暴姫さん? オレ遊んでくるから   作:フリードg

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ほんと遅れてごめんなさい……m(__)m
年内に更新できてよかったです(^^)/


15話

「…………むぅ。少々、やり過ぎた……かな。でも、良いか。……少しくらいなら」

 

 ハオは、少々黄昏ていた。悶えていた、ともとれるかもしれない(疑)。

 

 勿論原因はシャルに対してである。

 

 そう、シャルに思い切って……結構思い切った事をしちゃった事だ。今まで一切なかった、とは言わない。でも、ピンからキリまである様に、額だったり 手の甲だったり……と王族の挨拶程度。シャルが頑張ったからご褒美を、と今まで強請られた事が幾度かあって、それにこたえる形でハオがしちゃってた。それも、10の歳から、である。

 

 今でもまだ子供だが、更に更に子供だというのに……、つまり、マセマセだったという訳だ。

 

 だから、今回が初めてだった。本当のキスをしたのは。

 

「多分過去最高レベルで喜んでたし、……喜ばれるのも ま、悪くないってな」

 

 それで悶えに悶えて、くねくね~とするほど初心である訳ではないのがハオだ。

 10秒ほどで顔の表情を元に戻した。きっと、シャルと一緒になったとしても、自然な対応が取れる事だろう。

 今、どんな事件が起きたとしても、面白おかしく対応。黒犬の仮監督生(プリフェクト)として迅速に行動が出来るだろう。勿論面白おかしく。

 

 

「んでも、こーんな夜遅くに問題なんてある訳がn「待てこらーーーー!!」「落ち着けぇぇぇぇぇ!!」………無いとはいえんなぁ、なんせダリアだし」

 

 

 夜の黒犬の家で大騒動が発生した。

 声の主から考えて、蓮季、そして犬塚。

 

「はいOK、わかった。何が起きたのか分かった」

 

 0.5秒で現状を理解した。

 色々と大変だった一日だが……決してスルーする訳にはいかないだろう、それが仮監督生(プリフェクト)だ。

 

 

 ハオは、身体を起こすと行動開始。騒動の方へと向かっていくと…… 変な光景が目の前に広がってた。

 

 夜の闇を美しく照らすのは、星や月の光――――寮の廊下に佇むのは、2つの影。芸術的な絵になりそうなハダカ……。 男物だから 芸術と考えなければ吐き気が襲ってくる。そして、寮内でそんな芸術がある訳無いから、単純に気持ち悪くなってくるのは仕方ないだろう。

 

「っとと、それより寮内でも猥褻物陳列罪適用って出来るか、あいるたちに聞いとくかなぁ?」

「ま、まってくれハオ! 話せば判る!!」

「オイラ達なーーんも悪くないもーーん! って、丸く~ん! 開けてよーー!」

 

 どうやら、部屋を閉め出された様だ。

 部屋で何かをしたのだろうか、と少しだけハオは考えたが 今は兎も角 蓮季と犬塚だ。

 

「おーい。まる~。連帯責任って言われたくなきゃ、処理してくれー。後5秒な? いーち、にーー」

 

 ハオは指折りカウントすると、渋々ながら 扉を解放した。

 解放したと同時に、2人を部屋の中に、背中を押す感じで放り込む。

 

「「うげーー」」

「ぶわぁぁぁぁ!!!!!」

 

 裸の男が2人、重なって1人の男に倒れこむ。

 まさに地獄絵図っぽい状況になってるが、ハオはとりあえずそのまま扉を閉めた。

 

「これで良し」

 

 

 背後で、『よくねぇぇぇ!』って悲鳴? 慟哭?? 咆哮??? が聞こえてきたが、聞こえなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、夜の闇が包む森の中。

 4人の男女が対峙していた。

 それも中々衝撃的な光景だ。1人の女が真剣を振り、もう1人があろうことか、足でそれを受け止めている光景。其々の女たちの後ろに男と女がいる。

 

