原作突入させたらどうなることやらやら~
知らない天井……そうか昨日は黛先生の家に泊まらせてもらったんだっけ。ん~~六時かぁ~軽く朝練しときますかね!
バッ!と布団から飛び起きる。うん。今日も元気! 昨日の疲労はそこまで残って無いみたいだ。
タオルと水を持って外へ出る。軽く柔軟して――「海人さん!?」――振り返るとジャージ姿の由紀江さんがいた。
「おはよ~早いね」
「おはようございます……か、海人さんこそ朝練ですか?」
「うん。由紀江さんもこれからかな? 良かったらこの辺のランニングコースを案内してもらえると助かるんだけど」
「――わ、私がで、ですか!?(これはお誘いですよね!? お友達になるチャンスです!!)」
「イェーイ! まゆっちぃ~これはお友達ゲットなチャンスだぜぃ! てか海人坊も朝からまゆっちをお誘いたぁ~いい根性してんじゃん」
「こら松風!? いきなり何を言ってるんですか!!」
「あははっ……松風もおはよ~でっ、どうかな?」
「……はい、御一緒させて頂きます!」
あ~あ、お姉ちゃんに先越されちゃったなぁ~私もたまには朝から運動しようかと思ったんだけど……
「ふむ。沙也佳は一緒に行かなくて良かったのかい?」
「うん。お姉ちゃんに先越されちゃ――って! お父さん!?」
振り返るとお父さんが走っていく二人を眺めていた。
「どうやら由紀江とも上手く仲良くなってくれたみたいだな」
「そだね~お姉ちゃんにとっては良いライバルというか目標になったんじゃないかな?」
「うんうん。由紀江はこれからまた一層強くなるだろうよ」
競い合える格上の相手かぁ……嗜む程度の私じゃそんな接点にはならないし……
「ふむ……沙也佳は海人君が気になるのかい? 昨日はそうでもなかったが、今は『先越された』って発言もあったが……」
「えっ!?」
お父さんに言われて顔が熱くなっていくのが分かる……確かに海人さんは強くて格好いいし、お姉ちゃんの松風を、自然と受け入れてくれてるやさしさもあって良い人そうだし、今回の武者修行も家業を継ぐための一環だって言ってたし……実は超優良……
「あぁ~分かったから言わなくてもいいよ。だが沙也佳に恋愛はまだ早いと思うんだがね……」
「そんなことないよ! 今時、私の周りにだって付き合ってるカップルいるし、私告白されたことだってあるんだから!」
「――なんだと?……(どこのご子息かな? ウチの沙也佳にちょっかいかけた子は……)」
「それに、お姉ちゃんも多分海人さんのこと……」
「…………」
急に静かになったお父さん。背中に黒い何かが見えるのは気のせいだよね?
由紀江さんと一緒に走ることになった。初めは緊張してか上手く話せなかったけど……(松風を通しては普通に話せてたのが笑いどころ!)帰り着く頃には落ち着いて話せるくらいにはなった。
屋敷のまえで「これからも――色々と相談にのって欲しいから友達になって下さい!!」と言われ、快くOKした。拳じゃないけど、刀と刀を交えた仲……友達と書いてライバルと読むみたいな関係かな?
あと途中、何故か背筋がヒヤリとした時が有ったけどあれはなんだったのだろう?
そして別れの時……次なる修行場へ!
「次はどこに向かうつもりなんだい?」
「次は一気に京都に向かう予定です! 昨日の内に先方にも連絡とって、着き次第落ち合う話しになってます」
「そうか……京都というと松永さんとこかな? ミサゴさんもかなりの実力者らしいけど、その娘さんは天武の才に恵まれた逸材らしいね」
「はい! 既に壁を越えた実力者だと聞いています。今から相手をするのが楽しみです!」
父の「娘さん」という発言と、海人の表情に一瞬ムッとなる後ろ二人であったが、笑顔で海人を送り出したのだった。
京都へと向かう新幹線の中。
一発目から良い修行になったなぁ~次の燕さんだっけ? 壁越えの実力者らしいし、良い試合が出来そうだ~
そうして次の未知なる相手に想像を膨らましていると携帯に着信が入る。
「沙也佳ちゃん?」
届いたメールを開くと、黛姉妹のツーショット写真がどでかく表示され、2人のコメントが添えられていた。
由紀江「もっと修行を積み、次は私が勝ってみせます! また刀を交える機会を楽しみにしております」
沙也佳「また遊びにでも来て下さい!!or遊びに行ったら観光案内よろしくです☆」
あははっ、うん。良い子たちだったな~次会った時ガッカリされないよう俺も頑張らないと!!
海人の武者修行はまだまだ始まったばかり……次なる一戦も近し!
仏「ここはとある喫茶店……今日も迷える子羊たちがやって来る」
ドン!
燕「次は私のターン☆」
バン!
百代「む~私が全く出てこないじゃないか! マスター!!」
仏「それは……原作前の話しですし、まだ接点が無いですからね。原作突入となれば出番もあるでしょうが、今しばらくはないかと」
百代「海人の勇姿が見れるのはいいが……私が出ないんじゃつまらないぞ! てかちっちゃい頃のまゆっち可愛いなぁ~お持ち帰りしたいぞ!!」
燕「まぁまぁ、モモちゃんも落ち着きなって~順番順番ってかモモちゃんは既に先に書かれてるから順番もないでしょ!」
百代「はっ、そうだった! 既に私は海人と……デレデレ」
仏・燕「はいはい、ごちそうさま」
仏「そんなこんなで次は松永家編突入です! 次話を気長にお待ち下さい★」
「「「それでは、まったね~」」」