暴姫さん? オレ遊んでくるから   作:フリードg

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遅れました ごめんなさいm(__)m


原作、色々と面白くなってきましたね~。なんだか終わりっぽい気もしましたが、まだ続きそうで嬉しかったりしてます( ´艸`)


12話

 遠くから眺めている者。

 ここへきて、もったいぶったりはしない。

 言わずもがな、白猫の姫 シャルである。 

 

「う~む。まぁ、偏に浮気者って言ってもぉー。……あれくらいなら正直、いつものコトと言えばいつものコトだしねぇ。ハオの首根っこひっ捕まえて~、ってやっても サラッと躱されそうだし」

 

 双眼鏡と望遠鏡を常備し、常にストーk……じゃなく、しっかりと色々と観察を欠かせていない。観察の対象者は主に3名。《ペルシア、犬塚、ハオ》

 その3名は共に 現在は黒犬側にいる。白猫側だと簡単だし、白猫側で色々といかがわしい事をしようものなら、即刻対応を出来る。(対応しても躱されるばかりだが)

 だが、流石に黒犬側ともなれば安易に攻め入る訳にはいかないのである。

 

 それが3人共固まっているのならまだしも其々別の場所ともなれば尚更で、今 ゆっくり選んでいる場合でもない。

 

「じゃあ、やっぱり……、あの変態犬を優先、って事でぇ」

 

 その時のシャルは まるで本物の猫の様に、視線が鋭く更に光って見えた気がした。

 こうと決めた時のシャルは早い。手早く覗き道具(グッズ)を片付けると、ひょいひょいと木々を伝いながら移動をしたのだった。

 

 

 

 

 

 この時――シャルは思いもしなかった。 この選択が後々に 大変(笑)な事になるなんて……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして場面は黒犬の寮。

 

 今日も勉強頑張ったね! お疲れ様! な雰囲気は一切なく、ただただ驚きの表情をさせていた犬塚。次の瞬間には声を上げていた。所かまわず。

 

「はぁぁぁぁ!? あ、あいつに、ハオにバレたっていうのか!?」

「しぃーー、バカ、声が大きいッ!」

「わ、わりぃ……」

 

 大声を上げたのにも関わらず、バレなかったのはここは黒犬の寮の中、ではなく屋外。周囲に誰もいなかったからに尽きるだろう。とは言っても犬塚の声はその体格に見合う程デカい為、誰にも聞かれなかったのは運が良かっただけとも言えるが。

 

「ってか、んなアホな! スコット(あのアホ)も以前見抜けなかったってのに、何でだ? 一目で?? あん時 ハオとは会ってねぇし、ペルシアの勘違いとかじゃないのか?」

「……それは無いわ。あの意味深な笑みや発言を聞いて。……いつも通りのハオよ。それも特に面白がってる時のハオ。バレてない方があり得ないって思う」

「うぐっ……、なんか一気に説得力増した……」

 

 ハオが色んな意味で凄いのも最早周知の事実。

 いつも楽しそうに笑っているが、その笑みの中でも ペルシアが今回見たあの表情は……特に楽しんでる時そのものだ。

 最近で言えば、2人が知る由もないが、犬塚が石像振り回して暴れている時、似た笑顔を犬塚に向けていた。

 いつもとは違う。変化がある時、そして困難があった時も等しく笑う。苦い表情をする時もあったが、それでも大体は笑みを浮かべている。

 

 ハオ笑顔要注意警報が犬猫問わずに発令された時だってあった。

 

 犬猫問わず、血気盛んな寮生たちをまとめて相手にした時の笑顔は、正直トラウマものと言っていいかもしれない。笑顔の筈なのに……、白猫も黒犬も良く知っている黒犬の代表、藍瑠が纏っているような覇気に似た何かを感じられたから。

 

「……ヤバいじゃないか。クソっ! その、ペルシア…… 悪い。オレの、身勝手の所為で、そんな……」

 

 どよぉぉん、と一気に沈む犬塚。

 

 この恋は誰にもバレてはいけないもの。絶対に、秘密にしなければならないものなのに。

 

 浅はかな行動が全てを無にしてしまう。その危険性を犬塚は判ってなかった。バレた、と言う事実があって漸く重くのしかかってきた。 

 

 そして犬塚は自分自身を力任せに殴った。 額に一筋の血が流れる。

 

