幻想郷の「ヤミ」を払う物語   作:フラスカ

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皆様、お待たせいたしました。
当一座の準備が完了いたしました。物語の続きを紡がせて頂きます。
これより注意事項について説明させて頂きます。
この物語はENDが26に分かれております。それにつきルートが確定した場合、即座にそのルートへ向かいますのでご了承ください。
ヤミの駆除に失敗した場合には……皆様ご承知の通りかと思いますので説明は控えさせて頂きます。
最後に私よりご忠告を……決してあの方を――失礼、そろそろ開幕の時間と相成りましたので説明はここまでとさせて頂きます。
第七話、開幕でございます。存分にお楽しみ下さい。


第七話「このポンコツアドバイザー!」

 さて、どうしたものか。

 

「どうしたもなにも答えは決まってるんでしょ?」

 

 まぁ、そうなのだが。

 

「だったらさっさと行動すれば?」

 

 言われずともそのつもりだ、それよりも──。

 

「おったんかいワレェ!」

「何さ急に大声出して!」

「居たんならさっきの場面で説明しろよ!」

 

 取り敢えずこの役に立たない案内人に説教をしよう。

 

「お前の役目は何だ!」

「へっ!? き、君を手助けする事。かな?」

 

 そこは自信を持って欲しかった。

 

「じゃあ俺が危ない時に手助けしましたか!」

「怖かったのでしてませんでした!」

「よぉーし正直でよろしい! 歯を食い縛れ!」

 

 正直なのは良い事だ。

 だがそれとこれとは別問題である。

 

「で? こんな所で長話してて良いの?」

「ぐぬ」

 

 仕事をしていないこいつに言われるのは釈然としない。が、確かにその通りなので引き下がる。

 

「で、結局どうするの?」

「また会いに行くしか無いだろうな」

 

 死にそうだから行きたくないけど。

 

「え……本当に行くの? おすすめはしないけど」

「話さないと何も進展しないだろ?」

「君が決めたなら止めないけどさー……」

「ま、駄目なら駄目でどうにかなるだろう。

 あまり得意じゃないが荒事でも多少は何とかなる」

「言っておくけど! ほんっとーに戦うのだけは最終手段にしてね! 彼女達は人外なんだから!」

「とはいえ人間の形をしてるんだ。大体の動きは予想できるし心配するな」

 

 

 

「よっ、来たぜ」

「何か用? 私は用が無いから帰って欲しいのだけれど」

 

 毎度毎度の塩対応に拍車が掛かってやがる。

 とはいえ少しはこちらに非があるので話を続ける事にする。

 

「私、二度と来るなって言わなかったかしら」

「そう言われて来ない奴が居るかよ」

「さっき言った命令も聞けないの? これだから肥料は」

 

 一瞬飛び掛かりそうになったが横から「落ち着いて! 気持ちはあんまり分かんないけど落ち着いて!」という必死の説得が聞こえたので何とか抑えた。

 

「それに次来たら殺すって言ったわよね?」

「確かに言ったな。だがそう簡単にはいかないと思うぞ?」

「質問を質問で返してはいけないって教わらなかったのかしら?」

「そもそも会話が成立しない馬鹿に言われてもなぁ……」

「ちょ、ちょっと二人とも落ち着いて」

「充分落ち着いてるから大丈夫だ。心配するな」

「誰も居ないのに独り言を話して……可哀想に」

「お前にはこいつが見えないのか?」

「ええ、私には独り言を呟いている可哀想な人しか見えないわ」

「もしかして見えない理由って老眼じゃないのか?」

 

 この時、俺は忘れていた。女性に年齢の話題は命に関わる禁句だという事を。

 

「殺すわ」

 

 

 

 

 頬に何か熱いものが掠った。

 次の瞬間花畑が一転して焦土と化した。

 

「何やってるのさ! 戦っちゃダメって言ったでしょ!? 次来るよ、早く! 避けて!」

「ここに来たという事は死にたいのね? 死にたいんでしょう? 死にたいのよね? 分かったわ殺してあげる!」

「おいなんだアレ! 闇とかいう暗い物じゃ無くなってるだろうが! むしろ一周して明るくなってるようにも見えるんだが!?」

「だから最初からヤミだって言ってるじゃん!」

 

 おかしい。確実に話が噛み合ってるようで噛み合って無い。

 ……聞いてみるか。

 

「こんな状況で聞くのもなんだがな、闇ってダークとか厨二病とか邪王心眼とかの認識で良いんだよな! 熱っつい服が焦げたぞ!?」

「全然違いますけど、ヤミはシックとかデレとかnice boatとかそっち系ですけど! だから右って言ってるでしょ!? こっちから見て!」

「じゃあ何か、実は俺には隠された能力ガーとか呪文とか唱えて闇とバトルとかそういう展開は一切無しと! どうりでさっきから避ける方避ける方に攻撃が来ると思ったわ!」

「そういう展開は無い! ヤミの対象とお話しして除去する系のまったりとした誰にでも出来るお仕事です! 常識で考えればどっちの視点か分かるでしょ!? 君の頭には何が詰まってんのさ!」

「こんな状況で会話なんぞ出来ると思ってんのかこのポンコツアドバイザー! 取り敢えずどうすれば良いか早く言え!」

「ポ、ポンッ……! もう良いよ! 君がそんな態度取るんならこっちは教えてあげないから!」

 

 この野郎……こっちはツインテ巨乳でどストライクな死神さんが手招きしてるっていうのに! 

 

「うーん、どうしよっかなー。ポンコツって言われて傷ついちゃったしなー。お詫びの品と謝罪の言葉と……愛の告白してくれたら教えてあげよっかなー」

「これが解決したら」カリカリカリ「甘味処でも」ピチューン「なのでどうか許して下さい。超天才的で可愛いアドバイザー様!」

「ふ、ふーん……。まぁ、僕もそこまで鬼じゃないし? 君の愛の告白も本当にするとは思わなかったし、許してあげても良いよ?」

 

 うっわこいつ凄くチョロい。

 

「じゃあ世界一可愛いアドバイザーさんが教えてあげましょう! ヤミの除去法とは! ヤミの正体を暴く事だよっ!」

 

 世界一可愛いとまでは言ってないのだが訂正するのも面倒なので放っておこう。

 

「で、暴き方は?」

 

 いつの間にやら眼鏡とタイトスーツを身につけ、黒板に文字を書き出す。……女教師風? 

 

「まずヤミには色々種類があって独占恋愛型とか、強襲同居型とか」

 

「長い! 1行で! さっきお前に謝ったあたりから攻撃の手が激しくなってるんだよこっちは!」

「もー、せっかちなんだからー。えーっと、「犯人はお前だ!」って言えば分かる?」

 

 凄く分かりやすい。

 

「ああ、分かった。それであいつのタイプは?」

「全く分かりません! でも言動とかに表れやすいらしいよ!」

 

 やっぱりこの子ポンコツでした。チェンジしたいです。

 

「さぁっ! 格好良く正体を暴いてしまいなさい!」

「暴くのは俺なんだがな! 風見幽香! お前に取り憑いたヤミの正体は───」

 

 

 




さて皆様、前置きが長くなってしまいましたがいよいよお楽しみのヤミの正体を暴く時間でございます。
ヤミの正体の暴き方についてはご説明の通り。
決定は投票とさせて頂きます。
投票所はいつもの場所でお願い致します。
尚、今回につきましては初回サービスという事でこちらの方で予め答えを絞らせて頂きます。
では皆様、引き続き劇をお楽しみ下さい

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