続・みんなと艦娘日和   作:SAMICO

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新井田博士さらば

消えた辺はここまで本筋と共通シナリオですが
次回からはまた別シナリオになります。


消えたMeTuber(2)~野望の終焉と世界の融合~

「何か、一雨来そうね……」

中部警備府総旗艦の加賀が、ポツリと漏らす。

その直後だった。副旗艦の瑞鶴が、警告の声を上げる。

「敵接近!数はざっと……1000以上いるわ!」

 

今回出撃しているのは、

加賀改二甲に瑞鶴改二甲、いずれもジェット機&ヘリ(Fー35C&SH-60K)搭載型空母である。

それに、横須賀から派遣された大和改二超(超大和型戦艦)

更に、佐世保からやって来た龍驤改二砲(パリ砲搭載型軽空母)

そして、睦月改二光(LaWS搭載型駆逐艦)に、フルアーマー電改二(武装過積載型駆逐艦)といった、

夕張の、()()()()()()()()()最強艦隊である。

龍驤に至っては、パリ砲の()()()()を調整可能にするという、()()を成し遂げている。

つまり、高角度で発射する、迫撃砲のような攻撃も可能となるのだ。

迫撃砲とは違い、()()()から落下してくる高度というのもあり、直撃命中率はほぼ無いが、

クラスター弾を使用しており、恐ろしい兵器となっている。

そして、恵奈の護衛に暁である。

 

そんな艦隊に、薄雲こと新井田博士は、戦争を仕掛けようというのだ。

恵奈の御蔵島上陸を、阻止せねばならない。

平行世界の同一人物である、(高天原智紀)の言葉が聞こえていたのだ。

チェックメイトだ、と……

 

新井田博士は、知っていた。

今ここで、()()()()()()()()()、取り返しのつかなくなることを。

消えたMeTuber事件を利用して、恵奈を誘き寄せたのも、全ては恵奈を殺す為だった。

こちらのビキニ環礁のDSゴッド……戦艦鬼神が、()()()()()なら、

あちらのビキニ環礁に居るであろうDSクイーン……戦艦女王が、()()()()()()だと。

そして、結有と恵奈はその二人に並ぶ()()()()だ、と。

二つの大特異点が、それぞれの世界で交わった瞬間、この()()()()()()()()()は、元に戻るだろう。

全ての存在は、()になっている。

それが、()()()()ということは、おそらく同位体に融合(統合)される、ということだろう。

こちらの世界が()なら、あちらの世界は()

影である新井田博士が生き残る道は、この世界修復を失敗させることだけだった。

新井田博士は、自身の持てる全てを尽くして、人工深海棲艦を呼び寄せた。

霊子を、殆ど使い尽くした新井田博士……

それでも、あちらの世界を光にするべく、こちらの世界に悲劇を与える為に、足掻いていた。

「この世界が!光に満ち溢れた世界であってたまるかぁぁぁぁ!!!!」

声が嗄れきった中叫ぶと、人工深海棲艦に命令を下す。

「ゆけ!我が下僕(しもべ)共よ!大村恵奈を血祭りにあげよ!大特異点を消し去ってしまえ!!」

『はっ!』

呼び出された、戦艦型人工深海棲艦が指揮を執り、御蔵島に向かうのを見送ると、ふと感じた気配に、背後に振り向いた。

そこには、()()()()()()()()()()()()()()が立っていた。

そう、高梨湊……攻撃型原子力潜水艦みなとの姿だった。

「もう、遅かったです」

「何だと!?」

 

 

恵奈は、敵の接近前に、暁と共に離脱して行き、

御蔵島の崖に、タッチダウンしてよじ登っていた。

そして、恵奈が崖の上に登りきった時、()()()()()()()()()()()

「こ……これは……?」

何が起きているのかわからない恵奈に、結衣が通信で応える。

『今こそ、割れた鏡合わせの世界が一つに戻る時。念じて。()()()()()()()()()()()()()()()

「………」

恵奈が、ぎゅっと目を閉じて、結有の心を感じ取ろうと、胸に手を置いた。

 

 

あちらの世界でも、周囲が揺らめき出している。

「始まったようだな、世界修復。新井田、俺の勝ちだな」

「そうだね。恵奈のことを念じればいいの?」

結有も、恵奈の心を感じ取ろうと、拳をぎゅっと胸に当てる。

 

「ちくしょう!!!ちくしょうう!!!!!!ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

周囲が揺らめく中、新井田博士は湊に断末魔の声を上げ……一つの存在へと還っていった。

その様子を、湊は悲しそうに見つめていた。

()()()()にとって、悲しみを産んだ存在で有りながら、

その絶望の叫びは、哀れむには十分な姿だった。

もしかしたら、彼は彼なりに、あちらの世界の悲劇から、逃れたかったのかもしれない……と。

今となってはわからない。唯独りを除いて……

 

 

あちらの世界で、智紀が新井田博士の記憶を手に入れていた。

「そういうことか。これは、墓場まで持っていくぜ。()()()()()()()

目の前には、結有と恵奈と暁が居る。

「あ、恵奈ちゃん」

「結有さん。ということは……?」

二人が智紀に顔を向けると、智紀はVサインを二人に向けて、ニカッと笑った。

「世界修復の成功だ。二つの世界が一つになった、これが証拠だ」

そう言うと、第13泊地庁舎を見上げた……それから視線を地面に戻すと、

そこには、消えたMeTuberの所持品が転がっていた。

「……消えたMeTuberは、あっちの世界にいたのかもね?」

「……そうなると、この企画はやっぱり継続ね」

その暁と恵奈の言葉に、智紀も笑い出す。

「いやあ、その時は俺達お役御免かもしれねから、手伝うわ」

「そうだね」

その笑いに、結有も釣られて笑った。

 

