真剣で布仏家長男に恋しなさい!   作:仏のマスター

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キリのいいとこで更新します!
何気に元と同時更新です★



十一話 三人目は~君に決めた☆

「――よっと」

 

 意識を失い、倒れそうになる燕をミサゴが支える。

 

「あ~あ、燕ちゃんの公式戦無敗記録が止まっちゃったわね~」

 

「――あっ! 燕さんは大丈夫ですか!? その、手加減出来なくて……」

 

「大丈夫よ。気を失っているだけだから……とりあえず、燕ちゃんをソファーに寝かせましょう」

 

 燕をソファーへ寝かせて、ミサゴはこの後の予定を海人に聞いてくる。

 

「どうする? 大成さんところみたく、私とも一戦やる?」

 

「……大変魅力的なお誘いなんですが、体力的に無理そうです……またの機会にお願いします!」

 

 

「あら、残念……じゃあ、今日はこれまでね。この辺に泊まるの?」

 

「いえ、次の場所まで移動して泊まる予定です」

 

「そう。なら、ちょっと待ってて! 駅まで送っていくわ」

 

「いえ、そこまで気を使っていただかなくても――『いいからいいから!』」

 

 ミサゴの勢いにおされ、海人は送ってもらう事となり、戸締まりや燕へのメモ書きなどをミサゴが残している間に、海人は次の相手のところに電話するのだった。

 数回のコール音の後、向こうと電話が繋がる。

 

 

 

「京、すまんが今、手が放せんから電話出てくれ!」

 

「分かった」

 

 父に頼まれ、私は読んでいた小説を閉じて、電話へと向かう。

 

「はい。椎名ですが」

 

「こんにちは! 布仏海人と申します。 武者修行の件でお電話させて頂きました!」

 

「武者修行……あぁ、話しは聞いています。いつ頃来られる予定ですか?」

 

「明日の日中か、出来れば朝一でお願いしたいのですが」

 

「(明日は金曜集会の日)……日中だと無理です。朝一だと何時頃から来れますか?」

 

「今日の内に、近くまで行って泊まる予定なので、ご希望の時間で大丈夫です!」

 

「……では、七時に道場へお越し下さい。よろしいですか?」

 

「はい! よろしくお願いします!」

 

「……では」

 

 

 

 よし! これで次もOKだな!! 明日は朝一だから、今日は早めに寝ておこうかな~

 

「あら、実家に結果報告でもしてたの?」

 

 車のキーを指でクルクル回しながら、ミサゴさんがやってくる。

 

「いえ、次の対戦相手のところへ連絡をしていました(そういえば実家の方にも中間報告あげないとな~刀奈や本音辺りがそろそろ連絡してくるかも……)」

 

「そう。じゃあ、行きましょうか」

 

「はい、お願いします!」

 

 ミサゴさんの車に乗り込み駅へと向かう。燕さんは意識が戻らず、お別れが出来なかったけど、良い試合が出来たと思う。(途中、ちょっとふざけあった場面もあったけどね……)

 

 

 一方その頃、とあるお宅にて。

 

「ただいま~」

 

「おかえり紅葉。今日は早かったな?」

 

「うん。舞ちゃんが用事があるらしく、早めに切り上げたんだ~――あっ! そういえば今日、布仏海人さんに会ったよ!」

 

「……布仏海人だと!! 何故ヤツがここにいる!?」

 

 突然の妹の発言に驚く葵。

 

「武者修行の旅の途中で、燕ちゃんのところに来てるらしいよ~」

 

「武者修行……何故俺のところに来ない!! 布仏海人ぉぉぉぉぉ!?!?」

 

「さあ? とりあえず、兄さんにもよろしく言っといて~って言われたよ」

 

「…………ということは、海人殿は今、燕殿のところに居るのだな!?」

 

「多分、そうだと思うけど」

 

 何を考えたのか、葵はそう妹に問いただし、確認するとともに、何も言わず玄関へと向かい、外へと駆けていった。

 




次回は燕編終わり部分と京編プロローグ辺りになると思います!!

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