突然のメタモルフォーゼに驚きを隠せない竜大生一同は未知の存在を目の前にし興奮をひたすらに抑え込んでいた。
「お、おち、落ち着け…慌てるな…話が終わってからだ…」
「ああ…体内器官はどうなってるなんだろう…とりあえずレントゲンか…? いや、実際に触りたい…」
「あの鱗…尻尾…あの無駄のないフォルム…美しい…」
「あ、あの…なんかすごく怖いんですけど…?私の身体情報は後で提出しますから…」
「あ、はい…おねがいします…」
「けど、そんな太古の存在の貴女がなぜ現代に?」
「ああ、そうですね」
ご飯と有紗は咳払いを一つつき、懐からダイノコアに似た形の石を取り出しスマホのようなガジェットに挿入する。
「これはティラノイドの技術で開発された端末です。このエナジーコアを装填して起動スイッチを押せば…」
『トランスフォーム!』
スイッチを押した途端、小型の肉食恐竜のような形に変形し、テーブルに人が中に一人入れる大きさのカプセルのような機械を投影し始めた。
「この冬眠カプセルのおかげなんです。そもそも私は奴ら三皇が復活した際の抑止力のようなものなのです」
「三皇?」
「言っちまえばティラノイドの幹部三人のことだ」
「その三皇は私の時代の仮面ライダーによって封印されたのです。その名は『ジュラ』。科学者でありながら心優しい戦士でした。ジュラは地球の支配から生き物全てを守るため三皇と戦い封印にまで追い詰めます。その封印システムはこの地球が破壊されるほどのことが起きない限り解かれないはずでした…」
「けど…解かれてるよな…?」
「その封印システムは地上の恐竜達の力を借りたものなのです。それが絶滅し長い年月が経ったため現代に蘇った…ということです。」
そして、軽く深呼吸をし、何か覚悟を決めたように切り出す。
「石上白亜さん、貴方には国と提携しティラノイドと戦う力を貸していただけませんでしょうか?」
…。
白亜は迷っていた。今までなんとなくで変身し、なんとなくで戦って来たのだから。いきなり国の為世界の為に戦ってくれと言われてもあまり実感が湧かなかった。悩んでいるなか白亜は無意識にだろうか、とある病院へと足を運んだ。
「大地…来たよ…」
「おお?白亜か!久しぶりだな!」
ベットの上で両足にギプスを巻いた青年。彼の名は『中生竜己(なかしょう りゅうき)』元ボクシングジュニアチャンピョンであり、白亜の親友である。
「大学の方はどうなんだよ」
「うん、色々あってね…足の方はどうなの?」
「あ〜一応手術はうまくいったんだけどよ…立ち上がるのはもう絶望的だとよ」
「そ、そっか…」
「気にすんな!また新しいこと始めるだけだよ!」
古代は、中学生の時。交通事故に遭い両足を負傷している。何度も手術を重ね現在に至っている。
「で?ここに来たんだからさっさと話せよ」
「な、なにを?」
「とぼけんなよ、なんか悩んでんだろ?そんな辛そうな顔してんだからよ」
「え、えっと…」
白亜はティラノイドやドライバーのことをぼかしつつ今までのことを話した。
戦うこと、覚悟の事。
こんな気持ちで本当にいいのかと。
「いいんじゃね?」
「え?」
「別にそんな大層な理由なんて必要ないだろ。もっと単純でいいだろ」
「…」
「物語のヒーローてさみんな大層な理由持ってるじゃねぇか、『世界を救う!』『魔王を倒す!』『世界を敵に回してもお前を守る!』。けどさ、みんながみんな最初から覚悟してるわけじゃないじゃん?理由や覚悟なんてさ、戦ってる間につくもんなんじゃね?」
「じゃあ、なんな理由もなく戦ってもいいって言うの?」
「そうじゃねぇよ」
古代はいつも突拍子も無い自論で白亜の悩みを解決して来た。彼の言葉一つ一つがまるで彼の得意なアッパーの様に頭にガツンととくる。
「ヒーローに最初に必要なものってのはさ、多分『想い』なんだよ。『誰かを守ってあげたい』『仲良くしたい』とか…『強くなりたい』とかな?おれもボクシング始めたきっかけは親父みたいになりたいて思っただけだしな」
「…想い」
「だからさ、最初はちっさい想いでいいんだよ。そのまま続けてたらさ誰にも負けないでっかい『覚悟』になるんだよ」
想いが大きくなり覚悟になる。
その言葉を受けた時京香がティラノイドに襲われている姿が思い浮かんだ。
泣いていた
怖がっていた
俺がなにもしなかったら…京香が…泣いてしまう…。
だったら…俺は…
その時携帯が震えて確認するとそこには人外対策部からのティラノイド情報が出ていた。
「…なんか顔つき変わったな?」
「ああ、サンキューな、話付き合ってくれて」
「いつものことだろう?」
「そうだな、行ってくる」
「おう!行ってこい!」
情報の場所へと向かおうとし病院を飛び出した矢先、そこには古代教授がお持ち前のトラックの運転席で満面の笑顔を見せていた。
…。
廃工場後にてディープとティラノイドは交戦していた。鋼鉄の鱗と爪が特徴のティラノイド『メタルティラノイド』だ。
「クッソ⁈こいつ俺の銃撃が効かないのか⁈」
「どうした仮面ライダー!その程度かぁ⁈」
爪を大きく震わせディープの体を切り裂き、変身が解除してしまう。
「これで終わりだ仮面ライダーぁ⁈」
トドメを刺そうと接近したメタルを謎のバイクが吹き飛ばしたのだ。そのバイクを運転していたのは白亜だった。
「遅れました!三畳さん大丈夫ですか⁈」
「ちっ、なんで来た」
「…大層な覚悟なんて、俺にはありません。けど…ただ目の前にいる苦しんでいる人をほっとけるほど人間できてないので!」
白亜はバイクを降り、倒れている三畳に手を差し出す。
「そうかい…随分な覚悟だこった…まあ、合格かな?」
それを握り返す三畳。2人の仮面ライダーはドライバーを装着して2つのコアを装填する。
『アロサウルス!』
『トリケラトプス!』
『メガロドン!』
『エラスモサウルス!』
『『解析中…解析中…』』
『『ニューレコード!』』
「やるぞ後輩」
「行きますよ!先輩!」
白亜は思いっきり息を吸い込み、三畳は息を吐き出し肩の力を抜く。
『トン!』
『テン!』
『カン!』
「「変身!」」
『お待たせしました!鋼を砕くスーパースター!』
『お待たせしました!深淵に潜みしスナイパー!』
『アロトプス!』『メカロエラス!』
古代の力を纏った2人の戦士が悪に立ち向かうため立ち上がった瞬間だった!
「さあ、太鼓のロマンを求めようじゃないか!」
「テメェは俺が刈り尽くしてやる…」