消えた辺はここまで本筋と共通シナリオですが
次回からはまた別シナリオになります。
「何か、一雨来そうね……」
中部警備府総旗艦の加賀が、ポツリと漏らす。
その直後だった。副旗艦の瑞鶴が、警告の声を上げる。
「敵接近!数はざっと……1000以上いるわ!」
今回出撃しているのは、
加賀改二甲に瑞鶴改二甲、いずれも
それに、横須賀から派遣された
更に、佐世保からやって来た
そして、
夕張の、
龍驤に至っては、パリ砲の
つまり、高角度で発射する、迫撃砲のような攻撃も可能となるのだ。
迫撃砲とは違い、
クラスター弾を使用しており、恐ろしい兵器となっている。
そして、恵奈の護衛に暁である。
そんな艦隊に、薄雲こと新井田博士は、戦争を仕掛けようというのだ。
恵奈の御蔵島上陸を、阻止せねばならない。
平行世界の同一人物である、
チェックメイトだ、と……
新井田博士は、知っていた。
今ここで、
消えたMeTuber事件を利用して、恵奈を誘き寄せたのも、全ては恵奈を殺す為だった。
こちらのビキニ環礁のDSゴッド……戦艦鬼神が、
あちらのビキニ環礁に居るであろうDSクイーン……戦艦女王が、
そして、結有と恵奈はその二人に並ぶ
二つの大特異点が、それぞれの世界で交わった瞬間、この
全ての存在は、
それが、
こちらの世界が
影である新井田博士が生き残る道は、この世界修復を失敗させることだけだった。
新井田博士は、自身の持てる全てを尽くして、人工深海棲艦を呼び寄せた。
霊子を、殆ど使い尽くした新井田博士……
それでも、あちらの世界を光にするべく、こちらの世界に悲劇を与える為に、足掻いていた。
「この世界が!光に満ち溢れた世界であってたまるかぁぁぁぁ!!!!」
声が嗄れきった中叫ぶと、人工深海棲艦に命令を下す。
「ゆけ!我が
『はっ!』
呼び出された、戦艦型人工深海棲艦が指揮を執り、御蔵島に向かうのを見送ると、ふと感じた気配に、背後に振り向いた。
そこには、
そう、高梨湊……攻撃型原子力潜水艦みなとの姿だった。
「もう、遅かったです」
「何だと!?」
恵奈は、敵の接近前に、暁と共に離脱して行き、
御蔵島の崖に、タッチダウンしてよじ登っていた。
そして、恵奈が崖の上に登りきった時、
「こ……これは……?」
何が起きているのかわからない恵奈に、結衣が通信で応える。
『今こそ、割れた鏡合わせの世界が一つに戻る時。念じて。
「………」
恵奈が、ぎゅっと目を閉じて、結有の心を感じ取ろうと、胸に手を置いた。
あちらの世界でも、周囲が揺らめき出している。
「始まったようだな、世界修復。新井田、俺の勝ちだな」
「そうだね。恵奈のことを念じればいいの?」
結有も、恵奈の心を感じ取ろうと、拳をぎゅっと胸に当てる。
「ちくしょう!!!ちくしょうう!!!!!!ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
周囲が揺らめく中、新井田博士は湊に断末魔の声を上げ……一つの存在へと還っていった。
その様子を、湊は悲しそうに見つめていた。
その絶望の叫びは、哀れむには十分な姿だった。
もしかしたら、彼は彼なりに、あちらの世界の悲劇から、逃れたかったのかもしれない……と。
今となってはわからない。唯独りを除いて……
あちらの世界で、智紀が新井田博士の記憶を手に入れていた。
「そういうことか。これは、墓場まで持っていくぜ。
目の前には、結有と恵奈と暁が居る。
「あ、恵奈ちゃん」
「結有さん。ということは……?」
二人が智紀に顔を向けると、智紀はVサインを二人に向けて、ニカッと笑った。
「世界修復の成功だ。二つの世界が一つになった、これが証拠だ」
そう言うと、第13泊地庁舎を見上げた……それから視線を地面に戻すと、
そこには、消えたMeTuberの所持品が転がっていた。
「……消えたMeTuberは、あっちの世界にいたのかもね?」
「……そうなると、この企画はやっぱり継続ね」
その暁と恵奈の言葉に、智紀も笑い出す。
