真剣で布仏家長男に恋しなさい!   作:仏のマスター

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 え~しばらく開いてしまいましたが、復帰投稿でございます。

 活動報告を読まれた方はご存知かと思いますが、八月に親が亡くなり、アレコレ落ち着くまで一時更新をストップしていました。

 読者の皆様もタバコの吸い過ぎにはご注意下さいね★何事も適度が一番です。

 9月後半くらいから書き始めてはいたのですが、なかなか進まず……気晴らしに考える次作の方がスラスラ思い浮かぶ次第で~~
 ま、まぁ、これからぼちぼちですが……再び投稿していきたいと思いますのでよろしくお願いします!!
 作者が死なない限り、未完になんてさせません!!




十二話 燕殿~!!

 誰かが私を読んでいる……そんな気がして、ゆっくりと意識が覚醒していく……

 

「ここは……修行場だよね? あれ? 私何してたっけ~?」

 

 目覚める前の事を思いだそうとした時だった……入口の扉が叩かれ、私を呼ぶ声が聞こえる。

 

「燕殿~居らぬでござるか!? 燕殿~!!」

 

 この声は葵君かな? とりあえず出た方が良いかなっとソファーから立ち上がったところで、おかんからの書き置きを見つける。

 

【書き置き】

「燕ちゃんが気絶しちゃったので、ソファーに寝かせて、海人君を駅まで送ってきます。帰りにまた拾いに来るので、それまで反省会でもしてて~ ミサゴより」

 

 そうだ! 私海人君と試合して負けちゃったんだ……「燕殿~!!」――あっ!?――そうだ、葵君待たせてた。

 

 葵君を出迎えに入口へと向かう。今もなお扉を叩きながら、私を呼ぶ葵君……正直、ご近所迷惑だよ……

 

「今開けるから、ちょっと待って!!」

 

「――ぬっ!?」

 

 軽く怒気を含んだ私の声に、葵君が黙る。

 

「何かな? あとご近所迷惑だから静かにしてくれる?」

 

「あ~それは失礼した……海人殿、布仏海人が来ていると妹から聞いて急いで来たのだが……」

 

「海人君ならおかんが駅まで送って行ったよ……時間的に駅に着いたか、出発したくらいじゃないかな?」

 

「くっ……今からじゃ走って行っても間に合わぬか……」

 

「……何なら海人君に電話してみようか? 連絡先交換したし」

 

「――頼む!!」

 

 葵君から発せられる謎のプレッシャーに若干引きながらも、私は海人君へと電話を掛けた。

 

 

 

「送って下さってありがとうございました!!」

 

「いえいえ~また近くに来た時は声掛けてね。今度は私も相手してあげるから☆」

 

「その時は是非!!」

 

 ミサゴに感謝の意を伝え、次なる修行場へと向かおうとしたところで海人の携帯が鳴る。

 

「ん? 燕さんからだ……目が覚めたのかな?」

 

「あっ海――『布仏海人!!!! 何故、俺のところには来ない!!』――あぁ~ちょっと!!」

 

 電話が繋がったのを確認したところで葵は燕の携帯を奪い取り叫び出す。

 海人が燕からだと思い、出た電話から聞こえてきたのは、男の怒号であった。

 突然の大声に驚き、顔をしかめる海人であったが、耳から離しても聞こえるその大声に、ふと懐かしさを覚える。

 

「この声……葵君かしら?」

 

「葵君?…………!?」

 

 ミサゴのつぶやきに、海人の脳裏に一人の少年武道家の姿が思い浮かぶ。

 

「葵……近衛葵君?」

 

「そうでござる!! 武者修行に来たのなら、何故俺のところに寄ってくれなかったのだぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「あぁ~…………」と言葉に詰まる海人。葵の事を忘れていた訳ではないが、まさかリストアップされた中にいなかったからとは言えず、返答に困っていると……

 

 スパァーン!! 

