打ち切り漫画みたいだなんて言わないでっ(*_*;
まぁ、いいネタがあればまた忘れた頃にボソッと短編書くかもですが(笑)
大和君と京ちゃんがくっついてしばらくした頃。
「海人君、海人君! ビッグニュースだよ!」
スマホを手にブンブンと振りながら、燕さんが教室に入ってくる。
何事かとクラス中の視線を集めながら、俺の前の席に座ると、スマホの画面をこちらに見せてくる。
「これだよ!」
「おお? おおぉっ!」
画面に映し出されていたのは近衛紅葉さんからのメールで、まさかの交際報告だった。
「ついにガクト君告ったか!?」
「いや、もしかしたら紅葉からかもだよ」
陰ながら応援していた二人の交際報告に二人揃って笑顔になる。
「良いなぁ〜紅葉ちゃんは意中の島津君ゲットだし、最近ちょっかい掛けてた大和君は京ちゃんとくっついちゃうし……どっかの誰かさんが横槍入れたせいでね〜っ」
ジトーっとした目で燕さんに睨まれるが、それってもしかしなくても私のことですか? てか、なんでそれ知ってるの!?
「まぁ、それは今更どうでもいいとして、どっかにいじりがいのありそうな私好みの男子は居ないものか」
「葵君は?」
「ないから!……というか断っちゃったし」
「ふ〜ん。ん? んん?――って、えぇっ!?」
まさかのまさかの既に葵君振られてた事実に驚きを隠せなかった。聞くにこっちに転校する際に告白されたらしいが断ったらしい。
散った葵君へ黙祷…………
「何してるの?」
「いや…………」
燕さんにツッコまれ、目を開くと燕さんがじっとこちらを覗き込んでいたようだ。
「いっそのこと海人君、私と付き合わない?」
一瞬何を言われたのか分からなかった。えっ? 俺今告白されたの?
「海人君も何気にいじりがいあるし、何より私より強いって条件も海人君はクリアしてるし――『ちょぉぉぉっと待ったぁぁぁぁぁ!!』――ふぎゃっ!?」
席を立ち、こちらに近づいて来ていた燕さんとの間に百代が凄い勢いで割り込んでくる。
「ヒトの婚約者に手を出そうとは、いくら燕でも許さんぞ!?」
気を荒くした百代が燕さんを睨みつけているけど、待って! だから婚約者って……
「……あはは、冗談だよ〜」
そんなことを言いながら燕さんが百代に返しているが、途中、俺の横を通り過ぎる時に囁いてくる。
「モモちゃんに飽きたら私のとこ来てもオッケーだよん♡」
「つーーばーーめぇぇぇぇぇ!!#」
キレた百代と燕さんの鬼ごっこが始まった。
そんなこんなで賑やかなドタバタとした川神学園での一年は過ぎ、卒業式を迎えることになった。
「どうしてこうなった!?」
「なんだ不満があるような言い方だな?」
「当たり前だ!卒業式終わって帰ろうとしたら、いきなり父さんと鉄心さんに強制連行されて、着替えさせられて、これだ!」
現在、海人君の目の前には白無垢を着飾った百代ちゃんがいます。場所は川神院です。
「私では……嫌ですか?」
涙を浮かべ、上目遣いに海人を見る百代。
「うっ……い、いやそんな事はない!」
「その……凄く綺麗だ、百代」
「ありがとう。海人」
笑顔になった百代を見て、海人もいい加減覚悟を決めないと駄目かと思い始めたところで、部屋の扉が勢いよく開き、一子が飛び込んでくる。
「準備が出来たみたいです! お姉さま、海人義兄さま!」
「――って!? 一子ちゃん気が早いって!!」
「そんなことはありません! さぁ皆さん待たせておりますよ。行きましょう、あ・な・た♪」
「なっ!?……くっ…………」
完全にペースを握られた海人君であった(笑)
それからドッタバッタの式が始まり、皆から祝福される2人…これにてこの物語は終わりを告げる。
愛し合う2人に幸あれ☆
近衛紅葉、葵のとこは筋肉のとこか、【真剣でガクトに恋しなさい!】をご参照下さい。
オマケ
黛家
「結局、お姉ちゃんは負けて帰って来ちゃったか」
「私だって頑張ったんですよ! けどあんなのされたらどうしようもないじゃないですか!!」
ここでいうあんなのとは卒業式の海人拉致の件である。
「せっかく私は身を引いたのに、お姉ちゃんがゲットできなかったなら、やっぱり私がいくべきだったかなぁ……」
「…………はい? 沙也佳? 今なんと……?」
二人の間にあやしい空気が立ち込める……ヤメテ! まゆっちの手の中の松風がビキビキと悲鳴をあげてるからぁ!!
「…………(布仏海人……やはり斬っておくべきだったか……)」
口から修羅の息を吐き出す鬼と化した一人の父親の姿がそこにはあった…………FIN。