 説明すると蓮季が剣を振るって、それをシャルが止めた。蓮季の狙いはペルシアだった。蓮季がペルシアを狙うのは別に珍しい事ではない。いや、剣を振るってるのは珍しい事極まれり、だ。

 

 そう、これは珍しい事。心底蓮季が怒っている。その理由が ペルシアと犬塚の事。

 

 つまり、2人の関係が蓮季にバレてしまったのだ。

 

 

「ごめんね、ペルちゃん。私はペルちゃんの事、知ってたんだ。勿論、バカ犬の事もね」

「なんだと!? あんた、許す気なのか……? この2人の関係」

「んっん~、しょーーーじき、とぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……っても、複雑なのよねぇぇぇ。ええ、すっごく、憎たらしい程に、バカ犬を血祭にあげてやりたい程にねぇぇ」

「ひぃっ!!?」

「……十分伝わったゾ。あんたが凄く複雑だって」

 

 悶えるシャルの顔を、複雑そうにするシャルの顔を見れば誰だってわかる。

 それは色んなモノを天秤にかけてる時の顔だ。そして、凄まじい怒気だけが犬塚に伝わり、震えていた。

 

「……いくら信じてやれ、って言われたとは言ってもねぇ……、だから、わたしはこうする事にしたのよぉ」

「こうすること?」

「勿論、ペルちゃんが危険な目に遭わないように、って。友達として、それだけは看破できないから。危ない目にあうペルちゃんだけは、ね。それ位はきっと許してくれるわぁ」

「王女のあんたが誰に許しを請うっていうんだ。……って、まさか」

 

 ここで、蓮季もある事実にたどり着く。

 この裏切り行為を知っている者がまだいるんだという事。

 

「まさか……、ハオも知っている、と言うのか? ペルシアと犬塚の事……」

「ま、そういうことね。幾らハオが言っても、わたしも譲れないから。ペルちゃんが危険に合ってる所を見逃すなんて」

「ハオまで、裏切ってるなんて……」

 

 ぎりっ、と歯を食いしばる蓮季。でも、シャルも黙っていない。

 

「ちょっとぉ、待ちなさい。聞き捨てならないわねぇ。裏切りって何? ハオの事悪く言う気?」

 

 シャルも怒る。

 ペルシアの事と同じくらいに。

 

「っ……、ハオは、とくべつ、だった。でも、でも…… 黒犬でも、仲良くしてて……」

「それは白猫でもおんなじ。……ハオは特別なんのぉ。……わたしの、旦那様なんだからぁ」

「惚気なら他でやれ!!!」

「は、蓮季も落ち着いてくれ! もうそれ仕舞えって!」

「あ~~ あと、ハオはこうも言ってたわよぉ。『犬塚なら簡単に死なない』って『殺しても死なない』って。ハオが間違う訳ないしぃ……大丈夫よねぇ? だって、あれ程忠告した筈だしねぇ?」

 

 色々な怒りが集約された。1人の男に向かって。ペルシアは護る。ハオの言いつけだって護る。……この中で、ハオに言われた事を反故にしない対象はただ1人、犬塚。制裁を与えてはならない、とは言われてないから。寧ろ、もっとやってやれ、と言わんばかりだった様な気がする。

 

「増えた…… くっそっ! ペルシア、すまん!」

「きゃっ!」

「戦術的撤退だーーー!」

「ちょ、ちょっと下ろしてよ!」

 

「「待て犬塚!!!」」

 

 

 

 ペルシアをお姫様抱っこして、脱出した犬塚、そして追いかけるシャルと蓮季。

 夜の静けさ等、欠片もない。ご近所迷惑。

 

 凶器を持ち、全力ダッシュする2人の乙女の前に 樹の上から飛び降りた男が舞い降りた。

 

「別に夜の運動も悪くないって思うが、もーちょっとボリューム落とせよー。寮監にバレても知らねぇぞー」

「ああっっ、ハオっっ!!!」

「っっ、ハぉ……はぉ…… っっ~~~」

 

 

 直ぐにハオだって分かった2人。

 神出鬼没な出現なのだが、犬でも猫でもなれる男なので、慣れっこである。

 

