暴姫さん? オレ遊んでくるから   作:フリードg

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遅くなってごめんなさい。それに文字数も短いです……、
……まだまだ色々と体調面が悪くて、不定期になりそうですが、頑張ります。m(__)m


13話

 

 

 白猫の生徒(シャル)黒犬の寮(ブラックドギーハウス)で会ってる所を見られた。

 普通に考えたら 超大ピンチ。更に言い訳出来ない夜と言う時間帯。普通に外出禁止な時間帯だから。

 

 なのに、犬塚は目を光らせて、ハオにつかみかからん勢いで迫った。

 

「ここであったが100年目だ! ハオ!!」

「……は?」

 

 突然の申し出? 果し合い? を向けられたハオは、流石に呆気に取られてしまった。

 色々とツッコミどころが多過ぎて、思考が一瞬停止しかける。

 

 止まってるハオを余所に、犬塚は怒涛の攻め。普通守勢に回る筈なんだけど、舌が回る回る。更に胸倉をつかみあげるという暴挙。仮とは言え監督生(プリフェクト)に。

 

「なんで判ったんだ!? いつ分かったんだ!? と言うか、本当にわかってんのか!?」

「あばばばばば!!」

 

 がくがくがく、と犬塚に揺すられるハオ。

 何か、こんなんばっかりだなー、と揺すられながら考えつつ、止まってた思考が回復。そして、相手は男の犬塚。ペルシアや蓮季に怒られるかもしれないが、何を遠慮する必要があろうか。

 

「だーーーー! 鬱陶しいわ!!」

「どわぁぁぁーー!!」

 

 必殺・隼流柔術『竜巻投げ!』    ※今(テキトーに)命名。

 

 なかなか体格、ガタイのいい犬塚が『ぬあーー!』と叫び声を上げながら くるくるくる、と回転しながら、飛んでいって、植え込みに頭からダイブした。

 

「ったく、何で見つかったヤツがあんな行動取れるんだ?」

 

 やれやれ、と頭を掻くハオ。

 さて、次の問題生徒(シャル)を取り締まるか、と意気込んで振り返ってみると……。

 

「…………………」

 

 辺りは夜。

 その夜に相応しいくらい……沈んでるシャルがいた。実に珍しい顔だ。白猫の生徒は夜の闇でも(白いから)十分見えるんだけれど、見えにく。表情も暗い。

 

 そうそう、悪い事したら これくらい落ち込まないといけないだろう。罪悪感~的なのとか、ちょっとでも反省してます感を出すのが普通だ。 つまり犬塚がおかしい。

 

「はぁぁぁぁ!! ハオぁぁっっ!! まだだ! まだ話は終わってねぇ!」

「そもそも 話は始まってもねぇっての! オラ! せーーざ!! あいるにいーつけるぞ!」

 

 

 復活してきた犬塚が更に詰め寄り、そしてまた投げ飛ばす事10回程。

 最終的に、犬塚の苦手とする人物の名を連呼する事でどうにか収まる事が出来たのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ある程度説教が終わった後。(因みにシャルにはまだ言ってない。……まだ暗いまま)

 

「はぁ、んで? さっきからあーだこーだってのは、ペルシアと犬塚の2人の事を言ってんのか?」

「そ、そうだ……。何で知ってんのかなぁ、って。……その、オレも ペルシアも……」

 

 さっきまでの勢いは何処へやら。

 そもそも、2人の関係が判らない訳ないだろう。単純に洞察力~的なのもあると思うが、それ以上にハオにはシャルがいるのだから、情報は筒抜けだろ。以前のシャル×犬塚騒動もあったのだから。

 

 兎も角、しおらしくなって、両人差し指を合わせて、ウジウジ イジイジしてる犬塚は見てて、どうにも気持ち悪い。

 

「気持ち悪っ!」

「なにが!?」

 

 どうやら、思ってた事がそのまま口に出てたらしい。でも、悪くない。

 

「さっきまで、ふんがー! オラアア! と、イイ感じで突っかかってきてた癖に、突然ウジウジしだしたら、そう思うだろ。ギャップ萌え~ とか狙ってる? んな所作、自分に似合うと思ってる? 乙女塚」

「誰が乙女塚だ!! と、兎も角……、そ、その……」

 

 また、ウジウジしだした。

 でも、ハオも 自分が両方、犬にも猫にもなれるから、と言って まるっきり判らない訳ではない。

 

 黒犬と白猫の事を考えると、更に言えばどうにも私怨が入ってそうな其々の寮の掟を見てみると、判らなく無い。

 

 敵国同士、恋人関係、更に其々のリーダーが。

 

 ううん。どう考えても火種。手榴弾のピンを外したまま無造作に持ち歩いているかの様な危険物。いつ着火し、燃え上がり、火災旋風を巻き起こし、全てを灰に染め上げる……。

 

 

「って、ナニわくわく顔なんだよっ!!」

「おっと」

 

 

