真剣で布仏家長男に恋しなさい!   作:仏のマスター

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書いてたら……どんどん長くなっていくぞ?


筋肉エンド 中編

「お待たせしました岳人さん」

「あっ、紅葉さ…………」

 

 声を掛けたところ、私を見て驚いた表情でガクト様が固まってしまった。何か変なところでもあっただろうか!? と不安になってしまう。

 

「あ、あの……何か変なところでもありましたか?」

「…………女神……」

「……メガミ?」

「美しい……ハッ!?――すみません! つい見とれてしまって!」

 

 美しい……それに見とれてだなんて!! 心臓が爆発しそうになるのを何とか抑えながら、気合いでガクト様へと私は返事を返す。

 

 

 

 

 天使……否! 女神がそこに居た。

 始めはしっかりと外見を誉めて、好印象をと考えていたのに、現れた紅葉さんを見て、俺の頭の中は真っ白になった。

 不安そうに見つめる彼女に気づき、何とか気合いで意識を戻し、彼女へとあやまった。

 

 

 

 

「えっと……ありがとうございます。その……お世辞でも嬉しいです」

「お世辞だなんて! 素直な俺の感想です!! ハッ!?」

 

 お互いに顔を赤くし、照れていると……ふと――周りの視線がこちらに向いている事に二人は気づく。

 

「と、とりあえず移動しましょう! 開場時間にもまだ早いので、その辺の喫茶店にでも」

「そ、そうですね!」

 

 そして二人は近場にあったカフェに入っていった。

 

 

 

 

「む、カフェに入っていったか……」

「…………(ドキドキ★)」

 

 皆様こんにちは……花京院 舞です。現在私たち――葵君と私は、一定の距離を保って、二人を尾行しています。

 結局、葵君のお願いを断る事が出来ず、紅葉には悪いと思いながらも、葵君の助手をしております。ん? よくよく考えてみたら、今葵君と私……初めて二人でお出かけ! って考えたら少し嬉しくなったが、前を行く二人の様な甘い展開も無く、デートとは言えないか…………

 

「むむ、さすがにあの小さなカフェに入っていくのは危険過ぎるか……仕方ない。舞殿、我々もしばし……舞殿?」

「――あっ、ごめんなさい。うん、見える範囲で一時尾行中止かな?」

「そうでござるな。立ちっぱなしもなんだし、斜め向かいのバーガー屋にでも入って、出てくるのを待とうか」  

 

 そうして私たちも、別のお店へと入っていった。

 

 

 

 

 ここはとある町カフェ……今日も迷える子羊たちが癒やしを求めやってくる……

 

「いらっしゃいま――『え、マスター!?』――おやおや」

「あれ? なんでいるの? ここ仏の喫茶店じゃないよね」

「いや、一応は仏の喫茶店ですよ~ただ、気まぐれ営業の二号店ですが」

 

 仏の喫茶二号店……夜営業のみの洋食店を営む友人のお店をたまに間借りして、営業している二号店。本店と違い、市街地のど真ん中なのもあり、ちょっとした顧客創造と気まぐれでやっています。

 

「気まぐれ営業って……どうなんですか?」

「ここでファンになってくれたお客様で、本店に来てくれている方もいらっしゃいますし、少し前ですが……テレビの取材も受けましたよ~『気まぐれ営業の隠れた絶品カフェ☆』と視聴者から複数の投稿があったらしく、それなりの売上も出てますね」

 

「へぇ~」と関心する二人を見ながら、とりあえずカウンターの席に誘導する。

 

「じゃあ、今日は本店は休みなんですね」

「えぇ、そのかわりに海人君たちがバイトで喫茶店の大掃除をしてくれています。川神さんや黛さんもお手伝いに来られてましたよ」

「まゆっちが朝から気合い入ってたのはそれが理由か……」

「こちらとは違い、あちらはバチバチやってるかもですね」

「「えっ!?」」

 

 そう言いながら、いつもと違い着飾った二人を微笑ましく見つめる。

 

「さてメニューですが、私に任せて頂いてよろしいでしょうか? お二人に合ったチョイスを私から差し上げたいと思います」

「えっと……紅葉さん、良いかな?」

「はい。なんかドキドキワクワクです」

 

