かなしいとき〜かなしいとき〜
場が一旦落ち着いたところで、二人の生徒が海人の机に近づいてくる。
「HA HA HA 転校生はモモと燕の知り合いカ」
「三年も更に賑やかになりそうで候(うわぁ……近くで見ても爽やかなイケメンね! エレガンテ・クアットロには劣るけど……イイわ☆)」
「おっ、会長にユーミンか。なんだ、海人とお近づきになろうってやつか? 駄目だぞ! 海人は私のモノだからな!」
突然の百代の私のモノ発言にガヤガヤと賑やかだったクラス内が静寂に包まれ、皆が皆この五人の会話に聴き耳を立てる状況になってしまう。
「エッ? それって布仏殿と百代はつ、つつ、付き合っていると言うことで候?」
「海人ハ百代ノ連れ合いナノカ!?」
クラス内が驚愕といった雰囲気になる。女子はフッと湧いた恋バナに興味深々で耳を傾け、男子は妬むような視線で海人を見つめるのだった。
「いや、まだ付き合ってる訳では無いよ」
「かいとぉぉぉぉ(´・ω・`)シュン」←注、百代
「海人君は私の方が良いんだもんねっ☆」
海人が普通に否定して、百代が沈んでいると、悪乗りした燕が乗っかってくる。しかしそれは復活した百代がバッサリと切り掛かる。
「燕は最近、ウチの大和にちょこちょこちょっかい出してるみたいじゃないか……その上、海人まで持っていこうとか許さんぞ#」
「アハハ……冗談だって!」
「とりあえず殺気抑えような百代。それと二人を紹介して貰えると助かるんだが……」
海人が場を宥め、二人の方を見つめる。
「紹介ナラバ自分デシヨウ! 我ハ南條・M・虎子。ズバリ生徒会長ナノダ! 困ッタ事合ッタラ言ウトイイ!」
「私は弓道部主将で矢場弓子で候。何か困った時には私も手を貸そう」
生徒会長の南條さんに、弓道部の矢場さんか……ん? 弓道……矢場……?
「もしかして中1の時、年代別弓道全国大会で中学生の部優勝してた矢場さん?」
「むっ、某を知ってるのか?(えっ、まさかの私知られてた!?)」
「やっぱりそうだ! 当時、弓を集中して覚えてた時に一度だけ腕試しで大会に出たんだけど、その時一年生なのに優勝してた矢場弓子さんだ」
腕試しで出た弓道大会……俺はベスト16までしかいけなかったんだけど、その時優勝して、天才弓道美少女と少し話題になってたはずだ。
「あ、あの時いたの!?」
「矢場っち、口調が崩れてるよ〜」
「俺はベスト16だったけど、天才弓道美少女現るって少しニュースになってたよね!」
「……コホン。当時の事は忘れてくれるとありがたい……で候(うわぁ〜恥ずかしいよ〜まさか当時の事覚えてる人がいるなんて!?)」
まさかこんなとこで再会しようとは……一年生だけなら矢場さんに次いで二位だったから、その時の悔しさから覚えてたんだよね。
「普通に海人のベスト16もスゴイじゃないか! メインで使ってる武器でも無いのに」
「一通り武器の扱い方は燕さ……燕同様覚えさせられてたからね」
「だからって私は大会の上位入る程の鍛錬はしてないよ?」
「海人ハ色々ト起用ナノダナ!」
四人に囲まれ楽しそうに話す海人。他のクラスメートの女子はともかく、男子からはクラスの美少女四天王に囲まれる海人を羨ましく妬むように視線を見つめる目が多かった。
その中でも武闘派の集まるグループが特に海人を妬ましく見つめていた。
次回中学三年から高校三年になった海人のオーバースペックぶりが少し書けたならと思います。