぇぇぇぇぇ!!」

 

少女はゆっくりと狙いを定める。

 

「サヨナラ……。」

 

彼女はそう短く告げて……画戟を振り下ろした。

 

青年は動かない……否、動けなかった。

 

(俺は……また守れないのか……?)

 

脳天目掛けて振り下ろされる画戟を見つめながら彼は悔やんでいた。

 

(莱……ごめんな……帰れないかもしれない……。

雪香……俺の代わりに……隊は頼んだ……

篝……お前には憎まれ口を叩かれてばかりだったな……

祭さん……一緒に酒、飲みたかったですね……。

冥琳……仕事……増やしてしまうな……

 

 

雪蓮様……貴女の天下を見ずに先に逝くことを御許しください……)

 

「(燈、お前はそこで終わるような人間だったのか?)」

 

幻聴が聞こえたような気がした。

 

(敬憶……殿?)

 

ずっと昔に亡くなった祖茂の声が聞こえたような気がした。

 

「(お前がここで死んだら……雪蓮様や蓮華様はどうなる?)」

 

(そんなの……知ったことじゃありません。)

 

「(・・・バカだな。お前はこんな所で死んではいけないんだ。)」

 

ゆっくりと槍の柄を握り直す。

 

「(それで良い。お前は本当はまだ生きたいと思ってるはずだ。)」

 

呂布の顔が少しだけ動いた。

 

「俺は……俺は……まだ生きるんだよっ!!」

 

両足に力を籠めて……槍を方天画戟の柄を目掛けて撃ち込む。

 

「まだだ……まだ、終われねぇんだよ!!」

 

そのまま……吹き飛ばす。

 

「ハハ……やったぞ……生き延びたぞ!!」

 

彼はそのまま……倒れて……意識は闇のなかに落ちていく。

 

「ん……ぅ……?」

 

そして、起きたとき……

 

「あれ……確か、俺……呂布と戦って……」

 

夢だったと気付く。

 

「って、あれ全部夢だったのかよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 




こんばんは……八意です。

センター試験終えて……執筆してみたけれど色々とおかしいです。

そして、今回から……2章3の始まり。
恋ちゃんには一足早く出てもらいました。

そして、夢の話は……この先の未来、有り得るであろう分岐の1つです。(多分、書きませんが

本来なら……祖茂さんの所は別の人の予定だったのですが……急遽祖茂さんに変えました。
さて、今年もまたのんべんだらりと執筆しますのでよろしくお願いします。

それでは次回までゆっくりしていってね!
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