「クソっ…… シャルの時があったのに、なんで 学ばなかったんだよ、オレは!!」

 

 ごすっ、ごすっっ!  と何度も何度も殴る犬塚。それを止めるのはペルシアだった。

 

「ぺる、しあ……?」

「止めなさい。悲観するのはまだ早すぎるし、……何よりもあなただけのせいじゃないもの。私だって、責任……あるんだから、自分ばかり責めないで」

 

 犬塚が渡した東和民変装グッズ(犬塚の中等部の頃の制服+ウィッグ)をちゃんと几帳面に畳んで仕舞った。

 

「バレた事は私にも責任がある。……最終的に私自身が判断して、黒犬(こっち)に来たんだから。……私だって、私だって……」

 

 ペルシアは、顔を仄かに赤くさせて、少しだけ俯かせた。

 

「寂しくない訳じゃなかったから……。会いたいって想う気持ち、犬塚にだって、負けてない……」

「ッ……」

 

 ペルシアの気持ちを聞いて、嬉しかった半面、やはり 自分が誘ったのだから、来てほしいと言い出したのは自分だからと、ペルシアに言おうとした時だ。

 

「相手がハオだったのが良かった。……ハオが皆に言いふらしたりするとわたしは思えないから。 確かにハオは、不正は絶対に見過ごしたりしない。今日の勉強会でもそれは再確認したし。義務だってしっかり果たしてる。白猫の寮でも同じだった。……でも、こういう事(・・・・・)には、きっと……」

「………そう、かな。いや、確かに……そうかも、な」

 

 犬塚も身に染みてる事は多い。

 石像抱えて色々とぶっ壊した時、容赦なく罰を与えられた。でも、それは100%自分が悪い。確かにあの時はペルシアに渡す予定だったプレゼントを壊してしまって我を失ってしまったが、それでも石像やその他もろもろには罪はない。壊して良い筈がない。

 

 でも――誰かを好きになる事が悪い事なのか? 絶対にそうは思えない。

 

「ハオだったら、『乗り越えてみせろよー! それに色々変わるトコ、楽しみに見てるぜ!』くらい言いそうだ。……オレ、一回話してみるよ」

「ええ。……私も話す機会は多いから、打ち明けてみる(シャルちゃんにも伝わってるのかな……?)」

 

 ペルシアと犬塚はそっと拳を合わせた。

 困難があれば、笑って乗り越えてやる。そんな男の姿を、幼少期より見てきたのだから、それに倣え、と互いに言い聞かせ合いながら。

 

 決意を新たにした所で、サプライズタイム。

 

 

『犬塚~~~』

 

 

 聞き覚えのある声が聞こえてきたからだ。

 瞬間的に、ペルシアは白猫にも通じているマンホールの中へと退避。幸い夜だったから辺りは暗く、更に犬塚の影になっていて見られずに済んだ様だ。

 

「うおっっ!? は、はすき!?」

「おう! って、何で驚いているんだ??」

「べ、別に……(ギリギリセーフだったな……)」

 

 蓮季は何かに気付いた様子もなく、安堵する犬塚。

 

 

 犬塚にとって色々と大変だったのは この後だ。

 

 

 蓮季は 犬塚がどこかいつもとは違う。おかしい行動を何度もしている、と言う事も有り、色々と犬塚の事を心配していた、と告げた。

 

 

「蓮季は、犬塚の味方だから。いつだって味方だからな! 何かあったらいつでも言ってくれな」

 

 

 何処か寂しそうな表情を見せる蓮季。

 その言葉に、犬塚は小さく『オゥ……』と返事をする以外無かった。

 

 黒犬の中でも特に仲が良い蓮季。大切な友達だと思っている。そんな蓮季だからこそ、犬塚は打ち明ける事が出来なかった。

 

 そして、大変だったパート2がこれから開幕。

 

 色々あり過ぎた。ハオの事、蓮季の事、感傷に浸っていたからか、いつの間にか、背後に忍び寄る猫に、闇夜の中、駆け抜ける白い影に気付けなかった。

 そっと背後から伸ばされた手は、犬塚の両頬を摘まみ、びょーんと左右に引っ張られた。

 

「なぁ~に浸ってるのかしらぁ……?」

ヒャル(シャル)!? どうしへほほに(どうしてここに)!?」

 

