Fate/chaos 作:逸環
New home life start.
あの後一晩かけ、新居に荷物を運んだりと労働に勤しんだ。
陽動に放ったジルの海魔たちも良い仕事をしてくれ、適当に町をうろつかせて民間人を襲うフリをさせたら、セイバーやらランサーやらライダーやらが面白いように引っかかってくれた。
ちなみに、ジルが出した海魔共はバーサーカーが出したものと思われたらしい。
「おーし、じゃあ新居最初の朝飯だ」
「………引越しのお祝いということで、お蕎麦にしてみました」
「おお!私、日本食自体が初めてですよ」
「お蕎麦おいしいよねー」
「あのさぁ兄貴。俺だけ隔離されてるってのは、どういうことなの?」
A,子供が怯えるから。
そんな龍之介をダンボールの卓袱台の前に座らせ、他の俺たちはリビングのテーブルで食事だ。
あ、子供の名前訊いてねえ。
まあ、いいか。
「………食べ終わったら、ゴミ出ししてきますね」
「じゃあ、こっちは外敵対策をしておく」
「………お願いします」
まあ、この後の行動が決まったわけなんだが、
「あ、この、むう」
おもいっきり、箸に苦戦してる奴がいた。
ジルよ、箸を使うのが辛ければ、別にフォークでもいいんだぞ。
「ちゅるるっ。………美味しいですね」
それに対して、同じフランス人のジャンヌが、箸を使えること使えること。
「兄貴ー、俺もそっちに」
「ダメ」
「こんなの、COOLじゃないよぉ…」
知ったこっちゃない。
と、どうやら、ジルの海魔に紛れ込ませて放っておいた分体が、ランサーの根城を見つけたみたいだな。
今夜にでも、襲撃をかけるとしよう。
ククッ!
待っていろよ、色男さんよぉ。
~Sideジャンヌ~
朝ごはんが終わり、ゴミ出しに出ています。
しかし、ご飯の最中に六禄さんが見せた、あの真っ黒な笑顔は何だったのでしょうか?
なんとなく、あのワカメみたいな前髪の人が、命の危機に晒されている気はしますが。
あ、あそこがゴミ捨て場ですね。
どうやら、先に人が来ていたようです。
「………おはようございます。新しくこの近くに越してきた、水無月です」
挨拶は、ご近所付き合いの基本です。
「あ、これはどうも初めまして。私はこの近くの教会に間借りさせて頂いている、朝子といいます」
朝子さんですか。
髑髏の仮面で判り辛いですが、引き締まったプロポーションの、色黒の美人さんです。
仮面でも、そのくらいは分かります。
「………少ししたら、教会の方にご挨拶させていただきますね」
「分かりました。今日は私も暇ですし、お待ちしています」
お互いに会釈しながら、分かれる私たち。
で、家に着いてから、新しく会ったご近所さんのことを六禄さんに話したのですが、
「分体を通してみたが、朝子さんたぶんサーヴァントじゃねぇか?クラスは残ってたアサシンだろうし」
「………え?」
言われるまで、まったく分かりませんでした。
はい。
嫁がうっかりしました。