 シャルは、さっきまで部屋で悶えていた事を思い出したのだろう。ペルシアの事、犬塚への殺意、色んな感情が渦巻いていた筈なのに、今のハオを前にすると、どうしても顔が真っ赤になってしまう。頭の中がピンク色で染まってしまうのだ。

 

 そんなシャルの頭をぽんっ、とひと撫ですると、ハオは蓮季に向き直った。

 

「ぐっ……そうだよな。ハオ。お前は今は仮とは言え、監督生だ。……夜、外に出るのは違反行為だゾ……」

「別に止めたりしねーし、罰したりとかもねーよ」

「え……?」

 

 まさかの言葉に、蓮季は驚きを隠せない。

 確かに、ハオも知っていて黙っていた事は辛かったし、裏切りだって思った。黒犬の掟も忘れたのか、って。でも、シャルの言う通り。このダリア学園で唯一無二の特別な存在がハオだ。

 

 どっちの色にもなんら遜色なく染まるから、黒犬の所にいる時は黒犬の生徒で、白猫の所にいる時は白猫の生徒で。……違和感が全くないから。

 

「思いっきりやってやれ、蓮季」

「……なんだと?」

「何年犬塚と付き合ってんだ。アイツが本気でお前から逃げるって思ってるのか? ま、今逃げてるけど。このまま逃げっぱな訳ないだろ、アイツが」

 

 ハオは、はぁ~ とため息をしたのちに、少しだけ声を大きくさせた。

 

「まっ、こーんなに言わなきゃ逃げるの止めない~ なんて、すげぇダッセーケドな~~」

「うるせっっ!! 悪かったな!!」

 

 まるで判っていたかの様だった。

 ハオは、犬塚がすぐ後ろまで戻ってきているのが判っているかの様に、挑発した。

 

 蓮季は呆気にとられた様だが、直ぐに調子を戻した。

 

「……戻ってきたという事は、処罰を受ける覚悟をしたという事か?」

 

 極めて冷静に勤める事にする蓮季。

 全く冷静になれてないのは、蓮季を少しでも知る者ならだれにでもわかるだろう。だが、誰もそこには口出しはしなかった。

 

「あぁ。確かにメチャだせぇよ。ハオに言われなきゃこねーのか、って。でも、言い訳くせぇが言わせてくれ。ハオが言わなくても、オレは戻ってきた。……変えてやるって、オレは誓ったんだ。この世界を。大切な友達1人かえれねぇで、何が世界だよ」

「……聞く耳もたないゾ。ただ、掟に則り処罰を受け入れろ、犬塚」

 

 ぐっ……と剣を上段に構える蓮季。

 

「いいぜ。全部受けてやる。もう 後退のネジは外した。……二度と下がらねぇ。思い切りこい。オレの(ここ)割れ」

 

 頭を指さす犬塚。

 それと同時に、蓮季は駆け出す。

 

「オレは、ハオみてーに凄いヤツじゃねぇ!! 今だって蓮季を傷付けちまってる! 本当にどうしようもねぇ なんにも出来ねぇ情けない男だ! でもなぁ、でもなぁ、ぜってぇ譲れねぇんだ! ペルシアのことも……、お前のことも!!」

 

 蓮季の勢いは止まらない。

 犬塚の間合いを完璧につめ、そして剣をその勢いのままに振り下ろす。

 

 

「勝手だってわかってんだ! だがな、それでもお前とはずっと、友達でいてぇって、心の底から思ってんだ!!!」

 

 

 ガッ! と鈍い音が響く。

 それは剣で斬る様な物騒な音ではない。……何故なら、蓮季が手にしてるのは、ただの模造刀(レプリカ)だから。

 

 

「………やっぱレプリカか。オレの頭の堅さはレプリカなんかじゃ割れねぇぞ」

「う、うるさい……、はすきは、はすきは、いぬづかなんか、キライだ……」

「ごめんな……、オレは、おまえのこと………」

 

 ふらっ、と身体が揺れる。幾ら犬塚とは言え 無防備の頭に強烈な一撃を受ければ仕方のない事だ。

 

 

――私の心を変えたのは犬塚じゃない!

