明石が死にます(艦娘としては)
一方、アイアンボトムサウンドでは、激戦が繰り広げられていた。
その少し前。
Sハンターと、恵海達Sハウンドが対峙していた……
「お前は、
出撃した日向が声をかけると、コクリと頷いた。
「何が目的ですか?」
恵海が声をかけると、Sハンターは何も言わずに、サブ・ハープーンを吹雪に向けて発射した。
多数のミサイルが、艦娘達の間を縫って、吹雪に襲いかかっていく。
「っ!!シースパロー……」
『こちらでやります!多連装ガトリングガン発射!!』
榛名が、シースパローを発射しようとするのを、ミナが声で制すると、
ガガガガガガガガガガガガ!!!
高速で、吹雪の頭上にホップアップしたサブハープーンの群れを、30㎜HE弾で次々と信管を破壊していく。
破壊されたミサイルは誘爆し、次々と空中で爆発する。
「ッチ………次は……」
水中に潜ろうとした時だった。
ズガァン!!
Sハンターが、どこからともなく発射された砲撃を食らった。
「あうぅぅっ!?」
そう。大量の人工深海棲艦が現れたのだ。
その指揮を執っているのは、自在級と呼ばれる、恵海のように艦種を変更できる深海棲艦だ。
姿形を三笠に似せられた、自在型深海棲艦に率いられた人工深海棲艦群は、真っ先にSハンターを狙ったのだ。
「第二射斉射!」
「…………そう、もっと恨みを増幅させたいのね?
自在級の号令に、Sハンターが悲しげに呟くも、真っ先に反応したのは日向だった。
「っ!!!!」
オーバーロードで、Sハンター―の小柄な身体の前に立ち塞がると、全ての砲撃を受けた。
「日向さん!」
自分も、応急処置の要員として海に出ていた、明石の悲痛な叫びが響き渡る。
「わたしは大丈夫だ。このくらいの砲撃……」
「なら、死ね」
自在型の冷たい声と共に、漆黒の砲弾が発射された。
その砲弾をよく知っているアイオワが、顔面蒼白になる。
降霊弾……
アイオワが絶叫する。
「ヒューガ、次のは受けたらNOよ!!降霊弾!!!」
自身もそれを持っていて、ぶつければ対消滅で無効化できるが、今からでは間に合わない。
「マズいよ!恵海っち!艦爆で!」
「間に合いません!」
「ゴメン!こっちも今からじゃ間に合わない!」
航空機隊の出撃を叫ぶ北上に、恵海とほっぽちゃんが応える。
「私が蹴りをぶち込んで……」
「島風が回収するよ!」
『巻き込まれるからだめ!』
瑞希と島風の提案を、艦長代理の杏奈が却下する。
「シースパロー発射! 間に合って!!!」
防空戦艦である榛名が、シースパローを発射するも間に合わず………
「日向さぁぁぁぁぁんん!!!」
オーバーロードと自身の魔改造で、超高速化した明石が、その間に割り込んだ。
チュガッ……
眩い閃光と共に、手先からまず肉が消滅していき……
「日向さん、ごめんなさい……」
その声が終わる前に一気に白骨化し、その骨も消滅していった……
「………うおああああああ!!!!!!!!」
今まで、
「お前等ぁ!ぶっ殺してやる!!」
そのまま敵に突っ込んで、砲雷撃戦を始めた。
「皆、日向を援護!急いで!」
吹雪の命令で、陣形を組んでの砲雷撃戦が始まった。
もちろん、いずも改二のミナも砲撃を開始する。
『皆さん、熱くなり過ぎずに、
ミナの合図で、戦闘が開始された。
敵陣に突っ込んだ日向は傷ついて、もう大破を飛び越えていた。
「ここまでか………明石、もうすぐそっちに……」
死を確信した日向が、ふっと目を閉じると、
――諦めないでください!
