陳寿著「呉書・徐盛伝」外伝補記―徐盛さんが頑張るそうですよ?―   作:八意 暮葉

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部屋を出た後、孫策を見つけた俺は庭に連れて行き互いに己の得物を持って対峙していた。

孫策の手には孫家の家宝「南海覇王」が。俺の手には親父の槍「御霊殺し」が握られていた。



周瑜の説教。賀斉の仲裁。

お互いに動かないまま時間が過ぎていった。

 

孫策が来たときにはあれほど騒いでいた使用人たちも今では落ち着きを取り戻しいつもの仕事を行っていた。

 

この庭の前以外の場所を通ったとき限定だが。それほどここの空気は異質すぎた。

 

例えるなら……剣豪同士が刀を構え気で相手を崩そうとしているときに似ている。

 

最も俺達は剣豪ではないし、構えている得物も両刃剣と鉄槍だからそのような空気は出てくるわけではない。

 

しかし……孫策がここまで攻撃をしてこないことは不気味で仕方ない。

 

史実の孫策は気性が激しく裏切り者には容赦をしない織田信長の様な人物で恋姫世界の孫策も血の気が濃い武将だった気がする。

 

(・・・もしかして誘っているのか?)

 

俺はそんな疑念すら抱き始めた。それがイケなかったのだろう。

 

孫策はすぐさま地を蹴り俺に肉薄してきた。対処が贈れた俺は槍の柄を縦にし、防ぐことしかできなかった。

 

「良いわね、久々に熱くなれそうよ!」

 

「ソイツはどうも。俺は穏便に事を済ませたいから……さっさと突かれてくれないか?」

 

「そんなの……イヤに決まってるじゃない。」

 

緊張した空気が変わったことにより俺達は軽口すら交わせるようになった。

 

まぁ、内心冷や汗をかいてる俺に対して、孫策の奴は笑っていたけど。

 

俺は槍を構え直し、孫策の首を刈りにかかった。

 

孫策は槍の軌道を剣でずらし、そのまま接近してきた。

 

何とも恐ろしい化け物だ。

 

「楽しかったけど……ごめんなさい。そろそろ終わりにさせてもらうわ。」

 

俺の目の前まで来た化け物はそう告げて南海覇王を振り上げた。

 

俺は・・・それを待っていた。

 

「まだまだ甘いんだよ!」

 

御霊殺しの穂を地面に刺し棒高跳びの要領で跳びながら蹴りを見舞ってやった。

 

「ガッ……はっ……」

 

孫策は苦しそうに呻きながらも後ろに跳躍し受け身を取った。

 

「ふぅぅ……中々やるじゃない……」

 

「俺も伊達には鍛えてないってことさ。」

 

一気に形勢逆転。絶体絶命のピンチから相手に一矢報いダメージを与えてやった。

 

このまま、一気に終わらせようと御霊殺しの柄に力を込めて握り直したが……

 

「雪蓮、何をやっているんだ!!」

 

高く、よく通る声が聞こえてきたので1度槍を降ろした。

 

やって来たのは周瑜だった。

 

「全く・・・雪蓮が迷惑をかけてしまってスマナイ。」

 

「ちょっと、これは私が挑んで相手も承知した上での試合なのよ?」

 

あぁ……孫策と周瑜の夫婦漫才が始まってしまった。幼馴染みでもある二人だから為せることで収まるには時間が掛かるだろう。

 

「だから、雪蓮。何度言えば解るんだ!?」

 

「冥琳こそ……私の言い分をちゃんと聞いてよね?」

 

「ああ。今回は私の早とちりだった……。でも、何度迷惑を掛ければ気が済むのだ!?」

 

あぁ……周瑜の説教が始まった……。

 

その時、廊下から聞き覚えのある足音が聞こえてくる。音の方に目を向けると莱が来ていた。

 

「あの……スミマセン。」

 

莱が二人に声をかけた。しかし、周瑜の説教は続く。

 

「スミマセン、ケンカはその辺りにしてよろしければ一緒に朝食でもどうですか?」

 

莱の放った一言は衝撃すぎて俺は度肝を抜かれた。しかし、二人には効果覿面だった。

 

「あぁ……そう言えば朝、なにも食べていなかったな……。よろしければ相伴に預かりたい。」

 

「そうね……私もお腹が空いたからよければ食べさせてもらいたいわ。」

 

そう言って矛を納め、四人で仲良く朝食を食べることになったのだった。




UA2000突破しました。ありがとうございます!

こんな拙い作品を読んでいただきありがとうございます。

今回は孫策と徐盛の戦闘でした。描写は……拙いですね……

さて……次は閑話を入れさせていただきます。内容は投稿してからのお楽しみで。

それでは、読者の皆様に感謝して……次回もゆっくり待っていってね!
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