「転校生の奴、ウチのクラスの綺麗どころに囲まれて羨ま……羨ましいんだな」相撲部部長
「百代さんだけでなく、俺の納豆小町まで知り合いっぽいし、あいつ何モンだよ」柔道部部長
「俺の……じゃないからな。俺らの燕たんだぞ、こら!」空手部部長
「いつも凛々しく美しい部長がテレてるだと……あんな表情僕には見せてくれないのに……」弓道部副部長
海人に対し、明らかに敵意を持って見つめる四人は、皆全国クラスの猛者たちであり、三年の中でも一目置かれているグループである。
「模擬戦を見るに実力者なのは分かるが、相撲でなら負けなんす!」
「俺だって柔道でなら負ける気はないぜ!」
「俺だっ――『言ったなお前ら……』――百代さん!?」
四人の陰口を聞いていたのか、いつの間にか百代が四人の前に立ち、ニヤリとした表情で四人を見下ろしていた。
「ゴフッゴフ!……で? 儂いきなりモモに引っ張られて来たんじゃが?」
学園長室で資料とにらめっこしていた鉄心は、いきなり現れた百代に首元を捕まれ、グラウンドへと引っ張られて来たのだった。
「決闘、審判ヨロシク!」
それだけを告げ、百代は燕達のいる応援席に飛んでいってしまったのだった。
「……とのことじゃが、決闘の立合いで良いのかのぅ?」
各部活用の格好に着替えた四人が頷く。その瞳は海人と違い熱く燃え上がりヤル気に満ちている。なぜそんなにヤル気なのかというと……
時は少し遡り
「言ったなお前ら……ならお前ら四人、各部活動で海人と決闘してみろ! もしお前達の一人でも海人に勝てたなら、私が一日冥土()になってやろう」
「「……俺が川神さんの御主人様に…………」」
「百代様がご奉仕…………」
「…………」
頷きあった四人は、海人の机に移動し、同時にワッペンを叩きつけた。そして嫌そうな表情をする海人の返事を聞かず、海人の胸からワッペンを取った百代がその上に叩きつけたのだった。
場は戻り……一人目と思われる相撲部部長が前に出ると、流石に諦めが着いたのか海人もグラウンドに即席で
作ったリングの中に入り、構えを取った。
「海人よ、今回は相撲のルールに則った試合じゃろ。両者が両こぶしを一度下ろした時点で試合開始じゃから」
「アッ……」
ハッとしたように海人が構えを解き、しゃがみこんで拳を地に下ろした…………
「ところでモモちゃん、あんな約束して大丈夫だったの?」
「海人が負けるわけ無いだろ?」
「私も普通ならそうは思うけど、今回弓道に関しては分かんないじゃないかな? 中1の時に全国ベスト16って言っても、専門でやってるって話しでもないし」
「…………アッ……弓子、あの弓道部の奴の実力は!?」
「上位入賞経験は無いが、現役で全国大会に出場するくらいの実力はあるで候」
「それだと私だったら完全弓道ルールだと負けるかなぁ〜」
「…………だ、だか海人が勝っても負けても私的には大丈夫だ!」
「どういうこと?」
「フフフ…………」
「モモヨ……凄ク悪人の顔シテルネ……」
燕の発言に一瞬困惑を見せた百代であったが、一転不敵な笑みへとそれは変わる……メイド……冥土?
冥土喫茶……そこに入ったお客様は…………