そう声が聞こえた。右肩に
それは、
『応急処置開始!』
そう、明石妖精さんが叫ぶと、どこからともなく妖精さん達が現れ、日向の艤装を修理していく。
もちろん、
『あちち!』
と、火傷する妖精さんや、
『うわー!もうだめだー!』
と、ふっ飛ばされている妖精さんも居るが、すぐに海から日向によじ登って、作業を再開する。
もちろんそれは、他の艦娘達には見えていないので、自己修復しているように見える。
Sハンターも、艦娘達に守られながら、砲雷撃戦に参加している。
顔だけを海面に出して、サブハープーンを次々と、人工深海棲艦に向かって放っていく。
その様子を見て、Sハンターは憎しみの化身だけではない、ということに、艦娘達は気づいた。
「ゼカマシ!ヒューガを引っ張って!今度は、こっちからお返しするわ!」
「はいはーい!」
島風が、その俊足で前に出過ぎている日向を、ハイパーダッシュで引っ張り下げると、
アイオワが、今度はお返し、と降霊弾をぶっ放し、人工深海棲艦を消し飛ばす。
旗色が悪くなると、自在型はもう一度降霊弾を発射する。
「げっ!あれを二発撃てるの!? 反則よ!」
『こちらに、切り札があります。80㎝降霊弾発射!』
艦首から、80㎝砲がニョキッと飛び出して、発射する。
「ふう、戦闘終りょ……」
もう敵がいないことを確認した吹雪が汗を拭うと、明石妖精さんと小さな仲間達のお陰で、小破まで回復した日向の顔が冴えない。
「……」
その様子に明石を喪ったことだ、と思った全員は、声を掛けられない。
――私のお墓の前で、泣かないでください。そこに、私はいません。
明石の声が全員に聞こえると、全員は涙して……
「
ちょこんと、
もちろん、愉快な妖精さん達も
「明石、応急修理
そう、魔改造伝説は終わらない。
涙した者の中には、涙を返せ、と一瞬だけ思った娘も、いたとかいないとか。
いずも艦内に戻ると、明石妖精さん率いる妖精軍団が、入渠出来ない艦娘達の艤装を直していく。
その様子を、少し笑みを浮かべて眺めている日向に、吹雪がやって来て問うた。
「悲しくは無いんですか?」
「ん、少しな。でも、
ひょいっと明石妖精さんをつまみ上げると、明石妖精さんが「ふぇっ!?」と声を上げる。
「名実共に、
肩に乗せると、明石の顔は真っ赤になった。
「明石は、
「……はいっ!」
嬉しそうに笑顔を浮かべる明石妖精さんに、吹雪も笑顔を浮かべた。
Sハンターは、大人しく武装解除に応じていた。
目的等は一切話さなかったが、
急遽、輸送ヘリでやって来た高梨湊は、ヘリから降りると甲板にいたSハンターを見つめ、そして笑顔を浮かべた。
「おかえりなさい、
「………ただいま」
とてとてと駆け寄って抱きしめると、二人の体が輝いて……
湊は、肌の色は変わらないが、黒い髪へと戻っていった。
「
深々と頭を下げると、真面目な顔になった。
「ですが、彼女の記憶から、事態は深刻だと判断します。
―――クロスロード
「ビキニ環礁ですね?」
艦長代理の杏奈の言葉に、湊は頷き、陽子が命令を下す。
「よし。ではSハウンドは最終目的地、ビキニ環礁へ向かうぞ!」
『はいっ!』
全員とミナの声に、湊は笑みを浮かべて、ヘリコプターへと乗り込んだ。
その頃、ビキニ環礁では深海棲艦が一体佇んでいた。
戦艦三笠に似た姿の戦艦。その目は冷たく……周囲には、大量の人工深海棲艦の残骸が浮かんでいた。
そう。深海棲艦も、
戦艦鬼神―DSゴッド―は、Sハウンドが来るのをじっと待っている。
最終決戦は、これから始まるのだ。
そして御蔵島でも、薄雲こと新井田智紀との決戦、御蔵島沖海戦が始まろうとしていた。
そして妖精さん化した明石は魔改造の女神となった。
明石妖精さんと愉快な修理妖精さんたちに囲まれてる日向さん。
ある意味百合ハーレム。
tips《応急処置魔改造女神(明石妖精さん)》
絶対に沈まない。時間ごとに勝手に修理・改良されていく。
つまりはトロから見れば自己修復、自己進化。
これで自己増殖があったらデビルガンダムや