続・みんなと艦娘日和   作:SAMICO

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無人の御蔵島、二人は調査を開始する。
そこに現れたのは……。
そして、再び深海棲艦が現れだした……。
『艦娘』が誰もいない中、結有の名刀『時雨』が火を噴く

すべての時雨は結有になった




今回は短めです。


希望もない世界と希望の世界

智紀は、軍事コンピュータで今までの事柄を把握しようとした。

結有は、島内の調査を始めていた。

大垣湊のIDを使い、アクセスする智紀。

 

「最初から食い違ってるな……」

硫黄島の事件は、あ(・)ち(・)ら(・)の(・)世(・)界(・)通(・)り(・)で(・)は(・)あ(・)っ(・)た(・)。高菜家はバッシングを受けていた。

しかし、高菜結衣。彼女は違(・)っ(・)て(・)い(・)た(・)。

全てに絶望した高菜春江は、幼い娘と共に、車で海に飛び込んだ。

奇跡的に助かった結衣は、その後孤児院に行き、そこで足取りが途絶えている。

 

「そこに、軍神として三笠が降臨したのか………」

智紀はこ(・)の(・)歴(・)史(・)を見て、大きな分(・)岐(・)点(・)を見つけた。

「高梨提督は、既(・)婚(・)者(・)だったのか……」

 

当初、三笠と共に戦い、彼女(三笠)と高梨三佐の間に双子を授かったのはあちらの世界通りだが、彼(高梨三佐)は既婚者だったのだ。

その事実を隠蔽する為に、軍は子供がいなかった日野家に、養子に出したのだ。

その後、高梨三佐は三笠の担当を外され、片桐二佐が担当したのだった。

それから数年後、第二世代艦娘計画が発動された。

そう『ここで』

この御(・)蔵(・)島(・)地(・)下(・)工(・)廠(・)で……

 

「そういうことか……結局、この世界は俺達の世界と『ミラー(鏡合わせ)の世界』なのか……不完全な」

「クックック、そのとおりだ。優秀な少年よ」

 

振り向いた彼が見たものは、安(・)藤(・)龍(・)だった。

身体はボロボロで、ゾンビのような白い肌、深(・)海(・)棲(・)艦(・)特(・)有(・)の(・)赤い目と爪……

知(・)っ(・)て(・)る(・)彼(・)と違うのは、ニタニタと品のない笑みを浮かべていることだった。

「あんた……」

「死ねぇ!!」

襲いかかった安(・)藤(・)を右手で払い除け、左手でボディブローを叩き込む。

「ぐはっ……!!なぜだ!?」

ダメージを受けたことに、驚愕していた安(・)藤(・)に、智紀は不快感全開な顔をする。

「直(・)接(・)攻(・)撃(・)は(・)人(・)間(・)で(・)も(・)や(・)れ(・)る(・)ンんだよ。アンタには関係無いが、『一番尊敬している人』の顔でそ(・)ん(・)な(・)顔(・)されたら、腹が立つんだよ!』

腰に帯びていた、拳銃のマガジンを換える。

艦内戦を想定して、少数のみが作られた、明石脅威の技術力で開発した『対(・)深(・)海(・)棲(・)艦(・)九ミリ拳銃弾』である。

霊子の強い人間しか使用できないが、智紀は純(・)粋(・)な(・)人(・)間(・)では、一番霊子が強い。

タァン!タァン!タァン!

「なぜだあああああああ!?!?」

銃弾が数発頭を貫くと、安(・)藤(・)は身体をひくつかせて叫びながら、地面に倒れ伏した。

「くっそ、クソがぁ!」

尊(・)敬(・)す(・)る(・)平(・)行(・)世(・)界(・)の(・)同(・)一(・)人(・)物(・)を殺したことに対して、テーブルに拳を叩きつけると、再びコンピュータを操作し始める。

「湊さんは、実験で記憶をなくした為、高梨家に養子に出され、未来さんは日野のままで軍に残った。ここはおおよそ一緒か……」

 