 

と心地よい音が響き、燕が電話口に出る。

 

「ごめんね海人君! ご近所迷惑なバカは粛正しといたから~」

 

「あ、あぁ~ありがとうございます? で良いのかな?」

 

 地に伏せた葵は無視して、取り返した携帯で会話を続ける燕。

 

「うんうん! 葵君はこっちでなんとかしとくから、次の相手も頑張ってね☆あと、次の試合は私が勝たせてもらうから!!」

 

「ふふ、俺だって負けるつもりは無いよ! じゃあ、そろそろ時間だから……」

 

 そして互いに別れの挨拶をして、通話は切られた。

 

「じゃっ、私も戻るわね」

 

「はい。送っていただきありがとうございました!」

 

 ミサゴとも分かれ、海人は次なる修行の場へと旅立った……

 

 

 

 海人が旅立った頃、松永家の修行場では……

 

「イタタ……いきなり後ろからとは卑怯でござるよ、燕殿」

 

 

「勝手に私の携帯奪った上に、ご近所迷惑考えないおバカさんに与える優しさがあるとでも?」

 

「それはそうでござるが……いや、すまなか……つっ!?」

 

 落ち着いて起き上がり、燕に謝罪しようと燕の方を向いた葵であったが、目の前の光景に言葉を詰まらせ、顔を赤らめる。

 燕の普段とは違うラフな格好な上に、海人との試合でボロボロになっていた服からチラチラと見える燕の健康的な素肌に目を奪われてしまう。

 

「……ん?」と葵の言動に疑問を抱き、彼の視線の先を見て、燕も自身の格好に気づく。

 

「ジ、ジロジロ見るなぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 スパァーン!!!!

 

「――ひでぶぅ!?」

 

 燕の本気のビンタが決まり、本日二度目の地に伏せた葵であった……

 




仏「ここはとある喫茶店……今日も迷える子羊たちがやってくる……」



紅葉「う~ん、この様子じゃ、兄さんに脈はなさそうだね……」

舞「むしろあんまり良い感じには見えないかも……(まぁ、私としてはそっちの方が嬉しいんだけど……★)」

紅葉「武術馬鹿の兄の将来が心配です……」

舞「だ、大丈夫よ! そんなお兄さんにも、お、想いを寄せてくれる相手が、き、き、きっと現れるって!!」

紅葉「…………ふふふ★」

 顔を赤らめ、必死に葵のフォローをする舞を見て、静かに笑う紅葉なのであった……この子、気づいてる!?

仏「【命短し、恋せよ乙女】かな」

海人「ふふ、マスターもね☆」

仏「はて、何の事でしょうか?」

海人「ニヤニヤ」

 海人のにやけ顔をスルーしたところで新たなお客様がやってくる。

カランカラン

仏「いらっしゃいませ」

百代「マスター遊びに来たよー!! あっ、海人がいる! 突げーき!!」

松風「まゆっち! 後れをとるな! おいらたちもいくぜぃ☆」

由紀江「と……突げ~き……」

大和「姉さんほどほどに……って! まゆっちまで!?」

ガクト「マスタ~どうだ! 更に鍛えあげられた俺様の筋肉は!!」

仏「いや、何と言えば……」

モロ「だから暑苦しいだけだってガクト~」

仏「そういえばキャップ君は?」

クリス「キャップはいつものアレだ」

仏「あぁ~~」

 仏がガクトの筋肉をスルーして、アレで納得していた頃、こちらでは一人の乙女が、熱い視線を風間ファミリー……いや、一人の男へと向けていた。

紅葉「……イイ」

舞「……はっ?」

紅葉「……あの筋肉……イイワ★」

舞「あの……紅葉~大丈夫~?」

 まるで獲物を見つけた鷹の如く、ガクトを見つめる紅葉……ガクトに春到来なるか!?!? 



海人「はぁ~やっと解放された……」

京「おつかれ」

 スッと海人の分のコーヒーも持ってきた京が海人の隣に座る。

海人「あ~ありがとう。そういや次話は京さんとの話しだね~で、大和君とはあれから進展あった?」

京「うん。もう大和が、毎晩激しくて私……」

海人「おぉ~」

大和「勝手に話し捏造するな!!」

 大和のチョップが京の頭上に落ちる。

京「うぅ~大和の愛が痛いよ~~だけど私は全て受け止める! だから結婚して大和」

大和「お友達で」



 今日も賑やか仏の喫茶店でした☆


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