「いやあ、その時は俺達お役御免かもしれねから、手伝うわ」
「そうだね」
その笑いに、結有も釣られて笑った。
二つの世界が、融合を果たしたのだ。世界中が大パニックになる
そうはならなかった。
世界中が、「そうであることを、そうであるように受け入れる」
平行世界の同一人物は、融合して
片方がそれぞれ故人となっている存在は、生き残ってる方が補った。
つまり、梶本真太等は『生きていた』ということに修正された。
あちらの故人……裕二や恵一郎は元々生きている為、特に影響はなかった。
両方生きていた大垣も、光の世界の大垣に融合された。
同じく草加拓哉も、光の世界のベースに、
こちらの世界の
一人だけの間違い、ではなかったのだろう。
あちらの世界は、
中部警備府の精鋭艦隊が戦っていた、人工深海棲艦も消滅していった……
そして、彼等全員が一息吐いた時、ぞわりと背筋の凍る声が
―人間共よ。お前達は
その日、全世界に深海棲艦が再現出した。
「司令官!このままだと、当艦は孤立します!」
その杏奈の声に、陽子が即座に決断を下す。
「目的は変わらない。我々はビキニ環礁へ向かう」
『そのとおりだぜ。俺達も向かう』
智紀からの通信に、陽子に笑みが戻る。
「生きていたか、艦長。早く還ってこい、皆待ってるぞ。結有もな」
『はい!皆、すぐ戻るよ!』
結有の言葉に、ハーレムズの面々が口々に応える。
『ほっぽちゃん、私も行くからね!』
「恵奈は無理しちゃだめ。いい?二人にちゃんと守られておいで」
『ふぁーい』
その様子に、艦内にはどっと笑いが零れたが、臨戦体制発令前である。皆の表情はすぐに戻る。
「では全員出撃。目標は、ビキニ環礁に居るであろう
『はっ!』
その言葉に、全員が持ち場に就いた。
新井田の最期を見届けた湊は、電と睦月に合流して深海棲艦の攻撃を食い止めている。
今度の襲撃は無差別な為、日米を中心とした国連軍が急遽結成され、
各国の判断で、太平洋全域で戦闘に乗り出したのだ。
中部警備府が日本の総旗艦部隊となり、
電が
兎に角、押し寄せる深海棲艦を倒していった。
海岸には、市民の有志と元海兵旅団の
そこには、梶本真也や安藤龍の姿もあった。
「龍は
「そういう訳にはいかない。
右手に、対深海棲艦弾の九ミリ自動拳銃を持って。
呉でも全員出撃して行った。
綾はそれを、中部警備府で見送った。
「さて皆さん。気が早いですが、凱旋の準備をしましょう」
非戦闘員の皆に笑顔を向けると、食堂のおばちゃん達も笑顔を返す。
戦わない者も、やることはたくさんあるのだ。
ただ一隻、孤立したSハウンドのいずも改二は、ビキニ環礁へと急いだ。
「俺達も急ぐぞ!」
「うん!」
「はいっ!!」
その声を聞いた智紀は、薄雲へと姿を変え、駆逐艦艤装を展開した。
その時、身体に大層な違和感を感じて、声を上げた。
「うわっ……」
『どうしたの?』
不思議そうに、薄雲に変身した智紀を見て、二人が首を傾げると、
「いや、その、
そのマヌケな言葉に、
しかし、状況が状況なので、すぐに真顔に戻る二人。
結有も海に降り立つと、
恵奈は、
そう。この世界は、陸上海上を問わず、艦娘の霊子をちょっとでも持っているなら、
突如現れた深海棲艦に、各国艦娘部隊が対処している中、三人もビキニ環礁へと向かった。
ビキニ環礁。
そこには巨大な深海棲艦……深海棲艦の女王DSクイーンこと深海女王と、
三笠型の深海棲艦……DSゴッドこと戦艦鬼神。
「……行きましょう」
「……人類への最後の試練だ。人類はこの先生き残るに値するか?開けたパンドラの箱には、希望が残っているか?」
その言葉と共に、二人も融合を果たした。
その姿は、戦艦鬼神のものになったが、翼が現出して後光が輝く姿は、もはや
その姿は、長門と酒匂に似た存在になっていた………
彼女とSハウンドの、最終決戦が始まる。
そしてこの
ちょっと無理を通した感じですが
こういう感じになりました。
Sハウンド編の最終回となります(多分)