OPの皆可愛過ぎる……( ゚Д゚)
黒犬側の生徒に編入。
つまり白猫から黒犬になるにはそれなりに手順を踏まなければならない。
そもそも元々このダリア学園には 生徒がこうも頻繁に白猫と黒犬を行き来する様な制度は無い。教師側でもそんなの無い。
創立以来初めての事例だから 急遽拵えたルールも同然だった。
だから正直な所 ナァナァで済ませてもらっても構わなく、みんな畏まり過ぎだったから、それ位気楽に扱ってくれていい、とハオは言い続けていた。
更に言えば、自分の事を国宝見たく担ぐの止めて~、と追加でいろいろと交渉した成果があり、正直最初の頃は今の10倍は面倒くさかった手順がだいぶん楽になった。
「はぁ~ やっぱし あいるはスゲー真面目だよなー。国の兄貴を思い出す! それもまた良い………のかなぁ?」
「なーに言ってんだヨ! 確かにアーちゃんは 普段から冷静ですっごく真面目だけどサ。一部ハオも真面目な時だってあるじゃん? だって会議の時いつも『キミ誰?』って思うもん」
学園において、超ド級の真面目くんだとハオが思っているのが黒犬の代表の事。
その代表は、実を言えば……。
「あいるって、ろみおにも メチャ厳しいしさぁー」
「そりゃ、ろみお君に振り回されてるって感じもあるし。元々超が付く問題児。お兄ちゃんとしては、気苦労が絶えないからだと思うヨ」
代表の名は犬塚 藍瑠。
そう犬塚 露壬雄の兄であり 東和の名家 犬塚家の現当主なのだ。
ろみおの最大の弱点でもあるのが代表のあいる。以前、ハオがあいるの名を出した訳はここにあったりする。
「そりゃそっか。んでも ろみおの場合は完全自業自得感もあるしなー。 うん、ま、それも「また良い。……でしょ?」って、オレのセリフ取らないでー 手李亞」
「私も胡蝶姉さんと同じ。ハオ君も十分真面目」
「………うーん。オレが真面目かぁ。楽しむの優先してるから、なーんか違和感あるなぁ」
「ぷぷぷっ! 本人でもそー思うんだネ! ちょっと安心かもだヨ。私だって混乱するからネ。どっちのハオが本物っ!? ってサ」
笑い声が絶えない。暫くハオは 談笑しつつ、黒犬の風景を楽しみながら移動をしてて、ぱたっと歩を止めた。視線の先にあるのは窓。
「なー、チョウちゃん」
「ん? どーした?」
「今日って、竜巻警報とか出てた? このダリアで」
「はぁ? たつま……なんだって?」
「うーん。それ以外に表現しようがないんだけど、ほれ。2人ともアレ見て」
ハオは、ひょいっと2人を肩に担ぎ上げた。
「ひゃあっ……」
「わー! こらっ! 気軽にすんな! デリカシーに欠けてるゾ! このれでぃに対して!」
「ほらほら、オレの頭ポカポカ叩いてないで、外外。アレ見てみって」
視線誘導をさせて、外を見させてみると、2人にもはっきりと見えた様だ。
暴れてたんだけどピタリと止んだから。
「うわぁ、ナニあれ……、人が飛んでるヨ。人がゴミのよーに、ってヤツだヨ」
「し、しんじゃうんじゃ……??」
最初こそはハオに担がれて顔を少なからず赤くさせていた王姉妹だったが、今度は顔を真っ青にさせた。それも当然だろう。目の前……までとは言わないが、目の届く範囲でこんな近くに発生して、更に言えば 人が吹き飛ばされているのだから。
そして、冷静に見てみると判った事がある。竜巻は自然災害。だがあれは人災だった。
「んんー? あれ? あれは竜巻じゃなかったか。ろみおじゃん」
「ええっっ!! って、ほんとだ。……まーた暴れてるヨ」
竜巻の中心に見える影が見えた。
人間の体より遥かに大きな石像をブンブン振り回しているのだ。そのあまりにも強い遠心力の力で、竜巻が発生したように見えただけ。それはそれでどうかと思うのだが。
「よーし、仮
「んぇ?」
「んぇ、じゃないヨ。しっかり働くって約束しただろ? それとも私や手李亞が行った方が良いのか?」
手李亞は震えてる。目を見ればよく判る。『わたし絶対行きたくない!』と言っているのが。
そもそも、普通はあんな災害クラスの現象が起きてる現場に行きたい、と思う者はいないだろう。
勿論―― 一部を除けば、の話だ。
「いやいや、断らない断らない。行く行く。あんなの楽しそうじゃん! 人力竜巻機?」
「絶対楽しくないよ……。ハオ君おかしい」
「楽しい訳あるか! 真面目にやれヨ!」
「OKOK。オレ、常に真面目、今特にめっちゃ真面目だ! んじゃ、またなー 2人とも!」
と言うわけで、黒犬の仮
そして、外に出てみればよく判った。この竜巻が及ぼす周囲の影響が。
『ギャアア!』
や。
『ぎぇぇぇぇ!』
等の悲鳴が、あちらこちらから聞こえてくるから。
人間だけでなく、森で平和に暮らしてたであろう小鳥たちも、大急ぎで一斉に逃げ出していた。まさに災害である。