 全てを楽しもうとするハオは、新しい刺激にも貪欲だ。

 生物には刺激を、新しい刺激を、それが成長する糧にだってなるだろう! 波紋がどう広がるか想像ができにくい所を見ると、更に面白そうだ。

 

 

「何考えてっか大体わかる!! でも、頼む!! 今はやめてくれっ! お、オレが、オレ達がこの学校を、この世界を変えるまで……!!」

 

 

 滅茶滅茶動揺してる犬塚だったが、最後の方の顔は良かった。

 

 怯えてた子犬の様な顔だったのが、しっかりとどっしりと決意に満ちた顔になっていた。普段の顔からは考えられない程。一瞬だけだったけど、ハオにもその顔は見覚えがあるから。

 

「学校、世界を変える、か……。やっぱ良いね! そういうの!」

 

 にっ、と笑顔になるハオ。

 その顔に光明を見る犬塚。

 

「じゃ、じゃあ! バラしたりは……」

「と言うか、最初からバラすなんて一言もいってないんだが。……そもそも、そのつもりだったら、あの勉強会の時にジュリ男君をしょっぴいてる、って思わないか? チョーちゃん達と一緒にいたんだし」

「そ、そりゃそーだ」

「おう。んでも、かつてない騒動とかメッチャ楽しそうだ、って言うのもある!」

「マジ止めて!!」

「それよか、変わってく学校を見る方が楽しそうだ」

 

 ハオは、ばしっ、と拳を犬塚の胸に当てた。

 

「結構やべー道だぞ? 方向性は違うが、変わってくようにした先輩としての忠告だ」

「結構どころじゃ……、いや、ハオにとっては、か……」

「アホ。多種多様な、それも敵対してる相手の意識変えるのだってどう考えても難題だろ。オレの場合は、楽しんでたら終わってたんだよ。……ま、色々あったが」

「やらないが、10人に聞いたら10人が同じように答えてくれそうだけどな。お前が辿った道の方が茨の道、と言うか道なき道だって」 

 

 犬塚は ほっと一息。でも忘れてならない事がある。色々と違反してるって事。胸にとどめておくにしても、しっかりとけじめは必要だろう。現行犯じゃないから、ペルシアは免除。シャルは後々。

 

「んでも、反省文提出な?」

「えええ!」

「当たり前だろ? あー、本当の反省文書かせたら、大問題になりそうだから、宿題出しとくわ。……全教科」

「鬼かよ!? 寝られなくなっちゃう!!」

「世界かえるんだろー? それ位 よゆーよゆー」

 

 

 と言う訳で、犬塚に課題を突き付けて、さっさと寮に戻るように促した。

 

 この後まだ犬塚にとっての騒動は終わらないが、全てが終わった深夜……、呻くような、すすり泣くような、男の幽霊の声? なのが寮に響いたらしい。

 

 

 

 

 

 

「さーて、シャル? どーせ、ストーキングしてたんだとは思うけど、行動には気をつけろよ?」

「……………」

 

 今は白猫の寮付近。と言うか地下、マンホールの中。

 色々と汚いイメージが湧くが、下水は嫌な臭いは一切しなくて、清潔そのものだ。だから、秘密の通路として活用しているのだろう。……そもそも、好き好んで互いの寮に侵入する輩など基本的にこの学校にはいないから、誰にも見つかる事がなさそうだ。点検業者が来る時には止めてもらいたいが。

 

 閑話休題。

 

 シャルの暗い表情は一向に治りそうになかった。

 

「ったく、反省してるのは判ってるよ。ホレ」

 

 二度三度、と頭をぽんぽん、とするハオ。

 

「……違うわよ」

「え? 反省してないのが? してないの? ……まぁする様なキャラじゃないとは思うが、するトコはした方が良いぞ」

「……違う。そうじゃない」

 

 此処でハオが向き直った。

 すると……、シャルの目に光るものが見えた。夜だというのにはっきりと。

 

「……私は、ペルちゃんの事が大好き。一番大切な友達で、親友で…… かけがえのない存在」

「……知ってる」

「それで、ハオは……」

 

 雫が流れ落ちた。

 

「異性として大好き。愛してる。……第一王女だとか、極和アルテの第二王子とか、……政略結婚だとか、身分だとか関係ない。……ハオが一番好き。大好き。もし、犬塚とペルちゃんみたいな間柄だったとしても、……ハオが、あなたが好き。大好き」

「…………」

 

 

 シャルの告白。

 別に初めての事じゃない。初めてじゃないけれど、こういう(・・・・)のはあまりない。

 

「私が悪いんだって判ってる。……でも、スコットの時だってあったし、冗談だって、判ってても、……ハオにあんな事(・・・・)、どうしても言われたくなかった……。ききたく、無かった」

「………」

 

 ここで漸くハオは気付く。

 この暴姫(タイラントプリンセス)と名高い未来の女王が、普段は決して見せない表情を見せている事に。

 

 

 ハオが登場した時に、逢引~とか色々と言ったからだろう、と。

 

 シャルは、涙をぬぐうと、俯き気味になりながら 聞いた。

 

 

 

「……ハオは、違うの?」

 

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