陳寿著「呉書・徐盛伝」外伝補記―徐盛さんが頑張るそうですよ?―   作:八意 暮葉

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やっぱり・・・腹との戦争は勝ち目が無かったんだ・・・
畜生・・・無駄に太田胃散を殺しちまった・・・

俺が毎年体を苦しめてる腹痛に勝とうなんて無謀だった・・・

去年は胃腸炎に悩まされたというのに・・・

後は・・・頼んだぜ・・・皆・・・・

※遺書みたいになってますが作者はただの腹痛で寝込んでいるだけで死んではいません。


徐盛の復活。

「・・・・・・・・・」

 

ここは会稽城内の賀家屋敷。

 

その屋敷の一室で男―徐盛は悩んでいた。

 

彼の父、徐傑が生きていた頃に聞いた話。

 

「燈。良いか、よく聞け。お前は私の子ではない。」

 

「親・・・父・・・?何を言って・・・」

 

「お前は・・・私の家の前に落ちていたのだ・・・」

 

「っ・・・!?」

 

このときは驚きを隠せなかった。今も・・・少しばかり驚くこともあるが・・・

 

「お前は・・・神様が地上に遣わした子だ・・・」

 

「親父、どうしてそう思うんだ?」

 

俺は不思議に思い訊ねた。しかし、今の俺からしたらこの質問の方が不思議だった。

 

「今の漢は・・・汚職、賄賂など腐敗が進んでいる。

 

そして、才があっても中央で官職を得ることも儘ならない。

 

挙げ句の果てには・・・重税、過剰な労役。殆どの州牧は自分の利益しか考えていない。

 

我が徐州を見てみろ。重税により農民は田畑を捨て、荒れている。

 

田畑を捨てた農民は賊となり村を襲う。田畑は焼かれ、その土地の民は賊となる。

 

悪循環の繰り返しだ。それなのに州牧は救済の措置も出さない。

 

これならば天上の神々も嘆かれて当然だ。」

 

不思議と親父の言葉はすんなりと入っていった。

 

「そんな時、私が寝ているときに枕元に高貴な人が立ってこう言った。

 

義侠の心に燃えるお主に天よりの遣いを授けよう。と・・・そして、翌日。我が家の戸外にお前が落ちていた。

 

私はその時、天帝が今の腐敗した世を正すためお前を天から遣わされたのだと思った。」

 

「そうか……なるほどな……。」

 

「燈。お前は血は繋がってないが大切な息子だ。気に病むなよ。」

 

「分かった。ありがとうな親父・・・。」

 

それが俺と親父の交わした最後の言葉だった。

 

翌日、親父は俺がいない間に瑯邪に押し寄せてきた賊を撃退するために撃って出たが・・・敵に討たれた。

 

その時、共に居た兵士が「賊に壊滅的な被害を与えましたが・・・凄絶な最期を迎えられました・・・」と言われて俺はその兵士を殴りたくなった。

 

でも、そいつの目に涙が溜まっているのを見て殴れなくなった。

 

俺はその兵士から親父の形見の槍を貰い、瑯邪から逃げ出した。

 

そして、3日3晩逃げて今に至っている。

 

「懐かしいな・・・」

 

回想を終えた俺はそう呟いた。親父は俺を天の御遣いの様に言ったが違う。

 

俺は前世ではただの社会人で戦国時代にタイムスリップし、今に至っているだけだ。

 

本当の御遣いは別に居る・・・はずだ。

 

そして、ソイツはきっと呉に来ることはない。それだけは確信できる。

 

そこまで思案し・・・俺は傍らの槍を手に取った。

 

8年くらい使っているが古びた様子は全くない。

 

まだ初陣を迎えてないからかもしれない。

 

でも、この槍はこれから先も古びる気がないように感じてしまう。

 

「親父……これからも頼むよ。」

 

この槍に親父の面影を見たような気がして俺は……声を掛けた。

 

さて、家のなかが騒々しいから挨拶にでも行くか……。

 

大方、孫呉の戦闘狂の姫……もとい、孫呉の次期当主とその軍師が来ているだろうから少しくらい挨拶に出向かないと不謹慎になりそうだな……。

 

まぁ、挨拶と言っても血の雨が降る可能性があるけどな!

 

俺は物騒な考えをしながら来訪者のいる場所を目指して歩き始めた。




さて、雪蓮と冥琳が訪ねる少し前から訪ねて少し後くらいの話に当たります。

今回は徐盛こと燈の生い立ちと、父・徐傑の昔話です。

最初は燈に生き別れた妹が居るって話でその妹が徐晃だという設定にしようかと思いましたが無理があるなと思い、燈が現代人だという設定に変えました。

燈が戦国時代にタイムスリップしたというのはもうひとつの話のオリキャラと同一人物でそちらの話には現代人という設定は付け損ねました。

次回は多分、雪蓮との戦闘になると思います。

その後から閑話を挟むかもしれませんが燈の工作と暗躍の反董卓連合編に入らせて貰います。

そして、お気に入りも10件を越えました。この場でお礼を申し上げさせていただきます。

こんな拙い物語ですが読んで頂いてもらっている皆様に感謝しています。

それでは次回までゆっくり待っていてください。
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