 さて、これから進んでいくであろう若人たちへ、ささやかなプレゼントといきましょうか。

 

 

 

 

 しばらくして一杯の紅茶と薄いピンク色のゼリーが運ばれてきた。

 

「ローズヒップティーに、丁度川神さんから試作依頼を受けていた桃のゼリーです」

「……良い香りですね」

「…………マスター……これは……」

 

 純粋にハーブの香りを楽しむガクト様……しかし、この二つに込められた思いに私は気づいてしまった。

 マスターを見ると、にこやかな笑顔で「どうぞ」と言ってきた。これはきっとマスターなりの応援なのだろう。私は素直に感謝の気持ちを込め、頂くことにした。

 

 

 

 

 紅葉さんの方はどうやら気づいた様ですね。

 ローズヒップティーは、一般的に恋愛に良いとされる紅茶の中でも、その色から赤い糸を彷彿とさせ、楽しく充実した恋愛を運んでくれると言われています。更に桃のゼリーは、『桃』は万能の食べ物。風水では恋愛運を上げるのに最強の食べ物と言われています。

 そんな二つの組み合わせで、二人の恋愛をサポート!!……なんてな。

 

 

 

 

「「ごちそうさまでした!」」

 

 そろそろ会場に向かうのに良い時間帯になってきました。お互いに席を立ち、ガクト様がお会計をしようとしたところで……

 

「今日は私からの応援も兼ねて、おごりです。お二人の未来に幸あれ」

 

 そう言われ、ようやくガクト様もマスターの微笑みの意味に気づいたのか、少し顔を赤くして、感謝の意を伝えていた。

 

「良いのですか?」

「はい。でも気になるのでしたら……改めてまたお二人でいらして下さい」

 

 そう言われて、少し私も顔が赤くなった気がした。そして私たちはカフェを出て……もし、さっきの紅茶とゼリーの意味も教えたら、ガクト様はどんな反応をしてくれるかな? などと考えながら、私たちは会場へと向かった。

 

 

 

 

「舞殿は何が良いかな? 付き合ってもらっている手前、奢らせてもらうでごさるよ」

「只今コラボキャンペーンで、カップルでお越しの方にはこちらのセットをお勧めしております!」

「カ、カップル!? 拙者と舞殿は『このセットでお願いします!!』……えぇ!?」

 

 軽く葵君の腕に寄り添って……「このセット限定ストラップが欲しくなって」と耳打ちをする。そう伝えると、葵君も納得したのか、それを注文してくれた。

 商品を受け取り、窓際の席に移動すると、葵君が二つのストラップを両方私に渡そうとしてきたので、一つを彼に押し付ける。

 

「葵君は周りから少し固いイメージを持たれてるから、こういうの着けて印象を柔らかくすると良いと思うよ」

「そうでござるか? 拙者あまりこういった物に興味は無くてな」

「まぁ、良いから良いから~」

 

 そう言って強引にストラップを着けさせる。

 

「ふふふ、おそろいだね」

 

 これくらいの役得はあっても良いよね?

 その後、お互いの岳人君への印象を話したり、雑談をして、二人がカフェを出たのを見計らって私たちも店を出て、前の二人に続いた。

 

 

 

 

「ん? あの二人は……おやおや、こちらも穏便には済まないやもしれませんね」

 

 そんな事を考えてたら、来客を知らせるベルが鳴る。

 

「いらっしゃ……チェルシーさんでしたか」

「はい。海人君に聞いたら、今日はこっちにいると聞きまして……その、またご教授頂けたらと」

「構いませんよ。まぁ、とりあえずカウンターへどうぞ。私も一休みしようとしていたところでしたので……」

 

 カウンターを勧め、先程のセットを二人分用意する。

 

「ローズヒップティーに、ビーチゼリーですか?」

「えぇ、先程とある若人二人に私からプレゼントさせて頂きました」

「まぁ! この組み合わせとなると……」「ふふふ、そういう事です」

 

 さすがは弟子二号……ちゃんと理解していますね。

 

「良いですね……マスターにはそんなお相手いないのですか?」

「さて、どうでしょうね?(いますよ。今目の前に……)」

 

 私もそろそろ決断の時でしょうか…………

 

~つ・づ・く~

 

 




アレ? ヒロインが二人いる??(笑)
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