東方異形録   作:無意識

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二日目:朝

 その日、私は夢を見た。暗くて何も見えなかったが、私の前の記憶であるような気がした。とても痛く、つらい夢だったような気がする。なんせ夢だからあんまり覚えていないのだ。まぁ悪い夢であることには変わりはなく、目覚めは最悪のものだった。

 

「おはよう。早かったな。」

 魔理沙さんが話しかけてくる。そんなに早いかと思って時計を見ると、まだ早朝5時をまわってもいなかった。

「おはようございます、魔理沙さん。」

「あぁ、そういやなんだが。お前、記憶を失ってから自分の顔をまだ一度も見ていないんじゃないか?見たら何か思い出すかもしれないぞ?」

 そういわれてはっと気づく。鏡の位置を教えてもらうと、私は早速確認した。が。そんなもので思い出せるはずなかった。全然誰なのかわからない。身体的感覚から女子であることはわかってたが、それ以外に新たに分かったのは髪の色が黒いこと、眼が金色で、服装がやたらと奇抜なことくらいだった。何とも言いようのない服装である。半袖にスカート。柄が付いているが何の模様なのかはわからない。

「なにかわかったことはあるか?」

「いえ、全然。」

「そうか……。今日は博麗神社へ行くぞ。用意が終わったらすぐに出る。用意しておいてくれ。」

「はい。」

 そういえばそういう話になっていた。今日は博麗神社へ行くという予定があったのだ。

「博麗神社で何をするんですか?」

「宴の準備だ。今日は結構多くの……まぁいつもうるさいが、その手伝いをしにな。それと、」

 魔理沙さんは私の方へ指をさし、

「お前のことを知っているかもしれない。」

 といった。それから、私たちはテキパキと用意を済ませ、博麗神社まで向かった……箒で。

 

「死ぬかと思った……」

「なんだ、死ぬとは物騒じゃないか。私にかかればこれくらい普通だぜ。」

 人生初めての魔法の箒は、最悪の乗り心地といってよかった。速すぎるわ、痛いわで話にならない。

「あら、魔理沙……と、誰?」

「私も知らん。彼女は記憶喪失なんだ。」

「へぇー、そう。あんた妖怪……じゃなさそうね。じゃあいいわ。」

 彼女は私の方へ向き直り、

「私は博麗霊夢。ここ、博麗神社の巫女よ。よろしくね。」と告げた。成程。彼女が霊夢さんか。

「はい、よろしくお願いします。」

「うん、で、魔理沙がここへ連れてきたのは大体理由はわかるわ。けど、少女が失踪したという話は聞いていないわよ?どうしたの?この子。」

「再思の道に寝ていたといっているんだ。彼女。もしかしたら、向こうの世界から来たのかもしれない。」

 霊夢はすこし驚いた様子で、

「生きているのが不思議だわ。あそこは妖怪に襲われても不思議じゃない。」

「なんか能力があるとも思えないしなぁ。」

 なんだ。能力て。私を会話に混ぜてほしいが我慢しよう。

「のう、巫女よ!なんか面白い話をしていると思って聞いていたのじゃが。儂も会話にいれてはもらえんかの?」

 振り向くと、狸のしっぽの生えた女性が立っていた。

「あら、マミゾウじゃない。どうしたの?」

「結界の先にある所に今いたのじゃが、人がいなくなったという話は聞いていないのじゃ。おそらく彼女は、こっちの世界の住民かと思われるぞい。」

「「えっ??」」

 霊夢さんと魔理沙さんが同時に言葉を詰まらせる。その意味を、今の私は理解できずにいた。

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