「フヘヘヘヘヘヘヘ! ハハハハハハハハハハ!! 終わりだ終わり!! 何もかも!! アアーーーーヒャッヒャッヒャッヒャッヒャ!!」
その中心には、ハオが言った通り、こちょうが見た通り、ろみおがいた。
自分の体よりも遥かに大きな石像をジャイアントスイング。泣いてるのか笑ってるのか……、涙を流しながら笑ってる姿はナカナカきつい。
「あんなものを軽々ブン回すなんて………」
「見ろあの顔、笑ってるぜ……」
「悪魔だ……やっぱり、あいつは、恐ろしい……」
白猫、黒犬問わず倒れているから、完全に見境なく暴走しているのが判る。
「おんもしろそーーだ!」
そんな屍の山の傍で目をキラキラさせているのはハオ。
「何処が、おもしろ…… って、ハオ……?」
「おう! もうちょいしたら、保険係が来るから、ちょっと寝といて」
嬉々と
「ウヒャヒャヒャヒャヒャ!! ゼンブゼンブ無くなっちまえぇぇぇぇ!」
ブンブンと振り回す ろみおの前に現れるハオ。
「って、コラコラコラ、
バチンっ! と甲高い音を響かせ、その後、多少の余波はあったものの竜巻は完全に消失した。
「フヘハハハハハ! ぬが! 止まっちまった!! うごけ、うごけぇぇぇぇ!!」
「コラ暴れるなー。オレにかかってくるのはOKだけど 周りを壊すな!」
「グヒャヒャヒャヒャ!!」
「……駄目だコリャ。んん、しゃーない」
ハオは何処からともなく拡声器を取り出した。
「『あいるーーー!! ろみおが大暴れしてるヨー.こりゃ折檻が必要じゃないかーーー? お兄ちゃん弟くんを叱ってあげてーー!』」
「アハハハハ―――っっっ!?」
兄の名を出せば細胞レベルで反応する ろみお。
あまり好ましいとは言えない手段だが、周りが大変だから手段は問わない事にした様だ。
ろみおは、ピタっと止まった後周囲をキョロキョロと見回していた。周りの景色がしっかりと見えるようになってる様で、兄を必死に探してる様子。
「って、あれ? 兄貴は…… ハオ??」
「よーやく気付いたか。ほれ、オレの腕みてみ」
「ん、腕……? ってそれって!」
正気に戻ったろみおだったが、黒犬の制服、そして
「おう! 今日からこっち側だからヨロシクな! と言うわけで、ろみお君。早速 罰を与えるから、楽しみにしろよーー」
「何笑顔で楽しそうに言ってんだ! いやじゃーー! それに今オレは何もかも終わってんだーー!」
「(終わった?)よく判らんけど、ひょっとして逃げるつもりか~? 犬塚ろみお君ともあろう人が? 君って黒犬のリーダーじゃなかったっけ? 逃げるの~~??」
「うぐっ……! だ、誰が逃げるか! よーし判った! ただでやられてたまるか! 今日こそお前に勝つ!」
「おっしゃ! 久しぶりに ろみおと しょーぶだな。オレに勝ったら 一先ずオレからの罰は無しでOKだぞ。さてさて、白猫と黒犬のリーダー、どっちの方が強くなってるか、このハオさんが見極めてしんぜようっ!」
「!(ハオのヤツ、ペルシアと………、う、羨ましい!! 手取り足取り……あーんなことや、こーんな……) う、うぎぎぎ……」
「んん? なんで血涙流してる? まぁ いっか。ほい、いざ勝負!」
その後、ろみおはぽんぽん投げ飛ばされた。
強引に突っ込んでくる ろみおは 成す術もなく投げられ、懲りることを知らず飛び込みまた投げられた。
今まで何人も吹き飛ばしてた ろみおが何度も投げ飛ばされる光景は、他の生徒たち、とくに白猫の生徒たちには快感だったらしく、しばらくして歓声が上がるのだが、ハオの制服を改めてみてみると 黒犬のものだから、意気消沈した。
逆に黒犬の生徒たちから歓声が上がった。どうやら、ろみおにぶっ飛ばされたのを根に思ってるらしい。
そして ろみおは10回は投げられた後動けなくなった様子。
ハオは それを見た後 何処からともなく取り出した巻物? の様なモノに何かを書き込む。
「ほい。ろみおの負けな?」
「むぐぐぐ………… くそっ……」
「てな訳で ろみおへの罰は~」
と溜めを作った後にろみおの前で 巻物を広げて見せた。
そこに書かれていた罰。それは 『ダリア湖周辺の草むしり』
「頑張れ ろみおっ!」
「オレ1人でか!? いったい何か月かかんだよ! それ!!」
ろみおの抗議は勿論受け付けない。
さっさと掃除するように言い聞かせて、後からやってきた保険係たちと一緒に 倒れてるメンバー全員を回収して回った。
いつの間にかやってきていたペルシアも手伝ってくれた。
白猫の生徒たちをすべて任せる。
そんな 光景を木の上で眺めている者が1人。
望遠鏡を覗き込んで、そして 震えていた。
「…………ペルちゃんが 私の、大切な………。それが、あんな男に………ッッ」