 

――変えたいと言うのなら、道半ばで倒れるな。

 

 

 この時、意識が混濁しかけた時、犬塚の耳に2人の声が届いた気がした。

 もう一歩、足を前に出し踏ん張る。

 

「……何撃でも、うけいれて、やる。オレはたおれねぇ。ぜったいにたおれねぇ」

 

 蓮季は 柄を握る力を上げた。

 

 

――裏切者に裁きを、報いを、罰を。

 

――違う、違う違う違う違う! 蓮季はそんな事したいんじゃないっ。

 

 

 蓮季は何度も何度も自問自答を繰り返し、現実を直視できなくなってしまった。

 でも、現実は変わらない。どれだけ自分が犬塚を想ってきたのか……、それが全く伝わってなかったどころか、敵国の(ペルシア)の方へといってしまった。

 

 ずっと――一緒にいた筈なのに。

 

 蓮季は ぐっ と流れ出る涙を何とか止めようとするのと同時に、犬塚を改めてみた。

 

「あ…… ぁ………」

 

 頭から血を流している。レプリカの剣とは言えそれなりの硬度があり、そんなものを頭に思い切り振り下ろせば どんな頑丈な男でも怪我くらいする。思った以上に。多分、犬塚が迫ってくる勢いもあったんだろう。蓮季の握る手にも痛い程振動が伝わってきていたから。

 

 ふらふらになりながらも、その目の奥は、……瞳だけは死んでなかった。強い強い意思がそこに見えた。

 

 その目には、蓮季は映らない。友達として……であれば 犬塚が言う様にずっとずっと傍にいてくれるだろう。でも、蓮季が願った恋人としての未来は固く閉ざされた。

 それを断定している。そんな瞳だった。

 

 

「わあああああああああぁぁぁ!」

 

 

 蓮季は もう声を上げて泣くしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん……、こればっかりはな。好いた惚れたは各々の心の問題。……誰が悪いとか悪くないとか無い」

「……ハオも言うのね」

「当たり前だろ? オレだってどっちとも長い付き合いだ。シャルともペルシアとも、犬塚とも蓮季とも。これは 一夫多妻制にでもならん限り無理だ。いや、なっても無理か?」

「当たり前でしょぉ! 言っときますけど、側室~とか認めてないからぁ!」

「一言もいってないっての。と言うか空気よめ」

「何が空気……嫁!?」

「違う違う。……あー、犬塚の方も多分大丈夫か」

 

 シャルとハオが色々と言い合ってる間に、泣きじゃくってた筈なのにいつの間にか蓮季は犬塚を罵ってた。『あんぽんたん』や『格好つけ』、更に『ムッツリスケベ!!』と。

 時間は掛かるかもしれないが、今日だけで終わる程……そんな薄っぺらい関係じゃない事を祈るしかない。勿論、ハオ自身も覚悟の上だ。ペルシアと犬塚の関係を知った日から、こういう事があり得るとずっと思っていた事だから。

 

「シャルちゃん……。ごめんね、わたし ずっと黙ってて……。シャルちゃん、私から言って欲しかったんだよね?」

「……良いのよ、ペルちゃん。ただ、さっきも言ったよーに、ペルちゃん泣かせるような真似したら、犬塚の顎骨引っこ抜くつもりだから。……ペルちゃん 私の心配はしないで。その、本当は止める方がいいって思ってるんだけど、ハオの事もあるし、可能性は0じゃないって思う。だからね、ペルちゃん」

 

 シャルは、ペルシアの顔を見てほほ笑んだ。

 

「がんばってね」

「っ…… うんっ」

「行く手は茨の道、ってな感じだ。ペルシアがオレに勝つのが先か、ろみおが変えるのが先か……、それ位難しいぜ?」

「っ……、どっちも超えて見せるわよ。だって、1人じゃないから」

 

