陳寿著「呉書・徐盛伝」外伝補記―徐盛さんが頑張るそうですよ?― 作:八意 暮葉
俺は内心不安だった。今回の作戦は陣内に敵の間者が紛れ込んでいると考えた上でのものだ
まず……文聘に私の考えた策を言わせる。まぁ……文聘も同じ作戦を考えていたみたいだから手間は省けたが。
その後に文台様に陣内に触れを出す。
そして、軍団を編成し終えた所で波才殿と変わってもらう。
相手は間者の報告で祖茂殿、波才殿が居ないと知って慢心するはずだ。
と俺は考えていた。
「祖茂殿。少しよろしいでしょうか?」
俺は馬上より祖茂殿に声を掛けた。
「どうした、徐盛?」
「長沙城攻めの事で献策したいことがありまして。」
「そうか・・・言ってみてくれ。」
「はい。まず・・・ここに居る700の兵を長沙の全門に配置してください。
そして・・・兵達に長沙城内に向けて『区星は討ち取られたぞ』と大声で言わせてください。
その時の相手の出方でこちらもどうするかを決めます。」
「お前は……どのような出方をするかとそれに対しての策を考えているのか?」
祖茂殿の質問に俺は腹中の策を話す。
「まず、相手が動揺しなかった場合。その時は……高梯子、破砕槌等を使い城門を破壊します。
相手が斥候を放った場合は斥候が出るときを突いて城内に雪崩れ込みます。
そして・・・最悪の場合の・・・敵が出撃した場合ですが・・・その時は攻められた所の兵に狼煙を上げてもらいます。」
「なら・・・私が最も少なく兵を率いれば良いな。」
「!? よく気付かれましたね。」
驚いた。俺の頼み辛かったことを察して引き受けてくれるとは
「お主はまだ若いから・・・思ってる事が顔に出ておるぞ?」
笑われたが・・・反論できない。
「それと・・・お主は将の事も懸念しているみたいだが安心するが良い。
紅蓮様(孫堅)のお陰で私も人を見る目が養われてな。
朱治、朱然。居るなら来い!」
俺は祖茂殿の呼んだ名前に聞き覚えがあった。思い出そうと頑張ったが……程なく一人の中年の男と若々しい女子が表れた。
「朱治及び朱然。御呼びにより馳せ参じました。」
「其方らを呼んだのは他でもない。
彼処に見える長沙城攻めでそれぞれ軍を任せたいからだ。
朱治は200の兵を率いて南門を、朱然は同じく200の兵を率いて東門を攻めよ。
私は100を率いて北門を攻める。」
「『御意。』」
朱治、朱然親子の声が揃った。これで・・・準備が整ったと思ったら
「祖茂殿、西門は何方が?」
朱然が核弾頭を落とした。
「ああ。それはここに居る徐盛が行う。」
嗚呼……見てくださいよ。朱然さんの顔がとても嫌そうなものになってますよ。
それから……朱然は祖茂殿に食いかかったが……大人しく引き下がった。
それが・・・一刻前の話。
今、俺達は長沙城で兵達に叫ばせていた。
「『「『「『「『区星は我等が大将孫堅様に討ち取られて晒し首にされてるぞ!!』」』」』」』」
兵達は楽しそうだ。騒ぎたてる度に城内の混乱が増しているから。
素人の俺から見ても……落城は時間の問題に見えた。実際、今も郊外で剣戟の交わりあう音が聞こえているが城内の兵達はそれを聞く余裕すら無いみたいだ。
「畜生、どうするんだよ!?大将が討ち取られたなんて……終わりじゃねえか!!」
「クソッ……!こうなったら意地でも逃げてやる……!」
何度叫んだだろうか……気付くとそのような話し声が聞こえ……北門が開かれた。
「へへっ……ここなら兵が少ねぇから脱出できるな。」
「はい、御苦労様。」
脱走しようとした兵の首は血飛沫を上げて空に舞った。
祖茂殿が切り捨てたのだ。
「さぁ、今こそ長沙を落とすときだ!!」
祖茂殿率いる兵は城内に雪崩れ込み、四方の門を開けた。
そうなると戦況は決まった。逃げ惑う者、諦めて城壁から身を投げる者と様々だった。
そして・・・門が開けられてまもなく長沙城は孫堅軍の手に落ちた。
こんばんは、無理矢理感が有りすぎる事で有名な紅夜猫です。
今回は朱治、朱然親子(養子ですが)の登場と残念すぎる長沙城攻めです。
徐盛の献策が長くて殆ど書けませんでした・・・ごめんなさい。
次回は・・・区星の乱、最終面です。(1話間違ってしまって予約投稿にしたので後書きがおかしいですが)
UAもまもなく10000件に入りそうで期待しています。
UAは読んでくれる皆様のお陰で伸びているのでいつも感謝しつつですが。
さて、長い後書きも嫌われるのでここら辺で締めさせていただきます。
それでは次回もゆっくり読んでいってね!