 背後に現れたのは、怒りに満ちた表情を浮かべてるシャル。

 引っ張られる頬も兎に角痛い。力がメチャ入ってるのが判る。頬は直ぐに解放されたが、すかさず、ヘッドロックの体勢になった。

 

「キミぃ~~~~ 恋人に男装させて、黒犬の巣に連れ込むとか、 ど~~んな趣味してるのかニャ……? この変態犬!!」

「う、うぐぐ、く、くるしっ……! ち、ちが…… わないか……」

「今度こんなことしたら、校舎の屋上からヒモなしバンジーしてもらうわ!」

「わ、悪かった……。本当に、軽率……だった」

「んん?」

 

 シャルはいつも以上に沈んでる犬塚に、何処か違和感を覚えていた。蓮季との事はさっき見てたから判る。バラさない様に、秘密にしておく事に色々と抵抗があるのだろうと言う事も想像できる。だが、それ以上に何かあったのだと直感した。

 

「キミぃ…… ペルちゃんとの事、バレちゃった~~~とか言わないわよねぇ………」

「うぐっ、するどっ!」

「……って、マジなの? ほんと、何考えてるのよ!」

 

 正直、ただのカマかけに過ぎなかった。根拠なんて殆ど無かった。いつもふてぶてしい犬塚の声色が少しだけいつも以上に沈んでたと思っただけだ。蓮季の事だけだと思っていたのに、その他にもあったとなれば、シャルの怒りゲージは更に上がる。

 

「ペルちゃんに何かあったら、危険な事になる様なら、キミ絶対に許さないから……」

 

 シャルの殺気を背中でビンビンに感じる犬塚。

 シャルに言っても良いだろうか、と考えたが シャルは秘密を知る1人だ。黙るよりは打ち明けた方が良いと犬塚は判断した。……何より、シャルも無関係な相手じゃないから。

 

 

「ハオに?」

「ああ……。一目でペルシアだって判ったらしい。……黒犬の皆は勿論、スコットのヤツにもバレなかったのに、ハオは直ぐに……」

 

 どよぉぉん、とまた沈む犬塚。

 きょとん、とした表情を見せてたのは、先ほどまで怒りマークを全面に顔に出していたシャル。

 そして、心配が杞憂だった事に安堵した。

 

「はぁ~ そんな事」

「そんなことって、そんな小さい問題じゃないだろっ!」

「キミ~……。キミの小さな頭の中身には《自業自得》って言葉はのってないのかしらぁ……?」

「……はい。すみません……」

 

 シャルは、ハオの事。自分がもうすでに相談してる事を、言おうと思ったが、口をチャック。少しお灸が必要だと思ったからだ。

 

 がくっ、と項垂れてる犬塚に、再び背後からヘッドロック。

 

「そ・れ・に~ スコットのバカとハオを同系列で見るとか、な~に考えてるのかにゃん? このバカ犬! それもこれも、恋人を男装させて、こ~~んなトコに連れ込んだせいに決まってんでしょぉ!」

「ぐええええ!! し、しまる」

「(ほんと、ハオで良かった。命拾いしたわねぇ……)ハオだって、今は黒犬の監督生(プリフェクト)。真面目な時はすっごい真面目なんだから」

 

 そして、基本的に、ハオの事を話すときのシャルの表情は穏やかだ。犬塚を責めに責めている状況でもそれは変わらない。ヘッドロックしようが、アームロックしようが、サソリ固めをしようが……、変わらない。

 

 

 ただ、今回は珍しく犬塚だけでなく シャルにとっても大変な事が起きた。

 先に犬塚、と言う選択をした事がこれ(・・)を引き起こした。

 

 

 

 

 背後に回ってヘッドロックを決める、と言う事は見方によっては、後ろから抱きついている様にも見える。それも男女であれば猶更そう見える。

 加えて、シャルはグラマー。ナイスプロポーション。

 豊満なモノをしっかりと押し付けてる様にも見える。 

 

 

 

―――今日、背後から忍び寄るのは、何もシャルだけじゃなかった。

 

 

 

 

「―――こーんな時間に、こーんな場所で。……な~にしてんのかなぁ? シャルに犬塚。……逢引の途中だったのかぁ? ふぅぅぅん……」

 

 

 

 

 

 

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