艦娘の莫大のデータの活用法を模索する龍が手を組んだ。
艦隊これくしょんの二次創作に出てくる劇中ゲームが艦隊これくしょんと云う謎
基本戦後編は3000文字弱のショートショートです
最近は、ゲーム「艦隊これくしょん」が大人気である。
救った英雄を艦隊に編成して、全国の強者と戦える、艦隊運営シミュレーションゲームだ。
今までの艦娘データを元にした、艦娘カードを集めて艦隊を編成する、
デッキ型アーケードゲームである。
別売りの、据え置き型ゲームとの接続キットを購入すれば、家でもプレイでき、
クラウドサーバにより、一部の機能はスマホでもできる、というマルチプラットフォームである。
現在の全国一位は、
全国ゲーマー雑誌の言である。
ヘルズゲートさんの
そのゲームが生まれたのは、12月頃のことだった。
艦娘本部解散準備庁長官の安藤龍は、膨大になってしまった、
ただ、データの保管は保管で、コストがかかる。
「まだ、お決まりになりませんか?」
長官補佐官の女性に問われると、龍はああ、とだけ答えた。
艦娘本部の様々な施設の引き渡しや、解体を並行して行いながら、龍は頭を悩ませていた。
そんなある日、高梨湊が来訪して来た。
湊は、高梨商事の社長。母である、会長の三笠から退役後、正式に会社を受け継ぎ、実業家となっていた。
「おお、高梨くん。久しぶりだな」
「先輩こそ、お疲れのところ、申し訳ありません」
龍が疲れ気味なことを、不知火より聞いている湊は、申し訳無さそうな顔をする。
「いや、久々に高梨くんの顔が見られて、些か疲れが和らいだよ」
そう言って笑う龍に、湊も少し笑みが零れる。
「ところで、本日の用向きは、何かね?」
「それなんですけど、艦娘のデータを、提供していただきたいんです」
唐突、且つ自身の悩んでいた部分にアプローチしてくる湊に、驚いた顔をすると、ふっと笑みを浮かべる。
「私の悩みを、判っていたのかね?」
「いえ」
その言葉に、少しずっこけそうになる龍だが、気を取り直して、
「では、なぜ今更、艦娘のデータ等欲しているのかね?」
そう問われた湊は、自身のウェーブの掛かった髪を、くるくる指で回しながら、
「
すっと、カバンから出し、渡された企画書を受け取った龍は、目を通す。
企画書の内容は、六隻の艦娘を艦隊に編成して、全国対戦する
つまり、士官学校の戦略シミュレーションを、アミューズメントに作り変え、
龍は、その企画書を見て、コーヒーを啜った。
確かに、魅力的な話ではあるが……
「どこのゲーム会社に発注するのかね?機密指定は解けたが、軍のデータだぞ。まず、その選定が必要だと思うのだが……」
「それなんですけど、企画にあたって、デベロッパを
デベロッパというのは、開発会社のことである。
普段目にするようなゲームを、
要するに、高梨商事がパブリッシャーとして販売し、ゲームの開発は買収したデベロッパが行う、ということなのだろう。
「簡単に買収した、と言うが……そうか、君は資産家だったな。忘れていたよ」
湊が、第三世代艤装開発計画で受け取ったお金は、資産運用に回され、
この十数年間で、10倍ほどになっていたのだ。
かなりの
「よかろう。君に、このデータを託そう」
こうして、艦隊これくしょんの制作が始まった。
まずは、全ての元艦娘に登場させていいか、を問う質問状を送ったが、
ほぼ全員の艦娘が賛同してくれた。
皆、
なお、
こうして世に送り出されたゲーム「艦隊これくしょん」。
最初に、元艦娘達の間で爆発的な人気を博し、全国に浸透していった。
今では、どのゲームセンターでも設置されており、順番待ちも多数並ぶ、大人気コンテンツとなっている。
その後、デッキ収納装置を開発して、据え置き型ゲーム機でのプレイや、スマホでのゲームも開発していった。
そんな艦隊これくしょんだが、
士官学校が封印していたサーバが、
そのサーバは、艦隊これくしょんデータ保存サーバに接続して、ゲームに参加し始めた。
プレイヤー名、
全国のプレイヤーは、
ヘルズゲートも、上位の相手ばかり対戦する為、姿を一度も見たことがないヘルズゲートに対戦される、というのは強豪の証し。と、
ヘルズゲートさんと戦えるよう、日夜努力しているのである。
ヘルズゲートさんの
ヘルズゲートに勝つことなく、卒業を迎えた悔しさを思い出し、
軍人や元軍人も参加するようになっていた。
もちろん、元艦娘もちょくちょくやるようになっており、
元海防艦四人娘は、紀子と一緒に、艦これでキャイキャイ遊んでいる。
もちろん、母親の智子に駄々をこねて、家用の艦これも買ってもらった。
総務部の女神も、娘にねだられると財布の紐が緩むのだ。
紀子も一気にお姉さんが増え、更に小さい弟が増え、と家族が増えたことに喜んでいる。
そこに紀子の
このゲームを通じてや、艦娘に関する書物を書いている者、
退役軍人で、世界を回って艦娘について語る者。
彼女等は
最後に余談ではあるが、毎日仕事を終えた後、
金城埠頭のゲームセンターに湊と電、睦月の三人が出没するようになった。
プレイヤー名は、「不敗の女神」。
まだ、不敗の女神伝説は終わっていないようだ。
彼女の出入りする、高梨商事経営のゲームセンターは、全国からプレイヤーが集まる、
そんな彼女でも、ヘルズゲートには勝てず、
ヘルズゲートを設計した、現Sハウンド司令官の陽子は、内心残念がっているようだった。
もう一人、艦これで遊ぶやつがいた。
高天原智紀、プレイヤー名は「不屈の抵抗者」。
彼も、不敗の女神と二位を競い合っている。
「ぜってぇ「不敗の女神」をぶっ潰してやる!」
やっぱり、士官学校の智子への発言を胸に、今も打倒湊を忘れていない。
そう、いずも改二リペアにも、アーケード版を設置してもらったのだ。
そんな様子を、Sハウンドの面々は、生暖かく見守っていた。