智紀は、散策前に結有が淹れたコーヒーを飲んでいた。コーヒーはいつもより苦く感じられた。

智紀は、それ以降の出来事をざっと頭に入れていった。

湊の第13泊地の奪還、そして同泊地の悲劇と陥落、

台場での独立連合艦隊結成、ハワイでの撤退戦。

そして、最大の内戦と言われた艦娘大戦……

更に、その後の艦娘の疎外と絶滅。ある日、深海棲艦が消(・)滅(・)したこと。

「……鍵はハワイにあるのか……?俺達がやって来たのは、鏡(・)合(・)わ(・)せ(・)の(・)双(・)子(・)を元に戻すためか……?」

智紀は大きく溜め息を吐き、海を見ると動きが止まった。

沖合に、大量の深海棲艦が確認されたのだ。

同時に、通信機が鳴り出す。

『こちら横須賀基地、深海棲艦が確認された。高梨二尉はいないのか?』

「高梨二尉とやらは知らねえが、ここは無人だぜ?」

智紀のその言葉に、相手が悲観的に叫ぶ。

『なんてことだ、もうおしまいだ!!』

「なあ、アンタ。階級は?」

『二佐だが、そんなことは関係ないだろ!?』

その言葉に、智紀はブチ切れた。

「将校が取り乱すな!深海棲艦に対しては、『白兵戦による陸上戦』が有効だ。さっき陸でぶっ殺した。今まで艦娘におんぶにだっこだったくせに、いざ不祥事を起こしたら切り捨てる。お(・)前(・)等(・)が(・)『艦(・)娘(・)に(・)背(・)を(・)向(・)け(・)た(・)』結(・)果(・)なんだよ! 死にたくなければ『自分の手で抵抗』しやがれ!じゃなかったら遺書でも書いて死ね!」

『なっ!?』

その後の言葉を聞く前に、通信を切った。

「室戸の戦い再び……か、やってやろうじゃねえか」

そう不敵な笑みを浮かべると、安(・)藤(・)の死体を引きずって、司令室を飛び出していった。

 

日本本土(本州)では、海岸線に陸戦隊や志願兵が配置され始めた。

この(智紀と通信した)二佐がどうせ終わりなら、と「深海棲艦には殴り合い(白兵戦)が有効」と、全国に知らせたのだ。

全国の腕自慢が、海岸線へと集結した。民間の格闘家等もだ。その中には梶(・)本(・)選(・)手(・)等、プロレスラー達等も居る。

そこに草(・)加(・)拓(・)哉(・)が混ざっていたが、その傍らに吹(・)雪(・)はいなかった。

「とうとう、壁(・)を(・)こ(・)じ(・)開(・)け(・)た(・)か……吹雪、ありがとうよ……」

そんな笑みと共に………決死の総力戦まで、あと数時間。

 

 

周辺を探索していた結有も、深海棲艦の襲来に気づいていた。

既に北から上陸していた敵(深海棲艦)に対し、腰に帯びていた対深海棲艦用日本刀『時雨』を抜き放つ。

その瞬間、その時雨(日本刀)に何(・)か(・)が入り込んできたのだ。

「えっ……?」

そして聞こえる、時(・)雨(・)の声。

――薙ぎ払え!も(・)う(・)一(・)人(・)の僕!

「でぇやぁっ!!!」

謎の声に従い、結有は薙ぎ払うように刀を振るった。

切っ先に集まった霊子は、軌跡を描き、その軌跡が深海棲艦を襲い、真っ二つに切り裂いていった。

「凄い………」

にやりと笑みを浮かべた結有は、青い瞳になった。

「いくぞ!深海棲艦共め!!!今の僕は、た(・)だ(・)の(・)各務原結有じゃないぞ!そう……」

――”時(・)雨(・)の(・)娘(・)”結有だ!!!

