山の奥深くにある大きなお屋敷。
ソフィーは両親と関係の深い人物、
ミーネスが住む館へしばらくの間
預かってもらうことになった。
とてもとても広い館に、
開かない扉が一つ。
扉に耳を当ててみても何も聞こえない。
するとミーネスが私を見つけるなり笑顔でこう言った。
「駄目だよソフィー。そこは私のだいじなだいじなものがある部屋だから入ってはいけないよ」
そう言ってミーネスはその部屋から私を離した。
あの部屋には一体、どんなだいじなものがあるんだろう、、、
思いついたら止まらなかったので書いてみました。
私は基本的にオリジナル作品しか投稿しないので、
原作などはありません。これからもそんなスタイルで
やっていきたいと思っているので
よろしくお願いします。
ヴァンフォーレ財閥。
私はその財閥の一人娘。
ソフィー・ライカ・ヴァンフォーレ
私は今日から、お父さんとお母さんと仲のいいミーネスのおじさんの家に住むことになった。
お父さんとお母さんは忙しいから、代わりにミーネスおじさんが私の面倒を見てくれる。
ミーネスおじさんの住むお屋敷はとっても広くて、夜になると山の奥だからちょっと怖い雰囲気になるけど、探索出来そうなところはたくさんある。
「ソフィー、こんな山奥まで来てお腹が空いただろう?食事を用意しているから、二人で食べよう」
そう言ってミーネスおじさんはゆっくりと歩き始めた。
私は周りをキョロキョロしながら、ミーネスおじさんの後ろについていった。
私の背丈よりも遥かに大きな扉の先には長いテーブルがあって、その一番奥に二人分の食事が置かれていた。
「ソフィー、ここに座って、ちゃんと服が汚れないようにテーブルナプキンを使うんだよ?」
私は言われるがまま、ナプキンを膝を覆い被せ、食事を始めた。
ローストビーフにパン、煮込み豆のスープにサラダ、私はいわゆるお嬢様だけど、このようにきちんとした食事をするのは、テーブルマナーなどばかりに集中してしまって、味を楽しむ余裕がなくなってしまう。
食事を始めてから少しして、私はこのお屋敷に来たときから気になっていたことをミーネスおじさんに聞いてみようと考えた。
「ふぇぇおひふぁん」
「こらソフィー、、、口に食べ物を入れたまま喋らない。ちゃんと口に入っているものをなくしてから喋るのがマナーだよ」
そう言われて私はハッとして、口に入っているものを飲み込んで、ミーネスおじさんに再度話しかける。
「ねぇおじさん」
「このお屋敷におじさん以外の人はいないの?」
この部屋に来るまでメイドさんらしき人も執事らしき人も見かけなかった。
それどころか私はミーネスおじさん以外の人影を見ていない。
「あぁ、今このお屋敷には私しか住んでいないんだ。昔はメイドを雇っていたんだけど、どうもいい人材に巡り会えなくてね。最後は自分で管理した方がはやいという考えで落ち着いたのさ。」
こんなに広いお屋敷を一人で管理するなんて、私のお父さんが信用するだけの人物なんだなと思った。
私は食事を済ませ、口元を拭いているミーネスおじさんに笑顔で言った。
「ごちそうさま!ねぇおじさん、私このお屋敷探険したい!いいでしょう?」
「元気なソフィーならそういうと思ったよ。私は食器を片付けているから、思う存分探険しておいで」
私はその言葉を聞きすぐに廊下に飛び出し、探険を始める。
お屋敷には扉がずらりと並んでいる。
その扉を見えるところから開けていくと、本がたくさんある部屋、暖炉がついた客室、さまざまな部屋があって、扉を開けて覗くだけでも楽しい。
ガチャッ
「ん?」
探険中に開かない扉を見つけた。
まだその扉以外にも開けていない扉がいくつかあったので、そちらも開かないのか確かめに行ったら、やっぱり開かない扉はその一つだけだった。
扉に耳を当てても何も聞こえない。
なんとか開かないかとドアノブを捻っていると、ミーネスおじさんが駆け寄ってきた。
「あぁ、ごめんねソフィー。その部屋には私のだいじなものがあるから鍵がないと入れないんだ」
そう言っておじさんは私を抱えて
「ついさっきお風呂の準備が出来たから入ってきなさい。窓際は少し深いから気をつけて入るんだよ?」
おじさんは私を抱えてその扉から離れ、浴室の前に私を置いていってしまった。
ここに来てしまったら仕方ないので
浴室に足を踏み入れる。
一人で入るにはもったいないほどの広さだった。
普段の私ならこんなに広いお風呂を独り占め出来ると思うとはしゃいで遊んでいるだろう。
しかし今はあの開かずの扉のことが気になって仕方がない。
浴槽に大人しく浸かり、おじさんの言っていただいじなものがどんなものなのかを考える。
本?ワイン?しかしそんなものを部屋に鍵をかけてまで隠す必要があるのだろうか。
それならここは大事なワインを集めている部屋だと言うはずだ。
いくら考えても仕方ない。