 

二つの世界が、融合を果たしたのだ。世界中が大パニックになる()だったが、

そうはならなかった。

世界中が、「そうであることを、そうであるように受け入れる」()()()()()()()()()()()()

()()()()()()()()()()()()……

平行世界の同一人物は、融合して()()になった。

片方がそれぞれ故人となっている存在は、生き残ってる方が補った。

つまり、梶本真太等は『生きていた』ということに修正された。

あちらの故人……裕二や恵一郎は元々生きている為、特に影響はなかった。

両方生きていた大垣も、光の世界の大垣に融合された。

同じく草加拓哉も、光の世界のベースに、()()()()()影の世界の影響を受けた。

こちらの世界の()()()は強かった。光の世界と影の世界……どこで間違ったかは、今となっては判らないが、

一人だけの間違い、ではなかったのだろう。

あちらの世界は、()()()間違えていた。この修復を経て、()()()はそれに気づき、(高梨湊)は大きな溜め息を吐いた。

 

 

中部警備府の精鋭艦隊が戦っていた、人工深海棲艦も消滅していった……

そして、彼等全員が一息吐いた時、ぞわりと背筋の凍る声が()()()()()()()()()

 

―人間共よ。お前達は火を騙り(核兵器)風を穢し(温暖化物質)地を屠り(地下資源の枯渇)水を腐した(水質汚染)。やがて神の畏れを忘れた(艦娘工学に手を出した)。それでも往くのなら、それを見せよ仔等よ。そうでないなら、滅びよ。

 

その日、全世界に深海棲艦が再現出した。

 

「司令官!このままだと、当艦は孤立します!」

その杏奈の声に、陽子が即座に決断を下す。

「目的は変わらない。我々はビキニ環礁へ向かう」

『そのとおりだぜ。俺達も向かう』

智紀からの通信に、陽子に笑みが戻る。

「生きていたか、艦長。早く還ってこい、皆待ってるぞ。結有もな」

『はい!皆、すぐ戻るよ!』

結有の言葉に、ハーレムズの面々が口々に応える。

『ほっぽちゃん、私も行くからね!』

「恵奈は無理しちゃだめ。いい?二人にちゃんと守られておいで」

『ふぁーい』

その様子に、艦内にはどっと笑いが零れたが、臨戦体制発令前である。皆の表情はすぐに戻る。

「では全員出撃。目標は、ビキニ環礁に居るであろう()()!」

『はっ!』

その言葉に、全員が持ち場に就いた。

 

 

新井田の最期を見届けた湊は、電と睦月に合流して深海棲艦の攻撃を食い止めている。

今度の襲撃は無差別な為、日米を中心とした国連軍が急遽結成され、

各国の判断で、太平洋全域で戦闘に乗り出したのだ。

中部警備府が日本の総旗艦部隊となり、

電が()()()()()()となったが、現場はそんな事務方の決定等、気にしている場合ではない。

兎に角、押し寄せる深海棲艦を倒していった。

海岸には、市民の有志と元海兵旅団のチャンの会社(PMC)等、精鋭が展開している。

そこには、梶本真也や安藤龍の姿もあった。

「龍は()()()()()、下がってていいんだぜ?」

「そういう訳にはいかない。()()()()()()()()、な」

右手に、対深海棲艦弾の九ミリ自動拳銃を持って。

 

呉でも全員出撃して行った。

綾はそれを、中部警備府で見送った。

「さて皆さん。気が早いですが、凱旋の準備をしましょう」

非戦闘員の皆に笑顔を向けると、食堂のおばちゃん達も笑顔を返す。

戦わない者も、やることはたくさんあるのだ。

 

ただ一隻、孤立したSハウンドのいずも改二は、ビキニ環礁へと急いだ。

「俺達も急ぐぞ!」

「うん!」

「はいっ!!」

その声を聞いた智紀は、薄雲へと姿を変え、駆逐艦艤装を展開した。

その時、身体に大層な違和感を感じて、声を上げた。

「うわっ……」

『どうしたの?』

不思議そうに、薄雲に変身した智紀を見て、二人が首を傾げると、

「いや、その、女になってる(ちんこがねえ)

そのマヌケな言葉に、二人の女子(結有・恵奈)は大爆笑した。

しかし、状況が状況なので、すぐに真顔に戻る二人。

結有も海に降り立つと、()()()()()を展開させた。

恵奈は、()()()()()()()を背負い込むと、二人に続いた。

そう。この世界は、陸上海上を問わず、艦娘の霊子をちょっとでも持っているなら、()()()()()()()のだ。

突如現れた深海棲艦に、各国艦娘部隊が対処している中、三人もビキニ環礁へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

ビキニ環礁。

 

そこには巨大な深海棲艦……深海棲艦の女王DSクイーンこと深海女王と、

三笠型の深海棲艦……DSゴッドこと戦艦鬼神。

「……行きましょう」

「……人類への最後の試練だ。人類はこの先生き残るに値するか?開けたパンドラの箱には、希望が残っているか?」

 

その言葉と共に、二人も融合を果たした。

その姿は、戦艦鬼神のものになったが、翼が現出して後光が輝く姿は、もはや()()()()だった。

その姿は、長門と酒匂に似た存在になっていた………

彼女とSハウンドの、最終決戦が始まる。

 

そしてこの地球(ほし)の、明日(あした)の為に、地球への挑戦の火蓋が切って落とされた。

 




ちょっと無理を通した感じですが
こういう感じになりました。

Sハウンド編の最終回となります(多分)


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