最後の言葉を飲み込んで、深海棲艦の群れへ飛び込んでいった……

 

 

 

 

――……吹雪、ありがとうよ……

その頃、私室にいたこちらの世界の吹(・)雪(・)中尉は、その声が聞こえたと同時に、全(・)て(・)を(・)思(・)い(・)出(・)し(・)た(・)。

「拓哉、ありがとう……そしてさよなら……」

少しだけ泣いてから、それでもこ(・)ち(・)ら(・)で(・)出(・)来(・)た(・)大(・)事(・)な(・)人(・)達(・)の(・)為(・)に涙を拭って、

すぐさまブリッジに向かった。

「司令官、皆を呼んでください」

 

吹雪は、恵海の説明しきれていなかった部分や知らない部分を説明すると、恵海がふっと笑みを浮かべた。

「あなたは、草(・)加(・)さ(・)ん(・)の(・)と(・)こ(・)ろ(・)の(・)吹(・)雪(・)さ(・)ん(・)、だったんですね?」

「はい。あ(・)ち(・)ら(・)の(・)拓(・)哉(・)は、ただ独りだけ真理を摑んでいたんです。『鏡合わせの世界がある』と……結婚リングを砕くほどの『希望の世界』への願いが、私をここに転生させたんです。ですが今は、結(・)有(・)の(・)正(・)妻(・)の(・)吹(・)雪(・)です」

最後にそう冗談めかしていうと、杏奈が言葉をかける。

「この世界は、順番が逆だったんだ。艦娘を受け入れてから解明しようとした」

そして、千里が横で首を振る。

「というより、『そうであることをそうであるように受(・)け(・)入(・)れ(・)ら(・)れ(・)な(・)か(・)っ(・)た(・)』ということかな?」

瑞希が真剣に考えて、一つの結論を口にした。

「結局、戦(・)艦(・)三(・)笠(・)が(・)絶(・)望(・)し(・)な(・)か(・)っ(・)た(・)世(・)界(・)がこの世界なんだろう。こっちでも起こり得る可(・)能(・)性(・)はあった」

その言葉に、日向が頷く。

「まあそうなるな、ということを、皆(・)が(・)受(・)け(・)入(・)れ(・)た(・)結(・)果(・)がこの世界だ。一人の力で、世界は左右されない」

「そうですね」

その言葉に、明石も同意する。

「ねえねえ、吹雪。あっちの世界に島風はいなかったの?」

「うーん…艦娘大戦で呉側で戦死、としかわからないです」

その言葉に「Oh!WTF!(なんてこった!)」と叫ぶ島風。米国生活が長い為、たまに英語が混じるのである。

ほっぽちゃんは黙って聞いているし、榛名は少し悲しそうな顔をする。

「鍵はハワイにありそうだな。我々はハワイを目指すぞ」

陽子が、二人の情報を考えて、ハワイ行きを決断した。

 

両方の世界で、Sハウンドはハワイへ向かうことを決めた。

だが、どちらの世界も、日本に深海棲艦が侵攻中であり、そちらを処理してからになるが………

 

 

そんな中、DSキラーが現れた。

その瞳は、悲しみと怒りに彩られていた。

DSキラーは小さく呟いた。だがその声は、全員の脳裏に響いた。

「私は特異点を狙い撃つ存在…S(特異点)ハンター」

その姿を遠くから見て、その言葉を聞き取った吹雪は、小さく呟いた。

「やはり、S(シンギュラリティ)ハンターは『大垣湊』の対になる存在ということか……なら……ここに来たのは……私……」

「おそらくは、彼女(大垣湊)の無念もSハンターに籠っていると考えられるぞ。魂を解放してやらねばなるまい。全艦戦闘開始だ!」

陽子の号令に、隣の艦長代理の杏奈が、ミナに命令を下す。

『Sハンター、吹雪の情報でパターン解析完了。”第二世代”攻撃型原子力潜水艦みなと型一番艦『みなと』、いずも改二防空モードに移行』

艦娘達は出撃口に急ぎ、士官達はここに残る。

ミナのホログラフが、艦長代理の杏奈の横に現れる。

「では、ミナ。対水上・対空戦闘用意」

『了解』

 

Sハンターとの総力戦が、今始まった。




結有「今の僕はただの結有じゃない、そう超(スーパー)結有だ!」
智紀「ベジータみたいなこと言ってんじゃねえ」

次回は外伝ものの予定
投稿予定は全開お知らせどおり再来週です

追記 抜けてた部分を追記・修正しました。
いきなり名前変わったらわからんわな
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