やっぱりあの開かずの扉を開けなければ分からない。
私はミーネスおじさんの寝ている隙をみて鍵を探し出すことにした。
お風呂から上がって食事をした部屋へ向かうと、机の上に食器と一緒に鍵が置いてあった。
さっきまでミーネスおじさんが食事していたのだろう。
机の上のスープからはまだ湯気が昇っている。
これはチャンスだと思い、予定より少し早いがミーネスおじさんが戻ってこないうちにこの鍵が開かずの扉の鍵なのかを確かめる為に、その鍵を持って扉に向かった。
扉の前に立ち、恐る恐る鍵穴に差し込むと、、、
カチン
やはりこの部屋の鍵だった。私はドキドキしながら扉を開く。すると
「ヒッ…」
声が出なくなるほど衝撃的な光景だった。
薄暗い石の床の部屋の中央に椅子に縛りつけられた女の子がうつむいている。
その女の子からは全く生きる気力が感じられず、まるで死んでいるかのようだった。
私は後退りしながら部屋を出ようとする。
ドンッ
背中に何かが当たった。
素早く振り返るとミーネスおじさんが笑顔を浮かべて立っていた。
「見てしまったね、、私のだいじなものを、、、」
私は声を震わせながらも質問する。
「鍵を机の上に置いたのはわざとなの、、、?」
「あぁそうだよ。元気いっぱいで好奇心旺盛なソフィーなら、絶対に部屋を開けるだろうと思ったからね!」
おじさんはさらに笑顔を輝かせながら言う。
「ミーネスおじさんなんか嫌い!」
そう言うとおじさんの目付きがガラリと変わった。
おじさんは私を蹴り上げ、縄で縛ろうとする。
「やだっ!放して!!」
なんとか縛られないよう必死にもがいてもおじさんの力には敵わず、頭を床に押しつけられる。
「大人しくしないと痛い目に遭うよ?まぁどのみち痛い思いはしなきゃいけないけどね」
私はそう言われてもなおもがき続けた。
そしておじさんが私に手をあげようとしたその時
グサッ
「うっ、、、」
おじさんの動きが急に止まった。
おじさんの顔を見ると頭に木の棒が刺さっていた。
私はおじさんが倒れこんでくる前にすり抜けた。
その木の棒が飛んできた先には、さっきまで椅子に縛りつけられていた女の子が立っていた。
「あ、、、あなた生きてるの?」
そう言うとその女の子はこちらを振り返る。
「失礼な人、、、せっかく助けたのに。でも私もあなたがここに来なければ助からなかったからおあいこね。さぁここから逃げましょう」
そう言ってその女の子は歩き始めたと思いきや、すぐにその場で倒れる。
「大丈夫!?」
私が駆け寄ると
「ごめんなさい。私長いあいだ歩くことが出来なかったから、、、あなたの肩を貸してくれないかしら」
私は広いお屋敷を出るまでにいろいろな話を聞いた。
彼女の名前はラフォーレ。
私よりも年上だった。
「なぜ椅子から逃れられたの?」
私が部屋に入った時には椅子に縛りつけられた状態だった。
「椅子から逃れる準備はずいぶん前からしていたのよ。ミーネスが私を拷問した時に欠けた刃物の破片が落ちているのに気がついて拷問されている最中に拾ったの。そしてロープを切った。もっと前から逃れることは出来たけど、あの部屋には鍵がかかってるし、そんな状況で縄をほどいて抵抗したらその場で殺されてしまうかもしれないでしょ?それにあの椅子に縛りつけられたまま拷問はされなかったわ。あれはただ私で遊ばないときは動かしたくなかっただけだったんでしょうね」
「あの木の棒はどこから持ってきたの?」
「持ってきたんじゃないわ、折ったのよ。あれは椅子の背中部分のパーツ。さっき言ってた破片を使って地道に削っていったのよ。かなりの日数はかかったけど、今日みたいな日の為にやっておいてよかったわ」
彼女はあの空間で三年間拷問をうけていたらしい。
そして彼女もまた、両親が信用している人物として泊まらせてもらっていたという。
「私の両親はこのお屋敷で召使として雇われていたのだけれど、私がこの部屋を見つけた時には、部屋に沢山の拷問器具が置いてある部屋だったの。ミーネスに見つかった私は監禁されてしまって、次の日にミーネスは、私の両親を殺したと言ってきたわ。そして私は抵抗する気力も失せてミーネスの玩具にされていたというわけ」
「これから行く宛はあるの?」
「ないわ。だってあそこが私の家だったんだから」
「じゃあ私の家で暮らせばいいわ!」
ラフォーレはきょとんとしている。
「ここから歩くとちょっと遠いけど、、、私を助けてくれたお礼。事情を話せばパパとママだって分かってくれるわ!」
それを聞いてラフォーレは笑顔で
「ありがとう。あなたみたいな人と一緒にいたら退屈しなさそうね」
そう言って私とラフォーレは笑いながらお屋敷をあとにした____
※抜けている表現があったので追加しました
これはここで終わる方がキリがいいかと考えているので今のところこの続きを出す予定はありません。
読んでくださりありがとうございました。