 ペルシアは、犬塚と蓮季の方を見た。

 正直――蓮季には思う所が無い訳ではない。あれだけ犬塚、犬塚、とくっついていたら、嫌でもわかると言うものだから。でも、だからと言って譲れる訳がない。犬塚の事が好きなのは、自分自身も同じなのだから。蓮季にだって負けるつもりは無いのだから。

 

 

 

 その後――泣きじゃくる蓮季を何とか黒犬へと連れ帰った。あれだけ騒いでて 3バカ以外にバレてなかったのは本当に幸運と言えるだろう。犬塚はと言うと 蓮季を部屋まで連れ帰った後に、とうとう最後の気力を使い果たしたのだろうか、前のめりにぶっ倒れたので、しょうがなく ハオが介抱。

 

 仮監督生(プリフェクト)の仕事は過酷。でもそれが良い――というのがハオである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして翌朝。

 

 

 

 

 

 

 

 皆がすっかり起床しているのだが、犬塚だけは遅れていた。怪我の所為か……、或いは蓮季の事か、判らない。だが、判るのは蓮季は誰にもバラしていない、と言う事実だ。

 もしも、バレていたのなら、こんな静かな訳ない。

 朝から過去最強クラスの盛大なパーティが開催されてしまうだろうから。

 

 一先ず大丈夫、と言う訳でハオがやって来た。

 

「おーい、犬塚~ とっとと起きろ~ 点呼だ点呼」

『うぅ~む……今日から……顔し……えば……』

「昨日の啖呵はどこ行った? 良いから起きろーー」

 

 数度ノックするけど、犬塚はなかなか出てこない。昨日は男気がそれなりにあふれ出てたというのに、女々塚になってしまっている様だ。

 

 もう一度強めに扉を叩こうとしたその時だ。

 

「コラぁぁぁぁ!! 遅刻するなーー!!! さっさと起きてこい!!! 5秒だ!!」

『ふわぁぁっ!? は、はいぃ!!』

 

 拡声器最大音量で、犬塚の部屋の前で叫ぶのは蓮季だ。

 

 犬塚は5秒とかからず、部屋から出てきた。

 

「おう。おはよ~ もうおそよ~ だぞ。サボるな」

「す、すまん、ハオ。昨日は……。それと蓮季……」

「…………」

 

 蓮季はギロッ、と犬塚を睨みつけると表情を少しだけ緩めた。

 

「合宿はまだ終わってないんだゾ! 悠長に寝てる暇などあるか!?」

「……っ」

「なんだ そのマヌケ面は! 友達でいろ、って言ったのはそっちだろ! それにあれだけ言っといて、もう落ち込んで立ち直れない、とか言うんじゃないだろうな!」

「っ……」

「あー、因みに蓮季せんせー? 犬塚くんは 蓮季を送っていった後~ 部屋までたどり着けずぶっ倒れてましたー」

「何だと!? 『二度とたおれねぇ!』とか言っといて何てザマだ!!」

「……うぐっっ」

 

 ニッ、とハオは蓮季を見て笑った。少しだけ表情が緩んだとはいえ まだ昨日今日。そんな簡単に吹っ切れる訳も無いから、蓮季はそっぽ向くだけだった。

 

「ほら、行くゾ! 今日はハオにもビシバシやるからな! 仮監督生業務はお休みだと胡蝶先輩に聞いてるからナ!」

「OKOK。んで、犬塚はいかねーの?」

「行くに決まってるだろ? ハオにも負けねぇよ!」

「べんきょーで?? できんの~~??」

「うぐっっ…… ま、まけねーーよーー!」

「フンッ!」

 

 3人は揃って移動開始した。

 色々とあったが、収まる所に収まったのだろう。皆の絆はきっとこれからも――ー大丈夫だ。……多分。

 

 

 

 

 

「あっ! 言っておくが見逃した訳じゃないゾ! 蓮季の前でイチャついてみろ! 容赦なくブッた斬るからな!!」

「イ…… イェス マァム!!」

「二度とたおれねぇ~♬ 二度とたおれねぇ~~♪ ………ばたりっ」

「うるせぇっっ!!」

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