陳寿著「呉書・徐盛伝」外伝補記―徐盛さんが頑張るそうですよ?―   作:八意 暮葉

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夢とは実に面白く、実に恐ろしい。

俺がもし、もっと早く転生していたら今ごろ虎牢関に居たかもしれない。

そう考えてみると、今がとても幸せに思えて仕方ない


交わされる言葉、躱される策―徐盛―

そろそろだろうか。

 

朝、目覚めてみると外がやけに騒がしかった。

 

「伝令!伝令!陽人の孫堅様より伝令だ!」

 

伝令が来たのか……どうせ、今回も黄蓋殿か韓当殿が出てくれるだろう。

 

「何だ?そんなに大声で騒ぎ立てなくても誰か出てくるからな?」

 

案の定韓当殿が伝令の元へ行った。

 

韓当殿を見つけた伝令は礼を正し、書簡を渡した。

 

「はっ、申し訳ありませぬが……火急の用向きであったのです。」

 

「・・・・・っ!」

 

書簡に目を通している韓当殿の顔色はみるみる青くなり……そして、赤くなった。

 

「あの・・・バカ憶がっ!!」

 

遠目からで分かりにくいがよく見ると韓当殿の頬は濡れていた。

 

「バカバカバカバカ!何で勝手に逝ったんだ!!」

 

どうやら・・・祖茂殿が戦死したらしい。

 

俺は大して泣かなかった。ただ・・・頬を伝うものがあった。

 

転生した身であるから、大まかな流れと何があったかは分かっている。

 

しかし、それは転生者としての俺であって俺ではない。

 

本当は大声を上げて泣きたかった。だが、俺はそれを許さなかった。

 

陽人の戦いが終わった。それは即ち……汜水関攻めが佳境に差し掛かったことと虎牢関攻めが迫っていることを意味している。

 

急がないと危うい。汜水関が落ちるのはまだ良い……問題はその後だ……

 

―虎牢関―三国志の中では外してはイケないものだ。

 

反董卓連合戦で呂布が30000の兵と共に入り、公孫瓚らから成る部隊を散々に痛め付けた。

 

それに向こうには華雄が居なくなったとはいえ李儒、賈駆、陳宮ら軍師陣。

 

それに呂布を筆頭として李確、郭汜、張済、樊調の董卓四天王、張遼、高順、徐栄、牛輔、胡診などいる。

 

汜水関に董卓自身が入っても虎牢関、洛陽の備えが必要になる。

 

俺が董卓なら、汜水関は棄てる……しかも、兵糧を虎牢関に回して壊せる限り壊して。

 

そして、虎牢関には呂布、張遼、高順、陳宮、牛輔を。

 

撤退も考えて長安への道に李儒、張済、樊調を回すだろう。

 

史実通りなら陽人はまだ董卓軍のものだ。

 

俺は自室にとんぼ返りで戻り竹簡に逐一書いていった。

 

 

後年に回想している今だから言えるのだが……このときの俺は孫堅様が陽人を陥落させていることを夢にも思っていなかった。

 

だから、最後の最後で詰めを甘くしてしまった。

 

 

竹簡を書き上げ……先程の伝令を探す。

 

「誰か、誰かいないか!!」

 

大声で呼んでみた。しかし、返ってきたのは静寂。

 

「畜生……急いでるっていうのに!」

 

その時、後ろに気配を感じた。

 

「あの・・・私で良ければ聞きますよ?」

 

そこに居たのは鉢金・・・鉢巻きを着けて刀を背負った少女だった。

 

 

 




お久しぶりです。八意です。

受験シーズンで受験生だけど平然と小説を書いています。

久々なので頭が疲れました。今回、原作キャラを名前だけだったりだけど色々と出させてもらいました。

最後に出てきた少女・・・勘の好い人なら分かりますよね?

次回にその子に活躍してもらうので待っていてください

それでは、次回までゆっくり待っていてね!
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