「はぁ……」
深い溜め息をつく。ホテルのベットに横になりながら、さすがに刀奈達もちょっとやり過ぎかなと思う今日この頃。まぁ夏休みが増えるのは嬉しいんだけどね!
明日は朝から椎名流弓術道場へ。弓使いとの試合は初めてだけど……あれ? 弓使いとの試合ってどんな形になるんだろう? いきなり至近距離から開始なんて無いだろうし、勝敗基準も……
「ふわぁ」
欠伸とともに眠気が襲ってくる。まぁその辺は最初に話し合うだろうからその時で良いか……今は寝よう…………
「ヤバイ……」
私、布仏海人ただいま全力疾走中でございます。一度起きはしたものの、ホテルの朝食バイキングの時間までベットでゴロゴロしてたら…………はい。二度寝です。
「くそぉ~朝飯食べれなかったよ~~」
空腹を主張してくるお腹を叩きながら、走る……走る。
「ハァ……ハァ……着いた……」
6時58分。なんとか約束の7時00分までには着くことができた。呼吸を整え、呼び鈴を押そうとしたところで、玄関が開き一人の男性が現れる。
「ん? 布仏海人君かな?」
「はい! 布仏海人と申します。本日はよろしくお願いします!」
「うむ。早速だが、道場へ案内しよう」
椎名さんの後に続き、中へと入る。
「息が荒いようだが大丈夫かね?」
「すみません。直前まで走って来ていたので……」
「そうか。遅刻なぞしようものなら、門前払いしてやろうかと思ったが……危なかったな?」
ニヤリと笑う椎名さんの言葉に、冷や汗を感じながら、なんとか笑い返す。
少し歩いたところで的のある練習場へと入る。中に入ると、一人の少女が弓を構え、先の的を見つめ……放つ。
矢は見事に的の中心円を射抜く。視線を少女へと戻し、射抜いたままの姿を見ると……
「きれいだ……」
自然と言葉が出ていた。それほどに的を射抜いた少女の立ち姿は見惚れる程に美しく、様になっていた。
「どうだ? なかなかのものだろう?」
「はい。私は弓は嗜む程度にしか習ってはいませんが、それでもレベルの違いがはっきりと分かります」
「だろ!? 今はまだ俺が【天下五弓】を名乗っちゃいるが……正直、既に娘の方が上だと俺は思っている」
そんな話しをしていると、少女が弓を下げ、こちらへと歩いてくる。
「紹介しよう。娘の京だ」
「……椎名京です」
「布仏海人です。本日はよろしくお願いします」
「……始めましょう」
京さんが椎名さんへと目で合図を送り、試合を始めるよう急かす。
「あぁ~試合形式だが、ウチのやり方で良かったのかな?」
「はい。構いません」
確認した試合形式は至って簡単なものだった。練習場の両端からスタートし、京さんに一太刀入れればこちらの勝ちで、それまでにクリーンヒットと判定される弓の一撃を貰うと負けというものだ。
「両者準備は良いかな?」
「「はい!」」
「では――始め!」
次こそ次こそラストでございますぅ!!